仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング 作:エクシ
ゆっくりと、しかし確実にレジェンドディザストはその巨大な体を露わにする。人々もその姿を見て指をさしたり恐怖に怯えたりしている。
「レジェンドディザストはレジェンドライダークロニクルによって意識を奪われた人々の集合体。その動力源は一定以上吸収したレジェンドライダーたちの力だ。」
「レジェンドライダーたちの…力!」
「ゲームエリア内で発揮された能力に関する情報はすぐにレジェンドディザストの力の一部に変換される。つまり例えハイパームテキであってもある程度の時間が過ぎれば情報が解析されレジェンドディザストの力になってしまう。」
「ハイパームテキでも時間が経っちまえば倒せねえってことかよ。」
「…いいや、策ならあるぜ。」
士さんが一歩前に出てディケイドライバーを装着する。どういう方法があるっていうことだ…?
「…俺にも策がある。ニコ、いくぞ。」
「待って、大我とニコちゃんだけじゃ心配。私もついてく。何をするのかちゃんと教えて。」
さすがは長年の付き合いのポッピーだ。大我さんが何かを企んでいることに気がついているようだ。
「はぁ…勝手にしろ。あとディケイド、てめえの作戦が失敗したらこっちの作戦を実行する。エグゼイド、お前は絶対にハイパームテキになるな。」
「大我さん、どういうことですか?」
「いいから変身するんじゃねえ、わかったな。俺の作戦の陽動になってもらう。」
ハイパームテキの能力を解析する前に倒す。その作戦が僕の練っていたものだったけれど、大我さんの作戦とは噛み合わない。それに士さんも何か考えがあるみたいだし…。
大我さんはポッピーとニコちゃんを連れて院内へと戻っていった。僕たちでどうにかするしかないか…!
「永夢、お前は何か考えがあるんだろ?」
士さんは僕のほうを振り返って言う。
「はい、レジェンドディザストのデータをリプログラミングします。データを書き換えれば倒せるかもしれないですから。正直…可能性は低いとは思いますが…。」
「…やってみろ。」
僕の作戦を優先してくれるということか。ゲーマドライバーを装着する僕の体からパラドが出現。そして貴利矢さんも僕の隣に出てくる。
「自分も手伝うぜ。リプログラミングの提唱者としてな。」
「永夢、俺たちが隙を作る。お前がとどめをさすんだ。」
「貴利矢さん…パラド…お願いします!」
-マイティアクションX!-
-爆走バイク!-
「0速!」
「マックス大…」
「「「変身!」」」
-デュアル-
---ガシャット!ガッチャーン!---
-マザル-
--レベル--
---アップ!---
-マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション!X!-
-爆走 独走 激走 暴走!爆走バイク!-
-赤い拳強さ!青いパズル連鎖!赤と青の交差!パーフェクトノックアウト!-
エグゼイド アクションゲーマー レベル2、レーザーターボ バイクゲーマー レベル0、パラドクス パーフェクトノックアウトゲーマー レベル99が並び立つ。その後ろで士さんと飛彩さんはレジェンドディザストを見上げていた。
「お前は行かないのか?」
「ドクターたるもの、まずは症状を冷静に分析しなくてはならない。」
「…来るぞ!」
レジェンドディザストの体が全て出てきた。巨大な体を思いのままに振り回し建物を壊していく。
-ガシャコンスパロー!-
-ガシャコンパラブレイガン!-
レーザーターボとパラドが先陣を切っていく。振り下ろされた鞭のような体の一部を斬っていき注意を引き付ける。俺がまだ出る時じゃない…!
「ノリノリでいくぜ!爆速!」
-ジェットコンバット!-
あれはジェットコンバットガシャット!スナイプから借りたのか!
-ガッチョーン!ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!爆走 独走 激走 暴走!爆走バイク!アガッチャ!ジェット!ジェット!イン・ザ・スカイ!ジェット!ジェット!ジェットコンバット!-
レーザーターボ コンバットバイクゲーマー レベル0はガシャコンスパローを手放して飛行する。空中からガトリングコンバットによる銃撃でレジェンドディザストの注意を引き付けた。
「心が躍るな!」
-ガッシューン!デュアルガシャット!キメワザ!ノックアウト クリティカル フィニッシュ!-
アックスモードのガシャコンパラブレイガンにガシャットギアデュアルを装填したパラドはノックアウトクリティカルフィニッシュをレジェンドディザストにぶつける。2人の攻撃は既にレジェンドライダークロニクル中に発動済みなこともあってか効いている様子はそこまでない。でも注意を引き付けられれば十分だ!
