ゲイム・ザ・ブラッド~女神と第四真祖の交響曲~   作:ゴーレム参式

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書きたいから書いた。
それだけです。


真夏の夜の出会い(笑)
女神と強引なテンプレ


 四つの大陸と四人の女神が統治する世界――プラネテューヌ。

 かつて悪しき敵により何度も世界の危機が訪れたが四人の女神とその仲間たちの尽力により悪は倒され平和な日々が続いた。

 そして、四つの大陸の一つプラネテューヌにて――

 

 

「ネプテューヌさぁぁぁぁああああああああん! どこにいらっしゃるんですかぁぁああああ!!!!」

 

 プラネテューヌのとある教会。

 プラネテューヌを統治するひとりの女神が住んでいる居住地。その廊下で一冊の本に乗り、宙を浮きながら小人のような少女が憤怒の声を上げていた。

 彼女の名はイーストワール。あだ名はいーすん。歴代のプラネテューヌの女神たちを補佐してきた教祖であり、現在はプラネテューヌの女神のお目付け役をしている。

 

「あっわわ!? いーすんさん、そんなに声を上げてどうしたんですか!?」

 

 バタバタと十字キーの髪留めした紫の長髪の少女が慌てて駆け付けた。

 少女の名はネプギア。女神候補生と呼ばれる次期女神の少女であり現女神の妹である。

 

「ネプギアさんちょうどよかった。ネプテューヌさんをみかけませんでしたか!?」

「へ、お姉ちゃんですか?」

「あの人ときたら女神としての仕事が山積みになっているのに、私が目を離したすきに逃げだしたんですよ! まったく女神としての自覚をもってほしいですわ!」

「あっはははは…まぁ、相手がお姉ちゃんですし…」

 

 眉間に皺をよせ、不満げな溜息を洩らすイーストワール。

 ネプギアは苦笑を浮かべたのち、あることを思い出す。

 

「そういえば、今日は最新ゲームの発売日だったと思います。たぶんそれを買いにいったんじゃ…」

「たしか、実態体験ができるゲームでしたわね。ゴーグルを装着するとゲームの中を体験できるという」

 

 あのゲーム好きな怠惰な女神なら必ず買いに行くはず――神祖はすぐに確信した。

 なにせ普段はぐーだらなのに娯楽なら即座に行動する女神(ニート)だ。面白い物があればすぐに飛んでいくダメ人間――駄女神だ。その努力を仕事に向けてほしいとイーストワールは願いたいが、望みは薄いことは決まっていた。

 

「しかたありません。すいませんがネプギアさん、ちょっくらネプテューヌさんを迎えに行ってはもらませんでしょうか―――」

 

 女神の妹であるネプギアに連れて帰るよう頼むイーストワール。だが、すこし目を離した隙にその場にいたはずの女神候補生はおらず、代わりクマの人形が廊下に置かれていた。

 そのクマの手にはプラカードが握られており、そこには――

 

『ユニちゃんと一緒に買い物に行ってきます。夕飯までにか帰りますので』

「――ブルータス、あんたもか」

 

 まさかの裏切りにイーストワールの胃がキリキリと痛み、口元から血が流れる。

 プラネテューヌの教祖。今日も胃痛がマッハであった。

 

==========

 

 一方、教祖がブラック企業よろしくと働いているころ女神はというと――、

 

 

「ねぷねぷねーぷねぷねーぷ~♪」

 

 活気あふれる未来都市な街で陽気に歩いていた。

 

「いや~予約してなかったとはいえラスト一個で買えてよかったよ~。これも日ごろの行いのおかげかな~」

 

 彼女の名はネプテューヌ。妹のネプギアと似た容姿で二回りほど小柄だが、こーみえてここプラネテューヌを守護するれっきとした女神である。

 なお、彼女の右手には最新ゲームを入れた紙袋を握っていた。

 すぐさまゲームをしたい衝動にかられるネプテューヌだが、現在、居住地である協会とは反対側の方角を歩いていた。

 

「今頃い―すんが激おこいーすんになってるだろうから帰ったら速攻説教コースでゲーム没収されるのは確実だなー」

 

