▽△▽―――――▽△▽
「―――――はァっ―――――!」
土砂で埋めたゲートの向こうにモビルスーツが5機。おそらくマーズファングの〝ゲイレール〟だ。まだこちらには気付いていない。
俺は大きく深呼吸し………モビルスーツ発進用ゲートを塞ぐ眼前の土塊目がけて〝ラーム〟のガトリングキャノン、その砲口を突きつけた。
そして土砂の向こうにあるエイハブ・ウェーブの反応目がけ、照準を合わせてトリガーを引き絞った。
ヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―――――――!!! と周囲の空間すら激しく震わせるガトリングキャノン発射の衝撃。至近で直撃した土塊は一瞬にして砂煙へと姿を焼き変えられて爆発。
ガトリングキャノンから撃ち出された100ミリガトリング弾の直撃。そして激しい爆発が土砂の向こうにいた〝ゲイレール〟を容赦なくスクラップへと変え、吹き飛ばす。
不意打ちによって無残に破壊された〝ゲイレール〟の残骸を踏み越えて、俺は〝ラーム〟を夜明け前の外界へと進めた。
ゆっくりと歩を進めつつ、さらにガトリングキャノンを乱射。
〝ラーム〟の巨体を眼前にしつつも突然の事態に反応がワンテンポ遅れた〝ゲイレール〟2機、〝シャルフリヒター〟2機は、薙ぐようにばら撒かれたガトリング弾をもろに浴びる。至近直撃によってコックピットブロックを潰された4機の敵モビルスーツは、反撃する間も与えられずに次々崩れ落ちた。
【CAUTION!】
敵はこれだけじゃない。丘の向こうに姿を覗かせ、ようやくノロノロとライフルを構えた〝ゲイレール〟相手に、素早く狙いを定めたガトリングキャノンを発射。足下から舐めるようなガトリング弾の軌道をもろに食らった〝ゲイレール〟はよろめき―――――その足元の地面も爆発して機体は飲み込まれた。
『大丈夫だ。こっちは任せろ!!』
厚い土塊を吹き飛ばし、別ゲートから飛び出してきたのは昭弘の〝グシオンリベイク〟。金属がひしゃげ、潰される嫌な音の数秒後………まだ立ち込める土煙の中から殴り潰された〝ゲイレール〟が放り飛ばされた。
さらに――――――
『な、何だ!? うわ………!』
『モビルスー………鉄華だ……ビルスーツが動いてるぞ!?』
『バカな!? パイロッ………乗って無いはず―――――――』
これだけ近いと、エイハブ・ウェーブ影響下でも敵が交わす一般回線の通信が拾える。
丘の上を見上げれば―――先の砲撃を食らって倒れ込んでいた2機の〝ランドマン・ロディ〟が次々起き上がり始めていた。そして、砲撃で倒壊した格納庫の瓦礫の山から、3機。瓦礫を滑り落としながら起き上がる。
『皆動けるな!? 一気に仕留めるッ!』
『了解!』
『行くぞッ!』
『やってやるぜェッ!!』
『い、行きますっ!』
アストンを筆頭に昌弘、デルマ、ビトー、ペドロ。
鉄華団が誇る最強のモビルスーツ隊は、次の瞬間には基地内に押し入っていたマーズファングのモビルワーカーや〝ゲイレール〟2機。さらには後詰めの〝シャルフリヒター〟へと飛びかかった。
またしても反応が鈍いマーズファングのモビルワーカー隊、モビルスーツ隊は遅れて弱々しく弾幕を展開するが、その巨躯に反して縦横無尽に駆ける〝ランドマン・ロディ〟を捉えること叶わず、
『うおらァッ!!』
ビトーの〝ランドマン・ロディ〟がライフル弾をものともせずに〝ゲイレール〟の懐へと飛び込み、格闘武装であるハンマーチョッパーで敵機のコックピットを殴り潰した。
援護射撃に回っていた後方の〝シャルフリヒター〟は慌てて後退しようとするが、すでにその背後には昌弘機とペドロ機が。
『動きを止める! トドメは任せるぞペドロ!』
『おうッ!!』
