よろしくお願いします。
『子供』
子供というのは、とても純粋な生き物である。
時に、残酷な事をしたり残酷なアダ名付けたりする。それも、全て悪気があってやっているのではなく純粋にやっている事が多く大人になってから、その残酷な行為を悔い改めたりするもんだ。だが、子供は残酷な事ばかりやっている訳ではない。子供は純粋さゆえに、大人などに憧れを持ち、自分がなりたい職業などに繋がっていくものだ。自分を助けてくれた医者や自分の家を修理や建てて貰った大工や英雄の名剣を作った鍛冶師、名をあげた冒険者など、いろいろな職業に憧れるものだ。その憧れた職業を行っている大人達は、子供にとってはヒーローである。どの世界でも同じで、ギルドの窓から外を見てみると子供達は冒険者ごっこしていた。
『『『『『ジャンケン……ポンっ!』』』』』
『やった!オレの勝ち!オレがやる役は、ハチマン!』『取られた……んじゃ、敵のデュラハンでいいか。』『わたしは、爆裂魔法の紅魔族のお姉ちゃんやる!』『ワタシは、黄色い鎧を着た騎士のお姉さん。』『あたしは、青のお姉さん!』『残ったのゴミみたい緑のジャージの奴だけじゃん。えー、この人やるぐらいなら倒れてる木が良い!』
『ダメだよ、ちゃんとやらないと。ゴミみたいな緑の人も大事な役だよー。』『うぅ……、次やる時は代われよ!』
と子供達が騒いでいる。
そう、今子供達のマイブームはデュラハン戦ごっこ遊びが流行っているのだ。
しかも、驚く事にデュラハンとかの台詞とかは曖昧なのに、俺が吐いた台詞は曖昧ではないことだ。その為、街を歩く度に、いろいろ所から小っ恥ずかしい台詞が聞こえる。でも、あの名台詞を言えたから後悔はしてないから良いんだが。
だが、ここに1人だけ納得していない者がいる。
「くそっ!なんでっ!オレだけ外れ役なんだよ!あのデュラハンこそ外れ役の筈だろ!」
「カズマ、子供にとって戦闘員と非戦闘員では人気の差があるのは仕方がない事です。」
「おいっ。オレも戦っていたぞ!」
納得していなかったのは、ウチのパーティの子供達から不人気である緑役のカズマだ。
カズマを不満を口にしながら、ヤケ食いをしていた。
そんなカズマの姿を見て、アクアがプスプス笑いながら言った。
「確かに、カズマは戦っていたわ。でも、役割が地味なのよ、じ~み!プッ、ハハハッッ!」
「あ''あ''ぁ?」
「アクア、そう言ってやるな。カズマが、あの戦闘でデュラハンの弱点を見つけたおかげで時間稼ぎができたのだからな。」
怒り狂うカズマに対し、すぐさまフォローを入れるダクネス。
俺は、ダクネスのフォローに関心していた。
「時に、カズマ。子供達からバカにされる感触はどんな感じなのだ?私も、純粋な子供からゴミと蔑まれたい!」
あぁ・・・やはり、そう来るのね。こいつは、こういうところさえなければ間違いなく他のパーティーでも人気があっただろう。
ダクネスを残念そうに見ていると、ダクネスはそれを待っていたと言わんばかりに、にんまりして頬を赤らめていた。
「だぁ!もう我慢ならねぇ!ハチマン!オレと一緒にチート級の武器探しに行くぞ!」
カズマは、机を叩くなり俺の名を指名して立ち上がった。
正直めんどくさい、こういう時ほど厄介事に巻き込まれるのは鉄板だ。
だが、ココで断るのも後々めんどくさい事になる。
「はぁ。へいへい、探しに行きますか。」
「よし!行くぞ!」
溜息を吐きつつも、意を決して席から立ってカズマと共にギルドから出た。
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「んで、カズマ。」
「なんだ、ハチマン?」
「チート級の武器を探しに行くけど当てがあるのか?」
