この腐り目に祝福を!   作:クロスケZ

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投稿が遅くなりました!
繁忙期がぁぁぁぁぁ!やっと、落ち着いたので
どんどん書いていきたいと思います。

最後の方とか、何回も書いては消してを繰り返していたので文書が変になっていたらすみません!

それと、誤字のご指摘ありがとうございます!



4-20 帰ってきた我らの仮面ライダー

デュラハン襲撃から一週間と数日が経った。

その間に、やはりクエストは受けられないオレ達は、バイトや筋トレ、ポイントでスキルを取ったり、ハチマンを探しに行ったりしながらも有意義に過ごしていた。

 

そんな感じに過ごしていたら

『 緊急! 緊急! 全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってください! ……特に、冒険者サトウ・カズマさんとその一行は大至急でお願いします!』

と放送が流れた。

 

正直、なんでこんな放送が流れたのかは察してはいる。だから行きたくない。

 

周りの冒険者も行きたくなさそうな面をしながらも、装備をゆっくりゆっくり取り出しては、溜息を吐いて出ていった。

 

仕方ない、オレも行くか……。

 

 

 

――――――――――――――――――

 

―――――――――

 

――――

 

 

オレ、アクア、めぐみんが正門に着くと人集りを掻き分けながら前にでると、やはりアイツが来ていた。

アイツとは……そう、デュラハンである。

 

デュラハンは、オレとめぐみんの姿見るなり開口1番に叫んだ。

 

「この人でなし共がぁぁぁぁああああ!何故城に来ないんだ!」

 

じわじわとデュラハンに近づきながらも、めぐみんをかばう感じで前に出ては、デュラハンの問に答えた。

 

「え、えっと……何故城に来ないかだっけか。とりあえず、なんで城に行かないと行けないんだ?爆裂魔法を撃ち込み行くわけでもないのに。あと、人でなしとはなんだ?」

 

オレは疑問をぶつけた。

デュラハンは身体をプルプル震えさせながら、めぐみんを指差した。

 

「撃ち込んでないだと……。き……きき……貴様!!そこのアホ娘は、あれだけ言ったのにも関わらず、ポンポンポンポンポンポン毎日撃ち込みやがって!」

 

「はぁ?」

 

だって、そうだろう。あれからというもの、日課であった爆裂魔法撃ち込みに行くのをやめていた。

それに、めぐみん1人で行っていたとしても魔力使い切って倒れて動けなく……うん?1人なら……。

 

「おい、アクア。」

 

「な、なによ!」

 

「お前、めぐみんの協力者だろ。」

 

「そ、そんなわけ、な、な、ないでしょ!食べ物に釣られてなんかないんだから。」

 

あー、ダメだぁ……。本当にコイツはポンコツだ。

アクアのバレバレの嘘ついている隣で、オレと目を合わせないめぐみん。

 

「め~ぐ~み~ん~。ほらっ!こっちを向け!」

 

オレはめぐみんの顔を掴み無理矢理正面を向かせては、めぐみんの付けてる眼帯を引っ張った。

 

「やめ!やめて!それは、それはダメです!本当のこと言いますので!本当にそれだけわ!ダメ、ダメ、そんなに引っ張っちゃ!」

 

「ほら、早く言うんだ。」

 

「は、はい!あの後、城ではなく草原に撃ったんですが……、物足りなくて…あの城というより巨大な物体に撃つ快感が忘れられ「ギルティ!」イッタイ!!!メッガァァァァァ!!!」

 

めぐみんは、その場で目を抑えながら、のたうち回っている。

このポンコツ共が!

余計な事さえしなければ、派遣組が倒して平穏な日々が過ごせたのに。

しみじみとそんな事を考えていたら、デュラハンがオレの事を指差して言った。

 

「言っておくが、貴様も同罪だぞ、そこ緑のマント!貴様は仲間が呪いに掛かったのに関わらず、え、え、え、えっちな店ばかり行きやがって!うらやま……くっ!けしからんぞ!この人でなしがっ!」

 

周りもデュラハンの言葉にヒソヒソと話し始め、少し後ろにいたアクア、隣でのたうち回っていためぐみんも目を抑えながら軽蔑する目をしながら

「カズマ……あんた……。」

「そんなとこに行ってたんですか……。」

と言った。

 

