ターゲットの暗殺教室   作:クローバー

29 / 41
過ち

目が覚めると俺はもう見慣れた天井

「……起きたか。」

それと痛々しい顔をする。烏間先生がいた。

また、あの症状ですか?

俺はそう言ったつもりだった

「……大丈夫か?」

はい。俺は大丈夫です

そう答えたつもりだった。

「……羽川くん。何か答えてくれると助かるんだが?」

えっ?

おかしいと思った俺は立ち上がり何か紙と筆を探す。すると目の前に宿題だった英語のプリントと赤ペンを取る。

「どうした。羽川くん?」

おはようございます

そういったつもりだった

俺はペンと震えた手で書く。肩が痛くてどうしてもうまくかけない。

そして書き終わると烏間先生にそのプリントを見せる

 

聞こえましたか?

 

すると烏間先生が顔面蒼白になる

「いや。何も聞こえなかったが。」

そしたら分かってしまった

俺は声が出せなくなったんだと

 

教室のドアを開けると全員がこっちを見る。

クラスメイトの人々の視線は後悔と懺悔そして恐怖

そんな視線が痛々しい

「大丈夫ですか?羽川くん。」

死神の言葉に頷く。

そして左手でチョークを持ち黒板に書き始める

 

迷惑かけてすみませんでした

 

するとみんなが不思議そうにこっちを見る

「どうしましたか?羽川くん」

俺は気にせずに書き続ける

 

みんなに報告することがあります

 

「羽川?なんで黒板に書いているの?」

みんなが不思議そうにしている。

俺はそれでも書き続ける

 

これから書くことは事実です。心して見てください

 

書くことがとてもつらかった。

しかし書かなくちゃいけない。この教室に残るにはそうするしかないのだから

「康太くん。……もしかして?」

桃花が泣きそうな声で俺を見る。

俺は一回深呼吸をしてそして

 

 

声が出ません

 

書き終えた。

クラスから悲鳴が上がる。目線を反らせたり震えてる人もいる。

「嘘だろ。」

岡島先輩が苦しそうに俺を見る

 

 

嘘じゃないです。

 

たったそれだけを書く。

もう一度声を出そうとしてみる。

あかり。桃花。有希子

そして

先生。

すると全員の反応はない

やっぱりダメか。

少し悲しくなってしまう

「……そう言ってそれも嘘なんじゃねーのか?」

えっ?

「俺たちを騙そうとしてただ出せないふりをしてるんじゃねーのか?」

寺坂先輩が言ったことが頭に入ってこなかった

俺は死神の方を見る

すると不安感がある

クラスメイトの方をみると不信感を持っている人がほとんどだった

俺なんていったんだ?

俺は黒板に書き始める

 

律転入生が来た時の映像見せてくれないか?

 

「いけません。律さん。羽川くんに見せたら。」

 

 

マスターからの命令だ

 

多分そうしないと律は見せてくれないだろう。するとスマホにとあるデータを送られてくる。

俺はダウンロードし映像を見る

最初は本当に普通に話していた

そして白い服を着た人と

触手持った転校生がいる。

そしてHR中

「ねぇ堀部先輩、そんなに強さを求めるんだったら俺も殺せるんだよね?」

俺がそう言ってる

「……あぁ。」

「じゃあ勝負しようぜ。本当の殺し合いで。」

するとクラス全員が俺の方を見る

「……お前みたいな雑魚に興味はない。」

「へぇ〜逃げるんだ。ねぇ堀部先輩。負けんのが怖いの?

