仮面ライダーエグゼイド レジェンダリー・エンディング   作:エクシ

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ゲーム病専門医 花家大我は仮面ライダースナイプとしてバグスターウイルスから患者を救うべく活動していた。ディザストのゲーム病が蔓延しているアメリカのとある町で大我とポッピーピポパポはドクター・フェイスに出会う。2本のガシャットの力を合わせたタドルディザスターガシャットを使ってフェイス ディザスターゲーマー レベルX-100へと変身したドクター・フェイスにスナイプ、ポッピーは立ち向かうことになるが…。


第3話「Infinityな力の源!」

シミュレーションゲーマー レベル50は遠距離攻撃が基本。敵の攻撃が届かないところからダメージを与えられるのがメリットといえる。

 

だがこのフェイス ディザスターゲーマー レベルX-100にはそんな常識は通じねえらしい。奴が手にしているガシャコンサイズの大鎌モードは中距離攻撃武器であるが今俺はその攻撃範囲には入っていない。しかしなぜか俺のライダーゲージは減り続けている。仮面ライダーポッピーにゲージ表示はないもののポッピーピポパポのライダーゲージも減ってきているはずだ。

 

 

「これじゃあ時間をかけるだけ不利になるな。」

 

「気が付いたか。タドルディザスターは囚われの姫を救うため神々に挑んだ主人公が姫を救えず戦いに敗れ絶望と狂気の果てに邪神となるゲームだ。その負の力はゲームエリア内のプレイヤーに常にダメージを与えてその分俺のスペックを向上させる。」

 

「クロノスの能力にさらに強化が加わったということか。ますます面倒だな。」

 

 

回転攻撃でフェイスを攻めようとしていたポッピーピポパポは一度俺の近くに戻ってきた。どこにいてもダメージを負うこの状況で格上相手に挑めば相手からの物理攻撃を受けるわけにはいかない。戦闘向けのバグスターではないのに戦いってもんをよくわかってるじゃねえか。

 

 

「大我どうしよう!」

 

「たぶんアイツを中心に放出されている見えないバグスターウイルスが俺たちのライダーゲージを蝕んでいやがる。これをどうにかしなくちゃな。」

 

「バグスターウイルスを吹き飛ばせばいいんじゃない!?」

 

「そんなこと出来るガシャットなんて持ってねえぞ。CRのドクターたち(アイツら)から少しガシャットを預かってきた程度だ。」

 

「じゃあドレミファビートはある!?」

 

「ドレミファビートだ?あるがそんなガシャット…」

 

 

そういって俺はブレイブから預かってきたドレミファビートガシャットをサブガシャホルダーから取り出すとポッピーピポパポは勢い良く俺からそれを取った。

 

 

「やったー!これがあれば怖いものなし!よ~し行っくよ~!」

 

 

-ドレミファビート!-

 

 

起動音が鳴る。このガシャットでどうするつもりだ?いくらポッピーピポパポはドレミファビートのバグスターだとはいえ…いや待てよ…!

 

 

「このガシャットは私のゲームのガシャット、こんなもんじゃないよ!」

 

 

そういうとポッピーピポパポは自分のバグスターウイルスをドレミファビートガシャットに注ぎ込む。そうか、今までの自分の戦闘データをガシャットに入れることでレベルを上げる気だ。蛍光イエローから薄いピンクにガシャットのカラーが変化しガシャットラベルもポッピーピポパポの姿が現れる。

 

 

-ドレミファビ~ト!-

 

 

再び起動したドレミファビートガシャット ポッピーピポパポverからはポッピーピポパポの音声が流れる。ビートゲーマが出現しカラーはピンクへと変わる。ガシャットと同調できたようだな。レベルXの未知数の力を見せてやれ!

 

 

-ガッチョーン!ガシャット!レベルアップ!背伸びしたいけど!ちょっぴり照れるわ ときめきクライシス!アガッチャ!ド・ド・ドレミファ・ソ・ラ・シ・ド!OK!ドレミファビ~ト!-

 

 

ポッピーの体にビートゲーマが装着されビートときめきクライシスゲーマー レベルXに…いやビートときめきクライシスゲーマー レベルX-(ポッピー)に変身を遂げる。ずいぶん長げえフォーム名だな。

 

 

「大我!私の後ろに!」

 

 

ドレミファターンテーブルを回すことでワッツアップサウンダーから音波が放出される。抜群のリズム感によって音波は後続の音波の影響でさらに大きくなりフェイスから放出されるバグスターウイルスを寄せ付けない。

 

 

「ほう、やるじゃねえか。」

 

「大我!」

 

「わかってる!」

 

 

ポッピーピポパポの合図で俺はアクチュエーションレバーを開閉する。

 

 

-ガッチョーン!キメワザ!ガッチャーン!バンバン クリティカル ファイヤー!-

 

 

ターゲットロックオン!

