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誤字修正などをやって頂いた方々には、いつも感謝しています!ありがとうございます!
また、感想なども感謝しいます!
感想が増える度に、毎回嬉しくて心をはしゃがしてます(笑)
本当に感謝です!
※アマゾンズ シーズン1 面白すぎてやばいですね!
だが……ハンバーグ回だけは……あそこだけは……。
デュラハンこと魔王幹部の1人のベルディアを倒した俺らは街へと戻った。
さすがに、魔王幹部と戦闘があったという事もあり、集まった冒険者達は自分達の家や宿屋へと帰路していった。
ココに来るまでにいろいろあった為、俺も宿屋へと向かおうとしていたが……。
「なぁ、めぐみん。そろそろ離してくれないか?」
「…………。」
街に着いてからめぐみんが腰に腕を回して、がっしりしがみついて離してくれない、トトロにしがみつくメイちゃんみたいな状況と伝えた方がいいか?
それでいて、めぐみんに話しかけても顔を腹に埋めているせいでモゴモゴ言って、聞き取り辛いのだ。
「お~い、めぐみん。そろそろハチマンを離してやれ。」
カズマが呼び掛けても、顔を横に振るめぐみん。
ダクネスもやれやれみたいな顔をしながら微笑ましそうに見てくるし、アクアはアクアで手をワキワキしてるし。
はぁ……。なんか、昔にもこんな事があった気がする。いつだったか……小町が1人で留守番してる時に、帰りが遅くなった時はいつもこんな感じだったな。あと、入学式前に車で轢かれた時もだったかな、めぐみんみたいにしがみついて来たなぁ。
しがみついているめぐみんの頭を被っている帽子の上から撫でた。
「めぐみん。悪かったな、寂しい思いをさせて。」
「……んっ。本当です。それに、まだ言うことあるはずです。」
目を腫らしながら、上目遣いしてくるめぐみんがそう言うと、カズマ達の口からも「そうだな」と声を上げた。
言ってないことか、ベタなアレだよな。
「ただいま。」
「「「「おかえり、ハチマン!!」」」」
ちょっと前までは、当たり前の言葉だが2ヶ月ちょっととはいえ、仲間達からの’’おかえり’’という言葉は、とても懐かしく帰ってきたんだなと実感を得て、少しむず痒い感じがした。
…………さて。
「なぁ、ちょっと聞きたいことがあるんだが。」
「なんだ、ハチマン?」
「なんで、魔王幹部がこんな所に来たんだ?」
質問をした瞬間に、アクア、カズマ、しがみついていためぐみんさえも街の中へと脱兎のごどく走り出した。残されたダクネスは、そんな3人を見て「へっ?」という気が抜けた声を出していた。
「ったく……アイツら。ダクネス、事情を聞かせて貰おうか。」
「あ、あぁ。」
その後、ダクネスから魔王幹部が来た理由を聞き、俺はファイズに変身をして本日2度目のアクセルフォームにチェンジをして、3人を捕まえて説教をした。
ある意味、本当に戻ってきたという実感を得た。
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俺が帰ってきてから、早3日が経った。
説教後、アレからすぐに宿屋に帰って、借りている部屋の枕に顔を埋めて、己の言動に恥ずかしくなり声を上げていた。
なに、あれ?巧さんに影響されたから!めっちゃキザなセリフ吐いてるし!……でも、あのセリフを言えた事に満足している自分がいるという事が何よりも恥ずかしい!
