【凍結】剣製の魔法少女戦記 外伝・ツルギのVividな物語   作:炎の剣製

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更新します。


011話『みんなとの集まり』

 

昨日はシホお姉ちゃんが帰ってこなかったらしいって話を士郎パパに聞いたんだけどどうしたんだろうってキリヤ君と話していた時だった。

 

「ツルギ君にキリヤ君。お弁当食べに行こう!」

「うん、わかったよヴィヴィオちゃん」

「おう! それじゃシンの奴も呼んでくるよ」

 

そう言ってキリヤ君はシン君を呼びに行った。

それからリオちゃんにコロナちゃんとも合流していつもの六人で屋上まで向かっている時に、

 

「あ、そういえばみんな。ちょっといいかな……?」

 

ヴィヴィオちゃんがなにかを思いだしたかのようにこちらに振り向いてきた。

何か相談事かな……?

 

「どうしたのヴィヴィオ……?」

「うん。ちょっと午後になったら図書室で調べ物でもしようかなって思って……」

「調べもの……? なにを調べるの?」

「そうだね。イングヴァルドに関する書籍かな?」

「イングヴァルドって……また古いものを探そうとしてんなー」

「……なんでいきなりイングヴァルドの本を探そうって思ったの?」

 

キリヤ君が少しだけ苦手そうな表情を浮かべている。キリヤ君は例に漏れず読書とかは苦手な方だからね。

ヴィヴィオちゃんはユーノさんの子供だから無限書庫の司書の資格を持っているからそういう調べものに関しては得意な方なんだよね。僕もたまに付き合った事があるし。

 

 

 

……そういえば、士郎パパに聞いた事があるんだけど昔は無限書庫は本当に異界だったらしくて士郎パパやシホお姉ちゃんといった戦闘員も含めて罠の解除に明け暮れていたとかでその甲斐あってか今は安全な無限書庫になったっていう話だけど本当なのかな……?

 

 

 

まぁそれはともかく、シン君もそれで不思議そうにしている。

それに対してヴィヴィオちゃんは、

 

「うん。ノーヴェからメールが来てこの辺の歴史について学びたいんだって」

「そーなんだー。ね、ヴィヴィオ? なんか楽しそうだから色んな本を探しちゃおうよ!」

「いいね、リオ。それじゃ前にルーちゃんに教えてもらったおすすめの本があるんだけどそれも見つけてくるね」

 

コロナちゃんがそう言って楽しそうに笑みを浮かべる。

ちなみに『ルーちゃん』とは誰のことかというと本名は『ルーテシア・アルピーノ』って言って昔に結構深い関係だったんだけど今ではお母さんの『メガーヌ・アルピーノ』さんと『ゼスト・グランガイツ』さんと召喚獣のガリュー達のみんなで無人の次元世界である『マウクラン』で暮らしている。

時々通信で話したり、みんなで泊りにも行っているので親しい中ではあるんだけど、ルーテシアお姉ちゃんからは何故かは分からないけど少しだけ苦手意識を持たれたりしているので若干僕もへこんでいたりする。僕、昔にルーテシアお姉ちゃんになにかしたのだろうか……?

 

 

 

―――閑話休題(話は戻って)

 

 

「わかったよ。それじゃみんなで調べようか」

「「「うん!」」」

 

みんなも頷いていたので今日の方針が決まったのである。

 

「あ、それともう一つ。放課後にノーヴェが新しく知り合った格闘家の子がいるんだけど一緒に練習しないかって話が来たんだー」

「へー? どんな子なの?」

「まだ詳しくは聞いていないんだけどかなりの腕だってノーヴェが言っていたよ?」

「そっかー。楽しみだね」

「なぁ? やっぱりそいつって女なのか……?」

「うん。女の子だって聞いたよ?」

「なんだよ。せっかく格闘仲間が増えるんなら男仲間も欲しいところなんだけどな……」

「まぁまぁ。キリヤ君、いいじゃない? そのうちまた誰かを誘えばいいよ」

「そうだよキリヤ。現状は僕たちだけでも十分じゃないか? 教えてくれる人もたくさんいるんだし」

「ま、そだなー」

 

僕とシン君の言い分でキリヤ君はなんとか納得したのかもうふて腐れないでいた。

でも、やっぱり三人だけだとどうしてもスパー相手が一人余っちゃうから誰かが見ているかヴィヴィオちゃん達の誰かとやらないといけないから誰かが欲しいところだよねー。

でも、クラスで僕達以外にやっている子はいないからどうしても集まんないって感じだ。

 

 

 

 

 

 

 

それから少し調べ物をした後に、みんなでノーヴェさん達が待っているという喫茶店に向かっていたんだけどその道中で、

 

「あれ? ヴィヴィオ達だ。どうしたの?」

「ラン姉さん、どうしたの……って、ああ。みんなか」

 

そこに今もシホさん達と一緒に暮らしている『ラン・ブルックランズ』さんと『レン・ブルックランズ』さんの二人と出会った。

二人はシホお姉ちゃんの配属先である『魔術事件対策課』で仕事をしていて僕たちを鍛えてくれる人たちでもあるんだよね。

 

「ランさんにレンさん、どうしたんですか?」

「うん。昨日にシホさんが帰ってこなかったから少し心配していたんだけど、一度帰ってきて急いで仕事に向かっていったから代わりに休暇中だからちょうどいいってことでスバルさん達に呼ばれたんだよ」