昌弘の〝ランドマン・ロディ〟が振り返った〝シャルフリヒター〟目がけてマシンガンを撃ち込んで動きを止め、次いで飛び込んだペドロ機がハンマーチョッパーをその敵機の頭部に叩き込む。
頭部とコックピットブロックにハンマーチョッパーがめり込んだ〝シャルフリヒター〟は、ペドロ機が突き飛ばすと、力なく後ろへとゆっくり倒れ込んでいった。
さらに基地内に押し入っていた敵モビルワーカー隊は、アストン、デルマが1台1台マシンガンを撃ち込んで着実に破壊していく。
この乱戦下で、元から練度が低いらしいマーズファングのモビルスーツ隊は全く連携が取れず、阿頼耶識に加えて歴戦のパイロットでもあるアストンたちを前に各個撃破されていく。モビルスーツの援護の無いモビルワーカー隊は次々、〝ランドマン・ロディ〟が撃ち出すマシンガンの餌食に。
こちらの反撃が無いことをいいことに敵が基地に接近し、密集した所を、シノらの突貫工事で埋め隠したモビルスーツ発進ゲートから一気に打って出、鉄華団が最も得意としている敵味方入り乱れる乱戦に持ち込む。
ビスケットの立案した作戦は見事に的中し、混乱の中で部隊を分断されてしまったマーズファングは各個に撃破されるしかない。
俺も、基地から逃げ出した敵モビルワーカー隊の一隊をガトリングキャノンの砲撃で薙ぎ飛ばしつつ、2機でこちらに迫る〝ゲイレール〟に砲口を向け直し、トリガーを引き絞った。
▽△▽―――――▽△▽
〝ラーム〟のガトリングキャノンの炸裂音を片耳に、
「ぬんッ!!」
長大なハルバードを振り回し、〝グシオンリベイク〟は眼前に迫った敵機―――こちらが肉薄しているというのに未だライフルを手放さない〝ゲイレール〟を一気呵成に斬り潰した。横で怯んだもう1機…〝シャルフリヒター〟目がけ胸部を潰した〝ゲイレール〟を投げ飛ばし、2機がもんどり打って倒れた所を、昭弘は一気に突っ込んでトドメを刺す。
爆発。それに噴きあがった壮絶な土煙が晴れた時………立っていたのは〝グシオンリベイク〟のみ。周囲を見渡せばマーズファング所属モビルスーツの残骸が点々と転がるだけだった。
「これで4機――――――!」
だがその時、後方から〝ゲイレール〟と〝シャルフリヒター〟が襲いかかってくる。先陣を切って突っ込んできた〝ゲイレール〟のアックスをハルバードで受け止め、力押しで振り払おうとするが………敵機は予想外の俊敏さを見せ、バックステップで〝グシオンリベイク〟の斬撃を回避。お返しとばかりにライフルを撃ちかけてきた。
ハルバードを掲げて射撃をやり過ごしつつ、昭弘は歯噛みした。
「手練れか………!」
練度の低い機体を前に出して敵を消耗させつつ、最後に手練れがそれを撃破する。昔、CGSの一軍が好んだやり方だった。もっとも、肉壁にさせられた参番組が戦果を上げることが多く、年ばかり食って大して動けない一軍の大人たちが逆に足手まといになることばかりだったが。
襲いかかってきた〝ゲイレール〟と〝シャルフリヒター〟は、まず目まぐるしく火星の荒れ地を脚部スラスターを噴かし駆け回りながら、ライフルで昭弘を牽制、一瞬の隙ができればどちらかが近接武器を振るって突っ込む、を何度も繰り返してきた。
間違いなく戦闘、モビルスーツ戦に慣れ親しんだパイロットのやり方だ。作り上げられてしまった膠着状態に昭弘は前方モニター越しに敵機を睨みつけた。
「厄介だな………!」
敵はまだまだウジャウジャいる。一つの戦場に時間をかける訳には――――
と、しつこくこちらに撃ちかけていた〝ゲイレール〟が、突然背後からの射撃を食らってよろめいた。
こちらへの射撃を取りやめて振り返る〝シャルフリヒター〟の頭部に、次の瞬間、投げつけられたハンマーチョッパーが激突して食い込む。バランスを崩して倒れ込む所に、1機の〝ランドマン・ロディ〟が殺到し、至近距離からマシンガンを撃ちまくって敵機のコックピットを撃ち潰した。