などと、2、3時間ほど枕で悶えながらも眠りに落ちた。
んで、次の日は迷惑をかけた人達にひたすら謝りに行くだけで潰れた。
でも、まぁ…この世界の人達は謝ったとこで気にしてないから大丈夫だと言っては、むしろ俺が2ヶ月ちょい居なかったほうが心配だったと説教された。相変わらず良い人しかいないと痛感したわ。
前の世界なら、居なくても気にされないだろうしな。あっ、居ても気にされないか。
いや、待て ……小町と戸塚には気にしてもらいたい。
そんなこんなで、俺はいつもの席に座って仲間達を待っていた。
「悪い、ハチマン遅れた。」
「んっ、あぁ、大丈夫だ。」
「そうか。今日はどうするよ」
ギルドの入口から軽く走ってきて、いつものように俺の前の席にカズマが座って、予定を聞いてきた。
「今日は…「ハチマン!遅れました!」「すまない、遅れた。」全員来てからでいいか。」
同じように入口からめぐみんとダクネスが一緒に入ってきて、めぐみんは俺の横にダクネスはめぐみんの隣へと座った。アクアに関しては、バイトだから来ないな。
「それでハチマン、今日はどうしますか?」
「そうだな……そろそろ拠点が欲しいな。」
「拠点ですか?」
めぐみんは首を傾げて聞いてきた。
久々に、この表情を見たがポンコツがという点を除けば、小町と戸塚に次ぐくらいに可愛い……つまり、何が言いたいかというと!
かなり可愛いということだ!
おっと……、表情を緩めるとキモイとか言われそうだから戻しておこう。
「…そうだ、拠点だ。なんやかんや宿屋代とかも馬鹿にならないしな。だったら、全員で割り勘してでも拠点という名の家を買おうと思うんだ。」
「「「家を!?」」」
「そうだ、家だ。」
カズマ、めぐみん、ダクネスは驚愕してその場に立ち上がった。
カズマに関しては、その後すぐに泣きながら
「ついに!ついに!家が……、あの臭い馬小屋からおさらばできる……。」と切実な声で言った。
てか、まだカズマとアクアが馬小屋生活をしていた事に驚いたわ。
「だがハチマン、なぜ皆と割り勘なんだ?この前のデュラハンを倒したことで報酬はかなり入るはずだろう?」
「あー、あの報酬に関してだがな……」
全員が俺の顔をじっと見てきた。
やめて、ちょっと恥ずかしいから。
「壁代ということで、報酬が届き次第に壁の修繕費となるんだ。」
「「「はぁ!?」」」
「はぁとはなんだ、はぁとは……。てか……もとはと言えば、めぐみんが爆裂魔法で城を襲撃しなきゃ、デュラハンは来なかった。それに、壁が壊れたのはバカ女神の洪水のせいでもあるからな。だから修繕費として使ってくれと話してある。」
ぐぬぬ……と言いながら、めぐみんは小声で「あんな事しなきゃ……だけど……。」と後悔している。
ダクネスは、納得したのかいつ間にか頼んでいた紅茶を啜っていた。
カズマは、納得しているが納得いかない感じで腕を組んでいる。
「……なぁ、ハチマン!お前が、もっと早く来れば、壁も壊れなかったんじゃないのか?てか、この2ヶ月半何してたんだよ。」
「そうですよ!2ヶ月半も何していたのかの話しのほうが大事ですよ!」
「私も聞きたいな、この2ヶ月半何をしていたのか。」
カズマが疑問をぶつけてきた。
それと、なんか知んないが前よりもめぐみんが隣からぐいぐい来るんだが……。まぁ、この2ヶ月間は別にやましい事をしていた訳ではないからな。
「分かったから、めぐみん1回離れてくれ。」
「うぅ~。」
「んじゃ……まず、この2ヶ月間何してたか簡単に説明するぞ。俺は、ある英雄に修行を付けてもらっていたんだよ。それとカズマ、俺が早く来ていたとしてもアクアが洪水を起こしていたと思うし、なによりもデュラハンが街に来て多大な迷惑を掛けちまったことには変わりないしな。」
「うっ……確かに、あのダメ女神なら……それに、呼んじまったのはオレらのせいだしな……。」