 

 

「バンッ!」

 

 

-ガシャット!キメワザ!-

 

 

なんだ?今の音声は。まぁいい!俺の掛け声でポッピーは横に避ける。タイミングは完璧だ。衝撃で俺の体は後ろに下がりバンバンクリティカルファイヤーが放たれた。攻撃はまっすぐフェイスのところへと向かっていき命中だ。

 

 

「やったか?」

 

 

…!何…!?

 

攻撃は当たったはずだ。なぜ奴が”いない”…!?

 

 

「ここだよ。」

 

 

振り返ると後ろ側にフェイスが立っている。どういうことだ、瞬間移動!?ガシャコンサイズを振りかざし振り返ったばかりで防御できない俺に攻撃を仕掛けようとしてきた瞬間、そのフェイスのさらに後ろにポッピーが回転攻撃を始めようとする様子が目に入った。

 

 

「何!?」

 

「もらった!」

 

 

ポッピーの回転攻撃をもろに受けフェイスは崩壊している建物に突っ込んでしまう。

 

 

「ポッピーピポパポ、どうやって奴の場所がわかった?」

 

「レベルX-Pの私はフェイスがバグスターウイルスを常に出してるみたいに低周波の音波を常に出しているの。それで敵の居場所が探知出来るんだよ!」

 

 

…なんて能力だ。ゲームエリア内に敵がどこにいるのか一発で分かるというわけか。そして瞬間移動とまではいかないものの、音波衝撃によるスピード加速で敵の居場所にまで一気に到達。そこからの攻撃を避けるのはほぼ不可能に近いだろう。

 

 

「やるじゃねえか。」

 

「でもまだ倒せてない!やっぱ大我の火力がないとライダーゲージを削り切れないよ。」

 

「わかってる。俺も…。」

 

 

エグゼイド、早く間に合わせてくれ。ここに来るまでに頼んだことをきちんと実行していてくれればいいんだが…。

 

…今ないものの話をしてもどうしようもないな。今持っている武器だけでどうにかコイツを倒す寸断を考えるしかない。

 

 

「いってー、効いたよ、効いた。」

 

 

フェイスは瓦礫の中から肩を鳴らしながら起き上がってきた。奴の胸のライダーゲージはかなり減らしたとはいえそもそものゲージ量が尋常ではない。まだまだこれからだ。

 

ん?奴のキメワザスロットホルダーにあるガシャット…あれは?

 

 

「あのガシャット…。」

 

 

-ガッシューン!-

 

 

「ヘヴンズオンライン、南雲の奴から既に情報は手に入れてるだろ?」

 

 

ヘヴンズオンラインガシャット、ゲームエリア内の座標を把握するために風魔が作ったガシャットだ。オンラインゲームの力を秘めておりロールプレイングも出来るらしいがキメワザで瞬間移動まで出来るとはな…。

 

 

「そのガシャットの力というわけか…。」

 

「このガシャットもレベルXの力を持ってる。南雲は大した男だったぜ。でもやっぱりガシャットを作る才能においては霧島を超えることは出来なかったな。」

 

「そんなこと知るか。」

 

「そんなこと知らないだと?ガシャットはお前たちドクターにとっちゃ医療器具だ。より精巧な医療機器を作れる技術力を持った霧島の方が優れているって話よ。」

 

「確かに技術力は必要だ。それを否定するつもりはねえよ。だがな…。」

 

「?」

 

「俺は技術力以前にその器具を正しいことのために使いたいと願う作り手に作ってほしい。俺はそう思うがな。」

 

 

フェイスは俺の言葉を鼻で笑った。別に理解してもらおうだなんて思っていない。医者の闇であるコイツには俺の言葉など戯言に聞こえるんだろうからな。

 

 

「さーてと…ライダーゲージ削りも上手くいかないと来たらどうしようかな。」

 

「そんなこと考えてる時間はないよ!」

 

「!?」

 

 

フェイスのすぐ横にポッピーピポパポが現れた。さっきよりもスピードが上がっている…!

 

 

「何!?」

 

 

…正直ポッピーピポパポを舐め過ぎていたな。奴は今俺以上にフェイスを追い詰めている。フェイスも驚きを隠せないようで防戦一方だ。

 

 

「く…一発一発は重くないが…攻撃が早すぎる!」

 

「私はドクターじゃないけど…人間の命を守るCRの仲間…仮面ライダーだから!」

 

 

-ガッシューン!ガシャット!キメワザ!-

 

 

ドレミファビートガシャット ポッピーピポパポverをメインガシャットスロットから抜きキメワザスロットホルダーに装填。キメワザの準備が整った。

 

 

-ドレミファ クリティカル ストライク!-

 

 

ポッピーピポパポが音符型のエネルギーを発しながら体を急速回転しフェイスに急接近する。これが決まれば大ダメージ、ライダーゲージが残るもののフェイス自身の体が持たず強制的に変身が解除されるはずだ!

 

 

-ガッシューン!-

 

 

!?