ギルドを出て、カズマと共に歩きながら質問をしたところ、自信ありげな顔をしていた。
これは、ちゃんと計画していたのか。
「あぁ!もちろん、ないぞ!」
「・・・帰る。」
歩く方向をギルドに変更して、歩き始めるようにカズマはヘッドスライディングして俺の足に縋り付いてきた。
「待って!待って下さい!」
泣きながら懇願するカズマ。
だが、俺は歩みを止めん!今の俺ならこの状態でも歩くことできるので、カズマを引きずり歩き始めた。
「ハチマンさん、お願っ!やめて、これでも全体重掛けてるの!普通に歩くのやめて!いたたたた。」
ずるずるとカズマを引きずり歩いていると、見慣れた女性がいた。
「ハチマンさん。こんにちわ~。」
「こんにちわ、ウィズさん。」
ウィズさんと挨拶を交わすと、掴まれていた足が急に軽くなった。
後ろを向くと、何事もなかったように服の砂を払い、すました顔をしたカズマがいた。
こいつは・・・。
「あら、カズマさんも居たんですね。」
「はい、さっきまでハチマンと戯れてました。」
「そうなんですね。2人は、これから何処かに行くんですか?」
「オレの新しい武器を探してるんだ。」
「あっ、それならウチのお店で買いませんか?いいの、揃ってますよ。」
ウィズさんは、にこにこしながら提案をしてくれた。
マジックアイテムならチート級の性能の物もあるかもな。
それに、埃まみれになった隠れたマジックアイテムとか見つけて、無双するっていうライトノベル定番な展開もありそうだしな。
まぁ、ウィズさんが道具を粗末にしてるはずはないな。
「なぁ、ハチマン行ってみようぜ。」
「そうだな。ウィズさん、お願いしてもいいですか?」
「はい!もちろん!」
眩しい!笑顔が眩しい!目がっ、目が浄化される!
浄化されて、腐った目が綺麗に・・・いいのか。綺麗になるのはいいことか、なら見続けても大丈夫か。
そんなアホな事を考えつつ、ウィズさんのお店へと向かった。
道中、子供達から握手を求められたり変身ポーズ取ってと言われ、ポーズを取ったりなどしてお店に着いた。
「ハチマンさん、すごい人気ですね。」
「人気があるのは、スキルのヒーロー姿の方ですよ。」
「いえいえ、そんなことないですよ。子供達からあんなに憧れの眼差しを貰えるのはスキルだけじゃないですよ、ハチマンさんの魅力があるからです。」
「……あ、ありがとうございます。」
初めて女性に魅力があると言われたわ。小っ恥ずかしくて、顔が暑……。カズマから嫉妬や怨恨が混じったような目で見てきている姿が視界に入った。
原因は、俺が握手などしている隣で同じように子供達に握手してあげようとしたところ「触るな、ゴ緑!」と言われて伸ばした手を弾かれた。しかも、それを見ていた周りに居た女性達からは、ヒソヒソと何かを言われていた。あれは流石にキツい、フォローすら出来ない空気だった。
「カズマ、とりあえず中に入ってマジックアイテム買おうぜ。きっと、お前にあったアイテムがある筈だしな。」
「そうですよ、カズマさん。ウチのマジックアイテムは、自慢の品々が多いんですから。」
「……。」
無言を貫くカズマの近づき耳元で、「女からモテるマジックアイテムや下着とか見えるマジックアイテムがある可能性もあるぞ。」と耳打ちすると、「おいおい、ハチマン何してんだよ!早く探そうぜ!」と言って店の中へと入って行った。
こういう時は、単純で助かる。ホッと一息ついた瞬間に、ウィズさんが耳元で「そ、そんなアイテムはありませんよ。ハチマンさんのえっち。」と囁やいて店に入っていった。
まさか聞こえていたとは・・・っていうか、カズマのせいで俺の評価下がんじゃねえか。でも・・・ありがとうございます!