俺の言葉に、渋い顔をしたカズマだったが納得したのか続けて疑問をぶつけてきた。
「壁に関してはしょうがない……しょうがないんだ。それにしても英雄、修行どういうことだ?」
「まぁ、事の顛末としては、2ヶ月半前に宝島の時にある敵に遭遇して、その敵に負けて、その英雄に助けて貰って、修行を付けてもらったって感じだよ。」
「ハチマン負けたんですか!!!」
「嘘だろ?だって、お前…うん?……敵…。もしかして……。」
めぐみんは、俺が敵に負けた事に驚き声を出した。前に座っていたカズマに関しては、察してくれたようだ。カズマには前にクウガの敵と闘ったこと話してある。それになぜ、俺が魔物とは言わずに敵と言った事にも気づいたようだしな。
「んで、2ヶ月半いろんな修行を付けてもらって、新しいフォームであるアクセルフォームになれるようになったんだ。ついでに、俺を負かした敵をぶっ倒した。」
「そんなに修行とかしていたのなら、レベルもかなり上がったんじゃないのか?」
「どうだろうな?レベルに関しては、まだ鑑定して貰ってないからどのくらい上がったとかは知らないんだ。」
「なら、早く行ってきてはどうだ?ついでに帰ってき次第に、その修行の内容を教えてくれないか?もしかしたら、今後の参考になるかもしれないからな。」
「参考なるかどうかわからんが分かった。んじゃ、行ってくるわ。」
ダクネスに言われ、受付嬢がいるカウターへと向かった。着くなり、ルナさんが手を振って話しかけて来てくれた。
「ヒキガヤさん、今日はどうしましたか?」
「あっ、えっと、レベルアップしてるか確認したいんですが。」
「はい、分かりました。では、こちらの水晶に手をお願いします。」
カウターの下から水晶を取り出し、カウターの上に置いた。その水晶に慣れた手つきで、水晶に触れた。触れた瞬間に薄い水色の魔法陣が現れ、数値が現れては、ガンガン数値のレベルが上がっていった。そして、40の数字で止まった。
「おぉ!かなりレベルが上がりましたね!」
「はい、そうですね。」
「コレでますますのご活躍が期待出来ますね!」
「期待って……。」
期待という言葉に苦笑いした。
まぁ、こんだけレベルが期待出来ます上がれば期待もされるもんだろうな。
ルナさんに軽く会釈して、カズマ達の元へと戻った。
「ふふふ……私も個人的にいろいろ期待しているんですよ。」
席に戻ると、カズマはコーヒーを啜り、めぐみんはホットミルクを飲んでいた。
ダクネスが俺を見るなり、口を開いた。
「レベルどのくらい上がったんだ?」
「15ぐらい一気に上がったぞ。」
「……結構上がったんだな。」
「まぁ……あんな修行すればな……。」
巧さんとの修行を思い出した。
カズマとめぐみんは、そんな俺を見て「うわぁ……目が……。」と声を出していた。
多分、目が相当腐ったのであろう。
その中で、ワクワクしているダクネス。
「久々に見たがいい目だ…ふふ………。おっと、涎が……。それでハチマン、その修行の内容を教えてくれないか?」
「あ、あぁ。修行内容も含めて、この2ヶ月半の話もするわ。」
「分かった。」「分かりました。」「あぁ。」
――――――――――回想―――――――――――
俺は敵(ホースオルフェノク)に負けて、ミクタさんって人に助けられた。
最初の3日くらいは、怪我のせいで動けなかったがクウガの能力である治癒能力のおかげで早く怪我は治った。
助けて貰ってから最初の1ヶ月の生活風景は……。
「おい、ハチマン!洗濯物が真っ白じゃないぞ!罰として、筋トレ5セット追加と走り込み10キロ追加だ!」
「えっ、ちょ!まっ!」
現在、今日の晩飯に使う肉の調達で体長3メートルくらいありそうな野生のエッグベアと生身で素手で戦っていた。この世界ではレベルがあるので、生身では戦えるが、素手という点が正直かなりキツい。
てか、あの人無茶苦茶だ!!