その一言は覚えている。

すると転校生がが触手を使い攻撃するのを俺はナイフで切り落としていた

「そんだけ?」

俺は転校生を睨みつけている

「旧型がなにしてるの?なんで俺が自分の開発して技術に負けると思ったの?バカじゃないの。」

「羽川くん一体何を。」

「復讐だよ。今まで俺と佳奈。あぐりさんを傷つけた復讐。」

するとクラス全員が驚く

「……五年間何度も、何度も死にかけた。食べ物に毒は盛られ、薬と渡されたのは睡眠薬だったり。自爆特攻するやつまでいた。でもよかった。生きてて。地獄のそこからやってきてやったぞ。シロだっけ?まぁどうでもいいか。」

「……羽川くん?」

「ねぇ?先生どういうこと?何が起こってるの?」

「おい。イトナそいつを」

「あーもうるせぇな黙ってろ」

俺はポケットの中から拳銃を取り出し上に発砲する。

「ゴミどもは黙ってろ。もう使い捨てのお前らには興味はねぇんだよ。」

「羽川くん」

「だから邪魔だっていってんだろ。」

すると次の瞬間死神の触手を全部切り取ってしまう。

「邪魔したらあんたも殺すぞ先生。」

するとシロと俺の間に通路があく

その道をひたすらに歩いていく俺

俺はその地点で見るのをやめた。

スマホを落とし座り込んでしまう

そっか

「……」

そっかこんなことしたんだ。

涙が溢れる。大事だと思っていたものを傷ついた。

二度とやり直せない。

そっか俺はもう

いなくなればいいんだ

俺は立ち上がる

そして黒板に一言

 

二ヶ月間楽しかったです。ありがとうございました。

 

そして俺は教室のドアを開けようとする

確かこの付近は崖があったはずだ。

そこから飛び降りれば

するとパチンと音がなる。

目の前にいるのは桃花だった

「……康太くん。ふざけないで。」

叩かれたままたちつくす。

痛い。やめてくれ

「康太くんは話してくれたよね。見てくれること心配してくれることが嬉しいって。」

俺は何も言えないただ聞いているだけだ

「……それに本当は助けて欲しかったんだよね。生きたいって思ってたんでしょ。私たちを守ってくれるんじゃなかったの。」

するとちくりと胸が痛む

「……本当は謝らないといけないのは私たちの方だよ。康太くんはずっと強いとばかり思い込んでいたんだ。ずっとみているつもりが見ているふりをしてたんだよ。私たちの方が一個年上なのにいつも守られっぱなしで。」

「……」

違うって言いたかった

でも声が出ない

「……でも、さっきのものを見て思った。康太くんは本当は苦しんでいた。でも誰にも。カエデちゃんにも私にも神崎さんにも相談することができずに。」

「……」

「本当は私たちが君を守らないといけなかったのに。私たちは何もできなかった。」

桃花が言う。でも違う俺が全部

「康太くんは優しすぎるんだよ。今まで責任も危険も康太くんが負ってた。弱いところを見せず強くしようと見せつけていたんだよ。今回のだってずっと康太くんがおかしいのは分かってた。でも大丈夫だからって全然大丈夫じゃないのに答えてた。」

「……」

「わたしもこうちゃんに甘えてた。5年前消えてからずっと会えなかったからっていってそのぶん甘えようとしてたんだ。」

あかりもいつのまにか俺の近くに来ていた。

「本当は私が止めないといけないのに。結局あの状況でこうちゃんを呼び戻したのは神崎さんだもん。私はお姉ちゃんみたいにできなかった。」

俺はあかりの頭を軽く撫でる。

ごめんといいたかった

悲しいことだとわかっていた

でも辛いんだ

この力があること自体が

怖い

この力をみんなに振るうことが

「……康太くん。」

そして有希子が話してくる。

ただニッコリと笑って

「ちゃんと前に進めれば人は美しくそして強くなるのだから。この言葉を私にいったのは康太くんだよ。」

……懐かしく感じる

そうだな。前向きにならないと

弱い部分はもう見られたんだ

もういいよな。楽になって

俺は自分の席に戻る

一度失った信用を取り戻すのは時間がかかる

でももう一度やり直そう

ノートをとりペンを走らせる

ありがとう。そしてごめんなさい。今は信用してもらわくていいのでこれからもおねがいします。

そう書いた

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。