Aono Canata no For Answer 作:一織
(まずい……かなりまずい…いや、何がまずいかと言うと私が各務教諭を好いてしまったことが不味い……何故なら今の私はあくまでも1生徒で、各務教諭は担任の先生なのだ、恋することを許される筈も無い)
「どうした、ミナセ」
「ぅぇっ!?い、いや、なんでも…無いです」
「何か悩んでいることが有るならいうといい。」
(今絶賛、貴女の事で悩んでるなんて言えない!!)
ということで結局誤魔化して
「えっと…部活どうしようかと思って…」
と言ってしまった
「部活……か、お前は運動が嫌い……ではないだろうな」
「はい、でもどの部活も肌には合わなくて……」
「そうだろうな、お前程の者なら当たり前だ」
「でも空を飛ぶのは純粋に好きです。FC関係無く」
「―――お前……コーチになってみたらどうだ」
「………はい?」
―――――
私は次の日から各務教諭と徹底的にFCのルールや、歴史、マナー、技術を頭に叩き込む事になった
「良いか、ミナセお前はFCの実力だけなら恐らく私とほぼ同じ場所に居る。それを忘れるな、だが決して驕るな、あくまでも私の領域は通過点だ。お前はもっと上に行けるのだからな」
「は、はいっ!」
―――――
座学だけでなく、実践も交えての各務教諭とのレッスン
因みにだが模擬試合は死ぬ気でいかないと平然と海面に叩き落とされる……絶対私よりも各務教諭のが圧倒的に強いと思うんですけど…
何故海面に叩き落とされるのか聞いたところ
「そういう戦法をとってくるFC選手も良くいるんだ、特にラフプレーをする選手に多い、因みにだがこれは1歩間違えれば自分ごと海面に突っ込むから割と技術がいるんだ」
と説明を受けた上に、
「そしてミナセ、お前は自分のグラシュにすこし頼りすぎているな、1度市販のを買いに行くぞ」
と言い、何故かあおぞらスポーツに任意同行させられ
「これが良いな」
と、紅燕を買ってもらう始末である……各務教諭…俺にいつになったら払わせて貰えるんですか…?と聞いたところ
「無論、ミナセがコーチの資格を取れたらだ」
と返された…なんてこった!!しばらくは各務教諭にお世話になりっぱなしではないか!?
「あの……各務教諭、何故俺のグラシュを紅燕にしたんです?」
「ん…?あー……そのグラシュは型が古い割に調整すれば性能が今のと遜色無いくらいだしな、その辺の調整の仕方を覚えてもらおうと思ってな、ああ、因みにだがバランサーカットはするなよ、バランサーカットははっきり言って今はコーチが使う代物では無いからな」
「……今は?」
「気にするな、こちらの話だ、後は……」
「私と同じグラシュを履いて欲しかったんだ」
そう言う各務教諭は夕焼けに照らされ、茜色に染まって見えた