悪く言えばパクリです。
すいません、なんか配役がハマったんです。
不味ければ部分部分修正します。
コウさん苛められてるかも;悪意はないけど;
「そういえばまだ、ヒビキくんの新入社員歓迎会をやってなかったね?」
しずくは思いついたように定時終わりに呟いた。
キャラハンのブースに来ている彼女の言葉に一同は振り返る。
作業がひと段落したあと青葉たちは茶菓子を嗜んでいた。
彼女たちは思い出したように椅子に座っているヒビキに一同は目をやった。
「いや、それなら紅葉ちゃんも、鳴海さん、ねねちゃん、
鄕理もそうなんでハ?」
「何を言ってるんだい?ヒビキくん?
二人はインターンで桜くんと鄕里くんは契約社員だよ?
望月くんと成海くんは内定をとってるけど、君は既に社員だろう」
「えっ、私は既に合格してるんですか?」
紅葉はその言葉に驚きながらしずくに尋ねる。
「そうだよ。
八神の奴、報告してなかったのか」
しずくは彼女のルーズさに苦笑を浮かべて肩をすくめた。
紅葉は青葉が言っていた「いい加減な人」という言葉を改めて思い知った。
「でも、なんで忘れてたんだろうね?
最初から採用で働いてたのにね、ヒビキちゃん」
はじめは新入社員恒例の歓迎会を今回に限って忘れてた事、
それに若干の困惑を現す。
「あっ、そういえばそうですよね?
なんで忘れてたんでしょう?」
「いや、ヒビキちゃんの動機や八神さんの関係とか色々あったからちゃう?」
「あと…さと、りちゃんの好きなもの、とか?」
「あー、インパクトありましたからねぇ~、あれは」
ヒビキの志望動機、九能姉妹の過去、八神コウとの関係もさる事ながら、
そんなシリアスな理由もぶっ飛ぶほどの鄕里の好きなもの…。
歓迎会以前に話題に事欠かない事実があったのだから仕方ないかもしれない。
「あのっ、滝本さんもはじめさんも紅葉ちゃんもすいませン」
気まずげに笑みを浮かべてヒビキは三人に言う。
「ううんっ、大丈夫だよっ!
ちょっと恥ずかしかったけどっ、地雷を踏んだの私たちだしっ」
「そう、それにちょっとだけ…その…
あぅぅ~…」
はじめのフォローに続くようにひふみも何か言おうとしたが、
あの時の感触に焦がれかけていて、赤面しながら顔を手で隠した。
「滝本さん、ふぁ、ファイトですっ」
紅葉も洗礼を受けた手前、何を考えてるか嫌でも分ってしまっている。
「あーもうっ、三人とも変な空間になってんでっ!!
もっとしっかり気を持ってぇやぁ」
さすがにあの空気の再来は遠慮したいのか、
ゆんは振り払うように突っ込む。
「でも、相手にされなかったらされなかったですんごいショックですよね」
「そういう意味でも何かスイマセン」
青葉のあきらめたような遠い目、
そんな彼女に固い笑みを浮かべてヒビキは謝るしかなかった。
「?おや、何か郷里くんが愉快なことをしたのかな?」
その現場を見ていないしずくは気楽な感じで尋ねる。
「まぁ、うちの妹は今も昔も愉快って話ですヨ」
遠い目を浮かべて乾いた笑みをヒビキは浮かべた。
しずくは分からなかったが、なにか面白そうなことがあったのだけは察せた。
「多分、近いうちに厄介になると思うんデ…
正直、あんまり説明したくないでス」
「ふむ、そうかい?
なら、それを待たせてもらおうとするかな」
余り、自分の妹をおっぱい星人という説明を何度もしたくないので、
強引にヒビキは話を終わらせた。
一同も納得したのか、苦笑を浮かべている。
恐らく、しずくにも鄕里は突貫すると満場一致で思ったのもある。
「んー、じゃ…ちょっとそれまでにパワポでなにか作っていいですかネ?」
ヒビキはニヤリと微笑むと何かを企むようにあご先に指を当てる。
「おや、何かやりたいことがあるのかい?」
「大したことじゃありませン。
歓迎会って事なら私もちょっと一芸を仕込もうと思ったんですヨ」
「?ヒビキちゃん、何かやるん?」
「えぇ、どうせならちょっとした一人コントのスライドショーを作ろうかト。
そしてイーグルジャンプに入った意気込みでモ…」
「ふむ、そういうことなら構わないよ。
いつものメンツでいいね?」
「ハイ、あぁ、うみこさんにちょっと伝えておいて欲しいんですが…
多分、全員が爆笑すると思うんデその時、姉さんを押さえ込んでて欲しいんでス」
「えぇ!?そんなにハードル上げて大丈夫なのっ!?
