数年前、マサラタウンから旅立った少年少女がいた。
その少年少女は、ある約束を交わしていた。
数年後。約束を交わすために新たなチャンピオンとなったホノカ。
その様子をリアルタイムで聴いていた少年。
そしてホノカは少年の待つシロガネ山へ向かわんとしていた。
「やった・・・これで、×××くんと、戦える・・・」
「待っててね、あの時の約束、果たしに行くよ」
――――――――――――――――――――――
ここは殿堂入りの間。
オーキド博士が、チャンピオンになった直後のホノカを称賛していた。
「ホノカ、よくやったな。×××に続きお前までチャンピオンになるとは、マサラタウンの人間として誇らしいぞ」
「ありがとうございますオーキド博士!でも、私は...」
「わかっておる。あやつのもとに向かうのじゃろう?居場所も調べておいた。しかし、ポケモンたちも疲れておる。今日はゆっくり休みなさい」
「はい、そうさせてもらいます。」
この日、ホノカはオーキド博士の研究所で一夜を過ごした。
―――翌日―――
ポッポのさえずりを合図にホノカは起きた。
いつもなら二度寝なんて当たり前の彼女だか、ついに少年と戦う、ということで、彼女なりに緊張しているのだろう。
「×××くん...」
一言呟き、ホノカはオーキド博士の待つダイニングへと向かった。
「さて、×××の居場所だが、こちらも大体の見当はついておるのじゃが...」
「そうなんですか?」
「ああ、彼は今、シロガネ山という、ジョウト地方一の険しい山にいるだろうと思っとる」
シロガネ山。ホノカも聞いたことがある山だ。
というより、チャンピオンを目指すトレーナーなら一度は登りたいと思う山の代表格だろう。
ホノカも、いつかは登りたいと思っていた山だ。
「シロガネ山...」
とここで、ホノカはあることに気付く。
「ってことは、博士、もしかして、シロガネ山に君臨する伝説のトレーナーって...」
「ああ、あやつじゃろうな」
「やっぱり、×××くんだったんだ...」
ホノカの顔に微笑が浮かぶ。
シロガネ山には、ある言い伝えがある。
数年前、ある組織を壊滅まで追い込み、破竹の勢いでジムリーダーを倒してチャンピオンに上りつめた、という
トレーナーが頂上で挑戦者を待ち続けている、というものだ。
しかし、トレーナーはもう何十年も前に死んだトレーナーと噂され、ここ数年は頂上に近づく者はいなかったという。
どちらにしろ、オーキド博士の許可がないと、立ち入ることすら出来ないのだが。
「もう、シロガネ山への立ち入りの許可はこちらで手配しておいた。しっかり準備を整えてから出発しなさい」
「はい。何から何まで本当にありがとうございました」
「頑張るんじゃぞ」
ホノカは、マサラタウンの自分の家や、幼なじみの家、そして少年の家を回り、挨拶をすませて、トキワシティに向かった。
シロガネ山はチャンピオンロードのジョウト地方側に位置し、トキワシティからは、チャンピオンロード前のゲートへの近道である。道具を揃えたホノカは、ついにシロガネ山への登頂を開始した。
「待っててね、×××くん...!」
次回からは本格的に登頂シーンに入ります。
平日は投稿遅れるかもです...
では、また会うときまで!