メインキャラと同年代じゃないオリジナル主人公は間違っているだろうか?   作:反町龍騎

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五話

 あの後ほんの少し、アリアに「本当にいるんだからっ!」と言われ続けたが、それを華麗にスルーしてある所に向かった。

 何処へ向かったかと言うとだ。先ほど会ったアリアが執務官補佐ならばだ。もう執務官へ会いに行くしかないよね。

 でも死神さんは怖いからあまり局内でお近づきになりたくないので、もう一人のほうへ行こう!となったのだ。

 もう一人というのが、今机に向かってパソコン仕事をしている人だ。

 とりあえず、

 

「おはようございますティアナさん!!!」

 

「ファントムブレイザー!」

 

「うお、あっぶなッ!」

 

 いきなりこんな強力な魔法、パンツめくれ――もとい、ファントムブレイザーを局内でぶっ放した人はティアナ・ランスター。執務官試験を満点合格した天才であり、なのはさんを魔王たらしめた人物である。

 ちなみにこの人、綺麗な顔立ちと抜群のスタイルで男性局員をたぶらかして弄んでいるとかいないとか。

 

「たぶらかしても弄んでもいないわよ!」

 

 ワーオ、ココロヨマレテーラ。

 ミカヤさんに続いてティアナさんまで俺の心を読み出すとは。

 

「何を言っているのかさっぱり分かりませんが、とりあえず今週末デートしましょう」

 

「なに言ってんのか分かんないのはこっちよ!」

 

「そんなに怒ると綺麗な顔に皺ができますよ?あと禿げますよ?」

 

「怒らせてる張本人がそれ言うな!」

 

 ふむ。やはりティアナさんが相手だと、ボケがはかどる。

 それはさておき、さっきの答えを聞いていない。

 

「今週末デートしましょう?」

 

 上目遣いで言えば、大抵の人は断れないと聞いたので実践してみる。

 

「する訳無いでしょ、あんたなんかと」

 

 おい!上目遣いで言えば大抵の人断れないとか言った奴誰だよ!瞬殺されちゃったじゃねぇか。

 まぁティアナさんはツンとデレを使い分ける匠と聞いている。もしかしなくてもそれだろう。

 

「もしかしなくても違うわよ、バカ」

 

 ワーオ、マタココロヨマレテーラ。

 流石、執務官なだけはある。人の心を読むのが得意なようで。

 

「ツンの答えは聞いたので、デレの答えを」

 

「私にツンもデレも無い!」

 

「なん………………だと…………ッ!」

 

「なんでそんなに驚くわけ!?」

 

 いやまあ、言ってみただけだ。分かっていたとも。ティアナさんがツンもデレも持っていないという事ぐらい。

 ところで、

 

「ティアナさん。デスクワークばっかりで肩こってませんか?」

 

「え?なによいきなり。そりゃこってるけど……」

 

 うん、でしょうね。そんな立派なお山二つもぶら下げてたら、肩もこるでしょう。

 

「肩、揉みましょうか?」

 

「しなくていいわよ」

 

「ファッ!?」

 

 な、何故だ!?肩を揉むフリをしておっぱいを揉むという俺のパーフェクトな作戦が。ばれたか?いや、ばれてないよな?

 

「どうせあんた、肩を揉むフリして変な事するつもりだったんでしょう?」

 

 バレテーラ。

 あんたのことなんか何でも分かるんだから、とでも言わんばかりのドヤ顔を向けてくるティアナさん。

 そのドヤ顔百万ボルト!

 しかしこの人は、どうやって人の心を読んでいるのか。

 と、ティアナさんの七不思議について考えていると、ティアナさんは大きな溜息を吐き、

 

「用事が無いならどっか行ってよ。私暇じゃないんだから」

 

「俺だって暇じゃないですよ」

 

「じゃあさっさと行きなさいよ!」

 

「今やってるのが用事なんですよ!」

 

「私の邪魔をすることがか!」

 

「ティアナさんとデートの約束をすることですよ!」

 

「あーもう、うるさい!」

 

 そう言い、クロスミラージュを俺に向けてくるティアナさん。

 な、何をする気なの?

 

「早くどっか行かないならあんたを消し炭にするわよ!」

 

 はっ!魔力がクロスミラージュへと集まっている!こ、これは、愛と勇気と魔法の力を込めて放つ、超強力な収束砲撃魔法、SLBさんじゃないですか!

 いや!だめよそんなの!そんなことしたら俺死んじゃう。

 

「だめですよ、SLBなんて!しかもこんな所で」

 

「うっさい!」

 

 だめだ。話聞かなくなってる。

 しょうがないか。

 

「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 

 一目散に逃げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふう、危ない。もう少しで殺されるところだった。

 さてどうしたものか。今のところ誘えたのはハリー、ヴィクター、ミカヤさん、ジーク、シグナムさんの五人。

 他はどうしようか。なんか、これ以上誘っても意味が無い気がするのは気のせいだろうか。

 

 おや?あんなところに藍色で長い髪の女性が。間違いない。あれは、

 

「おはようございます、ギンガさん!」

 

「あ!――ああ、おはよう宗二君」

 

 俺に後ろから抱きつかれたというのに、嫌な顔せず、むしろ笑顔を返してくれた女性はギンガ・ナカジマ。あのジジイの娘さんだ。あのジジイに似ず、綺麗で優しい人に育ってくれたらしい。

 あのジジイに似ていたら、腹黒女になっていたところだ。……それはそれでアリか。

 

「どうしたの?宗二君」

 

 今まで局の誰も向けてこなかったはずの優しい笑みを向けてくれるギンガさん。ギンガさんマジ天使。

 

「週末俺とデートしてくれないかな、と思いまして」

 

「嫌だよ」

 

「ファッ!?」

 

「だって宗二君、いろんな人誘ってるでしょ?私独占欲強いから、一対一じゃないと嫌なの」

 

「なら来週末!一対一でデートしましょう!」

 

「ホントに?」

 

「ホントに!」

 

「――なら、いいよ。デートしようか」

 

「わーい!」

 

 やったぜ!ギンガさんとのデートの約束ができた!

 

「ああ、ところで。例の自称覇王とは会ってない?」

 

「ええ、会ってないですよ」

 

「そう。なら気を付けてね」

 

「分かってますよ」

 

「じゃあ、来週末ね」

 

「はい」

 

 そう言って俺はギンガさんと別れた。

 いやーよかった。ギンガさんとデートの約束ができて。

 さて、あと残ってるのははやてさん、シャマルさん、スバルさんか。はやてさんはいいか。腹黒狸は断る時も腹黒であった。シャマルさんもいいか。あの人とデートすると、弁当作ってくるんだ。その気持ちは嬉しいんだが、ダークマターを持ってくるのは止めてほしい。とするとスバルさんか。あの人は人柄もいいし、料理も上手い。何よりギンガさんの妹である。誘わない手は無い。

 

 

 

 

 

 と、そう俺が決意をした時だ。

 

「見つけたよ~、宗二君」

 

「は、白い悪魔!」

 

「誰が悪魔!?」

 

 そうです。二度目のなのはさん登場なのです。そのなのはさんは、俺の肩を掴んでいる。

 

「ティアナから聞いたよ?お仕事の邪魔してるんだって?」

 

 駄目だ。目に光が無い!これは、「O☆HA☆NA☆SHIしようか」の合図。とりあえず言い訳を。

 

「いやまあ、結果的にそうなっただけであって、俺自身は、邪魔する気など毛頭無く……」

 

「問答無用~」

 

 いやああああああぁぁぁ!有無を言わさず連れて行かないでぇぇぇッ!


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