この腐り目に祝福を!   作:クロスケZ

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3-4 パンツ×ハンター×緊急クエスト

俺達4人が冒険者ギルドに戻ると一際、賑わっていた。

 

「アクア様!もう一度、もう一度だけ!花鳥風月を見してくれ!」

「馬鹿野郎!アクア様の花鳥風月を見るんであれば、金かシュワシュワ渡さなきゃダメだろうが!」

「そ、それもそうだな!アクア様ー!」

 

めんどそうな様子のアクアの周りに、おっさん達が群れていた。

 

「あんた達!芸っていうものを分かってないわね!芸って物はね、求められてやる物ではないの!それに答えて同じ芸をやる人は、3流よ!3流!分かる?それに、私は芸人じゃないから、お金とかを目的でやってる訳じゃない!分かった!?」

 

「「「はい!」」」

 

「ならば、良し!ほら、解散解散!」

 

男達は、アクアの一言で解散していった。

 

「……あっ、カズマにハチマン、やっと戻ってき……どうしたの、その子とハチマン?」

 

そう俺とクリスさんは、めちゃくちゃ落ち込んでいた。クリスさんに関しては、それにプラスして涙目だ。

俺も泣きそうだが、男の子だから泣かない!それに、泣く理由がパンツって……。

 

「ハチマン、大丈夫ですか?」

 

めぐみんが、こちらにトコトコ歩いてきて気にかけてくれた。

 

「大丈夫だ。」

 

俺が力なく答えると、ダクネスさんがボソボソと呟き始めた。

 

「……ん。クリスとハチマンは、パンツ盗られた挙句、持ち金を毟り取られて落ち込んでいるんだ。」

 

「おい、ちょっと待ってくれ!」

 

「カズマ…あんた…。」「最低です。」

 

「あぁぁぁぁ!違うんだ!」

 

2人はカズマに対して冷たい目で見ていた。

そう、なぜこのような事になったのか…まずクリスさんがパンツを返して貰うために、それに見合う金をカズマが請求して、足りない分、俺がクリスさんに俺のパンツを買って足りない分に当てパンツを取り返した。

なんで、500円で買ったパンツを1万エリスで買わなきゃならないんだよ。

はぁ…、しかも金払って戻って来たと思ったら、クリスさんに速攻でスティールされて、またパンツ盗られるし。

なんなん?なんで、俺のパンツを的確にスティールできるんだよ。

 

「なぁ…俺帰っていい?パンツ無くて気持ち悪いんだよ。なぁ……」

 

俺が震えた声で言うとアクアとめぐみんが同時に「カズマ!ハチマンにパンツ返してあげて!「下さい!」」と言ってくれた。

だが、そのセリフはクリスさんに言って欲しかったが、説明をしていないからしょうがないし、あまりにも惨めで説明する気力もわかない。

 

「うぉい!俺じゃねぇよ!それを取っ「あーあ、公の場でいきなりパンツ脱がされたからってメソメソしててもしょうがないよね!よし!ダクネス、臨時だけど稼ぎが良いクエスト行って来るね。下着を人質にされて有り金失っちゃったしね!」っおい!」

 

カズマが俺のパンツはクリスさんに盗られた事を言おうとしたら、見事にセリフを重ねられてカズマが悪役に仕立て上げられた。

それに加え、クリスさんの声が大きくて周囲の女性はカズマに怯えた視線を送った。

 

「あはっ…!余計な事言ったら…。ダクネス、適当に遊んでてね!ちょっと行ってくるね!」

 

クリスさんは、カズマの耳元でボソッと言ってから、臨時募集の掲示板に向かっていった。

あ、あ……俺のパンツ。

こんなにパンツ、パンツと話題を出してたら、000の主人公の火野映司さんが来そうだな。

 

「とりあえず、俺は帰るからな。ダクネスさんの相手は頼んだぞ。」

 

「嫌よ!この下着泥棒と一緒なんて!」

 

「おいっ!?誰が下着泥棒だ!」

 

「ハチマン、1度帰って下着を穿いてから戻って来てください。わたしも今のカズマと一緒いるのは嫌です。」

 

「あー、だから誤解なんだー!」

 

「はぁ…分かったよ。じゃあ、宿に戻ってくるわ。」

 

俺はパンツを穿きに宿に戻った。

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

宿に戻って、パンツを穿いてギルドに戻った。

やはり、パンツとは素晴らしいな。俺も映司さんみたいに派手なパンツが欲しいな。あとで、買いに行くか。

 

「おい、戻ったぞー」

 

「うわぁぁぁん、ハチマンー!」

 

「うぉっ。」

 

めぐみんが戻るなり、抱きついてきた。

何があったのかとカズマを見たら……あー、理解した。アイツ、めぐみんにスティールしたな。しかも盗ったもんが、またパンツかよ。

 

「カズマ、またお前か……。」

 

めぐみんの頭を撫でながら、カズマに呆れた顔してた。

 

「ち、違うんだ!わざとじゃない!」

 

「うるさい!パンツハンターカズマ!はやく、パンツ返して下さい!」

 

俺の胸に頭を埋めながら言わないでくれ。なんだか、小町が親に怒られた時みたいだな。

んで、そんな感傷に浸っている中、先ほどと違う様子の奴が1人。

 

「カズマ、お前…会ったばっかりのダクネスさんにも何かしたのか?まさか、スティールしちゃった?スティった?」

 

「な、なんもしてねぇよ!」

 

「おい、正直に言えよ。カスマさんよ~」

 

「うぉい!誰がカスマだよ!本当に何もしてねぇよ!」

 

「んじゃ、なんでダクネスさん、顔を赤らめてモジモジしてるんだよ。」

 

俺がダクネスさんに、指を指すとアクアとカズマがダクネスさんを見た。

 

「…うくっ…先ほどの時も、公衆の面前でパンツを取り辱め、こんな小さい子まで辱めるとは…今度は私も……ハァハァ…」

 

……。あー、この人は、あれだな。いや、まだ決めつけてはならない。

カズマ、なんでお前顔を赤らめてんだよ。確かに、ちょっと…。

 

「あ、あの!私を是非ともあなた方のパーティに入れてください。」

 

とりあえず、断ってからどう反応するか見て決めるか。もし、俺が間違ってなければ…。

 

「断る。」

 

「んはっ!はぁはぁ…。」

 

あー、これダメだ。この人完全にダメな人だ。さっきまでのクールさは何処にいったんだよ。

俺の周りに来るヤツらは、どうしてまともな奴がいないんだ。

あっ、俺がまともじゃないからか。

 

『緊急クエスト!緊急クエスト!街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください! 繰り返します。街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!』

 

ギルド内にアナウンスが鳴り響いた。


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