デクのヒーローアカデミア 再履修!【完結】   作:くろわっさん

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お待たせしました、第四章始動します。

ここからオリジナル展開になります。これまで以上の独自の解釈とオリジナル設定、そしてオリジナル個性が登場します。

苦手な方はご注意下さい。

それでは第四章スタートです!


第四章 僕とオールマイトと、ときどきサー
話をしよう!


僕はUSJでヴィランの襲撃を退けたが、死柄木と黒霧、あげく脳無まで取り逃がしてしまった。自分の不甲斐なさに落ち込む僕だったが、峰田君と蛙吹さんのおかけで立ち直ることができた!これからも強くなるために頑張るぞ!!

 

 

USJでの騒動が終わった次の日、騒動の後処理の関係で雄英高校は臨時休校となった。ニュースでは襲撃の件が報道されていて、やはり危険な事件だったことを実感させられる。

 

そんな中、切島君がどうせ休校で暇だし、みんなで集まって昨日の話をしようと提案してきた。

 

クラスの半分くらいのメンバーが集まり、結構な大人数のためどこへいこうかと悩んでいたところ、八百万さんが自宅へ招待してくれた。

そうして僕らは八百万さんの家の前についたのだが―――

 

 

「でっけー、これほんとに家かよ」

「まさに御屋敷って感じで素敵ね」

その大きさに圧倒される瀬呂君と素直な感想を述べている蛙吹さん、みんな二人の意見に納得していた。

そうこうしていると門が開いて中から私服姿の八百万さんが出てきた。

 

「みなさん!ようこそいらっしゃいましたわ!さあ上がってくださいな!」

八百万さんがテンション高めで案内してくれる、なかなか見れない姿だ!

 

「こうしてお友だちを自宅に招待するなんて初めてでして……でも夢でしたの!」

歩きながら八百万さんが語る、ぴょんぴょんと少し跳ねながら歩く姿はなんとも可愛らしい。

 

なるほど、たしかに彼女のストイックな性格は他を寄せ付けないところがあるかもしれない、しかし自己主張の塊みたいな1-Aのメンバーにはそんなことはお構い無しだったようで、いまではすっかり友達も増えたってわけだね。やったね百ちゃん!

 

そうして僕らは使用人の数や通された部屋の広さ、出されたお茶と茶菓子の味など様々なことに驚きながらも、昨日のことを振り返って話をしていた。

 

―――思い思いに昨日の戦闘のことを語っていくクラスメイト、みんなほんとに大変だったらしい、合流できなかった人の話を聞けてよかったな。でも火災ゾーンの話が1度も出なかったけど、誰も飛ばされなかったのかな?

 

「そういや、最後の方で雨が降ってきたけど、あれなんだったんだ?スプリンクラーでも作動したのか?」

「あー、あれびっくりしたよね!ヴィランも止まっちゃってたし!」

切島君の言葉に芦戸さんが反応する、ああ、あれか……

 

「ごめん、あれは――」

「あれは緑谷ちゃんが水難ゾーンの水をパンチ一発ですべて吹き飛ばしたのよ」

僕が話そうとしたのを遮って蛙吹さんが説明をした。

 

「一撃で水難ゾーンを!?相変わらず規格外だな緑谷!」

「俺はデクの仕業だってすぐわかったけどな!」

蛙吹の説明に砂藤君が驚いている、かっちゃんは当たり前だろ?みたいな顔をしてよく分からない誇り方をしていた。

 

「最後もスゴかったもんな、超強いヴィランをオールマイトと一緒にドッチボール見たいにバシバシぶっ飛ばして倒しちまったしな」

「デクさん、扉だけじゃなくてヴィランもぶっ飛ばしてたんだ…」

興奮気味の切島君と呆れ気味の麗日さんが僕の行動について話す。遠目から見ていたのか切島君!

 

「まああれはオールマイトのおかげで倒せたからね! 」

僕はみんなにそう伝える、ひとりで倒せたなど口が裂けても言えない…一人ではみんなを守れなかったし、あんなに瞬殺出来なかったろう。

 

 

 

「そうだ、オールマイトといえば、緑谷お前やっぱりオールマイトの弟子だったんだな」

切島君が爆弾発言をする、死柄木の最後のあれが聞こえていたのか!?