突然の乱入者を前に、どちらに攻撃するべきか逡巡する素振りを見せる〝ゲイレール〟。が、そこにさらに別方向から射撃が降り注ぎ、完全に怯み切った所を――――昭弘は逃さず〝グシオンリベイク〟のハルバードを振り下ろし、〝ゲイレール〟を火星の大地に沈めた。
「おう、助かった………」
『1機で突っ込むなんて無茶だ!』
『お、俺たちが援護しますっ!』
昌弘とペドロだ。頼もしい戦いぶりに、昭弘はニヤリと笑いかけた。
こいつらがいる限り、後ろは心配しなくていい。
「後ろは任せる。行くぞ兄弟ッ!!」
『『おうッ!!』』
〝グシオンリベイク〟と2機の〝ランドマン・ロディ〟は、次の獲物を求めて火星の地を飛び駆けた。
▽△▽―――――▽△▽
『くそ………! 冗談じゃねえ!』
『な、何がガキ共の寄せ集めだ! バカ強ェ奴らばっかじゃねえかッ!!』
『とにかくずらかるぞ! 渓谷まで出ちまえばそうやすやす追撃は………』
這う這うの体で鉄華団の基地から逃げ出し、満身創痍で撤退するマーズファングのモビルワーカー隊。何機か護衛のモビルスーツがいたはずなのだが、すでに影も形も無く、出撃した時の3分の1以下にまで数を減らしたモビルワーカーは、隊列もいい加減に土煙をまき散らしながら一路、マーズファングの基地を目指していた。
背後ではまだ、逃げ遅れたモビルスーツやモビルワーカーが鉄華団の的同然に次々破壊されていくが……そんなことに構ってはいられない。
『………てか、これからどうすりゃいいんだぁ?』
『んなこと知るかよ! とにかく基地に戻って………取るモン取ってさっさとずらかるだけよ。マーズファングもディラスも、もうお終いさ! あんな連中を敵に回しやがって………』
クリュセ最大の民間警備会社と言えど、所詮は金で雇われただけの傭兵の寄せ集め。一度敗色が濃厚になれば組織を見限るのは当然のことだった。
とにかく戦場から離れなければ………なおも背後で爆発音や発砲音が続く中逃げ出したモビルワーカー隊は峡谷へと―――――
その時、彼らの眼前の地面が、重砲の着弾によって爆発した。さらに周囲を取り囲むように、続けざまに爆発と土煙が舞い上がり『うおぁ!?』とモビルワーカー隊は恐慌状態のまま互いにぶつかり合って停止した。
『な、何だ………!?』
眼前の峡谷の角から――――重装甲のモビルスーツが1機。ヌッと姿を現した。
それだけではない。マーズファングの残存モビルワーカー隊を取り囲むように1機、また1機とモビルスーツが渓谷から舞い降り、モビルスーツ用銃火器を突きつけてくる。一発でも食らえば、モビルワーカーなどひとたまりもない。
さらにはモビルワーカー………鉄華団で運用されるモビルワーカーまで出現。銃口を突き付けてきた。
『な、何で………!?』
『別動隊だと!? ガキ共が、そんな余力を!?』
現れたモビルスーツは5機。丸みを帯びた重装甲モビルスーツの足元に、さらに鉄華団のモビルワーカーが並び、かくてマーズファングのモビルワーカー隊は完全に包囲された。
鉄華団のモビルワーカーの1台、その上部ハッチが開かれ、若い男が顔を覗かせてきた。
『………あ、あー! 武器を捨ててさっさと降参しな! もう勝負はついてんだよッ!』
ネズミ一匹這い出る間もなく包囲された、マーズファングのモビルワーカー隊。
『く………ざけんなよォッ!!』
激高したモビルワーカー乗りが、隊長格と思しき鉄華団の若い男目がけて自機の銃口を向ける。
だが次の瞬間、その銃身にモビルスーツの重砲が着弾。砲一つまるまる破壊されたモビルワーカーは、火花を散らし、3点脚の固定をも維持できずに倒れ伏した。