「えっ、あっ……ちっくしょう!またオレの評価が下がっちまった!なんで、んな事を魔王幹部の奴にバラされないといけないんだよ!なんなの!本当に!オレは……オレは!ダストとテイラーに誘われただけなのに!!!!!」

 

オレは、その場に崩れ落ちては地面をバンバンと拳を叩きつけた。

 

「「ちょっ!?あのカスっ!!オレ達まで売りやがったな!!!えっ、あっ、ちょっ!リーンさんやめ、やめ……アーー!!」」

 

地獄に落ちるなら少しでも仲間は必要だ。

いい仲間を持ったものだ。

さてと……。

オレは、立ち上がってデュラハンに指を差した。

 

「おい、むっつりデュラハン!」

「誰が、むっつりだ!」

 

「なんで、オレがあの店に行った事を知っているんだ!」

 

「ふんっ……そんなことか。俺はある奴にアドバイスを貰ってな。使い魔を使って、貴様らを少しの間だが監視をさせて貰った。」

 

おいおい、誰だよ。余計な事をアドバイスした奴!

 

「監視させて貰っていたが、言わせてもらうが貴様らもそこの変態緑マントと同罪だからな!誰1人、あのクルセイダーを助けようとせずに飲み会やら下らない夢を語ったり、誰1人気にかけなかったクソ共がっ!コレでも生前の時は、真っ当な騎士だったが、仲間がピンチになれば全員で助けに行ったというものの!貴様らは……!!!!…………うん?」

 

後ろから恥ずかしそうにダクネスが出てきた。

ダクネスの登場に、デュラハンも困惑をして奇声を発した。

 

「な、なぜ……生きている?ていうか、本当に生きてるの?」

 

「えっ、なんですか?あのデュラハン?まさか、ず~と、私たちの事を待っていたの?帰った後、すぐに呪いが呪いが解けたとも知らずに?監視までしてたのに気づかないとか!プークスクス……ウケるんですけど!!!」

 

アクアは、デュラハンを指差し小馬鹿にしながら大笑いしていた。

まぁ、そうだ。監視をしていたとはいえ、まさか呪いが解けた後に実家に帰ってたからな。デュラハンは、知らなくて当然だ。

ちょっとだけ、デュラハンに同情した

同情されたデュラハンはというと、困惑しつつも威勢を張っていた。

 

「お、俺がその気になれば、この街の住人を皆殺しにだってできるんだぞ!」

 

「ふぅ…あんた、アンデッドの癖に生意気よ!」

 

「駆け出しの冒険者風情が、俺にダメージを与えられると思うなよ!」

 

「ターンアンデット!!!」

 

「ぎにゃぁぁあああ!!!!」

 

アクアの呪文と共にデュラハン下に魔法陣が展開されて、光の柱が発生しデュラハンが乗っていたアンデットの馬が消滅と共にデュラハンは床を転げ回った。

あっ……コレ勝てるかも。

 

鎧をガシャンガシャンと音を立てながら、なんとか立ち上がる姿を見たアクアは狼狽えていた。

 

「ねぇ、カズマ、カズマ!やばい!効いてないかも!」

 

「いや、結構効いてたんじゃないか?」

 

「いや、だって!」

 

「んじゃ、もう一度やってみたら?」

 

「うん、分かったわ!ターンアンデット!!!」

 

デュラハンは、思わず「えっ?」という声出してはゆっくりとこっち側に身体を向けた瞬間に、先程の倍の範囲の魔法陣が下に形成されて、光の柱も先程より太くて大きい物が発生した。

 

デュラハンは先程と同じように、その場に奇声を発っしながら転げ回った。

 

「ひぃぃぃぃああぁぁぁ!お目目が、お目目がが……。」

 

アクアも先程と同じように、デュラハンの姿を見ては狼狽えていた。

 

「ど、どうしよう、私の浄化魔法が効かないわ!」

 

「いや~、ひぃぃぃぃああぁぁぁ!とか言ってたから効いてるんじゃないか?」

 

まぁ、女神の力を使って1回で浄化出来なかった事で、狼狽えているんだろう。

だが、爆裂魔法を撃ってから浄化さえ決まれば勝てる!