 

「あー、やっぱりそうだったんだね~」

「轟の隠し子説は面白かったけど、まあそれが妥当だわな」

「半分野郎の発想がブッ飛びすぎてただけだろ」

みんなが普通に、だよね~みたいな空気になってる!?驚かないのか?まあ隠すつもりはなかったんだけど……

 

「確かに僕はオールマイトの弟子だけど、なんでみんなそんなに当たり前みたいな感じなの?」

「いや、個性把握テストの時から何となく思うだろ?スマッシュ!とかいってたし、隠す気なさすぎだろ!」

「しかもあの戦闘服みれば誰だってそう思うわ」

僕が思ってる以上にバレバレだったらしい…

 

「そういやさ!オールマイトの弟子ってどんな感じなんだ!?修行とかすんのか?やっぱり!?」

「私も気になりますわ、よかったら教えて下さる?」

「俺も聞きてえなぁデクゥ……?隠れてコソコソなにやってたんだよ?」

みんなが僕とオールマイトの過去に興味津々だ、うーん、まあ口止めされてるわけでもないし、ワンフォーオールの秘密と僕の再履修(やりなおし)のこと以外なら普通に話しちゃってもいいかな!

 

「じゃあ期待にお答えして少しだけ話をしよう、僕とオールマイトの過ごした日々の話を――――」

 

 

 

 

 

 

 

――――記憶はオールマイトに弟子入りした次の日まで遡る。

 

突然、僕のスマホが鳴った、ディスプレイの表示は昨日番号を交換したばかりのオールマイトだ。

 

「もしもし、緑谷です」

「あっ、緑谷少年?私だよ私!」

「オールマイトですよね?」

最初に短いやりとりをする、ああ、僕のスマホにオールマイトから電話が来るなんて夢のようだ!

 

「そうだよ!オールマイトさ!今日電話したのは君に会ってもらいたい人がいるからなんだよ」

「会ってもらいたいひと?」

「ああ、昨日話にも出てきた“電話の彼”に君のことを話したら興味津々でね、どうしても会わせて欲しいっていうからさぁ、会ってもらいたいんだよね!」

「僕に興味ですか?よく分からないですけど、オールマイトの頼みとあればなんでもやりますよ!」

「HAHAHA!なんでもは言い過ぎだ、じゃあ後で連れて行くからまた連絡するよ、よろしく!」

「はい!」

 

その後、オールマイトから連絡があり、夕方にあの海浜公園に集合することになった。

 

僕が公園につくとすでに二人がいた、トゥルーフォームのオールマイトともうひとりは―――

 

「お待たせしました!」

「やあ、緑谷少年!来たね!」

「初めまして緑谷出久君、私は―――」

「サササ、サーナイトアイ!?」

そこにいたのは七三にピシッと整えられた黒髪、角ばった眼鏡に鋭い眼光の持ち主、オールマイトの元相棒(サイドキック)のサーナイトアイだった。

 

「人の話を遮るな、落ち着きがないな貴様……私はサーナイトアイ、オールマイトに話を聞いてな、貴様に聞きたいことが有ってここに来た」

「彼とはちょっと前にいろいろあって気まずくて会ってなかったんだけど、この間仲直りしてね!」

「わざわざ教えなくていいですよ、オールマイト」

「HAHAHA!やっぱりそうかね?まあいいじゃないかこれから君も緑谷少年と関わりを持つことになるんだからさ!」

驚いたままの僕を尻目に二人の会話が続いていく。

 

「さて、本題に入る前に貴様を少しだけ試そう…」

「…試す?」

サーナイトアイが僕の方へ向いてそう言う。

 

「そうだ、貴様がオールマイトの傍に居るものとして相応しいのか…だ」

サーナイトアイの纏う空気が変わった…いったい何をする気なんだ……?

 

 

 

 

 

「オールマイトクイズだ!」

 

「「オールマイトクイズ!?」」

僕とオールマイトの声が揃う、真面目な雰囲気でなにいってんだ!

 

「真のオールマイトのファンなら簡単に答えられるだろう、ましては自ら弟子入りを志願した貴様ならば答えられなくてはいけない!」

サーナイトアイが凄む、そういうことなら負けられない!