『次はコックピットを潰す』
鉄華団モビルスーツパイロット………年端もいかないような少年の声にも関わらず、底冷えするような凄みすら漂わせる。
マーズファングの残存部隊には最早、突破も撤退も不可能。
もう、選択肢など一つしかない――――――1台、また1台とモビルワーカーのハッチが開き、マーズファング兵が渋々の表情で両手を挙げる。
この一角だけでなく、未だ戦闘が続く中で戦意を失ったマーズファング兵は続々と降伏の意思を表し、鉄華団の少年兵たちに捕縛されていった。
▽△▽―――――▽△▽
『ひっ!? 鉄華団のモビルスーツが――――――ァッ!?』
『く、くそっ! 動け! 動け………ぐふっ!?』
『モビルスーツ隊は壊滅だ! 早くここから離脱を………!』
『ま、待ってくれ! 待って―――――――ぎゃああああっ!!!』
前線で、次々ともたらされる部下たちの断末魔。
ディラスには一目の前でなにが起きているのか。すぐに頭で理解することができなかった。
つい数分前まで勝利を確信したディラスの目の前で………投入した〝ゲイレール〟〝シャルフリヒター〟計15機は次々に撃破されていき、戦意を失い逃げ始めたモビルワーカーも1台、また1台と破壊されていったのだ。
鉄華団は――――基地が放棄された風を装ってマーズファングを基地近くにまでおびき寄せ、こちらの部隊が密集した所を、隠蔽していた地下ゲートからモビルスーツを発進させて奇襲してきたのだ。密集しているが故に同士討ちを恐れてすぐに連携できなかったその空隙を巧みに突いて、鉄華団のモビルスーツはこちらの部隊の間を駆け抜けつつ着実に撃破して回る。
ベージュ色のモビルスーツが巨大な戦斧で〝ゲイレール〟を叩き潰し、
青いモビルスーツが巨大なガトリング砲でモビルワーカーを吹き飛ばす。
5機に及ぶロディ・フレームの機体はその重装甲をものともしない身軽な機動で戦場を駆け巡り、〝シャルフリヒター〟をマシンガンとハンマーチョッパーを繰り出して地に叩き伏せる。
『だ、代表! 強襲部隊が………』
『て、て、撤退を!! あいつらマトモじゃねえ! 15機のモビルスーツをあんなあっさり――――』
『このままじゃ全滅………』
「退くぞ」
ディラスの即断に、直属隊パイロットの全員が息を呑んだ。
「鉄華団。どうも、見くびり過ぎていたようだ。今更俺たちが出張った所で勝ち目は無い。――――――各個にバラけて撤退だッ!! 合流地点で落ち合うぞ!」
それだけ言うとディラスは乗機を、鉄華団基地の反対側へと翻らせた。熟練のパイロットからなる〝ゲイレール〟〝シャルフリヒター〟もすぐに続き、小高い山を前に散開する。追撃隊も逃げる機体に応じて散開せざるを得なくなり、1機あたりの敵戦力が減る分、こちらの生存率は高まる。
そのはず………
『だ、代表ッ! 助けてくれっ! 敵の追撃……青い……が………ぎゃ!?』
『1機やられたぞ!? くそっ! あいつ――――――っ!』
『何なんだこいつ!? 重装甲過ぎてライフルじゃ………ぐふ!?』
僚機の反応が次々ロストしていく。木星圏で鍛え上げられたはずの手練れたちがこうも容易く………
「悪魔か………!」
既にディラス以外の僚機反応は無い。主戦力……19機ものモビルスーツ、それに投入した70台ものモビルワーカーを一度に失ったマーズファングは………組織として死んだも同然だった。
わずか、わずか一夜にして全てを失った――――! その事実にディラスは憤怒に震えかけた。
だが、このディラス・ホライゼンが生きている限り、マーズファングが潰えることはない。本社基地に戻ればまだ資産が残っており、元手さえあれば古巣である木星圏に落ち延びることも難しくないだろう。
そして、必ずや再起を果たし、火星に舞い戻って鉄華団に復讐を―――――――
