ターゲットの暗殺教室   作:クローバー

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今回の主人公は自重してませんので注意してください


100億の価値

機械とはなんだろうか?

俺は開発者として多くの技術、武器、防具を生み出してきた。

しかしそれは自分のためにしてきた

生きるために

信用されるために

作って提供し、危険だとわかったら自分が管理し、それ自体の作り方を完全に消してしまう。

開発する

それは人のため。国のため。色々な使い方があるだろう。

でも俺は

自分のために使うだろうな。

 

「おはよう。羽川。」

「おふぁようございます木村先輩。」

「どうした?眠そうだな?」

「もしかして大人の階段登っちゃったか?」

岡島先輩が急に入り込んでくる

「いや、昨日有希子に家庭用のFPSのオンラインゲームを教えてもらっていたんですけど……そしたら操作方法がわかってからちょっと嵌まりすぎちゃって、徹夜でずっとやってました。」

「……」

「途中から有希子にもkill数が多くなって、寝させてくれなかったっていうのが一番の原因ですが。」

「……なんか普通に中学生みたいになってきたな羽川。」

「まぁよかったんじゃないの?来た当時の羽川よりは。」

「そうだな。案外面白いし弄りがいあるし。」

するといつものグループが形成される。なんか少しずつ距離が近づいているような気がする。

そして席に着こうとすると

後ろに黒い長方形の物体が置かれている。

「……あっ!忘れてた。今日自律思考固定砲台が来るんだった。」

「「「知ってたのかよ!!!」」」

「あぁ、ちょっと知り合いから聞いてた。」

「……やっぱり羽川は羽川だな。」

全員が頷く。そういえば

「……しまった。せっかく作ってきたハッキングソフトを忘れてた」

「「「「何作ってるんだよ」」」」

「いや。情報は武器になり金にもなりますから。せめて研究費くらい15億はほしいなぁ」

「……羽川がおかしい。15億なんて普通稼げる金額じゃねーぞ。」

「……しかも乗っ取る気満々だな。」

「だってあんなおもちゃ普通じゃ数百億円作るのに使うんですよ。昔のうちでも作れないような金額なんで、せっかくだし色々いじりたいなぁって。」

「おい。今兵器をおもちゃ呼ばわりしたぞ。」

「うん。さすがにおかしいと思うんだけど。」

「ってか多分俺作ろうと思えば、同じ値段があればもっと優秀な物作れるのになぁ。」

俺はため息をつく。あれ位のものなら固定するんじゃなく空中で動かせるようにして、さらに小型化できる自信がある。

「……おかしい。久しぶりに羽川がおかしいと思った。」

前原先輩がなにかいってるが気にしないでおこう。

 