間違いなく、勝てる!

 

「……くはははははッ!もう良い……。街の者共を皆殺しにしてやる!来い!サモン アンデッド!!!」

 

デュラハンは、片膝を着いたまま魔法陣を展開してはかなりの数のアンデッドを召喚した。

周りもアンデッドの数を見て、ざわめき始まめては ’’「プリースト!!早く」・「街にいるプリーストを集めろ」「あんだけの数、この街のプリーストだけで足りるのか」’’などと集まっている冒険者がざわめき始めた。

 

「フハハハ……!貴様らが悪いんだからな!行け、アンデッド共!奴らを皆殺せ!」

 

デュラハンの声と共に、召喚されたアンデッドは走ってきた。

流石にヤバい。コレだけの数を倒そうにも時間とレベルが足りなすぎる。

オレが短剣を腰から取り出し、身構えて待っているとアンデッド達は冒険者が集まる方では無くオレ達の方へと走ってきた。

 

「おい!?どうなってるんだよ!!な、なんで全員こっちに向かって来てんだよ!」

 

「そんなこと、私が分かるわけないでしょ!」

 

「1度散開しましょ!」

 

「いいや!私が囮に!」

 

「おい、バカ!」

 

アンデッド達の囮になる為、ダクネスはその場に立ち止まった。だが、アンデッド達はダクネスに見向きせずに追い越していった。

 

「なぜだぁぁぁあああ! 」

 

ダクネスが悲痛の叫びが聞こえるが、今は無視だ。

くっそー、なんでこっち来てんだよ!

恨みでも買った覚えないぞ!

てか、さっきまで横で一緒にいためぐみんがいない。

周りを見渡すと、岩の上に頑張って登ろうしているめぐみんの姿。

あいつ、さっさと避難しやがって!いや、待てよ。

 

「めぐみん!爆裂魔法の詠唱を頼む!オレが合図したら撃て!」

「わ、わかりました!」

 

「アクア!」

 

「な、なによ~!もう!」

 

「オレに着いてこい!」

 

アクアは必死でオレの後を着いてきた。

その事を確認次第に、オレはデュラハンの方へと走った。

 

「き、貴様ら、なにをするつもりだ!?」

 

デュラハンは、急にオレ達が方向転換してデュラハンの元へと走り出した事に、オレ達が何をするのかわからない分困惑をしていた。

 

もう少し、もう少し……あと、少し!

よし!今だ!

デュラハンまでの距離が数メートルの所で、オレはアクアを横に突き飛ばし、デュラハンの前でアクアと二手に別れた。オレ達の事を追ってきたアンデッド達は止まることは出来ずにデュラハンへと雪崩込んだ。

 

「今だ!めぐみん!」

 

「なんと!カズマが、こんなにも最高のシュチュエーションを用意してくれるとは!感謝します!我が名は、めぐみん!紅魔族、最高にして最強の者なり!我が力にひれ伏すがいい!エクスプロージョン!!」

 

デュラハンとアンデッド周りに多大な魔力の渦が発生した。そして、渦は徐々に集束しては、大きく炎の柱立てては、また炎は下へ下へと集束しては、ピカッと閃光が発生したと共に大きな爆発と爆音が発生した。

そして、爆発が時間と共に収まり、爆発が発生した場所には砂煙が周りに立ち込めた。砂煙も爆発と同様に徐々に風で晴れては、爆発した場所もといデュラハン達がいた所には、大きなクレーターが出来ていた。

 

「ハッハッハっ!我が力の前では、誰も声も出なかったか。ふぅ……気持ち良かった……。」

 

「おい、おんぶはいるか?」

 

「お願いします。」

 

これさえなきゃ、本当にいいのにと思いつつも、めぐみんをおんぶしては良くやったと思っている。

後ろで控えていた冒険者もクレーターを見ては、続々と声をあげて言った。

 

「おい、みんな!やったぞ!あの頭がおかしい子がっ!」「あぁ!頭がおかしくて名前もおかしい女の子がなっ!」「えぇ!本当に頭がおかしい女の子がやってくれたわ」

 

