仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング   作:エクシ

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仮面ライダーゲンム 檀黎斗は衛生省から「リセットによって幻夢コーポレーションに戻ってしまったプロトガシャットを取り戻す」ことを言い渡される。それを阻むのは謎のライダー プロトブレイブだった。


仮面ライダーゲンムVSプロトブレイブ
第1話「Protectされた幻夢」


ブハ!ブハハハハハ!私だ!檀黎斗神だ!!神となった私に不可能はない。いや新檀黎斗であった時も檀黎斗であった時も不可能はなかったが、今の私こそ完全にして完璧!よって衛生省から土下座をして頼まれた(嘘だが)この事案などあっという間に私が解決する。何を頼まれたかだと?いいだろう、偉大なる私が教えてやる。

 

 

 

 

 

「檀黎斗、君の拘束を一時的に解くことが決定した。」

 

 

衛生省の日向恭太郎がCRの画面越しに私の名を”檀黎斗神”と呼ぶことなく言った。ほんの少し前までは私に変身システムの協力を要請していた男が今や私を罪人扱いだ。全く…こいつも礼儀がなっていないな。

 

 

「だが1つだけ条件がある。」

 

「条件だと?私は花家先生や西馬ニコを助けるためにクロノスのいるゲームエリアへのチートコードを提供しただろう。それで十分なはずだ。」

 

「…君はプロトガシャットの重要性については誰よりもわかっているね。」

 

 

プロトガシャット。

 

ゲーム病によって消滅した人間のデータが保存されている重要なガシャットだ。今は我が父(とも思っていないが) 檀正宗の元にそれらはある。九条貴利矢が嘘くさい演技をして取り返してきたらしいが、リセットの影響でほとんどのプロトガシャットが正宗の元に戻った。

 

私が長らく使っていたプロトマイティアクションXガシャットも奴の手にある。くそ!あ、だが安心してくれたまえ。プロトマイティアクションXガシャットオリジンと私の死のデータで作り上げたデンジャラスゾンビガシャットは我が手に残っている。これでコンティニューさえすれば向かう敵なしだからな!ブハハハ!!!

 

 

「そのプロトガシャットを取り戻せ…ということか。」

 

「察しがいいじゃないか。明日那くんにも同行してもらうつもりだ。」

 

 

仮野明日那。画面に映る日向とCRに設置されているゲーム筐体の画面に映る私の間でキョロキョロしているこのバグスターのことだ。真の名は…。

 

 

「コスチュ~ムチェンジ~~!!」

 

 

来たか。正直悪い気はしない。素晴らしいゲームキャラじゃないか。私は好きだぞ、こういうの。

 

 

「黎斗!私、ポッピーピポパポが一緒について行くから安心してね!」

 

「フン、私の見張り役というわけか。まぁいいだろう。私も幻夢コーポレーションに久しぶりに戻りたいしな。」

 

 

それは本心だ。本社ビルにはまだ私のもとに置いておきたいものがある。ポッピーがついてくるのは「余計なことをさせるな」という衛生省からの命令なのだろうが…まぁいい。

 

 

 

 

 

というわけで私たちは今幻夢コーポレーションの前にいる。辺りにはゲムデウスウイルスに感染した一般人共がゾンビのようにウロウロしているが今はプロトガシャットの回収が最優先だ。九条貴利矢はこの時バグスターでありながらゲムデウスウイルスが再発していたらしい。情けない奴だ。

 

 

「じゃあ黎斗!行くよ!」

 

 

ポッピーはガシャコンバグヴァイザー(ツヴァイ)をパッドモードのまま握りしめている。いつでも私を吸収出来るようにか。そんなポップな見た目の割に抜け目のない奴だ。そんな風に私はプログラムしただろうか。

 

そんなことを考えている間にポッピーは走って幻夢コーポレーションへ入ろうとする。まるで実家に帰ってきた上京娘のようだな。

 

…何かおかしい。

 

 

「待て!ポッピー!!」

 

 

私の制止を聞くことなく自動ドアを通って入ろうとするポッピー。しかし見えない何かがポッピーの侵入を拒み、電撃が彼女の体を攻撃した。

 

 

「キャアアアア!!!!」

 

「ポッピー!」

 

 

私は倒れるポッピーを抱える。なぜ体が動くのか…いや今はそんなことはどうでもいい。幻夢コーポレーションにはプロテクターが仕掛けられている。それもバグスターを侵入させない厳重なプロテクターが。

 

考えてみればそうだ。幻夢コーポレーションは正宗にとって最も重要なもの。その社員たちがゲムデウスウイルスに感染してしまえば元も子もない。

 