「皆知ってると思うが転校生を紹介する。ノルウェーから来た自律思考固定砲台さんだ。」

「よろしくお願いします。」

「先生!改良したらダメなんですか?」

「ダメに決まってるだろう!!」

俺の質問に烏間先生は即答する。

「なんか康太くんテンション高いね。」

「だっていいおもちゃがあるのに使わない手はないだろう。せっかくの機会だし、グレードアップさせるついでに技術もパクらないと。」

「……あの〜羽川さん?」

「なんだ?」

「えっとマスターがお話をしたいと。」

「ん。繋いで。」

「「「「は?」」」」

全員が驚いている。

『もしもし羽川様でございましょうか?』

ノルウェー語か

『あぁ。そうだけどあったことあるか?』

『いえ。お名前だけは存じています。えっとそれでなんですが?』

『農業1つと工業1つ後、漁業1つと交換でいいか?そっち10億ドルを日本円にして送ってくれたら嬉しいんだけど。』

『えぇ。構いません。それじゃあ後々契約書と設計図、お金をいつものとこに入れさせてもらいます。』

『了解。んじゃまた取引しようぜ。んじゃな。』

『はい。それでは失礼します。』

すると電源が切れる。

「……えっと羽川くん?」

「あ、今からそいつ俺のものになったのでよろしく。」

「「「「はぁ?」」」」

「ちょっと羽川?今10億ドルとか言ってたけど。」

そういえばイリーナ多くの言語話せるって言ってたけど、ノルウェー語も射程内だったのか。

「「「「……」」」」

全員がもう声を出せなくなるくらい絶句している。

「いや、そんなんいつもの取引だし、今回俺の方が損してるし」

「……羽川さん、マスターが利権や所持者を全部譲るって」

「まぁやっとくさ。ちょこっと性能調べたいから後から暗殺してくれるか?」

「えっと10億ドルって何億円?」

「相場で約1000億円以上」

「ちょっと待った羽川って追われてるんじゃ。」

「それ日本政府だけなんだって。こうちゃんが言ってた。」

すると騒めきだすクラスメイト。とはいっても

「まぁ俺が取引するのは3年に一回ぐらいだしそんなもんでしょ。これ二回目だし。」

「いや、額が殺せんせーの賞金より高いんですけど。」

「でも今回は多分100億ドルは損してると思うぞ。技術一つと三つの交換だし、名声とか合わせるとそれくらいは余裕で超えるぞ。」

「……ちょっと待って、羽川くんってまだ全然本気出してないの?」

「なにを今更。元々おれの研究が技術の開発が本職だからこの程度は余裕。ただお金の額が大きすぎるからな。取引先が国だし。それに俺も100億のターゲットっていうことみんな忘れてないか?」

するとみんなが思い出したようにしている。完全に忘れてたな。

「ってまぁこういうこと。正直なところ、俺はこういう研究とかに関してはかなり強いから。多分先生なら簡単に殺せるくらいに。」

「……」

みんなが呆然としている。まぁそうだろう。

「……それではマスターご命令を。」

「あ、俺基本手を出さないから。自分で判断してくれ。」

「……それは自分で判断して行動すればいいということですか?」

「今はね。ソフト作ってないしそれに性能も確かめたいしな。ちょっと世界の力見てみたいし。その代わり授業中じゃないこと。後今日は先生の本気もみたいな。」

「にゅや?」

「……殺意に触れることなくどれ位までアップデートできるか勝負してみないか?先生。」

俺は笑う。

「期間は今日から2日間。俺は多分今からお金下さないといけないから一日かな。それくらいのハンデくらいあげても大丈夫だろ。あんたもこういうことは案外できるし領収書は俺宛で構わない。まぁちょっとしたお遊びだよ。別に勝ったって負けたってどうでもいいだろ。こいつをちゃんとした生徒にするためには。」

すると死神はこっちを見る。

「どういうことですか?」

「今の所コミュニケーション能力はこいつ皆無だろ。単独暗殺にするための軍事兵器と言っていい。たぶんお前を殺すために銃を形成し、自分で分析して成長し続ける銃なのだろう。でもそいつはずっと卒業までにずっと打ち続けた、ら殺せる可能性は90%以上だと考えているんじゃないのか?」

「……はい。その通りですが。」

自律思考固定砲台は首肯する。まぁ機械だし当たり前か

「でも、本当は10%もないと思うぞ。こいつだって勉強する。自分が失敗したことをきっかけに自分の強化を試みる。知ってるか?実は天才なんていっぱいいるが、その一握りしか自分の才能に気づかずに一生を終えるんだ。さらにまたその中の一握りが努力をし続けて、英雄とか神とか言われ始める。」

死神、天性の才能を持った殺し屋 しかし殺し屋になってからも訓練を怠ることはなかったらしい

そんな死神が今の立場で努力してないわけがない

「……まぁだから俺とそのタコが教えてやるよ。クラスメイトと協力して殺す方法と仲間の大切さっていうのを。」

 

そして二日後

「……ファ〜眠い。」

「どうした?ってそりゃ眠いはずだよ。矢田から聞いてるぞ。ほとんど不眠不休でソフト作ってたんだろ。」

「まぁそうですけど。」

「しかもちゃんと3人が寝てから作り始めたって言ってたけど…」

「結局桃花は分かっていたそうで夜食とか色々作ってもらってました。」

どんどん頭が下がらなくなってきてるんだよなぁ。俺。しかもとても美味しかったし

「……いや、そうじゃなくて別に一日くらいソフト作りに集中してよかったんじゃねーのか?」

「あ〜全員に確かに言われましたけど断りました。」

「なんで?」

「だってこれ遊びなんですって。もしあいつらとの時間が失われるんだったら、俺はこんなこと絶対しませんよ。」

そうただの遊びだ。自分がやりたくてやるただそれだけ。

だから自分の日常が悪化するんだったらすぐに辞めてる。大切なものを失うのは嫌だしな。

「……なんか憎ったらしいけど、羽川がもてる理由わかるな。」

「うん。でも殺せんせーに勝てるか?」

「ほとんど無理。六時間で三つしかできなかったし結構簡単なものばっかりだし」

やっぱり思う存分とはいかなかった。だから改良点はまだまだあるけど、とりあえず今はこれだけだ。

「……なんのためにやったんだよ。」

「自立思考固定砲台のためかな。さすがにあのままだったらクラスに馴染めないだろうし、なによりあのままだったら絶対ボッチ確定だぞ。せっかくの楽しい学校なのに、一人寂しくボッチっていうのはやっぱりかわいそうじゃないですか?」

