メインキャラと同年代じゃないオリジナル主人公は間違っているだろうか?   作:反町龍騎

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八話

 ヴィヴィオちゃんらと共に体育館へと足を運んだ俺。

 俺達が戦うという噂でも聞きつけたのか、幾人もの生徒が足を運んでいた。

 

「さて、やろうかヴィヴィオちゃん」

 

「はい!」

 

 ヴィヴィオちゃんは元気に返事をすると、

 

「クリス、セットアップ」

 

 おや?ずっとフワフワ浮かんでいて気になっていたそれは、デバイスだったのねん。

 セットアップが進むにつれて驚きが一つ。

 おっきくなってる!!

 背丈だけじゃなくて色んなところが!特におっぱいが!

 

「さあ、やりましょう宗二さん!」

 

 あああ。おっぱいだけじゃなくお尻も大きくなってる!すごいムチムチな太ももやんけ。素晴らしい。母親であるなのはさんを超えたな。可哀想になのはさん。娘にすらプロポーションで負けてしまうなんて⋯⋯プッ。

 

「あの、宗二さん?」

 

「――ん?うわッ!」

 

 びっ、ビックリしたぁ。俺が思考の海に沈んでいる隙をついて俺の顔付近で上目遣いをするとは。しかも何気に名前呼びになってる。いや嫌いじゃないよ?むしろ好き。成程、なかなか侮れん娘だ。こんな事までやってくるとは⋯⋯。

 っと、ヴィヴィオちゃんもびっくりしたようで、驚いた表情で一歩引いている。

 

「だ、大丈夫ですか?宗二さん」

 

「あ、ああ、大丈夫だよ」

 

 そう応えて俺もセットアップする。白と黒で構成されたバリアジャケットを着て、愛刀白虎を構える。

 

「いつでもいいよ、ヴィヴィオちゃん」

 

「押忍!」

 

 という掛け声とともに俺へと距離を詰めるヴィヴィオちゃん。おう、速いな。もう目の前まで。

 ヴィヴィオちゃんのジャブを柄で受け流し、ヴィヴィオちゃんの顎に掌底を放つ。短く呻き声を上げて後方へ滑る。

 いやしかし速いなヴィヴィオちゃん。あんな一瞬で目の前まで来るなんて⋯⋯。歩法かな?単なる身体能力かな?

 

「あ、あの、これって魔法ありでしたっけ?」

 

「俺は構わないよ」

 

「ならッ」とヴィヴィオちゃんは掌に魔力で球を作り、俺に投げつける。それを華麗に切り落とすと、またもヴィヴィオちゃんが俺の目の前に。

 

「ジェットステップ!」

 

「うおッ」

 

 あぶねえ。ヴィヴィオちゃんのスラリと伸びた足から繰り出された上段蹴りを屈んで避ける。ウッホーイ!いい眺めだ。

 安心しろ、俺はただの変態じゃあない。白虎の鞘でヴィヴィオちゃんの軸足を払いにかかる。だがヴィヴィオちゃんは飛び上がることで避けると、

 

「痛ッ!?」

 

 な、なに!?なにが起きたの!?

 なにが起きたか分からない顔でヴィヴィオちゃんを見ると、やってやったぜというような顔をしていた。ヤバイ。なにあの子可愛い。しかも大きな胸を張ったため胸が揺れたのだ。

 

 オッパイプルンプルン!!

 

「はっ!なんだか邪気が!」

 

 流石はなのはさんの娘だ、勘が鋭い。俺の邪気に気付くとは。ていうか今何したの?

 

「このソニックシューターを撃ったんです!」

 

 言いながら掌に魔力で球を作る。ソニックか⋯⋯。青いハリネズミを思い出す。

 そんなことよりヴィヴィオちゃん、いちいち可愛いな。やってやったぜって顔からドヤった顔からいちいち可愛いんだよな。――いけない、本当に開けちゃいけない扉を開けそうになってる。

 耐えろ俺よ!今はバインボインなヴィヴィオちゃんでも、元の姿はロリロリしたロリっ子だ。そんなヴィヴィオちゃんに手を出せば犯罪だぞ。真面目になのはさんに殺されるからな。ただ見つめる分には構わんだろう。眼福眼福。

 

「ええっと⋯⋯。宗二⋯⋯さん?」

 

 俺が手を合わせて拝んでいると、ヴィヴィオちゃんは困った顔をした。可愛い。

 

「いや、なんでもない。続きやろうか」

 

「押忍!」

 

 ヴィヴィオちゃんが返事をしたのを確認して、衝裂斬で斬り掛かる。

 おおっ!?スウェーと呼ばれるボクシングの防御法で俺の攻撃を避けまくってますよ。やはり動くと胸はお揺れになられるのですね。眼福眼福。と、俺がヴィヴィオちゃんの胸に気を取られていると、ヴィヴィオちゃんが俺の懐に潜り込んできた。ってか速っ!?

