この腐り目に祝福を!   作:クロスケZ

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4-6 少女×店員×パーティ

「もう!着いちゃったじゃないか!」

 

「すみません!」

 

依頼されていた洞窟が見えてきたのだ。

あれから、ずっと考えては答えていったが全てハズレた。

クソっ…まったく分からない。小町ちゃん、このダメえちゃんに教えてくれ!

 

小町ちゃんから何かを得ようとしている時に、洞窟の前で1人の少女が頭を抱えていた。

 

「どうしよう、どうしよう。せっかく、……と勝負しようと思って持ってきたのに……。」

 

クリスさんも少女に気づいた用で、女の子に駆け寄っていった。

 

「君、大丈夫?」

 

「えっ、あっ、あわあわ…。」

 

何だろうな…何か共通のものを感じる。

少女は、何か言おうとしているが焦っている様子だった。

 

「うん?ゆっくりでいいから話そうか。」

 

「は、はい!えっとですね……。あっ、先にじ、自己紹介ですよね!…あれ…やりたくないな……。でも……!」

 

少女は立ち上がり、心呼吸をした。

自己紹介って、そんなに意気込むもんなのか?

あっ…、俺も自己紹介の度に意気込でるわ。

そして、噛んで失敗してるわ。

 

「ふぅ……。我が名は、ゆんゆん!アークウィザードとして、上級魔法を操る者!やがては、紅魔族に長となる者!」

 

少女は、ポーズを取りながら自己紹介をした。

あー…。完全にウチのポンコツ爆裂魔法娘の知り合いだな。

 

俺とクリスさんが、ゆんゆんをじーっと見ていた。

 

「だ、だから、この自己紹介は、いやだったんですよー!」

 

「だ、大丈夫だよ!ちょっと、驚いただけだから。ねっ!ハチマンさん!」

 

「あ、あぁ。てか、ウチにも似たような奴いるからな。大丈夫だ。」

 

「うっ…、ありがとうございます。」

 

なんとも言えない空気になってしまった。

だが、やっぱり紅魔族の名前って、あんな感じなんだな。

ついでに、自己紹介も…。

 

「えっと…あたしの名前はクリスだよ。見ての通り、職業は盗賊だよ。よろしくね!ほら、次。」

 

「俺の名前は、ハチマン。職業は、冒険者だ。よろしく。」

 

「それで、どうしたの?」

 

「…………クリスさんとハチマンさんですね……。あっ!はい!さっき買ったマジックアイテムがないんですよ。うー…。」

 

あら、それは災難ですね。てか、マジックアイテムか……。最近どこかで、聞いたか見たような。

 

「やっと、追いつきました!はぁはぁ……。」

 

「あん?」

 

後ろから先日あったリッチーこと、ウィズさんが走ってきた。

あれ?大丈夫なのか?クリスさんも女神だが。

チラッと、クリスさんの方を見ると、何かブツブツ言っていた。

 

「はぁはぁ……ゆんゆんさん、マジックアイテム忘れてましたよ。…って、ハチマンさんじゃないですか。どうして、ここに?」

 

「クエストで、この洞窟の調査で来てます。」

 

「そうなんですか。あっ、ゆんゆんさん、商品です。」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

ゆんゆんは、ウィズさんからマジックアイテムを受け取った。

 

俺の服を、軽く引っ張られた。

引っ張られた方を見るとクリスさんが、耳を貸してと言ってきた。

俺は、耳をクリスさんの方に傾けると小さい声で話し始めた。

 

「ねぇ、ハチマンさん。あの人とはどういう関係なの?」

 

「あー、先日のクエストでお世話になった人だ。それとクリスさんは、気づいていると思うが。」

 

「大丈夫、分かってるよ。彼女がリッチーって事だよね。それについては、こちらの世界のプリースト達に任せるつもりよ。下手に手を貸したりするのは、こちらの世界の為にもならないしね。」

 

意外と考えているんだな。どっかのダメ神と違って。それから、先日の事件で起きた事とウィズさんの事を話した。ウィズさんに関しては、クリスさんも納得して貰えたようだった。

むしろ、プリーストに対して苦笑いを浮かべていた。

 

「よし。ねぇ、ハチマンさん。」

 

「うん?」

 

「今回のクエストに、あの2人も連れていかない?」

 

「えっ?はぁ?何言ってるの!?出会って、ま……「ねぇ、2人共~。」あっ、ちょ、待ってくれ。」

 

この人、行動早すぎだよ!?

だが、普通出会って間もない人間とクエストに行くことはないだろ。

むしろ、俺なら話しかけられる前に逃げますけどね。

 

「って、事で一緒に行かない?」

 

「えっと…、お誘い、あり、ありがとうございます!」

「誘って頂きありがとうございます。」

 

よし、次に来るセリフは、''今回は遠慮させていただきます''だ。

だか、2人から返ってきたセリフは違った。

 

「ご、ご迷惑で無ければ一緒に行きたいです。」

「私も、お店は閉めてきてあるので大丈夫ですよ。それに、もしかしたら良いアイテム手に入るかも知れませんですし。よろしくお願いしますね。」

 

うっそーん。なんで、断らないの。普通断るでしょ、普通。

 

「うん、今回はよろしくね。ほら、ハチマンさんも。」

 

「あぁ、よろしく頼むわ。」

 

「んじゃ、行こう!」

 

「「おぉー。」」

 

なんで、こんなに乗り気なんだよ。

こうして、俺達のパーティに新たな2人が加わった。

 

 

……俺のメンタル持つかな。

 

 


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