この腐り目に祝福を!   作:クロスケZ

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2-3 1日の締めくくりは不幸に終わる

サトウと別れた後、俺はジャイアントトードを10匹ほど狩った。10匹目を狩り終わったぐらいに日も落ち始め、サトウとの約束もあるから街に戻ることにした。だが、正直に言うと、会うのがダルい。予想以上に身体に疲れが押し寄せてきたからな。

バレないように換金だけして、適当に宿とって帰ろうかな…よし!帰ろう!

明日、サトウに会ったら見つかんなかった、てへぺろって感じにすれば大丈夫だろ。

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

まぁ…、世の中そんなに甘くなかった。

冒険者ギルドの出入口でサトウが待ち伏せしていた。

 

「ハチマン、遅かったな!」

 

「なに、お前、あれからココでずっと待ってたのか?暇なのか?アホなの?」

 

「おい!いきなり会って、それかよ!」

 

「悪い、疲れ過ぎて本音がでちまったわ。てへぺろ!」

 

「尚更、悪いわ!てか、可愛くもないし腹立つわ!」

 

「アクア様?のほうはどこいるんだ?」

 

カエルに捕食されていたが、自称女神だが、もしかしたら本当の女神かもしれないし、この世界のことは、まだ分からないし。一応、様を付けておいた。

 

「様?アクアなら向こうだ」

 

サトウが、ギルド内のある一角に指を指した。

そこには、おっさん連中と共に酒を飲みながら踊っているアクアがいた。

ありゃー、女神とはかけ離れてるな。やっぱり、自称女神だな。様つける必要ねぇな。

俺が呆れた顔をしていると、サトウが「席は確保してあるから着いてきてくれ」と歩きだした。

 

「サトウ、悪いんだが席の場所を教えてくれ。先に討伐報告をしたい。」

 

「分かった、席はあそこな。」

 

「分かった。」

 

俺は、サトウに席を教えて貰ったのでギルド嬢に今回の討伐の報告した。

ジャイアントトード、規定討伐完了+1匹討伐事に5000エリスとの事だったので、12万5千エリスを貰った。

あら、やだ!初日でこんなに稼げるなんて思いもしなかったわ。 思わず、オカマ口調になってしまうくらい驚いている。

金は持ちきれ無かったから、受付嬢さんに持ちきれなかった分を預けて、サトウがいる席に向かった。

 

「とりあえず…話が終わったら宿屋に行くか……。」

 

「おっ、やっと来たか。」

 

「悪い待たせたな。んで、話ってなんだ。」

 

「直球で言うぞ!俺たちとパーティを組んでくれ!」

 

サトウは、手を合わせながら頭を下げてきた。

なぜ、俺をパーティに誘うんだ?サトウも転生者なら固有スキルを持っているはずだ。

それに……

 

「サトウ、なぜ俺とパーティを組んで欲しいんだ?」

 

「………………戦力が欲しいんです!」

 

「えぇ……サトウお前だって、こっちに来る際にスキル貰っただろ?それで、何とかならないのか?」

 

サトウは、ゆっくりと腕を上げアクアの方に指を指した。

 

「あれが……俺のスキルというか特典だ。」

 

「はぁ?」

 

「だから、あれが俺の特典!クソっ…ちゃんと選んでおけば良かった…うっ…」

 

声を荒らげて、泣きながら言われたが俺には、何が何だか分からない。とりあえず、慰めてやるか…?いや、辞めておこう。多分理由とか聞いたら、確実にパーティに引き込まれそうだ。

ココは、そっとしてしたおくか。

 

「なぁ、ハチマン!聞いてくれよ!」

 

「いやだ。」

 

「あんな、俺が転生してから、この1ヶ月な…」

 

うわぁ、完全にこっち無視で話始めやがったよ。

どうするか、退散するか。

よし!決めた、退散しよ!

俺が席を立とうした瞬間に後ろからドンっという衝撃がきた。

 

「アンデッドさ~ん!さっきは、ありがとう~ね~」

 

衝撃の正体は、自称女神のアクアだった。てか、酒臭っ!あと、さっき自己紹介したよな?

 

「なになに、なんれ、カズマ泣いてるの?ねぇ、なんで~?」

 

「うるせえ!全部アクア!お前のせいだから!」

 

「あによ!カズマ!いきなり、怒らなくたっていいじゃない!」

 

喧嘩なら他所でやってくれよ。あと、酒臭いから離れてくれ。

 

「転生の際に、お前が煽らなきゃこんなことにならなかったんだよ!」

 

「はぁ?あんな死に方したら誰だっていじるでしょ!うっ…叫んだら気持ち悪く…」

 

えっ?ちょっと待ってください。

まさか、まさか…おい、やめろ、やめろ!

 

「おうぇぇぇぇぇぇぇ…。うぐ、おぇぇぇぇ…ゴホゴホ……。」

 

やりやがった…。小町、お兄ちゃん異世界来て1日を締めくくる最後がゲロまみれになっちまったよ。

 

「もう…いいや、帰ろ…。」


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