あの後、俺がゲロまみれになった現場に受付嬢さんが来てくれて、アクアとサトウを叱った。二人のことを叱り終えた後に、受付嬢さんは大浴場へと案内してくれた。その際に受付嬢さんが自己紹介をしてくれたが、俺的にはゲロまみれになった臭い体を早くどうにかしたかった。いや、だって…ただでさえ、アンデッドと間違われるのに匂いまで付いちゃったら本物と変わらなくなっちゃうじゃん。今なら、L〇D2やバイオなハザードに出てもゾンビに噛まれない自信あるわ。とかくだらない事を考えたりしていた。
寝る前には、パーティの事、今後の事を考えたしたいたら、いつの間にか寝ていた。
まぁ、こんな回想したところでどうしようも無いことは知っているが、一応な、一応。
こんな回想してる暇があるだったら、未来の事考えなさい回想谷君と聞こえて来そうだから、もうやらね。
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「「ハチマン様、昨日はすみませんでした!」」
冒険者ギルドに着くなり、サトウとアクアが土下座をしてきた。辞めてくれ、めっちゃ目立ってるから本当に!辞めて!
「昨日のことは、気にすんな。とりあえず、目立つから土下座は辞めてくれ。」
「「ありがとうございます!」」
なお、土下座で言われた。だから、それを辞めろ。
「とりあえず、昨日の話しの続きをしないか?」
「おう!分かった!とりあえず席とってくるわ!ほら、行くぞアクア。」
「はーい。」
2人は空いてる席を探し始めた。
数分もしない内に、サトウが俺の名前を呼ぶ声が聞こえたから、どうやら席が取れたみたいだな。
サトウ達がいる席に向かった。
「んじゃ!ハチマン!昨日も言ったどおりなんだが、俺たちとパーティを組まないか?」
「とりあえず、昨日も言ったが理由を教えてくれ。じゃなきゃ断れないだろ?」
「なんで、断わる前提なんだよ!」
「大丈夫だ、昔の俺だったら即効で断っていた!」
「何が大丈夫なんだよ!なんで、そんな事でドヤ顔してんだよ!」
あれ?おかしいな?これでも、俺は成長した方ですよ。前の世界でアイツらといたせいか、この世界でのせいなのかは分からないが、俺が理由を聞いてから断るんだぜ。成長したわ、本当に。
「落ち着きなさいよ、カズマ。せっかく、仲間が増えるかもしれないのに。」
「そ、そうだな。理由としては、単純に戦力が欲しいんだ。」
「戦力?サトウ、昨日もよく分からなかったんだが、特典でアクアを選んだみたいな感じだったがどういう事なんだ?」
生前に、付き合っていた彼女だった奴を連れてきたのかと思ったが態度が違う気がする。
「い、いや、話せば長くなるんだが…。」
サトウは目を逸らしながら、ダラダラと汗を流し始めた。
「お、おい。そんなになるんだったら話さくてもいいぞ。」
「カズマが話せないなら、私が話すわ!」
それから、サトウが死因から特典でアクアを選んでから、これまでの出来事をアクアが説明してくれた。それにしても、死因と今までの生活が悲惨すぎて笑えなかった。
「サトウ……おまえ、辛かったな。死んでもなおさら、コレだもんな」
「やめてくれ!同情されるのが一番キツいんだよ!」
「ねぇ!なんで、私に同情してくれないの!」
「「うるせい、ダメ神」」
「二人して、私のことダメ神って言った!うわぁぁぁん……。」
アクア泣いているが気にせず、話しを進めた。
「ハチマンは、どんな死に方したんだ?」
「あっ、それ、私も気になる!それに、誰に転生して貰ったのか教えてよ!」
「あー、そのなんだ…。」
「なんだよ、はぐらかさず言えよ~。もしかして、俺と同じような感じの死に方なのか!」
「それはないから安心しろ。」
「クソっ!」
「ぷっ…カズマみたいな死に方する奴なんて、普通に居ないわよ。アハハ…。」
「う~!」
サトウが泣きそうになっている。
「はぁ…分かった。話すぞ、あんまりいい話じゃないから覚悟しておけよ。」
それから、俺はなぜ死因である事件が起きたのかなど、前の世界での俺の話しをした。
話しを終えると、二人と黙って下に俯いていた。
「……な……な……!」
サトウは、俯いていた顔を一気にあげた。
サトウと顔には、涙が零れていた。
「なんで!ハチマンがそんな死に方しなきゃいけないんだよ!なんで、ハチマンだけ身を挺して頑張ってきたのに救われねぇんだよ!」
サトウは、本気で俺に対して泣いていてくれた。
あー、サトウも俺なんかのために泣いてくれるんだな。
「あ''、あ''だじが…ぐすっ…天界に戻ったら…、その相模って…奴に天罰絶対に与える…!うわああああん…」
「お、おい。2人とも落ち着けって!もとはと言えば、俺が、あの時うまくやっていれば、こんな事にはならなかったんだよ。だから、2人が気にする事は無えんだよ。」
俺が2人を慰めようとしたら、2人は俺の顔面向かって拳を飛ばしてきた。いきなり飛んできた拳を避けられるはず無く、椅子から転げ落ちた。
「いってぇなぁ…おい、お前ら!なんの…」
2人の顔は、さっきと違い怒っていた。
「確かに、俺たちはまだ会って間もないけどな!お前が、やった正しさ位わかるんだよ!」
「それに、ハチマン…気づいてないかもしれないけど泣いてるんだかんね。」
アクアに指摘されて、自分でも気付かず泣いていたことが分かった。
エリス様の所で泣いて、結構吹っ切れた気にはなっていたが……やっぱり悔しいんと思っちまうんだな。
サトウとアクアは泣きながら、俺に抱きついてきた。俺は拒まず、受け入れた。
あー、こんな会って間もない奴にも関わらず、コイツらは俺の為に泣いてくれるんだ。コイツらとなら、俺は…また新しい関係が築けるのかもしれない…なぁ、雪ノ下、由比ヶ浜…俺は、この世界で''本物''を築けるよう頑張るからな。