 

「ではいくぞ!まずはジャブだ。問題です、オールマイトの身長、体重、出身地、好きなもの、全てお答えください」

「身長220cm!体重274kg!出身地東京!好きなものは屋久杉と映画!しかし、今は体重は少し減っていて255kgです!」

「正解だ、ファンブックにも載っていない今の体重を当てるとは、なかなかやるな…では次だ!」

ふふん、この程度は楽勝さ!

 

「問題です、オールマイトのクリスマスの恒例となっている予定はなんでしょう?」

「保育施設などでのチャリティーイベント!その一週間ほど前にはもみの木の間伐の手伝いなども行っています!」

「正解だ、オールマイトはクリスマスにも子供達に夢を与えている、素晴らしい精神だ…けっして寂しいクリスマスなどではない」

「なんで最後、私の精神を削りにきたのかね……」

これも正解!よし今度はこっちから仕掛けてよく知ってることをアピールしよう!

 

「では僕からも問題いいですか?」

「ほう、私を試すか……いいだろう、来るがいい!」

「ありがとうございます、では問題です。水質を変えられる個性の中学せ――「ビネガースーサイド事件」……正解です。水をお酢に変える個性の中学生をオールマイトが川から救出した事件の名前ですね」

サーナイトアイが間髪いれずに答えてきた、やっぱりこの人相当にできる!

 

「流石にやりますね、では次の問題です、その事件で救助された中学生が感謝をのべ――「こちらこそ、君のおかげでお肌10歳若返ったよ」…正解です。感謝を述べた中学生にオールマイトが返した言葉ですね。また、お肌ってのがいいですよね」

「当然だな、あの事件の胆は――「中学生の家庭環境ですよね」……そうだ。なかなかわかってるじゃないか貴様」

「君達詳しすぎやしないかい?」

 

「では、次は私の番だ。問題です、オールマイトのか――「目元のしわは通常時で約0.6cmでシルバーエイジ時代からは0.8cmです!」…正解!オールマイトの顔の特徴である目元のしわの幅だな」

「細かいな!君達私の前でそこまでやるか?」

 

その後も僕らのクイズ対決は続いていき―――

 

「もういいから!私の前でこれ以上私のクイズをしないでくれ!!恥ずかしさで死にそうだ!!君達ほんとに初対面か?仲良すぎだろう……」

オールマイトの鶴の一声で終わりを告げた。

 

「失礼しました、オールマイト。彼が思った以上に出来るので愉しくなってしまいつい……」

「すみませんでした、オールマイト!」

僕らは二人してオールマイトに謝罪する。

 

「でも最後にひとつだけ聞こう―――」

サーナイトアイの空気がまた変わった、なにを聞いてくるんだ?

 

 

 

 

 

「―――絶対に世間には知られてはいけない、オールマイトの個性の秘密とは?」

サーナイトアイの言葉に僕は動揺が隠せなかった。

 

サーナイトアイはワンフォーオールのことを知っているのか!?なぜそれを尋ねてきた?言ってもいいのか?試されている―――

 

「答えてもいいんですね? 」

僕はオールマイトをちらりと見る、オールマイトはなにも言わなかった。

 

「その名前はワンフォーオール、増強系の個性に見えますが、その本質は積み重ねた力を他人に譲渡できることです、今は僕の体にも宿っています…!」

僕はサーナイトアイに言い放つ、これでよかったんだよね……

 

「正解だ、そこまで知っているということは、自身に宿っているというのも妄言ではなさそうだな」

サーナイトアイは納得したような顔をしてそう言う。

 

「では私も貴様を、緑谷出久をオールマイトの後継者として認めよう」

「―――えっ!?」

サーナイトアイの言葉につい驚きが言葉に出てしまった、そんなにあっさりと認めてくれるのか!?

 

「なにを意外そうな顔をしている、オールマイトが認めた相手だぞ、私が否定する理由などほとんどないだろう。そうだな、緑谷出久よ、オールマイトの個性はどれ程使える?」

「えっと、フルで使えるのは5割ほどですね」

「ふむ、その程度なら及第点といったところだな、私や並のヒーローよりはそれでも遥かに強い。それに貴様がまだ14歳だということを考慮すれば十分すぎるだろう。まあ、まだ5%しか使えません!などとぬかすようなら、私の育てていた後継者候補を宛がっていたがな!」

サーナイトアイが矢継ぎ早に話す、前世のままだったら危なかったな…鍛えていてよかった!