 

「ポッピー、しっかりしろ!」

 

 

私の才能の結晶であるポッピーは削除させない。とにかく欠損した体を培養させる必要がある。

 

ポッピーの手から落ちたガシャコンバグヴァイザーⅡを取りポッピーを吸収する。そしてそれと持ってきたノートパソコンを接続し、急速培養データをインストールした。フフ、完璧だ。これでポッピーの培養スピードを速めることが出来る。

 

 

「次はコイツをどうにかしないとな。」

 

 

幻夢コーポレーションに施されたプロテクターは完璧なものだった。バグスターになら容易な電子機器からの侵入も一切カットされている。これを設計するとは正宗もなかなかのシステムエンジニアを雇っている。

 

だが天才プログラマーたる私の前ではこのプロテクターは”ほぼ”完璧なもの…いや大したことがないものへと成り下がる。ほんの10分もしないうちに…はい、完成。私のみ入ることが出来る設定に書き換えておいた。ガシャコンバグヴァイザーⅡに入ったポッピーは私と同じ存在として扱われているため問題なかろう。

 

ノートパソコンを片手にチェックしながら幻夢コーポレーションの正面口から堂々と侵入する。前社長が会社に入るのにこそこそなんてアホくさいからな。

 

 

「まさかこのプロテクターを破るとは…さすがですね。」

 

 

声のする方向を向くとそこにはオフィスカジュアル風の服を着た青年が立っていた。

 

 

「なんだ、君は。」

 

「しかし貴方ならこれを破るのは納得だ。檀黎斗。」

 

「檀黎斗神だぁ!」

 

 

全くどいつもこいつも…。

 

 

「それでお前は誰なんだ。」

 

「私は社長に雇われている霧島というものですよ。システムエンジニアです。」

 

 

霧島…聞いたことがない。正宗が雇ったのか?あの用心深い男が留守をこの男に任せたというのか。

 

 

「ということはあのプロテクターを設計したのはお前か。」

 

「えぇ。小星さんにプログラムはさせましたがね。」

 

 

小星作…ことごとく余計なことをしてくれる。まぁ脅されてなんだろうが。

 

 

「だがゲムデウスウイルスですら侵入させないプログラムを設計するとは…ただ者ではないな。」

 

「貴方にお褒めの言葉を頂けるとはね。光栄です。」

 

「勘違いするな。私には敵わんよ。」

 

「ククク…そうですかねえ。それでは試してみますか?」

 

 

そういうと霧島はジャケットの内ポケットからガシャコンバグヴァイザーとバグスターバックルを取り出した。それを組み合わせればバグルドライバーの完成だ。

 

 

-ガッチョーン…-

 

 

「何!?」

 

 

ガシャコンバグヴァイザーだと!?紫色のあのタイプはグラファイトが最後に使用してから行方不明になっていたはず。

 

 

「それをどこで手に入れた!?」

 

「ある人からお借りしてましてね。」

 

 

バグルドライバーが霧島の腰に巻かれた。かつては私が使っていた物だ、回収する!!こちらもゲーマドライバーを腰に巻きつける。そしてプロトマイティアクションXガシャットオリジンとデンジャラスゾンビガシャットを取り出し起動。

 

 

-マイティアクションX!-

 

 

ん?おかしい。デンジャラスゾンビガシャットが起動しない。何度もスイッチを押していると霧島はポケットから黒いガシャットを取り出した。

 

 

-タドルクエスト!-

 

 

黒いタドルクエスト…ということはプロトタドルクエストか。どうやらプロトガシャットはコイツが今持っているようだな。とりあえず起動するプロトマイティアクションXガシャットオリジンだけで戦うか。

 

 

「グレード0。変身!」

 

 

-ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティアクショ–ン!X!-

 

 

「ランク2。変身!」

 

 

-ガシャット!バグルアップ…!タドル メグル!ジェノサイド!タドル メグル!タドルクエスト!Woooo!-

 

 

私は仮面ライダーゲンム アクションゲーマー レベル0に、霧島は仮面ライダープロトブレイブ クエストゲーマー レベル2へと変身を完了した。プロトブレイブの見た目は鏡先生が変身したブレイブの色をそのままモノクロ調にしたような感じだ。想像しやすいだろう。

 

 

-ガシャコンソード!-

 

 

ほう、ガシャコンソードを使ってくるか。それならば私はポッピーのガシャコンバグヴァイザーⅡを右手にチェーンソーモードで取り付けるぞ。

 

 