「機械のためってお前やっぱりすげぇよ。」

「ってか先生は昨日の夜中に改良工事終わらせてるんですよね。なのに俺追い出されてるんですか?」

カエデと桃花が教室に入って様子を見にいったきり戻らないし

「まぁ、ちょっとな。」

「さすがにな。あれは。」

ちょっと言いずらそうにしている菅谷先輩と木村先輩

「…まぁいいですけど見れば一発でしょうし。」

「あぁ。でもびっくりすると思うぞ?」

「こうちゃん入っていいって。」

するとあかりが呼びにくる。でも戸惑っているらしく少し動揺がみえる。

「……」

あかりねぇで動揺するって結構やばいぞ。

まぁ渋ってもしょうがないのでいくか

俺は少し覚悟を決めながら歩く。

そして教室前に着くとクラスの中から誰の声も聞こえない。

俺は一息いれ決心して入ると

「おはようございます。マスター。」

「……は?」

俺は完全に固まってしまう。理由はいくら何でも

「変わりすぎだろ。」

全身が映り、椚ヶ丘の制服を着ている少女が画面に映り、無表情だったのが表情豊かになってるし。

「……なんか。思っていたのと違う。」

「うん。多分全員がそう思ってるから。」

「それで強調の暗殺要素は?」

「はい。加えてありますよ。クラスメイトと協調した射撃性能アップを加えてさらに色々なデータを詰め込みました。」

「……なるほどなぁ。じゃあ多分これ俺の勝ちかな。」

「「「「えっ?」」」」

「うん。私も康太くんの作ったもの見たんだけど……さすがにやりすぎだと思うんだけど。」

桃花が呆れている。まぁ

「見てもらった方が早いか。じゃあ一つ目と二つ目。先生まだメモリに10G入れられる余裕ある?」

「はい。大丈夫ですよ。」

「んじゃダウンロードしてくれないか?」

そして自律思考固定砲台はダウンロードを始める。

そして終わったとたん。

「……?何も変化はおこっていないと思いますが?」

「…まぁまぁじゃあ最初に三つ目からかな?」

俺はかばんからあるものを取り出す。

するとみんなは不思議そうにそれを眺める。

「えっと?妖精?」

「そうだな。妖精のロボットだよ。自律思考固定砲台。一回シャットダウンしてみて。」

「はい?」

「いいから。」

そしてすると大きな機械の画面が黒くなった瞬間。

「えっ?なんで」

その妖精が動き始めた

「えっ?どういうことですかマスター。」

「これは一応成功かな。まずはこのフェアリーについてなんだけど、だれかSAOを知ってるやついるか?」

「ちょっと待ってください。もしかして羽川くんはユイを作ったんですか?」

「「「「はい?」」」」

竹林先輩の言葉に頷く

「まぁ、そんなかんじですね。まぁ似せたものですけど。ソードアートオンラインというラノベの中に、ユイっていうまぁNPCかつ主要キャラがいるんですけど、そのAIと自律思考固定砲台のプログラムと似てたので作ってみました。まぁ他にも色々なプログラムを組ませてありますが…まぁ色々組ませてあります。自律思考固定砲台、説明書理解してたら飛べるよな?」

「……ちょっと待って下さい。えっと」

すると羽を上下に動かし始める。すると宙に浮き始め飛び始める。

「移動方法にもなったはずだし、その前にこれ食って。」

俺はポケットの中からクッキーを一つ取り出す。

「……はい?」

「いいから。」

すると自律思考固定砲台は近づきクッキーを受け取る。そして食べ始める。すると一口食べるとまた驚く。

「……甘くて美味しいです。」

「よし。成功。」

「「「「……」」」」

すると全員が唖然としている。

「えっと、どういうことですか?」

「五感と痛覚のプログラムと、好みと意志をランダムに決めるプログラムを打ったんだよ。例えば高いところから落下したら人と同じように痛いって感じるし、他にも眩しい、うるさいとか美味しいとか好きだとかそういうものを自動設定してある。もちろん俺にも何が好きで何が嫌いなのか全くわからないけど。」

