真・恋姫†無双 転生伝   作:ノブやん

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十二話

軍議が始まる前にもう一度、一刀を交えて楽進、李典、于禁に自己紹介をし、三人の真名を授かり、軍議が始まった。ちなみに沙和は補給物資の配給作業のため軍議にはいない。

 

「さて。これからどうするかだけれど…。新しく参入した凪たちもいることだし、一度状況をまとめましょう。…春蘭。」

 

「はっ。我々の敵は黄巾党と呼ばれる暴徒の集団だ。細かいことは…秋蘭、任せた。」

 

「やれやれ…。」

 

「黄巾党の構成員は若者が中心で、散発的に暴力活動を行っているのだが…特に主張らしい主張はなく、現状で連中の目的は不明だ。また首領の張角も、旅芸人の女らしいという点以外は分かっていない。」

 

「わからないことだらけやなぁ~。」

 

「我々の村では、地元の盗賊団と合流して暴れていました。陳留あたりでは違うのですか?」

 

「同じようなものよ。凪たちの例もあるように、事態はより悪い段階に移りつつある。」

 

悪い段階ね。好き勝手暴れている烏合の衆から、盗賊団や同じような集団と結びつき組織としてまとまり大部隊になると軍としても厳しくなるってとこか。

 

「これからは、一筋縄では行かなくなったという事よ。こちらも味方が増えたのは幸いだったけれど…これからの案、誰かある?」

 

「定石としては、頭の張角を倒し、組織の自然解体を狙う所ですが…」

 

「張角ってどこにいるんですか?」

 

「もともと旅芸人だったこともあって正確な居所は掴めていない。むしろ、我々のように特定の拠点を持たず、各地を転々としている可能性が高い。」

 

一刀「本拠地が不明で、どこからでも湧いて出てくる敵か…。苦労するわけか。攻めようがないな。」

 

「そうよ。でもだからこそ、その相手を倒したとなれば、華琳様の名は一気に上がるわ。」

 

どこからでも湧いてくる敵か。確かにそういう相手を倒せば名を挙げることが出来るのは分かるが、なんかヒントになるもんないかな?と考えていると、恐縮した沙和が天幕に入ってきた。

 

「…すみませーん。軍議中失礼しますなのー。」

 

「どうしたの、沙和。また黄巾党が出てきた?」

 

「ううん、そうじゃなくてですねー、街の人に配ってた糧食が足りなくなっちゃったの。代わりに行軍用の糧食を配ってもいいですかー?」

 

「桂花、糧食の余裕は?」

 

「数日分はありますが…義勇軍が入った分の影響もありますし、ここで使い切ってしまうと、長期に及ぶ行動がとれなくなりますね。」

 

「とはいえ、ここで出し渋れば騒ぎになりかねないか。いいわ、まず三日分で様子を見ましょう。」

 

「三日分ですね。分かりましたなのー。」

 

「桂花、軍議が終わったら、糧食の補充を手配しておきなさい。」

 

「承知いたしました。」

 

「すみません。我々の持ってきた糧食は、先ほどの戦闘であらかた焼かれてしまいまして……。」

 

一刀「なぁ、ちょっと思ったんだけど、部隊の規模が増えると、糧食の消費も増えるんだよな?」

 

「……なるほど。」

 

「その手があったわね。」

 

如月「あれだけの大部隊なんだから、どこかに物資の集積拠点があるってことか。」

 

「桂花は周囲の地図から、物資を集積できそうな場所の候補を割り出しなさい。偵察の経路は、どこも同じくらいの時間に戻ってこれるように計算して。他の者は偵察経路が定まり次第、出発なさい。それまでに準備を済ませておくように!沙和も偵察に出すわ。一刀は沙和に作戦の詳細伝えた後、食糧の配給作業を引き継ぎなさい。」

 

如月「華琳、俺、空飛べるけど、空から探すか?」

 

「ええ、如月は空からの偵察と、集積拠点が見つかった後の各部隊への帰還の伝令役を。」

 

如月「了解。」

 

黄巾党を仕留めるために、みんな慌ただしく動き出した。

 

 


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