とある魔術の仮想世界   作:小仏トンネル

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第26話 ラッキースケベ×3

 

「きゃああああああああああああああああああああ!?!?!」

 

「どわああああああああああああああああああああ?!?!?」

 

 

いきなり悲鳴を上げる上条とシリカ。原因は上条当麻が明日行く思い出の丘について『ミラージュスフィア』というマップを立体的に映し出すアイテムで説明しようと思い、シリカが泊まっている宿の一室に入った。ところが運悪く彼女は下着姿だった為、2人して悲鳴を上げた

 

 

「上やんさんの…バカアアアアアァァァァァ!!!」

 

バッチーン!!〜☆

 

「ぎゃああああああ!!不幸だああぁぁぁぁ!!!」

 

 

シリカの怒りのビンタによって宙を舞う上条。現実世界でも仮想世界でも女子と関わればこうなるところは変わる様子はない

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「さ、先ほどはつい失礼を…」

 

「い、いや俺の方こそノックもせずにすいませんでした……」

 

「い、いえ…それにわざわざ丁寧にマップの説明もして下さってありがとうございm…」

 

「しッ!!」

 

「ふぇ!?上やんさ…」

 

ダダダダダッ!バンッ!

 

「誰だ!?」

 

スタタタッ…

 

 

上条が部屋でシリカと話していたところ、上条の索敵スキルに何かが反応した。シリカとの話を静止し、勢いよくドアを開けるが、相手もそれに気づいたのか、階段から駆け降りた後だった

 

 

「・・・逃げられたか…」

 

「な…何だったんですか?」

 

「聞かれてたのさ、俺たちの会話を」

 

「え!?で、でも。宿屋ではノックなしにはドア越しの声は聞こえないはずじゃ…」

 

「『聞き耳スキル』を上げていれば話は違ってくる。そんなの上げてるヤツは中々いないと思うけどな」

 

「何で立ち聞きなんか…」

 

「・・・・・」

 

 

2人をつけ狙う不穏な「何か」。その気配を感じとれてはいるのだが、その正体は掴めない。得体の知れない不安を抱えながらも、2人は宿屋で眠りにつき次第に夜は明けていった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「わあああああぁぁぁ〜!!夢の国みたい……」

 

「相変わらず花だらけだなここは」

 

 

翌日2人は準備を整えると早速準備を整え、35層の転移門を潜り、47層のフローリアへ来ていた。辺り一面に広がりどこまでも続いている色とりどりの花にシリカはすっかり見惚れてしまっていた

 

 

「アルゴの話だと、ここは『フラワーガーデン』なんて呼ばれててな。フロア全体が花だらけなんだ…っとおい!シリカ?」

 

「は〜〜〜えへへ…」

 

「はぁ、全く…女の子はやっぱこうなっちまうのな〜」

 

(・・・あれ?でもここって)

 

 

シリカは花や花の蜜を吸う虫を眺めながらふと周りを見てみる。すると、あることに気づいた。辺り一帯が男女2人のペアだらけ。よーするに恋人同士の人たちがほとんどだった。

 

 

(・・・ひょ、ひょっとしてここって…デ、デデデ…デートスポット!?)

 

「・・・おい、シリカ?」

 

「ひゃ!ひゃい!お待たせしましゅた!」

 

(か、噛んじゃった…)

 

(噛んだな…しかしまぁ、どいつもコイツも見せつけるようにイチャついてくれやがって…はぁ…上条さんも可愛い彼女か出会いが欲しい…)

 

 

いくら鈍感な彼でもここまで恋人が多いと流石にここがデートスポットだと分かった。しかし、やはり自分への女子からの好意には鈍いままだ。ここに土御門や青髪ピアスがいたら間違いなく彼もどつかれていたところだろう

 

 

「さて、行こうか」

 

「は、はい!」

 

 

2人で47層をしばらく歩き、思い出の丘に行くまでの安全圏を跨ごうとした時、上条は一度立ち止まり、シリカにあるアイテムを差し出した

 

 

「さて、シリカ。これ持っといてくれ」

 

「・・・これは?」

 

 

上条がシリカに手渡したのは転移結晶だった

 

 

「もし俺が危険だと判断して、『逃げろ』って言ったら、これを使ってどこの街でもいいから転移するんだ」

 

「・・・でもそれじゃあ上やんさんが…」

 

「俺のことは気にしなくていい。ただ俺に心配をかけたくないなら、約束してくれ」

 

「・・・分かりました」

 

 

そう言うとシリカは彼の手から転移結晶を受け取り、腰につけているアイテムポーチにしまった

 

 

「よし、じゃあ行くか。思い出の丘まで後少しだ」

 

「は、はい!」

 

 

そう言ってスタスタと道を歩き出す上条の後を急いで追いかけ、また彼の隣に駆け寄るシリカ

 

 

「・・・あ、あの…上やんさ…」

 

シュルシュル!ガシッ!