まぁ、大抵の声をあげた人間からは頭がおかしいと最初に着いているがな。

そんな声を聞いためぐみんは、ボソッと「カズマ、今頭がおかしいと言った連中の顔を覚えていてください。絶対にぶっ倒しますので。」と言ってきた。

 

だが、喜んでいたのは、つかの間クレーターの中心からガシャンガシャンと金属音がなった。

そして、笑い声と同時に何事も無かったかのようにデュラハンが立ち上がった。

 

「くははははははっ……!面白いぞ!本当に面白いっ!初心者しかいない街だと思っていたが、まさかここまでしてくれるとな!…くはっ、では、この俺自ら貴様らの相手をしてやろう。……我が名はベルディア。魔王軍斬り込み大隊隊長にして、デュラハンのベルディア。さぁ、何処からでも来るがよい。」

 

くっ……。めぐみんには、もう魔力はない。アクアの魔法もダメージは入るが、致命だになるダメージを与えなきゃ、何発も撃たないと致命にはならない。どうする……!

 

オレが思考張り巡らしていると、オレの横をダストを先頭に多くの冒険者が走り抜けた。

 

「こんな奴は見てくれだけだ!それにすぐに、この街の切り札やってくるしな!」

 

「さっきの爆裂魔法のダメージで実際はフラフラしてるのに、気張ってるだけだぜ!それに、どんな奴でも後ろに目がある訳じゃねぇ!行くぞ!」

 

「「そうだ!そうだ!」」

 

この街の切り札……?

疑問を浮かべている内に、デュラハンことベルディアの周りを冒険者が囲んだ。

 

「ふん……。来るがよい。」

 

「やっちまえ!」

 

先頭だったダストの叫びに全員が各々の武器を攻撃のモーションに入った。

その瞬間に、片手に持っていたベルディアの自身の頭を頭上に高く投げた。

高く投げられた頭は、地を向きながら宙を待った。

その光景を見た瞬間、今まで生きていて初めてと言わんばかりに背筋が凍った。

それは、オレだけではなくベルディアに攻撃しようとした冒険者達も同じだったらしい。

 

「おい!ヤバい!逃げっ……。」

 

ベルディアの背中に目が有るのか如く、するりと剣や斧、はたまた矢を避けながら1人1人攻撃してきた冒険者を斬り捨てていった。

そう、気づいた瞬間には目の前で知り合いが、何の躊躇もなく殺されたのだ。

 

ドシャリという音と共に、多くの冒険者の体がその場に崩れ落ち。この世界での友だったダストもその場に崩れ落ちた。

その音を聞きつつ、宙を舞っていたベルディアの頭がベルディアが伸ばした手元へと帰ってきた。

何事も無かったのようにベルディアは述べた。

 

「次に来るやつは誰だ?」

 

その言葉と光景に、門の前いた冒険者達は怯みを見せていた中、テイラーは叫びをあげた。

 

「てめぇ!てめぇだけは!許さねぇ!」

「だ、ダメよ!テイラー!行っちゃダメ!」

 

ダストが殺された事に激怒しているテイラーを、必死に仲間であるキースとリーンが止めていた。

 

ヤバい……。正直言って舐めていた。

さっきの攻撃で、かなり間抜けにダメージを受けていたが、あくまでも相手は魔王幹部だ。

オレはアクアの方を見ると、既に先程までいた場所にいなかった。

この場で、唯一の切り札がアクアはベルディアを無視ては、斬り捨てられた死体をぺたぺたと触わっていた。

あいつは、何をする気なんだ。

 

その光景を見ていた時に、怯えていた冒険者が声をあげた。

 

「大丈夫よ!こんな奴は、ミツルギさんが切り伏せてくれるわよ!」

「そうだ!ミツルギがいる!オレらの切り札がっ!」

 

その声は次第に大きくなっていったが……済まない、みんな。ミツルギは、今レベル1で魔剣を持っていない。そう、このオレのせいでな。

 

「ほーう。そいつは強いのか。では、そいつが来るまで持ちこたえられるかな。」

 

ベルディアは、ゆっくりと歩みを寄ってきた。

その姿に誰しもがたじろぐ中に、1人だけベルディアの前へと立ち向かった。

 

「……私が相手になろう。」

 