-ガシャコンキースラッシャー!ズキュキュキューン!-
俺はガシャコンキースラッシャーを召喚、そこにマキシマムマイティXガシャットを装填する。
-マキシマムガシャット!キメワザ!マキシマムマイティ クリティカル フィニッシュ!-
マキシマムマイティクリティカルフィニッシュ、リプログラミングのビームをレジェンドディザストに向けて放つ!頼む…通じてくれ!
ビームはレジェンドディザストの体の真ん中に向けて放たれる、この衝撃…いける!
だが無情にもレジェンドディザストの一払いによってマキシマムマイティクリティカルフィニッシュは弾かれてしまった。やはりゲームエリア内で以前マキシマムマイティXガシャットを使ったからそのデータを収集されていたのだろう。
-カメンライド フォーゼ!アタックライド ロケットモジュール!-
-ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!辿る歴史!目覚める騎士!タドルレガシー!-
「これよりレジェンドディザスト切除手術を開始する!」
ディケイド ディケイドフォーゼとブレイブ レガシーゲーマー レベル100がそれぞれの飛行能力を使ってレジェンドディザストを空へ空へと押し出していく!何をするつもりだ…?
「そうか…!レーザー!あの2人を手伝うんだ!大気圏の向こうまで吹っ飛ばせ!」
「え!?あー、訳わかんねえけど…了解!」
レーザーターボもレジェンドディザストを空中へ上げていくのを手伝っている。俺の横にパラドが来て背中を叩く。
「やっぱ駄目だったな。でもこの作戦ならいけるかもしれないぜ。」
「一体…?…!そうか!ゲームエリアの外から出す!」
そうだ、今ゲームエリア内にいるからレジェンドディザストに攻撃が通じないんだ。ならばこのゲームエリアから外に出してしまえばいい!
「…ろかな…」
「…え?」
「愚かな…仮面ライダー共!!」
「喋った!?」
「ハァ!!!」
突然声を出したレジェンドディザストは驚く3人を覇気だけで吹き飛ばした。せっかく空中まで上がっていたレジェンドディザストから離れていき墜落する。ディケイドフォーゼは元のディケイドの姿に戻ってしまった。
「みんな!大丈夫か!?」
「くそ…!」
「俺のメスが…届かない!とにかく回復するぞ…!」
サンクチュアリマントを仰ぐことで俺たちのライダーゲージが回復…すると思いきやどんどんゲージが減っていく!これは…。
「すぐに止めろ!既にタドルレガシーはレジェンドディザストに対策されている!バフがデバフになるよう設定されているんだ!」
ディケイドの読み通りのようだ。回復を止めると俺たちのライダーゲージの減少も止まった。
「永夢、俺が消えるとハイパームテキになれない。休ませてくれ。」
「おう、任せろ。」
俺の中にパラドが入ってきたことで後動けるのは俺、ブレイブ、レーザーターボ、ディケイドだ。でももうライダーゲージはそんなに残っているわけじゃない…。
「ゲームエリアから出すってのはいい作戦だと思ったんだが…。」
「回復も出来ないとなるとうかうかしていられないぞ…!」
もう限界だ…俺がやるしかない!スナイプ、すまない!
-ガッチョーン!マキシマムマイティX!ガシャット!ガッチャーン!レベルマックス!ハイパームテキ!ドッキーング!-
「ハイパー大変身!」
-パッカーン!ムーテーキー!輝け!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキエグゼイド!-
マキシマムゲーマから射出され金色のエグゼイド ムテキゲーマーにハイパー大変身…!もう短時間でレジェンドディザストを片付けるしかない!
