我がカルデアのゆるやかな日常   作:100¥ライター

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クリスマスの夜に

「クリスマスパーティーが終わったら部屋に来て欲しいだなんて…マスターも中々大胆なことを言うわね。まっ、大方聖杯のことだろうけど。マスターは私に聖杯を入れるに決まっているし」

 

 

メルトリリスはクリスマスパーティーの最中、マスターにそう誘われていた。時間ギリギリまで追い込みをかけてまで必要以上に溜め込んだ種火にQP。これはもう聖杯を入れる以外に選択肢はないだろうと確信していた。

 

 

「さぁ、マスター!来てあげた…わよ…?」

 

 

足取り軽やかにマスターの部屋に足を踏み入れた先にいたのは思いもしない先客だった。

 

 

「あぁ、マスター。メルトリリスさんも来ましたね」

 

 

それはマスターのお気に入りであり、最近一緒にいるのをよく見かけるチャイナ娘。秦良玉だった。

 

 

 

 

「な、何よ…どういうこと?も…?私はついで?ついでなの?説明を求めるわ。マスター!」

 

 

「いや、その…これには事情がだな…」

 

 

「そして…いつまでそこのチャイナに膝枕されてんのよ!」

 

 

何!?秦良玉…人をつい甘えたくさせるとは。末恐ろしいサーヴァントだ。

 

 

「あ…ありのまま今起こったことを話すぜ!『俺はベッドに座っていたと思ったらいつの間にか膝枕されていた』な…何をー」

 

 

「そういうネタはいいから。くだらない理由で呼んだのならお腹に膝入れて帰るわよ」

 

 

しれっと恐ろしいこと言うなあ。それならすぐ本題に入るしかないな。俺は…

 

 

「俺はお前に聖杯をあげたいんだ!メルト!!」

 

 

「やっぱりそうだったのね。ここにある種火も全部私のために…あら?な、なんで聖杯が12個もあるのよ…私のは5個で充ぶー」

 

 

「ま、まさか貴方…」

 

 

「あぁ、良も聖杯をあげー」

 

 

「ふん!」

 

 

「ぐはっ!…うっ…あぁ…」

 

 

「マスター!大丈夫ですか!?」

 

 

こいつ…マジでお腹に膝してきやがった…

特殊な訓練を受けてなかったらヤバかった…

 

 

「あぁ、大丈夫だから。槍構えんな、良」

 

 

「私は約1年もかかったのに!そこの女は1カ月も経ってないじゃない!!」

 

具体的に言うと20日ちょっと。割りと早かったメイヴですら3カ月かかったので普通ならスピード聖杯も甚だしいところである。

 

 

「…すまん、俺のせいだ。エクストラクラスは既にジャンヌが聖杯マだから聖杯を入れるってことは必然的にALL枠を埋めちまうわけであって…だから少し聖杯を出し渋っちまってな。それでも決断してギル祭りの時にあげる予定だったんだが、シトナイの噂を聞いちまって…」

 

 

「へぇ…他の女。それも私と同じアルターエゴの娘に聖杯をあげようと考えていたわけね」

 

 

「違う。俺はシトナイを迎えた上で俺にとって最強のアルターエゴはメルト。お前だと証明してからあげたかったんだ。そしてアルターエゴ最強は揺らがなかった。だから今日ここでメルトに聖杯を捧げる」

 

 

「マスター…」

 

「メルト…」

 

「優柔不断だって話を体良く美化してない?」

 

「いやいやそんなことないよ」

 

「ふふっ…どうだか」

 

 

「んんっ、改めて…お願いします。これからも俺と一緒に戦ってください」

 

 

「…今更かしこまらなくてもいいわよ。私は貴方の剣であり、パートナー…でしょ?」

 

 

「ありがとう。メルト。ALL枠のサーヴァントがお前で本当に良かったよ」

 

 

「そして次は良だな」

 

 

「あの…本当によろしいのですか?マスターは星5のサーヴァントにしか聖杯を入れないと…」

 

 

「いや、そんなことはないよ。もうレアリティだとかを深く考えるのはやめる。期待しているからな、良」

 

 

「…はい!ご期待に添えるよう忠義を尽くします。マスター」

 

 

12月25日。我がカルデアに二人のLv100サーヴァントが誕生した。

 

 

 

 

「ねぇ、マスター。貴方は私とチャイナ。どっちと寝たー」

「秦良ぎょーぐふっ!」

 

メルトリリスが突然妙なことを聞いてきたので素直に答えたら膝を入れられた。…当たり前のことみたいに膝入れてくるけどこれ割りと痛いんだからな…?