 ヴィヴィオちゃんがアッパーカットを繰り出そうとしているのを見て、拳に足の裏を当て拳の威力を利用して後方へ飛ぶ。

 そして構えを取り、技を放つ。

 

「白虎裂斬一刀流 空の御霊ッ!」

 

 一応峰で放っているため、飛ぶ斬撃も切れ味は鈍くなっているだろう。まともに食らっても血飛沫が舞う、なんてことは無い⋯⋯だろう。分からん、やった事が無いから分からん。だが多分ない⋯⋯⋯⋯⋯⋯筈だ。まぁ、その時はその時だ。

 ヴィヴィオちゃんは斬撃を避けて俺に迫る。そのヴィヴィオちゃんに鞘で攻撃。勿論避けられる。そんなものは想定済み。本命は左足へのローキックだ。

 

「――ッ!」

 

 ローキックが命中して、ヴィヴィオちゃんが苦痛に顔を歪める。そのヴィヴィオちゃんに追い打ちをかけるように、鞘で殴る。

 

「――ぅあッ!」

 

 それが見事にクリーンヒットしたために、ヴィヴィオちゃんは後方へ吹っ飛ぶ。

 うん。ここら辺でいいかな。いいおっぱいも見られたし。

 

「よし、じゃあ今回はこの辺にしとこうか」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

 元の姿に戻り、俺に頭を下げる。うむ。礼儀が正しいのはいい事だ。

 

「――す、凄いです小鳥遊選手!」

 

「ぬ?」

 

 栗髪ツインの子と八重歯っ子が俺の下へと駆け寄り、キラキラとした純粋無垢な目を俺に向けている。や、やめて!俺にそんな綺麗な目を向けないで!自分が虚しくなる!

 

「いつも映像でしか見てなかったんですけど、生で見ると迫力が段違いですね!」

 

「凄い技術ですよね!衝裂斬とか空の御霊とか!」

 

 おぅ、熱いよ。君ら熱量が半端なくて熱いよ。焼けちゃう溶けちゃう。

 

「宗二さん!今のって何割くらい出してました?」

 

「ん?」

 

 ヴィヴィオちゃんが聞いてきた訳だが⋯⋯。どう答えよう。正直に言うか、お世辞を言うか⋯⋯。

 

「⋯⋯」

 

 や、やめて!そんなキラキラした目で見ないでよ!俺が汚れてるのが分かっちゃうから!

 

「まぁ、三、四割くらいかな」

 

「あれで三、四割ですか!?――やっぱり上位選手の壁は厚いなぁ⋯⋯」

 

 可愛い。ヴィヴィオちゃん可愛い。凹んでる姿も可愛い。

 

「あの、小鳥遊選手」

 

「ん?どした?」

 

「今度は私と手合わせお願いしてもいいですか?」

 

「ああ、いいよ」

 

「あー!ずるいコロナ!次は私だよ〜」

 

 栗髪ツインの子はコロナちゃんっていうのか。

 

「でもリオ、こういうのは早い者勝ちだよ?」

 

 八重歯っ子はリオちゃんというのか。

 

「ずるいずるい!私もやりたいのにぃ〜」

 

「私だってやりたいもん!」

 

「ああ、コロナ、リオ、あんまり宗二さん困らせちゃダメだよ」

 

 うーん。子供三人の絡みは可愛いな。

 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯もう開けちゃっていいんじゃないかな。

 

 コロナちゃんとリオちゃんが言い合っていると、ヴィヴィオちゃんが一つの案を出したらしい。

 

「こうなったら、宗二さんにどっちとしたいか聞くのが一番だよ」

 

 この言葉が卑猥に聞こえるのは俺だけじゃないはず。なあそうだろ?

 

「小鳥遊選手は私としてくれますか?」

 

「宗二さんは私と先にしてくれますよね?」

 

 やめて。主語を言って。それだけ聞くと本当に卑猥に聞こえちゃうから。

 

「とりあえず、名前呼びしてくれたリオちゃんから手合わせしようか」

 

「やった〜!」

 

「そんな!?」

 

 リオちゃんは飛び跳ねて喜び、コロナちゃんはガックリと項垂れている。そんなに嬉しい?そんなに残念?

 いやでもやっぱり、名前呼びで距離を縮めてくれる人っていいじゃん?好感度上がるで。

 

「じゃあやろうか」と言おうとした時に、チャイムが鳴った。

 

「あ、もう昼休み終わりかな?」

 

「あ〜そうですねぇ」

 

「ええ〜」

 

「残念です」

 

 ヴィヴィオちゃんはあまり残念がってはいないな。リオちゃんとコロナちゃんがすごく残念がってるね。

 

「まぁ、また暇な時で構わないから手合わせしようよ」

 

「「「はい!」」」

 

 うむ。いい返事だ。

 

「そうだ!宗二さん。連絡先交換しておきましょうよ」

 

 ファッ!?ロリっ子の連絡先だと⋯⋯!?犯罪じゃないよね?ないな、よし!

 

「いいよ」

 

 ヴィヴィオちゃんと交換すると、リオちゃんとコロナちゃんもしたいと言ってきたため、二人とも交換して、三人と別れる。

 

 

 いやぁ、可愛かったな。扉は開かなくて良かった。


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