八百万ヒロイン
C:Bは全員登場
オリ主でバランス調整
これらの要素が苦手な人は意見ください、検討します。
でも基本豆腐メンタルなので優しくしてください。
大神の殺気に押し倒されてしまった八百万百であったが、次の日には覚悟を決めた顔で登校して来た。
「……おはようございます。大神さん」
「………………おはようございます。
八百万さん…………」
大神は驚かない。
かつて同じような人にあったから。
そして彼女の中にある決意を感じていた。
(周りの人たちを人質にされてる限り、警察に駆け込むのは得策とは言えませんね)
先日の公園の件が全く事件になっていないことから警察にも彼らの域がかかっていると見てもいい。
(それでもなんで、私を生かしたかはわかりませんが、これはチャンスです)
エデンには彼女は記憶を消したと報告してあり、彼女が記憶を取り戻していることを知っているのは大神だけだ。
(彼を見張って彼の組織を探る。
最終的には人殺しを推奨する彼の組織を潰して見せます)
八百万は彼が時折見せる寂しい顔はなんなのか気になっていた。
(組織を潰して彼を救う。
私には彼を救う理由も資格もない。
彼からしたら余計なお節介かもしれませんがそれこそが私達ヒーローの本懐だから……)
八百万一人の力ではどうにも出来ないことは最初からわかっている。
警察にもヒーローにも相談できないならやれることは1つだ。
(彼を改心させて人殺しを止める……
それしかありませんね。)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
場所は変わって校長室。
ちょうどその頃、珍客が来ていてそこには奇妙な空間が広がっていた。
「いやいや、お久しぶりですね根津校長。」
「校長なんてつけなくていいですよ。
渋谷会長。」
喋る小動物と猫の着ぐるみを着た変人が悠長に話していた。
「あなたの頼みで入学させた彼は
「流石は智い…その通りです。」
「もしや、今年から担任にした『オールマイト』関係で?…」
オールマイトもとい、『ワン・フォー・オール』と『オール・フォー・ワン』の関係だ。
「…………はい、ですが」
「わかっています。
本人には伏せてあります。
それに『存在しない者』が存在すると言う事実はまだ世界には早いのは理解しています。」
昔からC:Bは歴史の陰に隠れてきた。
それは世界を混乱させないためであることを校長は理解していた。
「…………いえ、エデンではもう直ぐなくそうと言う考えがあります。
だからこそ平和の象徴に悪の象徴を今度こそ倒してもらいたいのです。
次なる継承者に…………」
存在しない者が存在しない世界。
それは真の平和を意味する。
「だからこそ平和の象徴には悪の象徴を倒してもらいたい。」
本人たちの知らないところで話は進んでいた。
真の平和を目指し。
※※※※※※※※※※※※※※※※※
八百万は大神についてくる形で監視を続けていると大神に話しかけてくる人達がいた。
「おっす大神!」
「よっ!大神」
「ちっす、大神!」
彼らは同じクラスの学生だ。
金髪チャラ男にツンツン赤髪に地味のっぽ。
「おはようございます。
稲妻くん、金剛くん、糊くん」
「上鳴、切島、瀬呂な……個性で覚えられてるんだろうけどな……」
この時代は何故か個性が名前に反映されてる。
名は体を表すとはよく言ったものだ。
「つーか、人見知りキャラかよww
まぁ、いいぜ。これからゆっくり覚えて行けばよ!」
フレンドリーかつ軽いノリの奴が固まってるみたいだ。
三人は先に教室に向かった
そんなやりとりを見ていた八百万が注意した。
「ご学友の名前くらい覚えたらどうですの?」
「どうでもいいですよ……
仲良くなろうと無かろうと……
どうせ、大神の名も偽名。
場所が変われば名も変える。
任務が終われば『存在しない者』に戻るだけなんですから……」
どうやら、彼なりの人の拒絶法のようだ。
※※※※※※※※※※
二人が登校する様を学校の屋上で眺める一人の青年がいた。
「……アレが噂の
のエースさんですかどれだけの実力か見せてもらいますよ……先輩。」
教室で重箱の弁当を食べていたクラスメイト。
黒く長い髪を後ろで結ぶ彼は大神を見定めるような目つきであった。
※※※※※※※※※※※※※※※※
「私がぁ〜
普通にドアから来たぁぁ!!!」
今日は初のヒーロー基礎学の授業の日。
皆は興味津々であるが、C:Bである彼には興味はなさそうだ。
「君たちにはコスチュームが届いているよ。」
入学試験合格者にはそれぞれ要望通りのヒーローコスチュームが作られる。
個性の長所を伸ばし、短所を補う仕様だ。
(俺の異能は装備で補える者じゃないしな……)
大神の異能はC:B4の様に水銀を使って戦術の幅を効かせる様な器用な真似はできない。
「大神君のも届いているよ!さぁ、持って行った!持って行った!」
オールマイトの声に驚く大神。
大神は仕方なく服の入ったケースを開けるとそこに手紙が入っていた。
『大神君が着るコスチュームと言ったらコレしかないでしょう。
学園生活を楽しんでください。レッツ!エンジョイ!』
(平家ぇ!!)