「そうなんすか」

「なるほど……」

 

レンさんがそう言って温和な笑みを浮かべながら説明をしてくれる。

うん、レンさんってランさんとそんな顔が変わらないから少し僕と同じで女の子に間違えられる事もある美形なんだけどそれとは打って変わって服の上からでも分かる筋肉の付き具合で鍛えられていることが分かるから17歳となった今では高身長も相まって女性からは人気なんだよね。僕の目指す人の一人に入っている。

なんでもスバルさんの姉のギンガさんとトレディさんの二人に恋をされていて、それもあってかレンさんもいまだにどっちつかずであるから昔からゲンヤさんに睨みを効かされているとかなんとか……。だから少し苦労人気質でもあるんだ。

 

「ヴィヴィオ達もこうしてみんなで外で会うのは久しぶりねー。鍛えてるかな?」

「はい!」

「それと一人、新入りがいるね? 後で詳しく自己紹介してね?」

「あ、はい。あたしはリオっていいます。よろしくお願いします!」

「うん、あたしはラン・ブルックランズっていうの。で、あっちがあたしの弟のレン・ブルックランズ。よろしくね、リオちゃん」

「リオで構いません」

「わかったわ、リオ」

 

一方でランさんも親しみやすい笑みを浮かべながらヴィヴィオちゃん達と話している。

そういえばまだリオちゃんの事を知らなかったんだよね。

気が合うのかさっそく親し気に話しているからいい事だね。

 

「それじゃ目的も一緒みたいだし向かおうとしようか」

「「「はーい」」」

 

レンさんの言葉で喫茶店へと向かっていく。

そして到着してみるとそこにはノーヴェさん、スバルさんとティアナさん以外にもナカジマ家族が勢ぞろいしていた。

当然トレディさんもいるので早速レンさんの背後に立って袖を掴みながら、

 

「…………レンさん、会いたかったです」

「うん。トレディも元気?」

「…………はい。……………ギンガ姉がいない今、チャンス、です……」

「え? いま小さい声で何を言ったの……?」

「…………なんにも。レンさんの、鈍感……」

「えー……いきなりひどいよトレディ……」

 

レンさんが先ほどまでの頼り気なところから一変して少し昔に戻ってしまったのか少し頼りない感じの子供っぽい表情になっている。

あれがお姉さん方の嗜虐心を煽っているとは知らないんだろうなぁ……。僕も気を付けないと。

そんな光景はもう見慣れているのかノーヴェさんは僕たちに向かってこう言ってくる。

 

「いいか男子ども! あ-いうひょろっちょい奴にはなるなよ? 男なら強気に成長しろよ! 特にツルギ! お前はレンやエリオと同じタイプだから反面教師にしとけよ?」

「わ、わかりましたー!」

「ったく……これじゃいつまでたってもギンガ姉とトレディ姉が浮かばれないじゃねーの?」

 

ノーヴェさんがそう言って愚痴を零す。

そこに、

 

「ノーヴェ姉さんも落ち着いてください。大丈夫ですよ、レンさんもきっとそのうち覚悟を決めると思いますから」

「セッテ………まぁそれは分かってんだけどよー」

 

セッテさんがノーヴェさんを嗜めていた。

セッテさんって昔は非常に機械的で固い性格だったらしいんだけど、とある事情で記憶を失ってしまった以降はとてもお淑やかな性格になってしまったという。

昔は敵同士だったから本来の性格を知らないから何とも言えないけど今の性格も僕としてはいいと思うなぁ……。

と、そこでヴィヴィオちゃんがノーヴェさんに話しかけていた。

 

「それで、ノーヴェが紹介したい子っていつくるの?」

「あぁ。もうすぐ来ると思うんだけどな」

「そっかー。流派は?」

「陛下、どうぞ」

「あ、ありがとう、オットー」

 

ヴィヴィオちゃんのために椅子を引くあたり相当オットーさんって尽くしているよね。

それを気にせずに流しているヴィヴィオちゃんも相当慣れてんだろうけど……。

 

「旧ベルカ式の古流武術だな。後はお前と同じ虹彩異色だ」

「本当!?」

「そうなんだー」

 

ヴィヴィオちゃん以外にも虹彩異色の子がいたんだ。やっぱり昔の王様絡みかな……?

それでみんなでわいわい騒いでいるとそこに澄んだ声で「失礼します」という言葉が聞こえてきた。

それを聞いてみんなが振り向くとそこには中等科の制服を着ていて、碧銀の髪に、右が紫で左が青の虹彩異色の瞳の少女が立っていた。

その子の姿を見て一瞬僕は目を奪われていた。

だけどその子はすぐに、

 

「アインハルト・ストラトス、参りました」

 

アインハルトと名乗ったその子はこれ以降かなり深い付き合いになっていくんだけどこの時の僕たちにはまだ分からなかった……。

 

 

 




レンとラン、トレディ、それにほぼオリキャラと化したセッテを出しました。
そして最後にアインハルトの登場です。
果たしてツルギが感じた思いはなんなのか……?




それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。


‐追記‐

……なぁ、覚えているかい?Vividには空白時間がいっぱいあるんだよ?一巻のアインハルトとの再戦ですら一週間という空白が存在するんだよ?使わない手はないんだよ。

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