我らの仲間のダクネスか立ち向かった。

いつもはポンコツだが、装備は特注品の重厚の白い鎧に、ステータスも防御に割り当ててるから硬さはある。

だが、いくら硬さがあるとはいえ相手は魔王幹部の1人だ。最初の一撃一撃の攻撃は受けきれても時間経つに連れて鎧が持たないのでは。

オレが不安からダクネスを止めべきか止めないべきかを悩んでいるとダクネスは自身有りげに言った。

 

「大丈夫だ、カズマ。私の頑丈さは、誰にも負けない。それに所持しているスキルで武器と鎧にも効果かあるはずだ。だが、奴も剣が良い物だとしても、金属製の鎧を紙の如く切り伏せることは出来ない。奴も攻撃系のスキルに持ちだ。なら、私の防御スキルと奴の攻撃スキルがどっちが上か勝負してやる!」

 

なんかいつにも増して攻撃的なダクネス。

だが、いくら受けることは出来ても、お前の場合攻撃当たらないじゃないか。

 

「やめとけ、ダクネス。あいつは攻撃だけじゃなく、回避も凄かっただろう。あれだけの冒険者の攻撃が当てられなかったんだ、不器用なお前に当てられるはずないだろ。」

 

オレの言葉にピクリとも反応せずに、ベルディアと対峙しているダクネス。

 

「……あぁ。でもな、カズマ。確かに私は不器用だ。だがな……、聖騎士として譲れないものだってある。だから、ここは任せてくれないか?」

 

何の事を言っているのかは分からないが、本人にとって本当に譲れない物があるのだろ。

剣をゆっくりと正眼に構え、ベルディアへとダクネスは斬込みに走った。

 

「ふふふ……。いいぞ、いいぞ!俺も元騎士だっ、クルセイダーの貴様が相手なら是非も無し。さぁ、相手してやろう。」

 

ダクネスは上から真っ直ぐに斬り掛かったが、ベルディアも同様に大剣を真っ直ぐと斬込み、互いの剣から火花を放ちながらぶつかり合った衝撃で砂煙が大きく舞った。

砂煙で、ダクネスとベルディアの姿は見えなくなってしまったが中からは剣同士がぶつかる音は聞こえた。

砂煙が徐々に晴れていくと、鍔迫り合いをしている姿が現れた。

 

「クルセイダーやるではないか!」

「ぐぅぅ。なんて……なんて力強いんだ!この力強さを持って私を屈服させては、その力で、私の装備を徐々壊して、皆の前で強さを示しながらも少しずつ上半身を肌けさせていくんだな!まったく……たまらん!!」

 

「おい、やめろ!俺まで変態扱いされるわ!」

 

鍔迫り合いをしながら、そんなアホな会話していたが2人は後ろに飛んだ。

ダクネスは、顔を赤らめながらもベルディアの一撃に注意し、ベルディアの懐に向かって走り出した。

ベルディアも、その行動に対して大剣を横に大きく振り、ダクネスの首元を狙ったがダクネスは一気に体制を低くして紙一重で大剣を避けて渾身胴切りを放った。

 

 

 

……………………………………。

 

 

 

ズバッだのガンッだの音がしない。

音がならない理由は、剣とベルディアの距離を目測を謝ったのか、剣は全然ベルディアには届いていなかった。

 

やだ、もう!あの子ったら、カッコよくいけたと思ったのに大事な部分で外すなんて恥ずかしい。

さすがウチのポンコツパーティーの1人だ。

 

「……なんたる期待外れだ。」

 

ベルディアはつまらない相手と言わんばかりに口調で、ダクネスに袈裟懸けに、無造作にその剣を片手で一閃した。

 

「ダクネーース!」

 

「私の新調したばかりの鎧がぁぁぁぁぁ!」

 

「ふぁ?!」

 

ベルディアは、本気ではないが普通の冒険者なら殺せるほどの力で剣を振ったとはいえ、鎧のみしか傷ついていないことに、素っ頓狂の声を上げていた。

 

しかし、あのバカは自分の身よりも鎧が傷ついたほうがショック受けてやがる。

だが、今ので時間が稼げる!

