橘ありすのそばに居たいだけ。   作:桃音@まゆすきp

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ライブ、頑張りますから……だから……。


大変遅れました。その癖に文字数は少ないです。
しばらく更新が遅くなります。


6話

「え……?機材を載せた車が渋滞でまだ来てない!?

どうするんだよ。」

「儲け重視で安いとこで頼むからっすよ…。」

 

 

 

きゅっきゅっとレッスンシューズが音を鳴らす。

ライブ…頑張らなきゃ…。

プロデューサーの期待に応えなきゃ…。

 

「ありすちゃん。少し…休憩を入れた方が……。」

「大丈夫です。まだやれます。」

 

大好きなプロデューサーの為に…。

名前を読んでもらう為に頑張らなきゃ…。

 

「あ、ありすちゃんっ!?」

 

不意に身体が重くなる。

ダメ、こんな時に……。

まだ私は出来る…出来る…。

弥生さんも来てくれるんだから…。

 

 

 

 

 

**********

 

「んーっ。雨降りだなぁ…。」

 

傘を差して、私はライブ会場まで移動する。

ライブ会場までの電車賃はお母さんが出してくれました。帰りは迎えに来るとのこと。

私はとりあえず、女性専用の車両に乗る。

 

「お姉ちゃん、まだ着かないの?やっぱりPくんに頼んだ方がよかったんじゃ?」

「ううん、ありすちゃんのライブ見る為なら頑張れるんだ★」

 

あ、あれ?なんか聞き覚えがする声だ。

 

「や、ヤバくない?結構こっち見られてるよ?」

「大丈夫大丈夫ってばー!」

 

電車の中で大騒ぎはよくないので、後で握手とサインお願いしよう。うん。

ただしかし、アイドルと一緒の電車とか最高すぎですな。

 

えとえと前からずっと♪それからそれから……♪

「ファンです!」\キャー/

ね、お願い♪最後はさ、さ、サインください♪

 

って言ったら怒られそう。城ヶ崎姉妹ファンに殺されそう。

ちなみにスパラブ大好きだよ。世界中にスパラブ!

電車がライブ会場最寄り駅に停車し、私は降りる。

サイン貰おうと思ったらそそくさと消えていった…。

まぁ、そうよね。

人生は甘くないものです。

 

何かにとんっとぶつかる。

ポカリとか風邪薬を沢山抱えた男性だ。

 

「あ、ごめんなさいっ。」

「す、すみませんっ。」

 

散らばってしまった蓋が星型の栄養ドリンクやポカリや風邪薬、冷えぴた等々を拾う。

 

いや、持ちすぎだろう。

 

「すみません、慌てすぎてしまったために…袋に入れる事すら忘れてて……。」

「え…バカなんですか?

どんなに慌てても、こんな事になったら目も当てられないじゃないですか。」

 

半分抱えて男性に申し出る。

 

「ここの近くまでなら運んであげます。」

「いいんですか!?」

 

ありすちゃんのライブまで時間はまだある。

ありすちゃんならここは放っておかないで手伝うだろう。

 

(案外優しいんだ。男性に惚れた?

 

ちがわいっ!

ありすちゃん一筋なの!

 

ライブ会場の前まで歩く。

 

あー、通りすぎちゃうんだろうなぁ。

 

「目的地はここです。」

「え…?」

 

ライブ会場が目的地だったらしい。

 

「まさか…アイドル…?」

「いえ、自分はプロデューサーです。」

 

びっくりだよ。

今日ライブするのってありすちゃん以外にもいるんだよね。

何のプロデューサーなんだろう。

音楽?映像?

 

「私も目的地ここだったんでちょうどよかったです。」

 

アイドルの控え室は一般公開NGという事で入り口付近でお別れだ。

 

「弥生さん。ありがとうございました。」

「はいはい、お兄さんも頑張ってね~。」

 

そういや…風邪薬は誰のだったのかな。

誰か風邪引いたのか?

 

 

**********

 

熱い……熱いです……

文香さんが心配そうにこちらを見ています。

 

「ありすちゃん、そろそろプロデューサーが来ますから。」

 

返事すら出来ずに私はうなずく。

 

廊下の方から話し声が聞こえる。

 

「それでは、ここから先が一般公開NGなんで。」

「まぁ、そうよね。」

「弥生さん、ありがとうございました。」

「はいはい、お兄さんも頑張ってね~。」

 

や、弥生さん…?

 

ふらつく身体を無理矢理動かします。

プロデューサーが色々抱えて部屋に入ります。

 

「あ、ありす!動いちゃダメじゃないか!」

「……よいさん……や、よいさんがいるんでしょう……?」

 

弥生さんが来てくれたんです。

本番前に会えたらきっと頑張れるから……。

 

プロデューサーが部屋から出て叫びます。

 

「弥生さんっ、ま、待って…!

会いたがってる人がいるんですっ。」

 

 

 

 

「お兄さん、人使い荒すぎ。

あ、でも、会いたがってる人がいるんですか!

アイドルですか?私、アイドル大好きなんですよ~!」

 

 

……弥生さんの声が近づきます。

 

 

 

 

「弥生さ…ん。」

 

 

**********

 

「弥生さ…ん。」

 

 

呼び止められて戻ったら、驚いた。

 

「あ、ありすちゃん……!?」

 

ありすちゃんがふらふらしながらこっちに来る。

 

「ありすじゃないれす……橘れしゅ……。」

 

呂律が回ってない。

おでこを触ってみるととても熱い。

 

「え……?」

 

文香さん…え?生文香さんがお兄さんに状況説明をしている。

 

「きてくれて……ありがとうございます。」

 

いやいや、ありすちゃん寝て!

立ってちゃダメだよ。

 

 

**********

 

「機材も来ない、ライブするアイドルは高熱。

 

ライブは中止がいいんじゃないか?」




https://mobile.twitter.com/momo82799442

実はツイッター始めました。
よかったら話しかけてくれると嬉しいですよ。

次回更新は遅れます。
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