 

突如ポッピーの変身が解除され元のポッピーピポパポの姿へと戻る。そうか、ゲーマドライバー内のバグスターウイルスが放出しきってしまったんだ!人間用のゲーマドライバーが使えていたのはあくまで限定的なことなのだ。

 

 

「へへ!貰った!」

 

 

まずい!ポッピーピポパポのほうから接近してしまったせいでフェイスの攻撃が届く範囲にポッピーピポパポが生身の状態でいる。俺はすぐにオーバーブラストキャノンを後ろに向けて攻撃を発射、その勢いで2人の近くまで飛んでいった。

 

 

「おせえよ!」

 

「オラアア!!」

 

 

ポッピーピポパポを覆うように庇い俺はガシャコンサイズによるフェイスの攻撃を背中で受けた。

 

 

「グア!」

 

「入ったァァ!ヘヘヘ!」

 

 

く…まずい!とにかくすぐにフェイスから離れポッピーピポパポを下ろす。

 

 

「大我…ごめん!」

 

「謝んな、お前がいなけりゃアイツのライダーゲージをここまで削れなかった。後は俺に任せろ…。」

 

 

とは言ったものの今の攻撃はデカかった…。フラフラとしながら何とか立ち上がる俺。一方のフェイスはドレミファビートの音波攻撃がなくなったことで再びバグスターウイルスの散布を開始、スペックを上げようとしている。

 

 

「いやぁ、お前ら中々やるじゃねえか。こうなったら俺も本気出しておくかな?」

 

「何…!?」

 

 

-ガッチョーン…ガッシューン…-

 

 

そういったフェイスはガシャコンバグヴァイザーⅡをバグスターバックルから外しタドルディザスターガシャットを抜き取った。そして先ほどまでポッピーピポパポが使っていたゲーマドライバーを腰に巻き、ヘヴンズオンラインガシャットを取り出してタドルディザスターガシャットと共に起動した。

 

 

-タドルディザスター!ヘヴンズオンライン!-

 

 

「ランクXX-100…!」

 

 

-ガシャット…!ガッチャーン…!レベルアップ…!タドル ホロビ マドウ ニオチル タドルディザスター!アガッチャ…!無限大のフィールドへ!ヘヴンズオンライン!-

 

 

ここに来て更なるレベルアップ…だと…。フェイス オンラインディザスターゲーマー。考えたくもない奴のレベルは…XX-100。レベル100の力が未知数の力によって何倍にもなっている。ポッピーピポパポはもう変身できない。もう今は俺しかいない。

 

…俺がやらなきゃ…いけないんだ…!俺がコイツを倒さないと…また…!

 

目に浮かんでくるのは初めてバグスターを取り逃がしたあの時…グラファイトが完全体となりCRに戻ってきたらベットにはいたはずのブレイブの恋人はいなくなっていたあの光景…。

 

 

「………ぃが…」

 

 

………。

 

 

「大我!」

 

「…!」

 

「大我、またあの時みたいに自分しかいないとか思ってない…?」

 

「…俺は…。」

 

 

…思っていた。ポッピーピポパポに言われて気が付かされた。そうだったな、今は俺には仲間たちがいる。俺だけにしか出来ないと思いオペを焦った結果、俺は全てを失った。もうあんな思いは二度と御免だ、失いたくないものがまた出来ちまった今は…!

 

 

「わかってる、俺には頼れる仲間がいる。お前やアイツら…それに…」

 

「私!!!」

 

「!!」

 

 

聞き覚えのある声がした方向を見た瞬間、俺はフェイスが手にしているガシャコンバグヴァイザーⅡから撃たれた銃撃をうけ吹っ飛んだ。

 

 

「大我ァ!!」

 

「余計なことペチャクチャ話してんじゃないよ。俺一応XX-100のレベルっていう史上まれに見るチートライダーになってるとこだぜ?ちゃんと本気で相手しないとこう瞬殺されちゃうって。」

 

 

-ガッシューン!-

 

 

………………。

 

悪いが瞬殺はされてねえ、とはいえ俺じゃなかったら完全に死んでいたぞ。くっそ、変身も解除されちまった。

 

 

「戦闘中いきなり話しかけてくんじゃねえ!」

 

 

…また心無いことを言っちまった。なぜかこのアメリカの地に…俺の目線の先にいるニコに。

 

 

「ハァ!?せっかくここまで謝りに来てやったんだよ!」

 

 

そう言いながら近づいてくるニコ。俺を起き上がらせるも乱雑な感じは相変わらずだ。

 

 

「ごめんなさい…私が間違ってたのに…。」

 

「…てめぇなんでここにいんだ。誰に聞いた?」

 

「謝ってんだからちゃんと答えろよ。」

 

「いいから言え…。」

 

「…永夢が教えてくれた。」

 

 

エグゼイドの奴…余計なことを。だが内心安堵している俺がいる。コイツが近くにいれば百人力…いやレベル100…レベルXX-100なんて一気に飛び越えてしまうほどの力を出せるんだ。俺は仲間を…患者を…ニコを守ってやる!


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