ターゲットの暗殺教室   作:クローバー

41 / 41
病院

目覚めるといつもの教室や家ではなく真っ白な天井だった。

体を起こすと三人が寝ている。

それもそのはず外は真っ暗でもう夜なのだ。

「起きた?」」

声をした方を見るとイリーナが座っていた。

「あんた疲労で倒れたのよ。精神的な疲れなのか肉体的な疲れかその両方か」

その両方だろうな。今まで倒れてなかったのがおかしいのだ。

今まで睡眠不足で夜中まで仕事していて、身の回りをいつも警戒している

そんなの普通耐えられないぞ

前兆はほとんどなかったな。

あれば誰か気づいてたしほとんど同じだった

メモを書いて伝えようとすると

あかりが右手の上に寝ていたおかげで手は動かせない。

さすがに起こしたら悪いので、反対の手であかりの頭を撫でる

……ごめん。また怖がらせちゃったよな

俺は一番怖がりなあかりを撫でる

優しいし明るく見せてるけど、一番怖がりで寂しがりやな性格なのだ

多分俺が何かあったら

……本当にアホか俺は

大事な人なんじゃないのか?

心配かけてどうするんだよ

「私も帰るわ。しっかりと三人で話しなさい。」

俺は頷く。

ありがとうございました。

その気持ちを込めて一礼する。

そして出ていった。

……さすがにもう少し寝ようか。

なんかまだ眠いし

……さすがに死神相手を今したくないからな

俺は寝転びもう一度寝ようと瞼を閉じた。

おやすみ。あかり、桃花、有希子

 

目が覚めると医者みたいな男がドアから入ってきたところだった。

どうやらあかり達はいない。学校に行ったのだろうか

「おはよう。目が覚めたかね。」

俺は頷く。すると医者は顔には出さないが驚き、そして少し緊張していた。

そりゃそうだろう、医者じゃないんだから

俺は警戒を強める

殺し屋ブラッド

薬品暗殺に優れていて、仕事件数は19件

やっと一流と言われるような件数だった

……なんでこんなに殺気だしてるやつに殺されないといけないんだよ

俺は隙だらけな奴を見てため息をつく

さてどうしようか。

逃げるのは簡単だが…

もし医者にあいつらが聞きにいっていたのなら

ここで再起不能にした方がいいな。

俺は笑う。適当に話しかけながらあることに気づく。

……烏間先生が近くにいる

匂いが近づいていることがわかる。そして

あかりたちもまだ病院内にいる

ってことは

……すぐに行動に移すか

俺はメモを書く

『すいません。ちょっとトイレに行ってきていいですか?』

「えっ?だ、ダメだ。」

慌て出すブラッド

なんでこんなやつに本当に殺されないとダメなんだ。

もういいや。

ちょっとストレス発散させてもらおう

俺は油断の顔をした瞬間に、顔面に一発拳を入れる。

すると急に殴られたので後ろに仰け反ったので、その隙に立ち上がって腹に拳を入れる

……一丁上がり

するとその殺し屋は前のめりに倒れ、気絶する。

伊達にずっと逃げ続けたわけじゃない。

舐められたのはいつぐらいだろうか?

さすがに苛つく

とりあえずそいつが持っていた注射薬を奪い取ると、やっぱり最初から液体が入っていた。

毒だな。

すぐに分かる。経験上感覚で分かるようになっていた。

とりあえず簀巻き簀巻きっと

俺は簀巻きにすると

コンコンと二回ノックの

「羽川くん起きてるか?」

俺は怒りで乱雑に開けてしまう

「こうちゃんどうした……ってなんで医者が縛られてるの?」

どうやらあかり達も戻ってきたらしく、驚いているが、烏間先生は俺を見て

「殺し屋か?」

俺は頷く

するとあかり達は全員だまりこんだ。

『殺し屋ブラッドで間違いないと思う。』

書くのが面倒くさくて乱雑に書いてしまう

「康太くん落ち着いて。なんで怒ってるのかはわからないけど。」

桃花が少し慌てている。

……まぁ仕方ないか

深呼吸を二回してとりあえず落ち着く

とりあえずスマホを抜き取り、パスワードがかかっていたのでポケットに入れといた。

……

なるほど、衣服が俺のものじゃなくなっている。

これで気づかなかったんだな。

『先生俺の衣服は知ってる?』

「俺は知らないが。」

「えっとお医者さんから着替えるように言われたから。」

ちょっとまずいかもな。俺は急ぎながら書き上げる

『やばいかもな。雇い主がわからなくなる可能性が高い。こういった場面のために、俺はすぐに解析できるようにツールを隠して持ち歩いてるんだよ。それに俺の服は基本防弾や薬品から守るために、触手の脱皮の皮の発酵分解するのを抑えた奴を塗り込んであるから身の安全が危ない。』