-ガッチャーン…-

 

 

これでいい…!いくぞ!私が襲い掛かると同時にプロトブレイブもガシャコンソードで斬りかかってきた。ガシャコンバグヴァイザーⅡとガシャコンソードのぶつかり合いで火花が散る。

 

 

「なぜデンジャラスゾンビが使えないのかまだわかりませんか?」

 

 

私のガシャットに故障などはない。考えられるのは霧島(コイツ)が何か別のプロテクターを張っていることだろうか。

 

 

「だが幻夢コーポレーションを囲うプロテクターは私には効かない!」

 

「貴方には効かなくてもガシャットの中のバグスターウイルスにはどうですかね?」

 

 

なるほど。いくら私でもガシャットの内部の設定変更にはそれ相応の時間が必要となる。コイツはガシャットの使用を制限するプロテクターをガシャットに対して張ってるのだ。

 

 

「プロトプロテクター…と呼んでいます。簡単に言えばこの幻夢コーポレーション内ではプロトガシャットより後に作られたガシャットは起動しない!」

 

 

なるほど。デンジャラスゾンビは最近完成した新しいもの。一方のプロトマイティアクションXガシャットオリジンは通常のプロトガシャットよりも先に完成したα版。だからプロトマイティアクションXガシャットオリジンは起動したというわけか。

 

 

「何のためにそんなことを!」

 

「決まってるじゃないですか。CRの仮面ライダーたちに邪魔されないようにですよ。まぁほとんどのプロトガシャットは私たちが持っていますからプロトガシャットの使用までは制限しませんでしたがね。」

 

 

そういうとプロトブレイブはガシャコンソードで私に攻撃を食らわせて間合いを取った。ガシャコンソードを床に突き刺し、ベルトからガシャコンバグヴァイザーを取り外して右手に装着。

 

 

-ガッシューン…シュ・ドーン…-

 

 

ビームガンモードで私を狙い撃ち。最近コンティニューしてばかりだったせいか避けようという意思がなくなってしまってきたな。徐々に私のライダーゲージは削られていく。こちらも反撃の機会を狙うとするか。右手に装着したガシャコンバグヴァイザーⅡのAボタンを押す。

 

 

-キメワザ…-

 

 

私の動きを察したのだろう。プロトブレイブもガシャコンバグヴァイザーを腰に戻しABボタンを同時押し。待機音声が流れるが…させるか!こちらはガシャコンバグヴァイザーⅡのBボタンでクリティカルサクリファイスを発動させた。

 

 

-クリティカル サクリファイス…!-

 

-クリティカル エンド!-

 

 

コイツ…ゲームの腕までうまいのか。私より後に発動させにも拘らずほぼ同タイミングでクリティカルエンドを発動させるとは…!

 

プロトブレイブは黒いオーラをまとったガシャコンソードで一定の距離を置いたところから斬撃を飛ばす。私もクリティカルサクリファイスで対抗しようとするも姿勢をとった瞬間攻撃を受けてゲーマドライバーが吹っ飛んでしまった。その衝撃で飛び出たプロトマイティアクションXガシャットオリジンはキャッチしたがな。さすが私だ!

 

プロトブレイブは足元に転がってきたゲーマドライバーを拾い上げる。変身解除となった私はすぐに起き上がるも頭から流れる血のせいでクラクラとよろめく。

 

 

「貴様ァ…私のゲーマドライバーを返せ!」

 

「これはじっくり研究させてもらいますよ。」

 

 

そういうとプロトブレイブはバグスターが消えるときと同様の方法で姿を消した。くそ!奴はいったい何者なんだ…。

 

 

「黎斗!黎斗!」

 

 

ん?どこからか声がする。…そうか、もうポッピーがガシャコンバグヴァイザーⅡの中で目覚めたのだ。

 

 

「ポッピー。消えたくなければここに出ないほうがいい。プロトタイプのバグスターウイルスでなければ社内で生き延びることは出来ないようになっている。」

 

「え?じゃあ黎斗は?」

 

 

私は元人間のバグスターだからな。タイプが違うのだ。だがそんなことを説明するつもりなどない。

 

それどころではない!!

 

私のゲーマドライバーが奪われたのだ!許さん…許さんぞ霧島ァァ!!!

 

 

「ポッピー、行くぞ。」

 

「行くってどこに?」

 

 

決まっているだろう。11本のプロトガシャットに加え私が極秘に開発していた4本のプロトガシャットを取りにだ。その4本さえあれば残りのプロトガシャットを取り戻すことなど造作もない!ブハ!ブハハハハハアア!!!


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