絆は低い状態で書いているのでちょっと冷たいところがあります。
かつて狙っていたメルトリリスが遂に我がカルデアにやってきた。
「さて、そろそろ朝ごはんでも…」
「マスター。食事に行くわよ」
まさか。メルトから来るとは思っていなかったな。親しくなるまでは飯に誘うつもりはなかったが…メルトが望むなら。
「あぁ、すぐ準備するよ」
〜
「はい、あーん」
あ、こういうことですね。はい。メルトは触覚ー特に手の感覚がほとんどないから食べにくいんだったな。
その中でも食べにくい焼き魚の骨を抜いてから一口サイズまで小さくして、メルトの口へ運んでいく。
「ん…どれも中々ね。この料理は一体誰が作っているのかしら?」
「誰が作っているかって? おーい、エミヤ!ちょっと来てくれ」
せっかくだから料理長を呼んできた。エミヤだって直接褒めてもらった方が嬉しいだろうし。
「どうかしたか?マスー」
「メルト!?」
何故エミヤが現れた瞬間おもむろにお腹に膝をしたんだ!?
「やれやれ…キミは相変わらず一癖も二癖もある女性サーヴァントばかり呼んでくるな…」
おい、俺がおかしな女しか呼んでこないみたいな言い方やめろや。
「忘れたとは言わせないわ!私はアンタに一発ぶち込んでやらないと気が済まないのよ!」
ん?メルトとエミヤってなんか関係あったのか?エミヤは覚えがないみたいだが…
あれかな?かつて別の聖杯戦争で戦った…みたいなやつ。だが、今はメルトを止めることが最優先!
「メルト!ストップ!ストップ!お前あいつとどんな関係だったかは知らんが落ち着けって!」
「あいつとどんな関係か?知りたいなら教えてあげるわ!あいつはねぇ…あいつは…」
「あいつは…何だ?」
「あいつは…あ、あ…」
「何だ?」
「知らないわよ、バカ!!」
「はぁっ!?」
うっかり地雷を踏んでしまったのかもしれない。この事にはあまり踏み込まないでおこう。
今ここでメルトに殺されなきゃな!
「だから止めろって!お腹に膝はマジ死んじゃうから!」
〜
俺の過失でメルトを怒らせてしまった。万が一また何かしら怒らせてしまった場合被害が拡散したり、最悪犠牲者が出る可能性がある。それらを危惧した俺はメルトを一旦マイルームへと連れていった。
「ここが貴方の部屋?大したことない部ー」
「ん?そのフィギュア。やっぱ気になるか?」
「え、えぇ…かなり多いわね」
古今東西多彩なアニメのフィギュア。かつて集めていたものやカルデアに来てから集めたもの。今改めて見ると本当に沢山買ったな…
「趣味で集めててさ」
「フィギュアの素晴らしさを理解しているだなんて…中々良いセンスしてるじゃない。マスター」
「お褒めに預かり光栄です」
「でも!仮に万が一にもマスターとフィギュアを通じて分かり合えたとしても!思い上がらないで。これからする話とは別よ。分かってるかしら?」
「も、もちろん。それは分かっているつもりだ…」
やけに強調させてくるな、おい。
「無論、契約している以上は貴方の命令には基本従うわ。さっきみたいにカルデア内で暴れたり、サーヴァント間でトラブルを起こしたりするなと言うのなら可能な限り従う。その代わりに…私に沢山の経験値を捧げなさい。すぐに! そうすれば貴方の求めている力を振るうわ!」
「いや、その話なんだが…」
「何?」
ここは包み隠さず、素直に言った方がわだかまりも少なく済みそうだし…言うか。あんま言いたくないけど。
「ピース足りなくて再臨出来ねぇんだわ。この前あげたので一旦上限に差し掛かった」
「…」
「…」
「マスター?貴方は私を完璧に仕上げる準備もせずに私を呼んだのかしら?」