【CAUTION!】
【AHAB WAVE SIGNALS】
「な………!?」
エイハブ・ウェーブの反応が1個。
まるでディラスの行く手を阻むかのように、1機のモビルスーツが静かに佇んでいた。
ディラスの〝ゲイレール〟はホバー走行を停止してその場に立ち、2機はしばしの間沈黙したまま睨み合う。
白を基調とし、両肩は血のような赤でカラーリング。その背にマウントされた二振りの刀剣を抜き、構えたその機体は、こちらへとその鋭い切っ先を突きつけた。
「悪魔か………鉄華団の、悪魔………!」
『オルガの命令だから。潰させてもらう』
「は………やれるもんならなァッ!!!」
〝ゲイレール〟のアックスを抜き放ち、ディラスは咆哮して白と赤の〝悪魔〟目がけて飛びかかる。
刹那、壮絶な爆煙が2機のモビルスーツを一瞬にして覆いつくした。
▽△▽―――――▽△▽
「あ、あれが新しい〝バルバトス〟………」
『すげぇ………』
ようやくマーズファングのモビルスーツの大半を仕留め終え、残る1機の追撃のため乗機を進める俺と昭弘の目に飛び込んできたのは、両腕両脚をすっぱり切断され、達磨になって地面に転がる〝ゲイレール〟の姿だった。そしてその傍らに、獲物を仕留め終えた狩人のように〝バルバトス〟―――――いや、〝バルバトスラーミナ〟が二振りの太刀を両手に悠然と佇んでいる。
『ちょうど、こっちに来るときにコイツと出くわしたから。………中の奴、殺してないけど良かったよね? 捕虜は多い方がいいと思って』
「あ、ああ………」
まるで返り血のような赤の配色が増えた〝バルバトス〟に、こいつが味方であると頭で理解しつつも、思わず慄然とせざるを得ない。
〝バルバトス〟がこちらに向き直った。
『戦況は?』
「そいつが最後の1機だ。敵モビルスーツが20機にモビルワーカーも50台以上。残骸を集めるのが大変だ」
『そっか。………じゃあ、俺コイツをオルガの所に連れていくから。何か使えそうなのが残ってたら持ってきて』
そう言うと三日月は〝バルバトス〟の両腕で、胴体だけになった〝ゲイレール〟を抱え、脚部スラスターを噴かして飛び去って行った。
その跡にはかの旧式モビルスーツの両腕、両脚、そしてツノ付の頭部が………まるで組み立て前のパーツのように綺麗な切断面を晒して転がっていた。
「鬼に金棒って、まさにこのことだな。いや、この場合は刀か………」
『………もう何も言えねえよ』
夜が明けきった空で。
鉄華団に戦いを挑んだクリュセ最大規模の民間警備会社〝マーズファング〟は、鉄華団のただの一人、モビルワーカーの1台すら撃破すること叶わず………かくてモビルスーツ20機、モビルワーカー70台を喪失。戦闘員の半数以上が死に、ディラス・ホライゼン以下23名が捕虜となり、組織として実質的に壊滅した。
【オリメカ解説】
・ASW-G-08〝バルバトスラーミナ〟
エドモントン戦後、修理のために歳星に持ち込まれた〝バルバトス〟をテイワズ技術者たちが改修した機体。
〝ラミナ〟(ラテン語で「刃」)の名の通り、太刀などの近接武器を主軸とした高機動型モビルスーツに仕上げられており、その加速力は〝百里〟にも迫り、またいかなるモビルスーツよりも優れた機動性を発揮する。
主武装である二振りの重斬太刀は、その武器の扱い方に習熟した者であればモビルスーツのフレームをも両断できる能力を秘めており、先のエドモントン戦で「斬る」戦いに開眼した三日月によって、その能力を如何なく発揮されることとなる。さらには重量もあり、メイスのような鈍器として振り回すことも可能。
(武装)
・重斬太刀×2
・メイス×1
・腕部内蔵180mm機関砲×2
・ワイヤークロー×1
・300mm滑空砲×1