 仕事を放りだしたゲームを買いに行ったのだ。協会に帰れば即座に鬼神と化した教祖が出迎えるのは間違いないだろう。

 

「しょうがない。今日はどっかに別の所に泊まってゲームでもやるか。さて、どこで…」

 

 顎に指をあた手考えるネプテューヌ。

 ここは親友たちの所に厄介になるべきだろうが――

 

コンパ…看護師の合宿でいない。

 

アイエフ…教祖に情報を流すからダメ。

 

ベール…オンラインゲームの期間限定クエストに没頭して缶詰状態。

 

ブラン…小説の締め切りでこちらも缶詰状態。

 

「ダメだー。今回はあいちゃん以外タイミングが悪すぎる。ってか後半仕事してないじゃん。女神として大丈夫…?」

 

 と、自分のことを棚に上げて同じ女神二人に飽きれるプラネテューヌの女神がここにいた。

 

「だとすればノワールのところだよね。ぼっちだし私が来ると大歓迎してくれるし。あとお菓子とかジュースをだしてくれるかも。いや~持つべきものは親友だね~」

 

 大の親友である女神を思い出し、期待に胸を躍らす。ちなみに蒼い大空で黒いツインテールの少女が浮かんで『出す以前に勝手にお菓子とジュースを飲むまくってるでしょうアンタ! あと、だれがボッチよ!!』と叫んでいたような幻影があったようなかったような。

 

「そうと決まればノワールのいるラステイションにレッツラゴー!」

 

『こっちくんなー!』

 

 

==========

 

 プラネテューヌの都市から歩いて一時間ほど。

 プラネテューヌとラステイションを挟む森にてネプテューヌはただいま森の中を横断していた。

 

「ふふふっ、こんなこともあろうとラステイションに行ける近道はすでに確保しているのだこれが。ここを通ればモンスターとの戦闘も避けられてラステイションま直行でいけちゃうだ~。いや~クエストで偶然発見できてよかったよ~あっははは!」

 

 と、笑いながら獣道を歩くネプテューヌ。

 森林が薄くなっていくなか紙袋を大事に抱えながら突き進む。

 

「この森林の先にある広い場所にいけばラステイションはあと少し! がんばれわたし! ゲームプレイまであとすこし!」

 

 そして、木々の枝をかき分けついに広い場所へと抜けた。

 

 

 

 

「――問おう、貴様が紫の女神か?」

 

 

 が、その場所には先客がいた。

 声からにして男だろうが、その全身をボロボロな布切れで覆い隠しているため性別は不明。ただし人間ではないだろう。身長はネプテューヌよりも十数倍高く、おそらく五階建てのアパートくらいあるだろう。

 例えるなら巨人だ。そして、見るからに怪しさ100%であった。

 

「えーと…どちらさまで?」

 

 唐突の怪しい人?から質問に困惑するネプテューヌ。

 とりあえず警戒をするも、謎の巨人は小さな少女に視線を合わせるよう上半身を少し曲げ、見下ろす形で落ち着いた物腰で言葉を紡ぐ。

 

「かの世界を救うには貴様の力が必要だ。急ですまないが貴様には別の次元に行ってもらう」

「…えーこれって強制イベント的なやつ?」

 

 疑問を浮かべメタをつぶやくネプテューヌ。

 しかし、疑問は驚愕に変わる。

 突如として自身と巨人の間に黒い力場が生まれ、それが空間を穿つ穴と化した。

 その穴より引力が発生し、ネプテューヌを吸い込もうとする。

 

「ちょっと~! こんな強引なテンプレはいやなんだけど!?」

 

 地面に踏ん張りも、小柄な彼女には次第に強くなる引力には逆らえずその穴へと引き込まれてしまった。

 

「あ~れ~吸い込まれる~!?」

 

 持っていた紙袋を落とし、ネプテューヌは黒い穴へと姿を消した。

 役目を終えた様に穴はすぐさま霧散する。

 

「頼んだぞ女神よ。貴様の仲間も…我々もすぐそちらに向かう」

 

 巨人はそう言い残し、広場に一陣の風が吹く。

 風が止む頃には巨人の姿がなく、地面には最新ゲームを入れた紙袋だけが残されていた。

 

 




謎の巨人は正体は読んでいけばわかる…はず。

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