中に入っていたのは昔、学生として潜入していた時文化祭で着た服。
明治の洋服であった。
「おぉ!大神のコスチュームもかっこいいじゃねぇか!
昔の人の服か?」
「明治時代の服装ですわね。」
と切島と八百万が感想を言った。
同じヒーロー科の名門の士傑高校の制服(コスチューム?)も昔の軍服だからそこまで異質でもないのかもしれない。
仕方なくコスチュームを着終わるとケースの一番下からこれもまた珍しいものが現れた。
(
それは《捜シ者》打倒の為に訓練し、使ったにゃん丸印の刀であった。
(ロスト対策か?)
異能者は力を使いすぎると体に異変が起きて更に24時間異能が使えなくなるロストと呼ばれる生命維持モードに入る。
異変内容は人それぞれである、例えば大神のロストは体が透けるというものだ。
《大神君のことですからロストする様なヘマはしないでしょうが一応対抗策に刀を入れて起きました。》
(成る程な、…………
ん?このボタンはなんだ?)
大神は服の中に変なボタンがあることに気がつく。
「ムグッ!!」
突如包帯が顔や手に巻きついて巻きついて大神の素肌が見えない様になった。
「ガハハハッ!なんだよそれwww
ミイラ男爵!?」
「………………」
なんの冗談かと思った瀬呂が笑う。
(これもロスト対策か……)
ロスト対策だけではなく、耐熱、耐電、耐圧にも優れる特殊素材で、見た目よりハイテクだ。
(まるで珍種対策だな……
…………まさかな…………)
平家のアプローチが普段より凝っている。
大神も思うところがある様だ。
※※※※※※※※※※※※※※※
今回の授業はいわゆる模擬戦だ。
2人1チームを組み、
悪は爆弾を守り、正義はそれを奪還する筋書きだ。
大神はくじを引くとKのマークがつけられていた。
(Kチームか……)
相方は誰かと見渡すと欠伸をして眠たそうにするクラスメイト。
こちらに気がついたのか手を振っている。
昨日、重箱のお弁当を早弁していた生徒だ。
渋谷透魔、確かそんな名前であった。
第一戦は継承者・無限少女チーム対真面眼鏡・爆裂頭の対決。
戦いは序盤から波乱を起こしていた。
継承者に私怨剥き出しの爆裂頭は果敢に攻めるが全てをいなされる。
継承者のその動きはまるで武術の達人であるかの様だった。
(予測か…………頭を使った戦い方をするんだな……)
味方も敵も全てぶち壊して終わりの戦いを見てきた大神は少し驚く。
(彼奴は確か情報によると重度のヒーローマニア、自分が無個性であることが反動になっているんだろうが、かなりのものらしい。
対する相手は幼馴染の天才児、彼奴にとっては一番身近なヒーロー、長所も短所も隅々まで頭の中に叩き込まれてるんだろな)
実力では天と地ほどの差がある2人でもこれだけの要因があれば戦えるわけだ。
大神がこういった戦い方ができるんだと感心していると試合は急展開を迎える。
『スマァァァァシュゥ!!!』
継承者がワンフォーオールの力でビルに大穴を開けてその隙をついて正義側が爆弾を回収して試合は終了した。
(結局自分を壊して滅茶苦茶にして終了か……
仕方ないところがあるがアレでは成長する前に体が壊れるぞ)
大神は携帯を取り出してある者と連絡を取ろうとしたところで動きが止まった。
(彼奴に連絡を?……
何を考えているんだ俺は。
俺はただの観察者なのに……)
継承者にはなんの義理も義務も無い。
大神は自分の行動がわからなくなった。
「エデンとやらに連絡を取るのですの?……」
八百万が心配する様に問いかける。
彼はこの学園には人殺しに来たわけではない。
しかし、内容を知らない八百万にはそれが不安でしょうがない。
「いえ、古い友人に連絡を取るだけです。
彼の腕を治す手伝いが出来ればと。」
「あの腕をですか?
