仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング 作:エクシ
「も~!!ピプペポパニックだよ~~!!!」
「わ!ビックリした!!」
「あ…ごめん…!」
いけないいけない、私ったらまた大声を…。今私はマシンゴーストライカーの後ろの席に跨ってるから運転しているタケルくんの耳元で叫んでピヨらせちゃった…!
「もうすぐ着きますからしっかり捕まっててください!」
「うん!」
マシンゴーストライカーは加速し始めて山道をスイスイと走っていく。なんだかツーリングに来たみたいになってるけどきちんと仕事なんだからね!
「コスチュームチェンジ!」
というわけで明日那の姿でお仕事開始!ゲームスコープも持ったし準備は万端。ここからへんでレジェンドプレイヤーたちの目撃情報があったのは確かだから少し捜せばいるはず。
持っていたノートパソコンを開くと永夢からメールが届いていた。内容は…レジェンドプレイヤーたちの対処方法!さすが天才ゲーマーM!
「タケルくん、永夢からレジェンドプレイヤーたちの対処法が送られて来たわ。」
「さすが永夢先生ですね。内容は?」
「どうやらライダーゲージをギリギリの状態にすることが重要みたい。もし誤ってライダーゲージをゼロにしてしまえばそのプレイヤーの精神は体から分離してどこかへ消えてしまうらしいわ。」
「精神…魂みたいなものかな。」
魂に関することは私たちよりもタケルくんたち、大天空寺の面々の方が専門かもね。御成さんも連れてきた方がよかったのかな。タケルくんは「みんなを守るためにも御成は大天空寺で待ってて」って言っちゃったけど…。
「ライダーゲージっていうのは僕には見えません。ポッピーピポパポさんにはわかるんですよね?」
「今は明日那でお願い。えぇ、バグスターであり仮面ライダーでもある私には目に見える形でライダーゲージが表示されていないプレイヤーでもライダーゲージがわかるわ。私がレジェンドプレイヤーたちのライダーゲージを見て指示する。」
「よろしくお願いします!」
それにしても通報があったのに随分と静かね…。すぐに戦闘現場に鉢合わせることになると思ってたんだけど。
「あ…明日那さん!後ろ!後ろ!」
え?振り向いたそこには巨大な猿が私に向けて手を振り下ろそうとしているところで…!
-アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!-
「変身!」
-カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!-
大きな手を止めたのはのっぺらぼう!?…違う!ゴースト!空中に浮遊していたパーカーがゴーストに装着されオレ魂へと変身した。
「明日那さん、大丈夫!?」
「うん!ありがと!」
両手を使って何とか巨大な猿を弾き、ガンガンセイバーを召喚して斬りつけた。巨大な体のせいか猿はダメージを負っている様子はない。
「太刀筋が甘いのか?ならこれだ!ムサシ、行くよ!」
オレゴースト眼魂をゴーストドライバーから外し、ムサシゴースト眼魂のゴーストリベレイターを押してからゴーストドライバーに装填。
-アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!カイガン!ムサシ!決闘!ズバット!超剣豪!-
オレンジ色のパーカーは消えて代わりに赤いパーカーが出現。タケルくんの体に被さってゴースト ムサシ魂へとゴーストチェンジ完了!ガンガンセイバーを二刀流モードに変形させる。
「よし、これでも喰らえ!」
両手に握られたガンガンセイバーの斬撃を何度も猿の足に喰らわせる…がこれもダメージを受けている様子はない。どういうこと?
「私も!」
-ガッチャーン…-
バグルドライバーⅡを腰に巻いた!あとはこのときめきクライシスガシャット!
-ときめきクライシス!-
「変身!」
Aボタンを押してからときめきクライシスガシャットを装填、バグルアップトリガーを押しこんで変身シークエンスが始まる!
-ガシャット!バグルアップ…!ドリーミングガール!恋のシミュレーション!乙女はいつもときめきクライシス!-
よ~し!これで私も仮面ライダーポッピー ときめきクライシスゲーマー レベルXに変身完了~!すぐに腰のガシャコンバグヴァイザーⅡを手のグリップに装着しビームガンモードを選択。
-ガッチョーン…ガッチャーン…-
攻撃はおっきな猿に当たっているのにMISS!の文字ばっかり!一体どうなってるの!?
「一体どうなってるんだ!?ムサシの斬撃も通用しないなんて!」
「もぉ~!ピプペポパニックだよーーう!」
「お前ら、静かにしろ!」
ん?今喋ったのってタケルくん?ううん、それにしてはなんていうか…オジサンぽかった…。
「よっと。」
猿の頭の上の近くの木に男の人がいる!やっぱ結構オジサンだし!
「おーい!危ないから下りてください!」
「危ないのはお嬢ちゃんたちの方!うかつにヤマビコの前で声を出さないの!って俺もだ。」
ヤマビコと呼ばれた怪物はオジサンに気が付いたみたいでパンチを繰り出し木ごと粉砕した。オジサン…やられちゃった!?