 

「認めて貰えてよかったな!緑谷少年!」

「はい、オールマイト!地道に努力してて良かったですよ!」

僕はオールマイトと共に喜ぶ。

 

「喜んでいるところ悪いが、そろそろ本題に移ろう」

「えっ?いまのが本題じゃなかったんですか?」

「まずは試すと言っただろう?人の話はちゃんと聞け。本題というのは他でもない―――」

 

 

 

 

「――貴様はオールマイトが死んだ未来から時間を遡って来たと彼に言ったそうだな、それは本当か?」

サーナイトアイは一歩踏み出しながら、今までにない真剣な表情で尋ねてくる。

 

「それは……本当のことです。信じてもらえるとは思いませんが、それでも僕はオールマイトを(たす)けるためにここにいます」

僕はサーナイトアイに自分の信念を告げる。

 

「そうか……信じよう。本来なら未来から来たなどという与太噺は信じないのだがな。オールマイトがヴィランにやられて死んでしまうということは、誰も本気で想像すらしないだろう。それが出来るのは私とオールマイトだけだ……」

「ふたりだけ……?どういう意味です?」

僕はその意味深な言葉の意味をサーナイトアイに訊く。

 

「そうだな…私の個性は“予知”だ、その個性でオールマイトの未来を視たんだ、今から1年か2年の間に彼が戦闘の中で命を落とす未来をな……」

「それは……!」

「そう、貴様が来たという未来、その結果と私の予知は一致しているんだよ。故にこのことを知っている私とオールマイトだけがお前を信じられるということだ、わかったか?」

「わかり……ました……」

僕はサーナイトアイの言葉に衝撃をうけて、返事もたどたどしくなってしまった。でも()()()()は訊かなくては!―――

 

「ナイトアイ!その未来は変えられないんですか!?」

「私の予知が外れたことは今まで1度もない……」

「そんな!そんなことって…!くそっ!!」

僕はサーナイトアイの宣告に堪えきれず、悪態をついてしまう。じゃあ何のために僕はここに来たというんだよ!!

 

「落ち着け緑谷出久、ただそれだけなら私とオールマイトが揃ってここに来てこんな話をするわけがないだろう」

「それはどういう―――」

「私とオールマイトは先日、貴様という存在とこれからの未来について話し合ったのだ、そこで未来は変えられるのではないか、という仮説を立てたんだ」

「――――!!」

僕はサーナイトアイの話に言葉を失ってしまった。仮説?未来を変えられるのか!?

 

「HAHAHA!ついつい話が弾んで長電話になってしまったがね!私も彼も、そして君も!諦めるにはまだ早いというわけさ!!」

「ええオールマイト、その通りです!さて貴様にもわかるように1から説明をしてやろう、聞き逃すなよ?」

「――!はいっ!!」

僕は大きな声で返事をする、よし!まだ希望は残っているんだな?僕も諦めないぞ!!

 

 

「まず、貴様が未来で死んで過去に戻ってきたということについてだが、そんな超常現象を起こせるのはこの世に一つしかない……そう“個性”だ」

「無個性だと思われていた貴様は実は死んでから過去に戻る類いの個性を持っていた、と考えるのが普通だろう、しかし私はそこに違和感を抱いたのだ、何かが違うとな…」

サーナイトアイが黙々と話していく、僕はただ黙って聞いていることしか出来ない。

 

「そこで引っ掛かったのが、オールマイトと出会ってからの貴様の半生だ。その半生はあまりにも運命的すぎる、まるでコミックの主人公のようにな。よって私達はひとつの推測を立てた、貴様の個性は自分の運命を変える類いの個性ではないか、というものだ」

「運命操作という強力すぎる個性だ、死んでからも作用を続けて自らの死を回避するため、記憶を持ったまま過去へと舞い戻るという現象を引き起こしたのだろう」

サーナイトアイの話に僕はもうなにも言えなかった、僕が元々個性を持っていただって!?なんだよそれ!