この時間を使って、魔法で何が効くか調査だ。

 

「魔法使える冒険者の皆さん、ウチのポンコツに構わずにベルディアに色々と魔法を打ってくれ!多少ポンコツに当たっても防御力があるから大丈夫だから!」

 

「「「はい!」」」

 

冒険者の返事と共に、様々な魔法がベルディアに飛び交っていった。

 

「小賢しい!」

 

「熱い!熱い!!、冷たっ!、あががが……!目に砂がぁぁぁ!……はぁはぁ……。街のみんなから様々な魔法で攻められる……これはコレで……ひぃぃぃ……!」

 

炎、氷、雷、砂塵、水などの攻撃がベルディアとダクネスに飛び交った。

その中で、水だけは他とは違い大袈裟にベルディアの姿があった。

もしかして……。

 

「皆さん!集中して水攻撃にしてくれ!」

 

「「「はい!」」」

 

ベルディアに向かって水の魔法が飛び交う。

クソっ、回避能力が高くて当たらない!

必死にクリエイト・ウォーターで狙撃するが当たらなくて、イライラしているとさっきまで死体をぺたぺたと触っていたアクアが不思議そうな顔をしながらやってきた。

 

「ねぇ?カズマ、何してるの?」

 

「おまっ!今、アイツの弱点かもしれない水を当てようとしているだ!てか、お前もやれ!」

 

「え~。」

 

「え~、じゃねえよ!うん……そうか、お前水を司る女神とかいいながら実際は、あんまり使えないんだろう?ぷぷぷっ……水を司る女神とかいいながら実際は、宴会の神様(笑)なんだろ?」

 

「なんでっすってぇぇぇええええ!いいわよ!見せてあげるわ!水の司る女神だって証拠をっ!そして、それを見て、私を讃えなさい!カズマ!……この世の全ての我が眷属達よ……水の女神アクアが命ず……」

 

「えっ……。」

 

「なんだ……あれは……。」

 

デュラハンもアクアの周りに集まる水の量を見てや驚きが隠せない。

 

「我が声、我が願いに答え その力を世界に示せ」

 

水は、まだまだアクアの周りに集まり続ける。

その量は、この街の冒険者全員がクリエイト・ウォーターを使っても集まらない程の量が集まった。

 

「くっ……いくら回避能力があってもあれはヤバい!……ぐお!?なんだ!誰かに足を掴まれてる?!」

 

ベルディアは逃げようとしたが、足を動かしたが片方の足にがっしりと様々な魔法を受けて倒れていたダクネスが掴んでいた。

 

「離せ!このド変態騎士が!」

 

「なんという心地の良い名だ!」

 

一向に離さないダクネス、空もやがて曇り、アクアの集めた水は雲へと集められた。

 

「ふふふ……カズマ見ておきなさい!これが私の力よ!セイクリッド・クリエイト・ウォーター!!!」

 

アクアが魔法発動すると、雲から大量の水が降り注いできた。その水は、ベルディアを飲み込んだ。だが、水はベルディアを飲み込んだだけでは収まらず、草原一帯の木々や街の城壁を破壊し、後ろに控えていた冒険者達も至る所に流されるという災害レベルまで発展した。

もちろん、オレも流された。

だが直撃したベルディアは相当なダメージが入った筈だとベルディアがいた場所を目視すると、そこには青緑色の炎の柱が発生していた。

 

「ゴホッゴホッ…なんだ、あの炎の柱は!」

 

水を飲み込んだせいで、咳き込みながらも思わずその光景に圧倒された。

そして、炎を纏いながらベルディアが炎から出てきた。

 

「正直かなり焦った……だが、彼奴から貰った力のおかげで助かった。さて……、俺をここまで苦しめたアホゥはどこだ。」

 

本当にヤバい……。

ベルディア自身が弱まっている様子はなく、むしろ前よりも禍々しく力強くなってるんだが。

ここは、息を潜めながら 攻め込むタイミングを探

「なんで!なんで、あの水の量に対してダメージが入ってないのよぉぉぉ!チートよ、チート!そんなの汚いわ!」そうとしたがポンコツアクアが声をあげていた為、出るしかないな。

 

「おい!デュラハン、さっきの炎はなんなんだ!」

 

「ふんっ、そんな事はどうでもよかろう。今から貴様は死ぬのだからな。」

 