「こっちこっち!」
どうやら別の木に飛び乗ってたみたい。ずいぶん動けるオジサンだなあ…。オジサンは腰から金色の音叉 音角を取り出して木に当てた。綺麗な音が辺りに響き渡る。その音叉を額に当ててしばらくするとオジサンの体から紫色の炎が上がり始めた。
「え!一体なんだ!?」
タケルくんも驚いてる!とにかく水!水!!
「ハァーー…ハッ!」
オジサンの姿が…鬼になった!?
「まさか…仮面ライダー?」
「ん?カメン…ライダー?俺はヒビキだよ。下がってな。」
ヒビキさんは背中についていた撥 音撃棒 烈火を手にしてヤマビコに打撃攻撃を叩き込む。音の波紋がヤマビコを襲い、巨大な体が木をへし折りながら倒れていく。
「おっしゃ、一気にいきますか。」
腰についた音撃鼓 火炎鼓を取り外しヤマビコの体に取りつけられると拡大された。
「行くぜ!ハッハッ!ヨッ!ハァ!」
音撃鼓 火炎鼓に音撃棒 烈火をひたすらに叩き込むヒビキさん。…すごい!
「火炎連打の型!ハーーー!ハッ!」
「ギュアアアアア!!!!」
ヒビキさんの必殺技によってヤマビコはもがき苦しみながら悲鳴を上げて吹き飛んだ。
「あ…あのありがとうございました。一体あなたは…?」
「それより…そのリズム…すっごぉぉい!オジサン…じゃなくてヒビキさん、どうやってそのリズム身につけたの!?」
「ヘへ、鍛えてますから!シュッ!」
そういうとヒビキさんは顔の部分だけ変身を解除した。
-オヤスミー!-
-ガッシューン!-
私とタケルくんも変身を解除してヒビキさんに近づく。
「今のは一体なんなんですか?」
「どうやらお前らも不思議な力を持ってるみたいだしな、教えてやるか。今のはヤマビコ、魔化魍の一種だ。」
「マカモウ…?」
「まぁ日本に昔からいる化け物だ。近年は結構減ってきてたんだが…人がここらに集まってたみたいだから声に釣られてヤマビコが引き寄せられたのかもな。」
「人が集まってたって…明日那さん、レジェンドプレイヤーたちだ!」
「レジェンドプレイヤー?なんじゃそりゃ。」
ヒビキさんはポカンとした顔で私たち二人の顔を交互に見る。
「知らないんですか?ネットじゃ有名ですよ。」
「あー俺ネットとか弱くてさ。ハハ…。」
オジサンだから…。まぁそれはいいわ。私たちもヒビキさんにレジェンドライダークロニクルの詳細を伝えた。
「なるほどね。で君たちはその患者たちを助けに来た…ってわけだ。もしかしたら向こう側の山の方で倒れてた人はそれで負けちゃった人たちかもな。」
「患者さんがいたんですか!?すぐ行かなきゃ!」
「いやもう大丈夫。」
「え!?」
「俺の弟子が医者でね。患者を看るってんで向こうの山でもう1人の弟子と一緒に残ってる。まぁ倒れてる人たちの意識はないみたいだけどな。」
「既に他のレジェンドプレイヤーに負けた後…ってことか。」
タケルくんは悔しそうな顔を見せる。もちろん私だって悔しい。でもこれ以上被害を増やさないためにもこの山の中にいる他のレジェンドプレイヤーたちを助けなきゃ!
「おーっとどこ行くの。悪いけど君たち2人を山の中でウロチョロさせるわけにはいかないよ。」
「どうしてですか?そう既に魔化魍は倒したんでしょ?」
「魔化魍にはそれを育てる親がいる。まぁ童子と姫ってんだけど…まぁそいつらがこの山にはまだいる。物理攻撃は効くから君たちでも抵抗は出来るだろうが、最近は強化されててそう簡単に倒せる敵じゃない。大人しく山を降りてくれ。」
患者さんを置いて逃げる…?そんなことが出来るわけない!私は人間を消滅させて生まれたバグスター、だからこそ1人でも多くの人を救いたいの!