というか、なんで八神さんが出てくるのっ!?」
「秘密でス♫」
ヒビキのどこか不敵に満ちた表情に一同は興味を覚えてその作業を許可したのだ。
そして、数十分後。
会議室にお菓子を持込み、パイプ椅子に座るキャラハン、プログラム、
モーション、その他のメンバー。
そして机の上にパソコンを置き、ホワイトボードに映像が映るように設置したヒビキ。
彼女は青葉たちに向かい合うように立っている。
「ハイ。
暇な時間を使ってここに来て下さり感謝してまス。
一寸、時間もあったので改めてこの会社に対する私の意気込みを語りたいと思いまス」
やや神妙めいた口調でヒビキは青葉たちに語る。
その空気だけ何か笑えてきた。
「ヒビキちゃん、お笑い好きなんかなぁ~」
「というより、笑いを取りに行くのが好きって感じがしますね」
「なになになに~、ヒビキん、面白そうなことするの~」
「何かもう、入りがちょっと芸人っぽい空気があるよね」
ゆん、青葉、ねね、ツバメの言葉を受けてヒビキは少しだけ目を向ける。
「でも、まず私と鄕里の簡単な歴史とちょっとだけ紹介しますネ。
何事も原点は大事なのデ」
そしてマウスをして画像が出てくる。
それは幼いヒビキと郷里たちの写真だ。
7、8歳くらいの小さい女の子二人と、中学生くらいの少年が中よさげに写っている。
そのふたりは恐らく鄕里とヒビキだろう。
後ろにいる少年は兄である清次郎…コウの元彼のようだ。
「ハイ、私と鄕里と兄さんの写真でス」
「お兄さん、かっこいいじゃないですかっ!?」
青葉は清次郎の写真を見て思わず感想を述べた。
一同もそう思ったのか、その後ニヤついた笑みでコウを見つめた。
「ちょっとっ、なんで私を見るんだよっ!!」
「いや、だって…彼女さんですし」
コウは妙な羞恥心を感じ、辟易とした態度でみんなに言う。
しかし、はじめの最もな言葉に何も言えなかった。
「大体、この時には兄と鄕里は絵を書いてましタ。
私は音楽を初めて一、二年くらいの頃ですネ。
この辺りですかネ、姉さんが関わってきた時期ハ」
訥々と思い返すように語るヒビキ。
どこかしんみりとした空気があたりを支配したところで、
次の写真をスライドで写した。
今度は中学生くらいのコウを含めた四人で写真に写っていた。
鄕里とヒビキを満面の笑みでしゃがみ込み、
二人を背中から抱きしめている。
「八神さん、めっちゃ笑顔じゃないですか!!」
「~~っ!!ヒビキっ、なんでこの写真をチョイスしたんだよっ!!」
中学くらいのあどけない表情の自分の笑顔をメンバーにさらされたコウ。
彼女は生暖かくニヤつく視線を居心地悪げに受け止めていた。
「いや、だって原点になった人なんですから姉さんは外せませン。
それとも本当はやっぱり来て欲しくなかったんですカ?」
どこかじわぁと涙目を浮かべる妹。
その様子にうっとコウは詰まる。
「いけませんね。八神さん…ちゃんと妹さんを大事にしないと」
諌めるように言うがうみこは半笑いだった。
うみことヒビキを恨めしげに睨みながらも、
勝ち目はないと感じたのか溜息を吐いた。
「わかったよっ、大丈夫だよっ!!
だからっ、さっさと次行ってっ!!」
コウはヤケになりながら叫ぶ。
ヒビキはその言葉にケロッとした表情をしていた。
「分かりましタっ!では、コレですネ」
今度は清次郎とコウが机に並んで座って絵を描いてる写真だ。
「ココから、姉さんと兄さんは競い合うように上手くなってくんですヨ」
青葉と紅葉はその写真をまじまじと見ていたが…
「でも、このままだとヒビキちゃんというより八神さんの歴史なんやけど」
「そうだよね!?これピンポイントに私に焦点当たってるよねっ!?」
ゆんの困ったようなツッコミに、
被弾してるコウは切羽詰まったように、そこにいる全員に反論するように叫ぶ。
ヒビキはそのツッコミをあえてスルーした。
そして、二点三点、コウと清次郎の写真を見せた後…
スライドショーには現在のコウ…今と同じ服装のラフなコウがいた。
社員証に使われた写真のようだ。
「ん?あれ、今の八神さんだよね?」
「うん…私も、そう、思う」
いきなり脈絡なく変わった写真に疑問を一同は感じた。
「この写真何か分かりますカ?」
シリアスな表情を作り重いトーンで聞こえるようにヒビキは言う。
あまりの真剣なトーンに一同はゴクリと唾を飲んだ。
「そう、この写真はですネ」
「姉さんが可愛いっていう写真でス」
「ぶっ!?」
真顔でそんなこと言うヒビキにコウは驚愕に吹き出しむせる。
青葉たちもむせたのだが、笑いをこらえきれなくって吹き出したという類だ。
「私はイーグルジャンプの就職に対する意気込みっ、語ろうとしましタっ!