 

「うわっ!?わあっ!?」

 

「ッ!シリカッ!」

 

 

シリカの背後からモンスターのツタが忍び寄り、彼女の足を絡め取り、彼女を宙吊りにした

 

 

「きゃああああああっ!?」

 

「グパァァァァ…」

 

 

そして宙吊りにした彼女を丸呑みにしようと植物系のモンスターの口が大きく開かれる

 

 

「ひいいいいいっ!?いやあああぁぁぁぁぁ!!!」

 

「おい!落ち着けシリカ!こいつそんなに強くない!お前でも余裕持って倒せる!」

 

「か、上やんさん!助けて!見ないでーー!!」

 

「そ、そりゃ無理ですよ…上条さんだって男の子ですから…///」

 

 

足を上にして宙吊りにされているせいで重力を受けたスカートがどうしても下がって来てしまう。おかげで彼女のパンツは上条からは丸見えだ

 

 

「こんのおおおお!いい加減に!しろおおおお!!」

 

「グオオオオオっ!?」

 

 

装備しているダガーで自分を拘束するツタを切り裂くシリカ。そした落下しながらソードスキルを使い、植物系モンスターを突き刺す。たちまちモンスターは光のポリゴンになって消えた

 

 

スタッ・・・

 

「・・・見ました?///」

 

「・・・い、いくら払えば良いんでせう?」

 

「そういう問題じゃありません!」

 

「・・・不幸だ…」

 

 

その先もモンスターを上条のアドバイス通りにシリカが倒しながら進んで行く。その道の途中でシリカがある疑問を上条に問いただした

 

 

「あ、あの…上やんさん…」

 

「ん?どうかしたか?」

 

「そ、その…どうしてそんな初期の片手剣を使ってるんですか?」

 

「あぁ、これか?これはな、お守りっつーか…俺自身の戒めみたいな物でもあるんだ」

 

「い、戒め…?」

 

「まぁ、色々あったんだ。やっぱりアレか?こんな初期武器背負ってたら本当に頼っていいのか心配になるか?」

 

「あ、いえ!そういうわけでは…」

 

「いや大丈夫さ、そういう反応するのが普通さ。でも、盾はちゃんと強化してるんだ。何だったら見てくれてもいいぞ?」

 

 

そう言って上条は、自身の装備として背負っている円形の盾を正面にもって来てシリカに手渡した

 

 

ズンッ!!

 

「!?ぅ重ッ!?」

 

「あ、スマン。大丈夫だったか?」

 

「い、いえ…大丈夫です…」

 

(め、めちゃめちゃ重い…た、確かにこの盾はこんな中層じゃ見られないくらいすごい盾…でもじゃあなおさらなんで…)

 

「なんでこんな初期の片手剣を装備してるの?ってか?」

 

「!?」

 

「さっきも言ったけどみんな最初は同じこと考えるから分かっちまうんだよ。まぁそれは俺の闘い方に関係してんだけど…あ、盾返してもらっていいか?」

 

「あ、すいません!ありがとうございました…お返しします」

 

 

そう言って盾を上条に返した瞬間、シリカの足下が紫色に怪しく光り、地面からモンスターが現れ、その触手がシリカの全身を絡め取った

 

 

「きゃあああああああ!!か、上やんさああああああん!!」

 

「おらぁぁぁぁっ!!」

 

バゴォオオオオッ!!!バァァアン!

 

 

上条の右拳がモンスターに突き刺さった瞬間、モンスターはHPがなくなり散霧する。そしてモンスターがいなくなったせいでシリカは空中に置き去りにされ、そのまま落下する

 

 

「いてっ!!」

 

「ま、こういう訳なんだ」

 

 

そう言って上条は盾を装備した左手とは逆の何も持っていない右手を閉じたり開いたりしてシリカに見せる

 

 

「す、素手…?」

 

「そ…そう素手…///。俺はそもそもが筋力とスキルの関係で剣を使うよりも素手…っつーか右手で戦った方が攻撃力が高いんだ…」

 

(素手の方が攻撃力が高いって…そんなの聞いたことが…しかも右手だけ?)

 

「で、そ、その…シリカさん…ぱ、パンツ見えてる…///」

 

「バカぁぁぁっ!!///」

 




もうお気づきの方もいるかと思いますが、この上条の左手に盾を持ち、右手で殴るという戦闘スタイル…奇しくも某アメコミシリーズの人気ヒーロー「キャプ○ン・アメ○カ」とほぼ同じですね…ちなみに作者はこの話書いた後に気づきました…

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