「そんなこと…」
「そんなこと出来ません!」
「!!」
「俺は戦いたくもないのに戦わされている人たちを置いてなんていけない。人間の可能性は無限大なんだ。その可能性を奪うようなことは許せない!」
「へぇ、若いのに随分苦労したんだな。」
「え?」
ヒビキさんはこういう人なのかな…?真剣な話をしても低反発枕みたいにかる~く受け止められちゃう。
「いやさ、そんなこと君の歳の時は俺、全然考えられなかったよ。最近ゆとりがどう~とか言ってるけど…そんなことないね。」
「はぁ…。」
「ごめんごめん、話逸れちゃったね。わーったよ、その代わり俺の傍を離れないこと。それだけは守ってくれよな。」
「「はい!」」
元気よく返事はしたものの…ヒビキさん歩くスピード早すぎ!タケルくんも私も体力には自信がある方だったけどここまでとは…。
「おーい、さっきまで元気いっぱいだったじゃんか。どーした、どーした!俺もまだまだ若いってことかな。ハハッ!」
確かにオジサンだとは言っちゃったけどヒビキさんは43歳には見えないな…。
「…!止まれ!」
音角を取り出したことがスイッチになってるみたいで低反発枕はいきなり鋼鉄の塊に変わった。タケルくんも既に殺気に気がついてたみたいで闘魂ブースト眼魂を構えている。私もときめきクライシスガシャットを取り出していつでも戦闘は始められるよ。
「…来るぞ!」
-一発闘魂!アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!-
-ときめきクライシス!-
2つの黒い影が空中を高速移動する。響鬼さんは早くもそのうちの1つと戦闘を始めた。タケルくんはデトネイトリガーを引いてもう1体の影に向けて駆けていく。私も…!
「「変身!」」
-闘魂カイガン!ブースト!俺がブースト!奮い立つゴースト!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!-
-ガシャット!バグルアップ…!ドリーミングガール!恋のシミュレーション!乙女はいつもときめきクライシス!-
ゴースト 闘魂ブースト魂とポッピー ときめきクライシスゲーマー レベルXに変身した私たちと交戦したのは男性型の怪人 スーパー童子!
「お前たち…鬼ではないな?」
「俺はゴーストだ!」
「ゴースト…幽霊か?」
「人間だ!命、燃やすぜ!」
サングラスラッシャー ソードモードで斬りかかるタケルくん。スーパー童子は扇子を使ってその軌道をずらす。
「我らの進化 とくと見るがよい。」
赤い装束がスーパー童子を包み込み怪人体であるスーパー怪童子へと変化していく。ヒビキさんが戦っているスーパー姫も紫色の装束が硬化していきスーパー妖姫へと変化した。
「おいおいお前らまで怪人になれるようになっちまったのかよ。コイツはちょっとだけ本気出さないとまずいな。」
ヒビキさんは小刀型の武器
「響鬼、装甲!」
今度は響鬼さんの体から赤い炎!?そしてどこからともなく現れた小型の動物たち ディスクアニマルがヒビキさんの体に纏われていく。どういうことなの…もうピプペポパニックだよおお!
「装甲響鬼…!行くぜ!」
装甲声刃を手にスーパー妖姫に挑むヒビキさん。さっきまであんな緩い感じだったのに今はこんなに頼れる人はいないとまで思わせてくれる。何なんだろ、この人は。
「明日那さん!」
「今はポッピー!」
タケルくんがサングラスラッシャーで斬ったスーパー怪童子がこちらにやってきた。よーし私もヒビキさんみたいに一緒にいるだけで安心される、そんな看護師に私も…!
バグルドライバーⅡのBボタンを2回押すことでキメワザを発動させる。
-キメワザ…!クリティカル クルセイド…!-
体を回転させてスーパー怪童子にクリティカルクルセイドをお見舞い!飛んでいったところにいるのはタケルくん!
「人間の可能性は無限大だ!」
-アーイ!ムゲンシンカ!アーイ!バッチリミナー・バッチリミナー・チョーカイガン!無限!KEEP・ON・GOING!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!-
仮面ライダーゴーストの最終フォーム ムゲン魂!これで私たちの勝利は確実だね!
-チョーダイカイガン!ムゲン!ゴッドオメガドライブ!-
一方のヒビキさんも装甲声刃を再び口元に当てている。
「鬼神覚声!ハアアアア…!」
ヒビキさんの声によって装甲声刃から炎の刃が形成される。ヒビキさんが巨大な剣となった装甲声刃をスーパー妖姫に振り下ろすと同時にタケルくんもゴッドオメガドライブ ムゲンをパンチに込めてスーパー怪童子に叩き込んだ。
「「グギャアアア!!」」
2体の怪人は弾け飛んだ。これで何とか魔化魍に関しては一件落着だね。
-ゲームクリア-
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タケルくんとヒビキさんの頭上にカイガンゴーストと太鼓マスター響鬼のガシャットロフィーが現れてしばらくすると消えた。…どういうこと?
そういえば永夢から来たメールにも書いてあった!ミラーラビリンス龍騎と刀剣伝ガイムのガシャットロフィーが現れて消えたって…。しかもなぜかミラーラビリンス龍騎ガシャットを使っても正常のままだった城戸真司さんという人…。ミラーラビリンス龍騎ガシャットも消滅しないみたい…。
まだ私には何が何だかわからないけれど今は麓からレジェンドプレイヤーたちの…ううん、患者さんたちの声が聞こえてる。今は彼らを救うことを第一に考えなきゃいけない。それが私のやるべきことだと思うから!