去って行ったウィズさんに向かってお辞儀をしてから店に入った。
「よし!ウィズ、おすすめの商品あるか?」
「そうなんですね、カズマさんはどんなものをお探しですか?」
「どんなものか・・・ハチマン、オレに似合いそうなものってなんだと思う?」
「カズマに似合いそうものか、最近手に入れた狙撃スキルを利用した武器とかどうだ?」
「おぉ、それいいな!」
発案に乗ったカズマは、狙撃を利用した武器をウィズさんと共に探し始めた。
カズマは、ギルドの飲み会を通じて手広くスキルを確保している。しかも、カズマ自身が器用で手に入れたスキルの応用をしている。
色々なスキルが使えるというのは、羨ましいと思う。
「なぁ、これは?」「そちらは、衝撃を与えると爆裂魔法には届きませんが中級爆発魔法に匹敵するほどの威力を持つ爆弾です。」
とんでもない単語が聞こえたが気にしない。俺は気にしないぞ。
だが、こう店を見渡してみると色々あるんだな。
「うん?」
俺は、ひときわ目立つ眼鏡を見つけた。
見た目は、何にも変哲もない銀縁の眼鏡なのだが、周りのラインナップなどと比べて異質というかなんというか。数も、この2個しか並んでないのもある。
「ウィズさん、これは何ですか?」
「あっ、そちらの商品は入荷したばかりの物です。こちらの眼鏡を掛けると女性から嫌われるという効果を持ちます。基本的に、女性に嫌がらせやセクハラなどした方に付けて罰する道具です。効力的には、女性から罵声を浴びたり変な噂を立てたり、場合によっては暴行されるということもありますね。」
「へー。そんな……っ!身体が……。」
マジックアイテムに関していると、急に身体全身が痺れ、力が抜けてその場に倒れた。何が起きたのか分からず、首をなんとか動かし周りを確認するとニヤケ面したカズマが手をワキワキさせていた。
「きゃー!カズマさん何をっ!」
「カズマ、お前……まさか!」
「へへへ……。どいつこいつも、人気がありやがって……ハチマン、お前に関しては子供だけではなく、女までもファンがいやがって……オレには……オレには……っ!喰らえ!スチャっと……。」
カズマは、俺にマジックアイテムの眼鏡を付けては、高笑いをし始めた。コイツ、後ではっ倒す。
「これで!コレで、ハチマンもオレと同じになる!ひゃっはー!」
「ハチマンさん、今治します!」
倒れている俺の前に、駆け寄って来てくれるウィズさん。そして、手を体に乗せて状態異常を治す魔法をかけてくれた。身体は徐々に、痺れが取れ始め立ち上がる事ができる範囲までいったのを確認して立ち上がった。
「身体の方は大丈夫ですか?」
「大丈夫です、ありがとうございます。……っていうか、眼鏡掛けてるのにウィズさん何ともないんですか?」
「えぇ、何ともないです。ハチマンさんに対して、嫌な感じとかしませんね。」
どうやら、眼鏡の効力が発揮されていないようだ。うん?発揮されていない?元々が……いや、考えないでおこう、死にたくなる。
「さて、カズマちゃん?分かってるよな?」
「えっ?あっ……。」
「ウィズさん、ちょっと出てきます。こっからは、18禁ですので。」
カズマの首根っこを掴んで、店の外へと連れ出し龍が如くの壊し屋スタイルのヒートアクションをかました。どのヒートアクションかは想像に任せる。
カズマにお灸据え、首根っこを掴んだままお店の中に入ると想像もしていない光景が目に入った。
その光景とは……ウィズさんが、紫を基準に黒のラインが施されたセクシーな下着姿だった。
「う、ウィズさん!服!服着てくださいよ!」
「えっ?着てますけど?」
「はっ?だって、紫のっ「えっ、ひゃ!」。」
「おい、ウィズが下着姿だと!……んだよ、服着てんじゃん。」
「まさか……この眼鏡の効力か?」
俺の発言に顔を赤らめては、その場にしゃがむウィズさん。
俺も慌てて眼鏡を外そうとしたが、ビクともしなかった。無理に外そうとすると顔の皮まで持っていかれそうになった。
先程まで技をかけられて、ぐったりしていた筈のカズマはウィズさんの下着姿という言葉に反応して元気が戻ったと同時に眼鏡の効力だとしり、その場で床に崩れた。
「なんで!なんで、ハチマンだけが美味しいイベントがあるんだよ!ハッ!オレも眼鏡をかければ!」
「おい、ちょっと待てカズマ。なんで、これ外れないんだよ。クソ……うん、なんだこれ?」
