Aono Canata no For Answer 作:一織
(………うぅ、眩しい…)
(これが………本当に世界なのか…)
アナトリアの傭兵は目を開けて驚愕する。そこは荒廃した地上ではなく、文明が栄え、争いの起きない平和な世界
(なんて………綺麗なんだろう…)
彼の目に一条の涙が伝う。
これが自分達が命を賭してまで望んだ世界
もうとうに枯れ果ててしまったと思っていた涙がこんなにも簡単に流れた、否、ACを駆けていた頃はフィオナにもきっと見せなかっただろう
『おはようございます。これが、貴方達が望んだ世界、平和な、清浄な世界』
(ああ、綺麗だ、空も何もかも…この景色をフィオナとジョシュアにも見せてやりたかった。)
『貴方に、これを授けます。それはきっと貴方の翼になります。』
そう言い、神は真っ白に綺麗な薄緑色のラインが入った機械的な靴を渡す
(変わった形の靴だな……)
『この世界で、人が空を飛ぶために作った道具……アンチグラヴィトンシューズ……人呼んでグラシュです』
(………これが、言っていた贈り物か?)
『ええ、それは好きになさってください。名前も自由につけてください。』
彼は真っ白な見た目に薄緑色のラインが入ったグラシュを見て、彼の機体を思い出した。
“White Glint”
起動キーはこの世界を見せたいと願う
「行こう、フィオナ」
彼はそう言い、グラシュを起動し、空を飛ぶ
「なんて……綺麗な空だ…」
彼は感動した……美しくどこまでも青い空
この空を自由に飛べたら……
その日、リンクス戦争の英雄は運命に出逢う
――――――
彼が飛ぶ姿が“白い閃光”と呼ばれるようになるのに時間は掛からなかった。
彼の名前と戸籍は神が用意してくれた。
(今日から学園なる場所に通うらしいが…移動手段はグラシュ許可なのが助かる)
彼は自分のグラシュを起動させる。
「フィオナ」
彼はWhite Glintを起動し、
学園まで綺麗なコントレイルを出し、飛んでいく。
(まさか私が学問を学ぶ学生になるとはな)
思い返せば、彼は伝説的な腕のノーマル乗りで国家解体戦争にも参加し、戦場でしか生きられなかった彼は既に学生の歳でACに乗っていた
(……私はACに乗り始めた頃だったかな、今この世界で学生と呼ばれる年齢は)
(久奈浜学院と言う場所か……いい場所だな…)
転入手続きを済ませ、2年からのスタートだ、周りに友人を作る気は起こらないが、まあ、適当に馴染めるだろう
「わt……俺は今日から転入する事になった、ミナセ・イェルネフェルトだ、よろしく頼む。ハーフだが、日本語は普通に話せる。趣味は…空を飛ぶ事だ」
アナトリアの傭兵の見た目は若くしてあります。
髪は面倒なので切っていない設定で、長めです。
昔はフィオナが髪を整えていた設定です。