艦これ-Grand Order-   作:炭酸飲料

22 / 27
母がハワイアンズに言って来ました。
お土産はありませんでした。

どうでもいいけどワイキキと脇イキって同じ音使ってるよね。
ほんとどうでもいいね。


✳︎今回はFGOのネタバレを含みます人理修復してない方はご注意を


めちゃくちゃ気持ちよく眠ってるだけだから。

響は医務室にあるベッドの上で身体を起こした。

戦艦の砲撃を受けた傷はすでに癒え、身体機能に問題はない。

ただ秘書艦から隣のベッドで眠ったままの暁を見ているように言われ、自身の精密検査の結果を待つ間に休むように言われている。

 

「おーい俺だ。

起きてるかな?」

「司令官かい? 入って貰って構わないよ」

 

許可を得て入室したのは司令官の男であった。

先程まで作業があったのか、少し疲れたような雰囲気をまとっている。

 

「響さん、調子はどうかな?」

「悪くないとも、簡易検査では私も暁も異常は無かったらしいよ。

それよりも、少々穏やかな様子ではないみたいだけど?」

「ああ、これはなんというか」

 

そう、バツが悪そうに視線を送る先にいるのは2人の艦娘だ。

待機艦娘、戦艦の武蔵と同じく長門。

2人とも「ちょっと付いてきた」とは思えない気配だ。

 

「ほら、今回の作戦で暁ちゃんに無理させちゃっただろ? それで怒った人たちがいて、今は執行猶予中なんだ」

「何故そんな事になっているのか、聞いてもいいかい?」

「もともとそのつもりで来たからね、構わないとも」

 

手頃な椅子に腰をかけた司令官は右手の手袋を外すとその甲を見えるように差し出した。

細かな傷のあるそこには赤い刺青が彫られていた、3つのパーツから成る盾の様な図形が描かれている。

 

「司令官がタトゥーを入れていたとはね」

「ん、見た目はそうなんだけどこれはそういうものじゃないんだ。

令呪と言って、君たち艦娘に対する鎖の様なものだ」

 

令呪、という言葉には聞き覚えがある。

異常な戦艦ル級に暁が立ち向かう際に司令官が口にしたものだ。

その直後、暁の挙動が一変したのを朧げながら覚えている。

 

「鎖というのはどう言う意味だい」

「そのまんま、繋ぎ止めておく為のものさ。

俺は令呪を消費して君たちに対して『絶対的な命令権』を行使出来る」

「絶対的な、命令権」

 

ヒラヒラと手を振る彼の言葉は信じ難いが、後ろに控える戦艦(ゴリラ)たちの表情は至って真面目だ。

 

「いくつか質問したい事があるけど、構わないかな?」

「どうぞ?」

「今は3つの模様がある様だけれど、それはすでに1つ使ってある状態なのか?」

「いや、これは日付が変わって元に戻っている。

1日に1つ回復するから、同じ日に最大で3回使う事が出来る」

「使うために何か条件はあるのかな」

「口に出せばそれだけで使える、普段は1つだけど重ねて使うことで強制力を強く出来るよ。

止める方法も簡単、『言わせなければいい』だけだ」

 

成る程、それで武闘派の艦娘が張り付いているわけだ。

 

「命令の内容に制限は?」

「ないよ。

それが命に関わることであれ、信念に反する事であれ行使させる事が出来る。

文字通りになんでも、ね」

「暁にはどんな命令をしたんだ」

「『必ず4人で帰還しろ』だ、君たちの通信機やビデオにも残っているから後で確認するといい」

「そうさせてもらうよ」

 

後ろに控えている2人に目線を送るが特に変わった様子はない。

おそらく彼は先程も同じ質問をされているのだろう。

 

「最後に1つだけ」

「何故暁ちゃんが目を覚まさないかに付いてだね?」

「ダー、あとは雷と電についてもどうしてるか知りたい」

「うん、妹さんたちは中破と言うこともあったし落ち着いて貰う意味もあって高速修復材は使わずに入渠して貰っている。

青葉さんに頼んで今君にした説明と同じ事を話してある、流石に入浴中に声を掛けるのはね?」

「そうだね、人の性癖にとやかく言うつもりはないけどね」

「それと暁ちゃんについても心配はない、ちょっと夢の中を覗いて見たけどめちゃくちゃ気持ちよく眠ってるだけだから。

明日の朝にはスッキリ目が覚めるだろう」

「そうかい、それが本当なら問題ないさ」

 

身体を倒して毛布を引き上げる、姉妹が無事なら自分に文句はない。

 

「もし聞き入れてもらえるなら俺から君たちに謝らせてくれ、未熟な判断で君たちを悪戯に危険な場所に送ってしまった」

「それは、司令官の落ち度ではないだろう。

私たちの方こそ司令官の初陣を勝利で飾る事が出来なくて申し訳ない」

「君たちが全員帰って来てくれた、それだけで俺は十分さ。

おやすみ響さん、ゆっくり休んでまた頼りにさせてくれ」

 

そう言って退室する司令官と戦艦たち。

しかし、

 

「おい提督よ、今聞き捨てならん事を聞いたぞ」と武蔵。

続いて長門が

 

「夢を覗いた言ったな?」

「え、うん、知り合いにそう言う体質の奴がいて、テレパシー使って教えてくれた」

「そんな超能力者みたいな奴が居てたまるか」

「だって実際居るんだし」

 

 

 

 

司令官と武蔵の言い争う声が遠ざかって行くのを聞いているとゆっくりと瞼が重くなるのを感じた、思ったより疲れが残っていたのだろうか。

 

「ホムンクルスの少女よ、今はゆっくり眠るといい。

今日は特別に姉妹たちの夢を繋いであげるから」

 

最後になんか無茶苦茶ロクデナシなイメージの声が聞こえた。




マーリンシスベシフォーウ!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。