外そうと色々と眼鏡を触っていたら眼鏡の縁の所にダイヤルらしき物があった。一か八かに掛けてダイヤルをカチッと動かした。
ダイヤルを動かすと、ウィズさんの姿はいつものローブの姿に戻っていた。
一安心したのは、つかの間。カズマが、もう1つの眼鏡をかけた。
「おっしゃー!コレで、パンツ見放題だぜ!……って、あれ?おい、ハチマン何も見えないぞ!」
「はぁ……、良かった。」
「ウィズ、これ欠陥商品じゃねえか。」
「………………。」
先程まで、しゃがみ込んでいたウィズさんが無言で立ち上がった。おかしい……何かがおかしい。
「おい、ウィ「うるさい、この豚野郎!私の名前を気安く呼ぶな!」「へっ?」」
俺とカズマは、ウィズさんの言動に素っ頓狂の声が出てしまった。
嘘やろ?あの女神より女神に近い人が、あんな汚い言葉を吐くはずが「おい、聞いてんのか?そこゴ緑。お前だよ、お前。さっきから……。」……マジですか。
「おい、カズマ!お前、何しでかしたんだよ!」
「お、オレは何も!あっ!もしかして、この眼鏡が原因なのか!」
「うるさいって言ってんでしょ!」
ウィズさんは、大きな風を起こしてドアの外までカズマを吹き飛ばした。
「あー、見てるだけでイライラする。いいですよね、凍らしても!………………カースド……。」
ウィズさんが、詠唱をし始めと同時に周囲に冷気が発生した。空気も、今までにないくらいピリピリとしていた。
あれは、やばい!と1発で分かるほどだ。
「カズマ!俺がウィズさんを抑えるから逃げろ!」
「あ、あぁ!」
すぐさま、ウィズさんの体を後ろから羽交い締めした。羽交い締めした瞬間、詠唱は途切れ冷気が和らいだ。
その一瞬を見逃さないように、カズマは手足をバタつかせながらも街へと走っていった。
「お、落ち着いて下さい!ウィズさん!」
「…………ちっ、やり損ねました。」
逃げた事を確認してから羽交い締めを緩め後ろに1歩下がった。しかし、下がった筈なのにウィズさんとの距離が先程の羽交い締めしていた時と距離が変わらなかった。もう一度後ろに1歩下がって見たが、やはり変わらなかった。さらに、もう一度後ろに下がろうとした瞬間にウィズさんが身体を反転させて正面から抱き締めてきた。
「ほわぁ!?ウィズさん、どうしたんですか!」
「むー。ハチマンさん、私を呼ぶ時はウィズさんじゃなくてウィズと呼んでください。」
「はい?」
「いいから!ウィ~ズ。ほら、早く~!」
「えっ……あっ、ウィズ?」
「えへへ……。」
何、この状況?八幡、よくわからない?
困惑している俺に対して、ベッタリ抱き締めて離さないウィズさん。抱き締められる事により、ウィズさんのたわわの実りが押し付けられている事に気づいた。
「ウィズさん「さんはいらないですよ。」……ウィズ、む、胸が当たっ「ワザと当ててるんですよ。」……。」
現実世界で、ワザと当ててると言う台詞を聞くことができるとは……この台詞はライトノベルやアニメだけかと思っていた。おっと……感動している場合じゃない!どうする?何が原因だ?何故こうなった。
少し前の行動を思い出すと、眼鏡の縁に付いているダイヤルを回した事を思い出した。
「回した瞬間に目を瞑れば大丈夫、目を瞑れば……。よしっ!」
眼鏡の縁に付いているダイヤルを回してカチッと音を立てた。その音と同時に、目を瞑った。
「ウィズ?」
「はわわ……あれ?あれあれあれ?、なんでこんな事に。」
いつもの感じに戻った感じだな。抱き締められていた腕の力も緩んで、離れていて行ったのがわかった。
「良かった元に戻った見たいですね。」
「は、ハチマンさん、何があったんですか!それと、なんで目瞑っているのですか?あと…今……。」
「えっと……まぁ、数分前の事を話しますね。」
それから、目を瞑りながらもウィズさんに数分前に起きた事を話した。きっと、目の前にはわはわ言いながら顔を真っ赤にした女神がいるんだろうな。言っておくが、薄目してでも見たいとか思ってないんだからね!ホントだよ。
ていうか……これどうやって帰ればいいんだよ。
最近、色々なゲームが出てますね~
今更になって、オーバーウォッチと龍が如く極を始めました。
両方楽しすぎてやばいです。
皆さんは、今ハマってるゲームとかありますか?