「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」
ハイパームテキの力がいつまで通用するか分からない。速攻でカタつけてやる!ハイパーライドヘアーをレジェンドディザストに巻き付け自由を奪う。一回転させて地面へ叩きつけ!初めてレジェンドディザストを地につけることに成功した。
「おぉ、さすが永夢だぜ!これいけるんじゃねえか!?」
「いやもうすぐハイパームテキが攻略されてしまうくらいの時間だ、急げ!」
分かってるぜブレイブ。倒れたレジェンドディザストにとどめをさすぞ。縛り上げたままのレジェンドディザストを見下ろす形で空中でハイパームテキスイッチを押す。
-キメワザ!ハイパー クリティカル スパーキング!-
体全体が黄金に光りハイパークリティカルスパーキングの準備が整った。超高速移動を繰り返しレジェンドディザストの巨体にキックを叩き込んでいく。だが効いている様子はない。…今はな!
攻撃が終わったと共にHIT!の文字がレジェンドディザストの周りに現れる。ダメージが効いていくと共にレジェンドディザストの体は小さくなっていく。そして爆発!やったか!?
…爆発の中に見えるのは人影…いやバグスターの影だ、人型の。現れたのは真っ白の体をしたディザストだ。何色にでも染まるような真っ白な白。
「まだまだ!」
-ガシャコンキースラッシャー!-
ガシャコンキースラッシャーでレジェンドディザストに斬撃を飛ばす。しかしそれを手でかざすだけでかき消した。もう攻略されている…!そこにスナイプとポッピー、ニコが戻ってきた。
「エグゼイド、ムテキを使いやがったのか。せっかくの作戦が台無しじゃねーか。」
「そう言うなって。永夢がハイパームテキを使ってなきゃ自分たちはやられていた。」
「仕方ねえ。ポッピーピポパポ、ゲンムを解放しろ。」
スナイプに指示されたポッピーもスナイプの目論見を知らないようで不審な顔をしながらもガシャコンバグヴァイザーⅡからゲンムを取り出す。
「ゲンム、俺の作戦には時間がかかる。エグゼイドたちと時間稼ぎをしてろ。」
「誰かに指図されるのは気に入らないが面白いものを見せてくれると言っていたな。研究データの為に動いてやってもいいだろう。」
ゲンムはゲーマドライバーを腰につけプロトマイティアクションXガシャットオリジンとデンジャラスゾンビガシャットを取り出す。
-マイティアクションX!デンジャラスゾンビ!-
「グレードX-0、変身!」
-ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティアクショーン!X!アガッチャ!デンジャー!デンジャー!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!-
ゲンムはゾンビアクションゲーマー レベルX-0に変身。ガシャコンブレイカーを手に俺たちの前に出た。
「コンティニューしないようにクリアする!」
「神、残りライフ1だもんな…。」
「それよりどうするつもりだ?本当にちゃんと作戦があるんだろうな?」
「あぁ、成功するかは花家先生次第らしいが。」
スナイプを見ると腰にはゲーマドライバー、手には…仮面ライダークロニクルガシャット!?
-仮面ライダークロニクル!-
「大我!また使う気!?」
黙っているスナイプ。アメリカでも仮面ライダークロニクルガシャットを使ってかなり体にダメージを負ったとポッピーが言っていた。
「スナイプ、どういうつもりだ!」
「元々はクロノスのポーズを使ってその間にエグゼイド、お前と俺がレジェンドディザストを攻略するって寸法だったがな。それが無理になった今、ポーズ中に俺がとどめをさす。」
ポーズを使うためにはガシャコンバグヴァイザーⅡを使ってクロノスに変身する必要がある。しかし完璧な抗体が身についているわけではないスナイプ。そんなことをしてしまえば無事では済まないだろう。何よりポッピーがそんなことを許すわけがない。目的を知ったポッピーは何が何でも離さないと言わんばかりにガシャコンバグヴァイザーⅡを握りしめている。
「…チッ、なら力づくでやるまでだ!」
-バンバンウォーズ!-
バンバンウォーズガシャット!フェイスを倒すために作ったスナイプの最強ガシャットだ。
「変身…!」
-ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!エマージェンシー!最終 局面 バンバンウォーズ!発射!アガッチャ!天を掴め ライダー!刻め クロニクル!今こそ 時は 極まれり!-
スナイプ クロニクルウォーゲーマー、その姿は金ではないものの神々しく見える。
「ぐ…ミッション開始…!」
「よせ!攻略されるだけだ!」
ブレイブの制止を振り切ってスナイプはレジェンドディザストに挑む。パンチを何度も叩き込むその様子からがむしゃらに自分一人の力でこの一件を解決しようとするスナイプ自身の責任感の強さを感じる。
「ならば俺たちも行くまでだ!」
ブレイブに続いてレーザーターボ、ゲンム、ディケイドもレジェンドディザストに襲い掛かる。俺も行くぜ!!