 

 

「いや、どっちが好きか以前にお前の膝絶対危ないだろ」

 

 

俺はメルトが寝ている様を見たことがない。でも考えた結果一緒に寝たら確実に膝が当たりそうだから怖い。

 

 

「それでも食い気味に答えないで。私もクリスマスの時くらい好きな人と一緒に夜を過ごしたいと思うものなのよ」

 

 

「好きな人?」

 

 

「い、いいから!もう夜も遅いし、早く寝るわよ!!」

 

 

 

 

「…で、こうなると」

 

 

結局メルトが一番左側で膝は外に向け、俺が真ん中。そして良が右側で寝るといった感じになった。

 

 

だが、こうやって好きな人達と一緒に寝ているとなんか安心するな…

 

 

「すぅ…すぅ…」

 

 

「…せっかくだから私からもプレゼント。あげちゃおうかしら。マスターは最近私に慣れすぎているわけだし、そろそろ…より強い刺激が必要よね」

 

 

 

 

ん、何だか身体が重い…?いや、気のせいか。今だけはもうちょっとだけ二人と一緒に…

 

 

「先輩、先輩。朝です…よ…?」

 

 

「あぁ、おはよう。マシュ…マシュ?」

 

 

「…先輩。昨日の夜エッチなことしたんですね。ホワイトクリスマスだったんですね」

 

 

「は?何言ってんだよ」

 

 

突然意味不明なことを直球で聞いてくるマシュに戸惑いはしたが、あれか。隣にメルトと秦良玉がいるからか。だったらちょっとは疑うよな

 

 

「聖杯マのサーヴァント達と一緒に寝ているのはエッチなことしたからですね!」

 

 

「いやいやいや!もしそんなことするぐらいなら…」

 

 

「ジャンヌさんは誘ったら怒られそうだからとジャンヌさんだけは呼ばずに3人とエッチなことをしましたね!」

 

 

ちょっとは喋らせてくれよ…

 

 

「いや、その理屈だと良も怒りそうだし、もしする気があったなら去年メイヴと…」

 

 

え?3人?俺の聞き間違いか?この状況なら3人と。ではなく、3人で。だろ?だってこの部屋には3人しかいないはず。

 

 

「そのメイヴさんもいるから聞いているんです!みんな大好きで美人揃いだからってエッチなことしましたよね!?」

 

 

「だーかーら!しーてーまーせー…え?」

 

 

マシュがメイヴがいるだなんて言うものだから恐る恐る布団をめくると…

 

 

「あら、おはよう。マスター。昨日は素敵だったわよ」

 

 

「やっぱりエッチなことしたんですね!?」

 

 

「してないよ!無実だっつの!」

 

 

つーかさっきからエッチを連呼するのやめなさい。そんな子に育てた覚えはありません!

 

 

「メイヴさん。昨日エッチなことしましたね?」

 

 

「ほら、メイヴ。お前からも言ってや…」

 

 

「したわ」

 

 

…れ!?

 

 

「はぁ!?ふざけんな!お前何言って…」

 

 

ん?どうしたんだ?マシュ。手鏡なんか持ってきて…

 

 

「ほら、ここです。よく見てください!」

 

 

あれ?キス…マーク…だよな?何で首筋に…

 

 

「どうしてエッチなことをしたんですか!?答えてください、先輩!!」

 

 

「何度でも言うぞ!俺は無実だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

この後、秦良玉がしっかり説明してくれたことで疑いは晴れて事なきを得たのだった。




メリクリ…でしたね
うっかり寝落ちしたのでその朝まで書いてみましたw

今回聖杯をあげたのはメルトリリスと秦良玉です。
サポート欄に置いておきますので是非使ってみてください。
メルトリリスはコラボが来たらちゃんと宝具レベルを上げる予定です!秦良玉もどっかですり抜けてきたらいいなぁと考えてます


次回は未定ですが、間に何も無かったらお正月ネタを書こうと思ってます。それでは!

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