でも私は八神コウを姉として慕っていまス!
そう可愛い姉さんと居ることが私の意気込みなんでス!」
その言葉に今度こそ青葉たちは爆笑した。
「ちょっとっ、っ、ヒビキちゃっ、何なんっ、そのっ、意気込みっ!」
「こっ、これはっ、予想外っ、だよっ!ぷっ、くっくっ」
ゆんとはじめは余りにも予想外の主張に口元や腹を押さえて笑いを堪えている。
コウは顔を真っ赤にしてぷるぷるとヒビキを睨みながら震えている。
「続いての写真はこちら!!」
写真<りんに着せられたフリフリのコウ。
「ほらっ!!可愛イツ!!(半ギレ!!」
この時、青葉たちの腹筋が同時に死んだ。
「ヒビッ、キっ、ちゃ…何でちょっとキレてっ…!んですかっ」
「ヒビキん、こっ、これは流石にっ、くはっ…はっはっ!!」
青葉とねねは目に涙を浮かべてお腹を押さえて震えている。
「~~~っ…!ぷっ、けほけほっ、くくっ…」
「こっ、これはっ…くはっ…」
「けほけほ…ぷっ、くすっ…!」
ひふみ、うみこ、紅葉の無表情組もダメージあった。
その破壊力は言わずもがなだろう。
「ヒビキちゃ、んっが、コウちゃんの写真、使った理由がわかったっ、
わ…!ぷっ、くすくす」
「あぁっ、そうかっ、こう、来たかっ、ヒビキちゃんはっ…!
あっはっはっ!!」
りんとしずくも余裕なく、感想を言うだけで精いっぱいだった。
「八神っ、さんっには悪いけどっ…此処までやるってっ…!
どんだけっ、シスコンでっ、シスコンで笑い取るのよっ…!」
律義に分析しながらも、目に涙を浮かべ笑いをこらえるツバメ。
そして次の写真をスライドさせた。
インタビューを受けていてぎこちない表情で応えるコウの写真。
「ちょっと、堅いのも可愛いですよネ。
姉さん乙女可愛いでス!!」
気合を入れるように低い声でそんな事を叫ぶヒビキ、
そしてやられる青葉たちの腹筋、顔を真っ赤にして目に涙をためるコウ。
そんなやりとりを二、三回、繰り返した後…。
「以上、九能ヒビキの意気込みでしタ♪」
腹を痛めながら取り会えず、
拍手をするコウ以外のメンバー。
「面白かったよーっ、お腹痛いけどっ」
笑みが収まったはじめは額の涙を拭って言った。
「あ~、あんだけ笑ったん久々かもしれんわぁ~」
ゆんも涙も拭いながらヒビキを見て拍手をした。
リアクションも上々と感じたヒビキは、若干堅い笑みでこう言った。
「ではっ、私は指定された店に先に行って待ってまス!」
軽く肩手を上げて、やや駆けるようにヒビキはさっさと出て行った。
「どうしたんでしょう?ヒビキちゃん?」
「青葉ちゃん、コウちゃんを見て…」
逃げるように去って行ったヒビキに青葉は疑問を浮かべるが、
ひふみは若干、緊張した面持ちでコウを見つめた。
「うがーっ!!待てぇぇえええっ、ヒビキィぃぃぃぃっ!!!
絶対っ、許さないかんなぁああああああああっ!!」
羽交い絞めしたうみこの腕の中で暴れるコウ。
「ちょ、抑えて下さいっ…ぷっ、可愛いっ、八神さんっ」
「アハゴン!!お前も覚えてろぉおおおおおっ!!」
未だに思い返してるうみこを顔を真っ赤にして睨む。
「コウちゃん…コウちゃん」
郷里はコウに呼び掛ける。
「んっ?何さっ!今、お姉ちゃん、
ヒビキをどつくために頭の中の悪魔と契約してる最中だぞ?」
若干、不機嫌そうにしながらもコウはそんな事を言う。
しかし、妹二号の言った言葉は…
「大丈夫だよ、コウちゃんはこの中で一番可愛いから」
「もう嫌だああああああああっ!!!」
顔を真っ赤にしながらコウはその場で叫んだ。
青葉たちは郷里のトドメにまた爆笑した。
この後、先に店に行ったヒビキと合流するのだが…
腹が筋肉痛を起こして全員小食だったそうな…
このネタ、ヤバかったら消します。
興味があったら探してみてください。
感想待ってますね。