「……えっとどこから突っ込めばいいの?」

「その話は後だ。ってことはこの病院にいることがバレていて…元政府関係者が狙っていることで間違いはないか。」

俺は頷く。正直もう脱出したほうがいい。

それと

『ごめん。心配かけた上に迷惑かけた。ちょっとさすがに治療しないとまずいんだけど。精神的に結構きつい。そうしないと寝れないし安心できない。』

イライラしてるのがその一つだろう。なんか色々ありすぎて精神的にも結構まずそうだ

「そうだけど……こうちゃん一日何時間寝てるの?」

「私達ほとんどこうちゃんが寝てるところ見たことないんだけど……」

正直に言った方が良さそうだな

『全く寝てない。なんか離れてしまうのが怖くて全く寝れなかった。寝不足に慣れてる分、全く自分でも疲れてるのかわからなかった。多分あかりも最近寝れてないと思うけど。』

「……バレてたの?」

『俺が吐いて眠れなかった時、一番最初に来るのはあかりだしな。正直なところ、あかりもかなり精神的に辛いと思っている。この中で一番辛いのはあかりだからな。同じ痛みを味わって俺とほとんど同じような生活をしてる。多分この中で一番心配しているのは完全にあかりだ。』

授業中も同じだろう

かなり辛いはずなのに結構無茶している。

多分もし何かあった時あかりはほとんどの確率で発狂死すると思ってる。多分明るく見せてるのは弱みを見せたくないから。

……逃げるよりも先に

『烏間先生、桃花、有希子ちょっと二人きりにさせてくれないか?』

「……うん。」

「あぁ。」

「私はお医者さんに伝えてくるね。転院手続きとか色々。」

俺は頷く。正直この三人とも関係はまだ曖昧なままだ

多分気を使いすぎている

それは三人ともに言えることだ。

……共依存しかけてるのかな

多分三人とも優しすぎるのだ

それに甘えてる俺がいる

多分この関係を続けたらダメだと分かる

俺も気を使ってないといえば嘘になる。

一度ちゃんと話さないといけない

目を逸らしてきたけど中学生が同棲なんかすることがおかしいのだ。

自分勝手だけども仕方ない

俺も色々しないとな。

でも有希子はどうしようか?

家から追い出されるってどんな喧嘩したんだよ。

しかも俺から言い出したことだし。

でも言わないと。

「こうちゃん。」

いつのまにか泣き止んだあかりは俺の方を見ていた。

『どうした?』

「私一旦家に帰ろうと思う。」

俺は少し苦笑してしまう

本当幼馴染ってなんでも分かるのだろうか?

『分かった。俺も言い出そうと思ってたから。でも、お前はいいのか?』

「うん。それに多分甘えすぎているのが分かるから。」

『お互いにな。俺も甘えすぎてた。有希子はさすがに無理だと思うけど、さすがにこれ以上はダメになれない。助けられてばっかりじゃなくちゃんと自立しないとな。』

「こうちゃん、まずちゃんと三人の中から一人選ぶってことが大切だとおもうけど。」

『そうだな。でも、嫌だな。』

「うん。知ってる。でも決めないといけないんだよ?」

そうだな。分かっていた。

一番甘えてるのはそこなのだ

甘えすぎている

だから昔と同じように

現実的な話になってくる

「別に今じゃなくていい。でもこうちゃんは幸せになってほしい。今まで不幸だった分幸せになっててほしい。それはみんなが思っていることだよ。だけどこんな関係は一年間が限界かな?」

『卒業までだ。一年間は長すぎる。それ以上は迷惑をかけられない。』

俺は書くとあかりは頷く。

「うん。だから、ちゃんと胸を張れるような付き合いをしたいかな?だれか一人を選んで、それで恋人同士かそれか友達になるのか決めないといけない。」

友達で居られるのか?