そう言うと、ベルディアは剣を大きく横に薙ぎ払うように振った。

その瞬間、大きな爆音と共に衝撃波が飛んできた。洪水で流されも何とか立ち上がった冒険者達は、もちろんオレの溝に衝撃波の衝撃が走り、その場に膝から崩れ落ちた。

衝撃により胃から何かがこみ上げてきては、その場に吐き出した。

吐血とまでは行かなくても、胃酸や胃に溜まった水分などで水溜まりができた。

 

「ふん、振っただけでこの威力……。良き力を手に入れた。」

 

溝付近を抑えながら、ベルディアを見ると手をグーパーグーパーと繰り返しながら高笑いをしていた姿があった。

 

「さて……この力も試しては見たいが、もう試せるような奴はいない。なら、作り上げればよいのか。」

 

ベルディアの発言に、何をするつもりなのかは検討も付かないが、その場に居たヤツらはこの場から逃げなければ死ぬという事だけは確実だった。

ゆっくりとベルディアは、歩み初めて倒れている冒険者を掴んだ。

 

「確か……貴様は、酒を飲みながら夢を語っていたな。なんでも、魔王はオレが討伐するだとか……下らぬ!」

 

ベルディアは、掴んだ冒険者を投げ捨てては大剣手に取り冒険者を刺した。

そして、また歩み初めては1人、また1人とそいつが語った夢を否定しながら殺していった。

なんだよ、この状況は!どうしたらいいんだよ!

 

「おや……。これはこれは、爆裂魔法を撃ってくれた小娘ではないか。確か、貴様の夢は紅魔族の長になり爆裂魔法の素晴らしさを広めるだったか……。ふんっ、貴様も下らぬ。貴様には散々転けにされたが、今の俺は気分が良いから貴様は、この大剣で斬ってやろう!ふんっ!」

 

ベルディアは、めぐみんを大きく空へと放り投げた。

また、目の前で仲間が殺される。

オレは必死に立ち上がって、ベルディアの下へと走ろうとしたが衝撃波のダメージ大きく足がふらつき歩こうしたが前に倒れ込んでしまった。

 

「くそー!めぐみーーーーん!」

 

「ふはは……!」

 

「た、助けて下さい!はちまーーーん!」

 

めぐみんは落下しながら、行方不明になっている仲間のハチマンの名前を上げていた。

そして、もう少しでベルディアの剣の斬れる距離になった瞬間、オレは目を瞑った。

 

 

 

いくら待てど、めぐみんの身体が下に落ちる音は聞こえなかった。

ゆっくりと目を開けると、ベルディアはその場に膝を着いていた。

何が起きたのか、さっぱり分からない状況だった。この状況に呆気を取られていたが、めぐみんの姿を探した。

ベルディアの周りには、めぐみんの姿はなかった。まさかと空を見上げると、そこには見慣れたロボットが、めぐみんを抱っこしていた。

 

「おい、デュラハン。さっきから人の夢を下らないと否定ばかりしやがって。」

 

「ぬっ……。」

 

オレの後ろから聞き覚えのある声がした方を見た。

その声の持ち主は、淡々と言葉を続けながら歩き始めた。

 

「なぁ、デュラハン。お前には分からないと思うが夢を持つと、時々すんげー熱くなったり、切なくなるんだ。」

 

ピッ……。

携帯からなる機械音。

 

「だがな、ある人は夢を呪いだと言っていた。その呪いは夢を叶えければ解けない呪いなんだと。」

 

ピッ……。

見たことがあるアホ毛とドロドロと魚が腐ったような目を持つし人物。

 

「俺もその意見には同意している。それに夢を叶えられない奴の方が多いしな。でもな……そんな呪いからでも、そいつ等とっては1つの経験で呪いなんて思ってもねぇんだよ。その経験があるからこそ、また違う夢を追う事ができるからな。」

 

ピッ…… standing by……。

 

「俺には、胸張って言えるような夢はない。だがな、この手の届く範囲の奴らの夢くらい護る事は出来る!!」

 

「変身!!」

 

complete。

 

その人物は仮面ライダーファイズへと変身した。

そう……その人物とは行方不明だった我らの仲間のハチマンだ!

それにしても、クソっカッコイイ登場しやがって!

…危うくハチマン惚れちまうとこやった。

ふぅ……。


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