 

「齢14にして芽生えた超遅咲きの個性、それが貴様の運命を変え続けて来たのだろう。貴様の個性に名前をつけるならば、そうだな…貴様の母親の個性になぞらえて、“運命を引き寄せる個性”とでもいったところか―――」

「――っ!その個性があれば未来が変えられるんですね!!」

「人の話を遮るな、それは違うな。おそらくその個性は過去に戻ってきた段階でワンフォーオールと引き換えに消えてしまっているだろう。その証拠に昨日という日まで貴様はオールマイトに会いたくても会えていなかった、そんな強力な個性を持ってすれば簡単なことだろうにも関わらずだ!つまり貴様は死ぬ前に持っていた個性で変えてきた運命の残響をなぞらえているに過ぎないのだ!!恐らく、これからもそうなのかもしれない……」

サーナイトアイは立て続けに話していき、段々と言葉尻が強くなっていたが、最後は呟きに変わっていた。それはつまり―――

 

「それじゃあ運命は変わらないって言うんですか!?オールマイトの死は避けられないと!?ふざけるな!!そんなことがあってたまるか!!!」

僕はサーナイトアイの言葉が信じられずに喚きだす。だがそれはすぐに止められた―――

 

「落ち着け緑谷少年!まだ話は終わってないぞ!!運命を変えられる仮説を立てたと言っただろう?ナイトアイ、君もだ!話は最後までしなければな!」

「すいません、オールマイト…弱気になってしまいました。では残りは貴方からお願いします!」

「了解だ!さて緑谷少年、確かに君は今まで、君が死ぬ前の過去、つまりは前世だな、その運命の跡を辿っていただけなのかもしれない。だがな緑谷少年!その中で少しでも前世と変わったことがあったんじゃないのか?」

オールマイトが場を納めて話を進めて僕に尋ねてきた。変わったこと……?

 

「私達はその変わったことの原因こそが運命を変える力を持っているのだと思ったのだよ!」

「変わったことの原因……」

「そうだ!前世の君になくて今の君にあるもの!それこそ運命を変える唯一の手段になるはずだ、わからないかい?」

オールマイトは笑顔を絶やさずさらに僕に尋ねる。なにかが引っ掛かってきたぞ―――

 

「前世の僕になくて、今の僕にあるもの――――ハッ!?そうか、わかったぞ!わかりましたよオールマイト!!」

「わかったかい?緑谷少年よ!!そうそれは―――」

 

 

―――僕のなかで全てが繋がる。

 

 

「それは―――」

 

 

 

―――前世の僕になくて今の僕にあるもの…

 

 

 

 

「それは―――」

 

 

 

―――運命に負けないその力の名は……

 

 

 

 

 

 

 

「「「筋肉だ!!!」」」

 

 

 

「そう!筋肉こそが運命に抗うための唯一の力!!君はそれを知っているはずだね?」

「はい!大きな変化ではなかったけども筋肉によって僕らの出会いは確かに変わりました!!」

僕は希望を胸に大きく答える。

 

「そうだからこそ、私とオールマイトはここに来た!これから貴様を、貴様の筋肉を運命に勝てるように鍛えるためにな!!」

サーナイトアイが叫ぶ。

 

「その通りだ!!これから私とナイトアイ、二人で君を鍛え上げる!そして君と私!その死の運命を変えるんだ、筋肉によって!!」

オールマイトが力強く僕に語りかける。

 

「はい!僕は強くなります!!そしてオールマイトをこの筋肉で必ず(たす)けます!!!」

僕は精一杯叫んで自分を鼓舞する。

 

「うむ、その意気だ!!では二人ともやるぞ!!」

オールマイトが拳を掲げる。その姿はいつのまにか平和の象徴そのものになっていた。

 

「「応!!!」」

僕とサーナイトアイが揃って拳を掲げた―――

 

 

 

 

 

――――こうして僕が筋肉によってオールマイトを救けるための修行の日々が始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、というわけですべての始まりは筋肉だったんですよ!

ようやくこのSSの命題である、なぜデクは過去へと戻ったのか、なぜ筋肉なのかを明かすことが出来ました!

これからが本番になります、是非ともお付き合いお願いします!


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