貴女の隣に立つ為に   作:ウルタールの猫

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第10話

最後になったが今度は自分達のペアが出番なのでビルの前で待機。

 

ペアの相手は尻尾の子。

対戦相手はメガネの子とポワポワした子との対戦だ。

こちら側がヒーローサイド。

ヴィランサイドが核兵器を設置する間こちらは作戦タイム。

オールマイトの開始の合図が出るまでに打合せを済ませる。

 

どうやら尻尾の子名前はオシロ マシラオと言う名前らしい。

こちらも改めて自己紹介。

マシラオ君の個性は尻尾。

特に特殊な事はできない、とハーフな子の後だから気が引けてしまっているようだ。

気にすることではないし、いないヒトの力の事は今は関係ない。

自分達に出来ること、知っている情報を用いて作戦を立てて、最大限のパフォーマンスで作戦を実行する。

勝てる作戦であれば勝てるし、相手の隠し玉や作戦次第では負ける。

気にせず出来ることをやろう!と伝えると少し驚いた顔をしている。

何か意外だったのかな?

 

そんな事はさておき情報収集能力に乏しい僕らにできることは哨戒&制圧を地道にこなし、接敵した敵を叩き潰すことだけ。

 

物理的叩き潰すと不味いので僕はなるべく直接攻撃を避けるけど。

 

透明の子みたいに隠れることに特化した相手ではないのでやり過ごされることを気にする必要はなさそうだ。

 

相手の情報はメガネの子は脹脛のエンジン。

ポワポワの子は物を浮かせる。

 

メガネの子は恐らくは機動力を活かしたヒット&アウェイ、もしくはエンジンの馬力を活かしたハードキッカー。

ポワポワの子は筋肉の付き方からそこまで鍛えられていないことが推測されるので、サブアタッカー的な立ち回りで対戦相手を無重力化か。

 

浮かせられた場合、僕は触腕を伸び縮みすることで移動や戦闘行動に支障はないが、マシラオ君は以降戦闘に参加出来なくなる可能性が高い。

 

長座体前屈で僕の触腕が伸び縮みすることは相手も知っているだろうから、それで不意を付くのは難しそうだ。

 

フォーメーションは無難にマシラオ君が前衛で僕が後衛。

マシラオ君が格闘戦闘を仕掛けて僕が触腕による牽制及び攻撃という運びだ。

触腕による牽制でメガネの子のヒット&アウェイやポワポワの子を牽制、マシラオ君は正面から核兵器へアタックを仕掛ける。

途中ヴィランチームの単独妨害等、各個撃破のチャンスは逃さずに二人で仕留めていきたい。

その旨を説明したところ力強く承諾してくれた。

 

作戦も立て終わったところで、ミッションスタートである。

 

一階から順に一部屋ずつ確認していく。

恐らくは上階に設置しているのだろうが、挟撃の為に隠れている可能性も否めない。

 

障害物のある部屋は触腕で凪ぎ払う。

結構な物音が出るので相手にはこちらのだいたいの位置がバレている可能性が高い。

僕が部屋を一掃している間、マシラオ君に廊下を見張ってもらう。

 

順々に家捜しをしていき三階部分でメガネの子の急襲を受ける。

 

見張っていたマシラオ君のおかげで完全な不意討ちは避けれた。

予想通りメガネの子は近距離戦闘を得意にしているようだ。

エンジンを活用した緩急があり、見切りにくい。

しかし、マシラオ君も武道が得意と豪語するだけの事はある。

マシラオ君の間合い外からの急襲には僕が触腕で牽制。

 

触腕は牽制しかしないと油断したところでメガネの子の背後の壁に触腕を突き刺し、壁を起点に収縮を行い擬似的に高速機動擬きを行う。

突然背後へ回り込んだ僕に気を取られたメガネの子はマシラオ君のローリングソバットに対応できずまともに受けてしまう。

すかさず触腕で巻き取り身動きを封じ、捕縛テープを巻き付ける。

 

これで残るはポワポワの子の確保か核兵器をタッチするのみ。

 

その後も哨戒を続ける。

その後、然程離れていない部屋にポワポワの子と核兵器を発見。

 

触腕による先制攻撃を仕掛ける。

あくまでも様子見。

ポワポワの子の出方を伺う為の一手。

存外に良い反応。

 

それにあわせてマシラオ君も前へ進む。

同時に僕も進むと指先を合わせる動作。

なんだ?と疑問に思った矢先、頭上から降り注ぐ瓦礫の雨。

 

反射的に全ての触腕を肥大化、頭上を一掃する。

僕の頭に当たったところで問題はないがマシラオ君の場合はそうはいかない。

ポワポワの子は外見に似合わず割りとえげつない手を使ってくる。

 

なんとか事なきを得たが、その意識の隙を衝かれてマシラオ君が宙に浮かされている。

 

確保テープを巻かれる前に触腕で巻き取り、室外へ待避させる。

確保テープが巻かれたなら敗北へ一歩近づく。

相手も勢い付くし、こちらの余裕もなくなる。

こうすれば相手の個性に負担を強いれるし、向こうの判断ミスが増えるかもしれない。

 

 

複数本の触腕で牽制、誘導を行いジリジリと核兵器の方向へ道をあけ、にじり寄る。

焦れたポワポワの子がこちらへ突撃を敢行する。

触腕を全て引っ込めて全力でポワポワの子の背後に脚力でもって回り込む。

 

不意を衝いたつもりでもやっぱり反応が良い。

ルートを変えて核兵器へ。

 

ポワポワの子とやり合えば、慎重に部屋を見て回った弊害、時間切れで負けてしまう可能性が高い。

身構えていたポワポワの子に焦りの表情。

向こうの作戦は遅延戦術と仮定。

やっぱり核兵器狙いで正解だろう。

勢いの乗ったまま跳躍。

 

触腕を肥大化させ進行方向の窓を叩き割る。

続けて羽も肥大化させて滑空。

核兵器を掴み持ち上げ窓から脱出。

隣のビルの窓ガラスも割る。

羽を全筋力を総動員して機動を修正する。

 

もし、実際に行われた作戦であれば、応援に来たヒーローにヴィラン掃討を託し、僕はこのまま離脱するのが定石だと感じたからだ。

 

放送で僕らの勝利が告げられる。

僕らの勝利だ。

やったよ、マシラオ君!


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