リカバリーガールが入れば問題ない様な気がしますが」
リカバリーガールはこの学園の保険医だ。
個性『治癒力の活性化』をもつ学園でも古株の女性。
勿論、医者としても一流だ。
「ですが、緑谷さんの頑張りを見てそう思ったのなら良い兆候です。」
「あなたは僕の何なんですか……」
今の八百万には大神は人に対して興味も思いやりも無いただの人殺しに見えている。
彼を改心することを彼女は考えているが大神の意識はそこには無い。
その後も次々と試合が繰り広げられる。
能力測定の時も思ったが、最近の子供はレベルが高い。
昔であれば直ぐにでもC:Bとして働けるレベルだ。
しかし、この個性社会では子供の域を出ない。その分C:Bには他のヒーローからも隔絶した力が必要となる。
それが欠番のC:B1が中々埋まらなかった理由でもあった。
5試合目が終わり最後に残されたのはKチームの大神と渋谷。
渋谷がオールマイトに聞いた。
「僕たちだけ残ったんですが、どうするんですか?」
「そうだな、このクラスは22人だから2人余っちゃうな。
すでに訓練を終えたチームを選出するのもいいが……
そうだ、Kチームの2人がそれぞれベストパートナーを選んでKチーム同士戦いなさい。
皆の個性を見て相性の良さそうな相手を見つけるのも必要だからね。」
「わっかりましたー!
じゃあ、誰にしよっかなー?
誰か、大神くんと戦いたい人いる?ー」
好戦的で実力派の爆発頭が名乗りあげると思ったが、継承者との戦いたい、紅白頭の個性、八百万の知識と彼のプライドを削ぎ落とす行為が立て続けに起きたので意気消沈していた。
「俺が相手をする……」
名乗りをあげたのは紅白頭こと轟焦凍。
クールな彼に似合わず大神との戦いを待ち望んでいた。
「じゃあ、僕は……」
「私がパートナーを引き受けますわ」
大神のパートナーは八百万が名乗りをあげた。
(彼が力を振るえば最悪人が死にますからね。
それを止めるのも私の役割!)
大神のヒーロー基礎学が始まった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
轟焦凍は大神に対して並々ならぬ敵対心を持っていた。
彼の父親はNo.2ヒーロー『エンデヴァー』は炎を操るヒーローだ。
No.2というだけあり、炎の個性第一人者。
彼もまた、大神と同様、炎の温度を上げることで青い炎を作り出すことができ、その炎は冷酷な彼を表現している様で、彼を憎んでいる轟にとっては忌むべき存在なのだ。
(彼奴を超えるのに、同じ個性持ちに躓く訳には行かないんだよ)
※※※※※※※※※※※※
オリキャラ登場です。
正体は……まぁわかりますね。
クラスが22人だから3対3かなとか考えましたが組み合わせを考えるのが面倒だったからこうなりました。