俺の怪我が治り次第に、強化修行が始まった。
ミクタさんから強化修行中は変身禁止という課題を出され、また修行の一環として戦闘経験を得るという意味でエッグベアなどの魔物と戦闘する。倒した魔物は、その日の晩飯の材料となるので経験も積めるし、晩飯も確保できるから一石二鳥だろと笑いながら言ってきたミクタさん。
見た目が白い小動物の皮を被った宇宙人じゃないが、わけがわからないよと言いたい……。
「コイツ、前の奴より硬い!くっ……。」
それから俺は午前中いっぱい使って、なんとか勝利。ついでに晩飯の材料を手に入れた。
「ハァハァ……、終わりました。」
「遅いぞ、ハチマン。ほら、ナイフで内蔵取ってそこの池に付けておけ、あとで皮を剥いでから解体して晩飯に使うから。」
「ちょっと……まっ……。」
「早くしないと筋トレメニュー増やすぞ。」
「分かりました!」
そこからは、倒したエッグベアを池まで運び、最初の方はぎこちない手つきで内蔵を取り出していたが、今では慣れた手つきで内蔵を取っては、エッグベアを池に沈めた。
沈めている時間の間に筋トレと走り込みをやっては、終わり次第に休憩挟んではミクタさんが作った昼飯を食べた。
昼食後は1時間ほど食休憩をし、ミクタさんと戦闘訓練。
戦闘訓練と言っても、あの人は武術とか使えず完全な喧嘩殺法での訓練である。
「ハチマン、どうした!」
「野生の勘を頼りにしたような戦い方しやがって!クソっ!」
「ほら、そこだ!」
「ぐっ……。」
ミクタさんとの訓練は、結構ハードだ。
今だって、ミクタさんに回し蹴りをされて仰向けに倒れている状態だ。
現状では、大体がこんな感じにボコボコされている。たまに良い一撃が入ると、ミクタさんが本気を出しては骨を折られたりする。
クウガの治癒能力が無かったら、多分俺は逃げ出していた。てか、逃げ出したところで、あの人の場合は追いかけて、もう一本折られる未来しか見えない。
あぁ……自分でも目が腐っていくのがわかるが、あの馬野郎をぶっ倒すというのが今の目標だ。うだうだ言ってられねぇよな。
何度も自分に言い聞かせては、自分の中の闘志を燃やして立ち上がってはミクタさんに挑んだ。
訓練は夕方にまで行った。
訓練後は、先程の池に沈めたエッグベアを池から運び出しては血抜き作業、皮を剥いで解体をする作業といった一連の作業行い、解体した肉と山菜などをミクタさんと共に調理をする。
そこから、ギルドいる時みたいに晩飯を食べて、風呂に入って就寝という流れだ。
この1ヶ月は大体こんな感じに過ごした。
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「「「」」」
俺の話を聞いてた、3人は絶句していた。
おい、そんな顔するなよと思ったが、俺が話を聞く側だったら同じようなリアクションをしていただろう。
絶句していた1人のカズマが口を開いた。
「おい、ハチマン。えっ?なに?お前、オレと同じ人間か?」
「何言ってんだ?同じだろう。」
「いやいやいやいやいやいやいやいや……。」
やっと口を開いたと思ったら何通質問してくるんだ、コイツ?多少目が腐っているが人間だぞ。
確かに、何度かアンデットに間違われたりしたが……。前の世界では……前の…………されてなかった気がする。
前の世界の扱いを思い出し、少し凹んでいると、めぐみんがバンッと叩いた。
「ハチ、ハチ、お兄、ハチマン!素手でって!?え~!だって、エッグベアを素手?!えー!?」
めぐみんがバグを起こしていては、何度も同じ事を言ったりしていた。……ほっとくか。
めぐみんの隣に座っているダクネスの方を見ると、珍しく優雅に紅茶を飲んでいた。
おぉ!この2ヶ月半で、ダクネスが多少真人間になったのかと感心した。
「……あふん!!ハァハァ……想像しただけで、まさかこんなになるとは……ハァハァ……。今度、私も素手で……ぐふふ……。」
あっ……ダメだこれ。
少し感心した瞬間に、これだよ。
ダクネスを軽蔑した目で見ると、ダクネスは「ダメだ、ハチマン!そんな目で、今見られたら……見られたら……はぅーん!」と持っていた紅茶を盛大に零した。
「おい、ダクネス大丈夫か?」
「だ、大丈夫。この熱さも1つのプレイ……ぐふふ……最高だ、ハチマン!」
「うるさいわ!」
「久々に頂きました!ありがとうございます!」
もう嫌だ……なんなのこの子は……。
泣きたくなってきたよ。
3人が正気になるまで、ここから1時間近く掛かった。