ブレイブはガシャコンソードでレジェンドディザストを凍結、しかしすぐに肉体から炎が上がり溶けてしまう。続いてレーザーターボによる空中銃撃だ!しかしそれも透明化によって回避。ゲンムはいくつもの土管を作り出しあらゆる土管からレジェンドディザストを攻撃する。ついにそんな使い方をし始めたか…。
-アタックライド スラッシュ!-
ディケイドのライドブッカーによる斬撃もすぐに修復してしまう。どうすれば…!
-ガシャコンマグナム!-
スナイプはライフルモードでレジェンドディザストを撃ち抜く。ダメージを負っている!まだ攻略されていないようだ。ならば…!
俺は再びハイパーライドヘアーでレジェンドディザストを縛る。今度は人型サイズだからすべてを包み込むことが出来た。
「スナイプ!今だ!」
「おう!」
-ガッシューン!ガシャット!キメワザ!バンバン クリティカル フィニッシュ!-
ゲーマドライバーから抜いたバンバンウォーズガシャットをガシャコンマグナムに装填。サイドスコープレンズから確実にターゲットをマークし・・・発射!バンバンシューティングガシャットでは出せないような火力でハイパーライドヘアーごと焼き尽くす!
「ミッション、コンプ…ぐっ!」
爆炎の中から伸びてスナイプの首を絞めたのはレジェンドディザストの腕…!?どうやら収縮可能なようだ。ガシャコンマグナムを落とし手を振りほどこうとするスナイプ。
「よせ!」
「くそ、間にあえよ…!」
ブレイブとレーザーターボが同時に腕を切断するために走る。
「まだクロニクルウォーゲーマーのデータは取り終えていない!ここでゲームオーバーなどゲームマスターの私に許可なく許さない!」
ゲンムも別の理由ではあるが走る。そしてもちろん俺も!
「終わりだ…。」
レジェンドディザストの一言の呟き。腕にエネルギーが溜まっているのが見える!まずい!
-アタックライド ブラスト!-
ディケイドがとっさに射撃攻撃!腕を吹き飛ばし間一髪のところでスナイプを助けた。
-ガッチョーン!-
スナイプは変身が解かれる。無茶のし過ぎだ。ゆっくり休んでろ。
「ハァハァ…くそ!」
「もう無理をするな!」
「アンタに倒れられるとこっちも胸糞悪いでしょーが。」
「…。」
とはいえもうみんなボロボロだ。リプログラミング、ゲームエリア外への移動、ハイパームテキでの攻略、バンバンウォーズでの攻略…全て通じない。
「どうすれば…。」
そうこうしている間に仲間たちのライダーゲージはもうギリギリの状態になっていた。ライダーゲージが点滅しているドクターライダーたちは渋々ガシャットを抜く。
-ガッチョーン!ガッシューン!-
もう戦えるのは俺とディケイドしかいない。ここはいったん引くしか…。
「永夢!永夢!」
…!
俺の中のパラドが俺を呼んでいる。どうしたんだ?
「永夢、分かったぜ。たった1つ、今の俺たちに実行できる攻略法がな!」
今、目の前にいるのは先ほどスナイプの攻撃によって多少の傷がついたレジェンドディザストだけだ。あの攻撃であの程度の傷しか負わないレジェンドディザストになぜパラドはこんなにも余裕の態度を見せられるのか。
「永夢。俺とお前がいれば攻略できないゲームなんてないんだぜ。俺がお前にレジェンドライダークロニクルに関することで言ったことを思い出してみろよ。あと今の戦いの状況も考えてな。」
レジェンドライダークロニクルで…?ほとんどパラドとは別行動をしていて…いやでも良太郎さんたちと過去へ飛ぶ前に話をしたはず…。
「あぁ、風都での戦いでは魔界城のVRが出現した。このゲーム、VRやらARやらとにかく色々盛り込んだヤバイゲームになってる。気を付けろよ、永夢。」
そして目の前には傷ついたレジェンドディザスト…。そうか!分かったぞ!レジェンドディザストの攻略法が!