「ちょっと待って、それって私たちとほとんど」

不破さんの言葉に頷き。

「あぁ同じだよ。この状態はほとんど俺たちと同じ。一人の妖精として作ったものだよ。制作費は全部自作で約900億円」

「「「「はぁ?」」」」

「ちょっと待って、それをたった一晩で仕上げたの?」

「まぁ本当は人型作りたかったんだけど、材料費も時間もなかったからそこがダメだったかな?」

「「「十分すごいわ!!!」」」

全員が突っ込む。

「えっとマスター?」

「ん?どうした?」

「あの、この技術かなり危険じゃないですか?」

「まぁ危険だろうな。だってこの技術さえあれば普通にクローンや人が作れるんだし。材質も人の体と似た様なもので作ったから表情も作れる。それにさっきクッキー食ったろ。あれを腹の中で燃やして小さな火力発電機を作ったから、食事を取り続けたら無制限に動けるわけだし。まぁ飲み物とかの液体状のもの与えたら一発で壊れるけどな。まぁそうしたら自動的に本機、つまりこれに戻るようになる。」

ってかこれが漏れたら戦争が起こってもおかしくないしな。

「……あとLAIMにアプリアップしたからダウンロードしてほしいんだけど。そのアプリは自律思考固定砲台が見た情報を共有できるようになってるから。ついでにGPS付き。二代目死神という殺し屋のスキルを奪って手の人差し指から先生の動きを1秒止められる神経針、まぁ人間だったら3分間効くんだけど、それも詰め込んである。まぁこれは暗殺ってより自分たちの防衛に使えるしな。」

「……なんか殺せんせーの技術が霞んでみえる。」

「しかもこれを遊びって。」

「羽川くん一体どんな頭の構造してるの?」

全員がもう突っ込み疲れたようにしている。

「えっとマスターなんでこんなことを。」

「まぁ。クラスメイトのためだよ。お前はあのままだったらただのプログラムされた兵器だったろ。でも痛みがあり味がわかり感覚がある。そしたら感情が生まれてお前が作られた意味ができると思ったんだよ。まぁクラスメイトと仲良くする方法は先生が考えてきてると思ったから、俺はお前に幸せになってほしくてこれを作ったんだよ。」

「幸せ?」

「そう。幸せ。俺の目標はクラス全員が幸せに笑って卒業するのを見送ることだからな。だから誰一人欠けたらいけないんだよ。機械にだって幸せになれる。自分がやりたいことを見つけてほしい。ただそれだけ。」

そう。俺には誰も欠けたらいけない大切な人だ。絶対に守り、一緒に楽しむ。それが俺の願い。

「……だから今度はなにがやりたい?何をしてほしい?やりたいことやってみたいこと全部叶えられるわけじゃないけど。できるだけ協力する。だから言ってごらん。次は何が欲しい?」

「……えっと、マスター、家族と名前が欲しいです。」

すると自律思考固定砲台はいってくる。

「……そうだな。名前か。なんかいい案ある人いない?」

「「「えっ?」」」

「俺ネーミングセンス全くないから誰かつけてくれると嬉しいんだけど。」

するとみんなは一斉に考え始める。

「えっとじゃあ元の名前から一文字とって律は?」

不破先輩がいう。

「安直〜」

「お前はそれでいい?」

「はい。嬉しいです。」

前原先輩の言葉に頷く。

「じゃあ律と家族になりたい人いる?」

「「「「はい。」」」」

寺坂グループとカルマ以外全員が手を挙げる。てか死神まで挙げている。

「……じゃあこの中から選んでいいぞ。」

「えっ?」

「だからお前には意志があるから選んでこい。ちゃんと受け入れられてるしちょうどいいだろ。」

「……はい!!」

すると飛んでいき少しホッとする。みんないいやつだし大丈夫だろう。すると律は少しだけ飛んでいき。

「渚さんのお家にお邪魔してもいいですか?」

「えっ?」

「はい。」

どうやら渚のところを選んだらしい。多分大丈夫だろう渚なら。

「じゃあこれから潮田律なお前の名前。」

「はい。」

その笑顔は紛れもなく嬉しそうだった。


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