この腐り目に祝福を!   作:クロスケZ

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2-2 変身と出会い

受付嬢さんに、現状として最低ランクの依頼を教えて貰った。その依頼とは、ジャイアントトードを3日以内に5匹討伐という内容だ。

カエルか…前の世界では、ヒキガエルと呼ばれた身としてはカエルを退治するのは気が引けるが仕方ない生活のためだ。そういえば、雪ノ下にも呼ばれたことあったなぁ…。

センチメンタルになりながら、平原を歩いてジャイアントトードを探していると遠くの方から青髪の女と''緑色のジャージを着た男''の2人組がジャイアントトードに追いかけられて…あっ、青髪の女が喰われた。

 

ジャージ男が、必死に女を助け出そうとしているがカエルは微動だにしてないな。

人助けが初陣とはな。

 

俺は仮面ライダークウガを想像しながら、鳩尾の前に手で逆三角形を作った。っが、何も起きない。あれ?俺、間違ってる?もう一度やるが、何も起きない。おかしい、本来ならベルトが出てくるはずなのに。はっ!?まさかレベルが足らないとかか?!

 

俺は、財布の中に仕舞ってあった冒険者カードを取り出してカードを確認した。

裏面にも表面にも変化が無い。最後に、ライダーズクレストを触って何も起きなかったら、あの二人には悪いが帰って寝るか。

 

2つのマークに指先で触れた途端に、能力と解説が頭の中によぎった。クウガもファイズも両方に別々のレベルが存在して、レベルが上がる度に変身できる幅が増えるらしい。もちろん、強さは原作と同じだ。クウガのほうは、変身出来なかった理由としては原作と同じように敵を殴ってやらないと最初の1回目は変身できないようだ。

また、変身をする際にその仮面ライダーのイメージを強く持つことが変身する際に必要と。

 

2つの能力は強力だが、デメリットとしては1日の変身回数は決まってないが変身解除をする度に戦闘での疲労が一気に押し寄せてくる。また、変身出来るのは1日の内どちらかしかなれないことと、この世界でのスキル習得ができない点だ。

まぁ、これだけの能力があれば仕方ないか…。

 

「よしっ!んじゃ、行きますか!」

 

俺は、ジャージ男の方に走っていった。

ジャージ男は、こちらに気がついたみたいだな。

 

「おーい!頼む助けてくれ!」

 

「分かった。」

 

俺は、カエルに向かって拳を放った。その瞬間に殴った方の腕に鎧の様なものが付いた。

すかさず、鎧が付いていない方で殴り、すぐさま蹴りも入れた。手足両方で殴ったことで、俺は姿が仮面ライダークウガ グローイングフォームへと変わった。

 

「よし!変わった!」

 

「嘘だろ、おい!か、仮面ライダークウガになった!」

 

「おりゃ!」

 

グローイングフォームになって、カエルの腹を殴った瞬間に、口からカエルの唾液塗れになった青髪の女が出てきた。

カエルが絶命したことを、確認してから変身を解いた。

 

「…うぐ……うえ……うええええええん……!うぐ、うええええん、あ、ありがとうどうねぇ………アンデッドさん、あとでターンアンデッドしてあげる…」

 

おい、コイツ感謝しながら俺の事ディスったぞ。

しかも、浄化までしようとしてるぞ。

 

「お、おい、あんた!」

 

「あん?うぉっ!?」

 

ジャージ男は鼻息を荒くしながら、俺の両肩を掴んできた、俺はそっちのけはないぞ!

 

「今、仮面ライダークウガになったのか!それと、もしかして、俺と同じで転生者なのか!」

 

「そうだが!ちょっと離してくれ、肩が痛い。」

 

「わ、悪い、つい興奮しちまって。」

 

「あぁ…。」

 

「とりあえず、どこかで話さないか?」

 

このジャージ男のコミュ力高っ!えっ?コミュ力高ければ、初対面の奴にここまでぐいぐい来れるの?

 

「べ、別にいいぞ。でも、もう少しジャイアントトード倒したいから夕暮れになったら冒険者ギルドで待ち合わせでどうだ?」

 

「分かった!あっ、俺の名前はサトウ カズマだ。よろしく!あと、こっちのベタベタの奴が「アクア!女神アクアよ!」へいへい」

 

「俺の名前は、ヒキガヤ ハチマンだ。」

 

「分かった、ハチマン。とりあえず募る話は後でしよう!俺たちは先に帰ってるからな。ほら、行くぞアクア。」

 

「うぅ…早く帰ってお風呂入る…。」

 

サトウとアクアは、街に向かって歩きだした。てか、アイツ普通に名前で読んできたよ。

コミュ力お化けかアイツは。

あと、アクアに様を付けるべきなのか…てか、臭い。

 

その後、俺は夕暮れまでジャイアントトードを狩りまくった。

 


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