でもあかりとはちゃんと幼なじみで居られる気がする。

それは彼女が望んでいることには違いないのだから

「でも、私がずっとこうちゃんの隣で入れたらいいんだけど……」

顔を真っ赤にして俺の方を見る。

「バカか。恥ずかしいんなら言うなよ。」

俺はそう書こうとペンを取り出そうとした時

「……えっ?」

「ん?どうした?」

「……こうちゃん声。」

「……えっ?」

俺はスマホってスマホないんだった。

とりあえず

「あかり。みんな呼んで来てくれないか?」

俺はそう伝えたつもりだった。

「……う、うん。」

するとあかりが急いで走っていく。

なんだ?

本当に声が出るようになるようになったのか?

……ってか多分声を出せなくなった訳って

この関係もストレスになってたんだろうな。

だってもう悪いと思っているけど…

なんか体が軽い

多分気を使っていたんだろう。

ずっと気にしてたことがある。

あかりと桃花は正直なところ今でも少し緊張している。

元々甘やかすのが慣れていないのだ

どんな態度で接したらいいのかわからない時がある。

だから余計に気を使っていた

多分あの中で意外に気を使わないのは有希子だ。

元々自己主張が控えめなタイプなだけあって、ゲームの時以外はあまり話しかけてこない。

話を聞いてただ笑っていることが多いタイプである

でも、気遣いができ、勉強面でも国語はあかりと俺の100点そして桃花とカルマに次いでクラスで5位

最近では的確なアドバイスや自分の思ったことを言えるようになっていた。

だから自然と話を聞いてほしいときは有希子に話しかけることが多いのだ。

聞いて欲しくない話は深追いせずその状況を冷静に判断できる

だからありのまま本音で話すことが多いのだ。

「こうちゃん呼んできたよ。」

考えてるとあかりがくる

「あぁ。サンキュー。」

「「「えっ?」」」

「あ〜なぜか知らんけど、やっぱりその反応見る限りそうなんだな。」

自覚がやっと持てた

あの日から七日。ちょうど一週間

「桃花、有希子、烏間先生心配かけてごめんなさい。なんか知らないが話せるようになったんだな。」

元々いつ話せるようになってもおかしくはないと言われていた。でもまさかこんなタイミングで

…でもなんでだ?

よく考えたら怒りも結構早くひいたな。

今でも不思議になっていることだ。三人は喜んでいるのだがたった一人烏間先生だけなぜか不機嫌そうだ。

そういえばあの暗殺者の姿がないことに気づく

……そういや俺手加減して殴ってないや

「烏間先生すいません。ついカーッとなってしまって。あの殺し屋大丈夫でした?」

「…鼻を骨折と肋骨が折れていたらしい。さすがに過剰反応と取られてもおかしくないぞ。そしてスマホはあいつが取って行った。」

「あぁ。……多分大丈夫だな。」

死神のことだ、すぐに特定するだろう。あの暗殺者も大変だな。

まぁこの仕事を受けたことが運の尽きだな

「それと少しの間羽川くんには普通の学校生活を送ってもらう。仕事は元々俺がやる予定のものだったから不足はない。それに期末テストの関係上俺の体育は中止になる。放課後の補修も同様にだ。

「そういえば三人は学校はどうしたんだ?」

「……こうちゃんもう夕方だよ?」

「……まじ?」

「うん。よほど疲れてたんだよ。だからしっかりと安静にしてなきゃ。」

そういえば体は結構軽くなってるな。疲れはまだ完全じゃないけど少しは落ち着いた感じがする

「…まぁ後は家に帰るか。唯一安心できるところだし。」

「でも竹林くんにはお礼を言った方がいいぞ。応急処置やこの病院も元々竹林くんの家の病院なんんだから。」

「あ、そうなんですか?」

「そういえば、康太くん竹林くんと仲いいよね?」

「お気に入りアニメが同じだったんだよ。まぁそれからオススメされたやつを見てるんだが……凄く面白いやつと面白くない物の差がありすぎて」

「……こうちゃんいつ見てたのさ。」

「えっと、昔から見てた奴とか結構あるんだよ。携帯でアニメ買ったりしてたから。逃走中はやっぱり暇だし。」

「暇なんだ!!」

「ってかとりあえず家に帰るぞ。でも」

俺はため息をつき一言

「もう病院には来たくないな。」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。