「いやいやいや!違いますって!…ほら!あれあれ!再臨素材とか準備しない方が引けるってやつ!つーか火曜日にちゃちゃっとピース集めちゃえばすぐだから!スキル上げ素材はクッキーと逆鱗。そして金をちょいちょい集めればALLスキルマなるし!」
とっさに思いついた神的な言い訳。福袋の時、ピンポイントで再臨に混沌の爪が必要な新茶が来たりしたように素材が枯渇している時に限ってそういうサーヴァントが来る現象!これなら十分説明がつく。
まぁ、元を正せば俺はとりあえず当てちまえばこっちのもんだからその後でゆっくり誰を育てるかじっくり考えるってスタンスでやっているからそのせいでもあるが。
いや、それに俺一気に育てるよりじっくり育てる方が好きだし。
「それに俺は別にお前の力だけを求めているわけじゃー」
「ふぅーん…そういう態度に出るのね。まっ、度胸くらいは褒めてあげるわ」
あ、これダメなやつだ。…メルトがここまで気難しいサーヴァントとはな。メイヴ、こうなるなら一度くらいお前に流されてヤッてもよかったかな…
「歯を食いしばりなさい!マスー」
「マスター。頼まれたフィギュアが完成したわよ」
あ、メディアさん。色々ナイスタイミングです。ありがとうございます。
〜
「ふん!命拾いしたわね。マスター」
「この娘は誰なの?新しく呼んできたのかしら?」
「やべ、挨拶回りもまだだったか。こいつはメルトリリスだ。この前哪吒やエレナと一緒に引いた」
「相変わらず貴方は女サーヴァント…特に可愛い女の子を引き当てるのが得意なのね…こっちは創作意欲が湧いてくるから一向に構わないけれど。次はあの金髪で小柄でキリッとしたあのセイバーを呼んでくれるのでしょう?」
金髪で小柄でキリッとしたあのセイバー?アルトリアならオルタで足りてるし…あっ!きっとモードレッドのことだな。
※違います
「もちろんありますとも。俺とメイヴによる神引き。今後も期待していてくれ」
「そう…期待しているわ」
「んんっ。いいかしら?」
咳払いで俺達を急かしてきたな。メルトはやっぱりあれが気になるのか。
「メディア。例のアレがこれだな?」
「えぇ、本来ならこんな小娘のフィギュアを作るなんてお断りだけれど。マスターはお得意様だから特別よ」
メディアに頼んだのは普通に頼めば1万…いや、それ以上の額が吹っ飛ぶ7分の1スケールの本格フィギュアだ。
今回はかつてとある聖杯戦争ではエミヤのマスターだったらしいイシュタルの依り代となった少女を作ってもらった。
「すげぇな、おい。表情もしっかり作りこまれてるし…」
メルトがいる手間下から覗きたくなる衝動を抑え、細部に目をやる。
…いや、これ買ったフィギュアなんて比べ物にすらならないんじゃないか?メディアは魔術だけではなく、フィギュア作りにおいても現代人の遥か先を征くのか?
「…」
メルト?どうしたんだろうか。フィギュアを見るなり固まってしまったが…
「たまらないわ!この造形美!ケチの付けようがない完璧な美!これこそ私の求めていたフィギュアよ!」
お、おう…そうか。やはり見る人が見ると違うんだな。
「貴方、こういうのを他にも作っているのかしら?」
「えぇ、そうだけれど…」
「今度貴方の部屋へ行ってもいいかしら?」
「もちろん、構わないわ」
ふぅ…良かった。この調子なら刑部姫なんかとも気が合いそうだし、メルトもカルデアに馴染めそうだ。メディアに感謝しなきゃな。
「さて、こりゃもう俺が見てなくてもなんとかなるな。少々休けー」
「うわーーーーん!マスターー!」
ん!?このインフェルノとよく似た声はもしかして!?
「どうした!?エレナ!そんな泣きはらして…」
「ホームズがね?ホームズが酷いの!!」
エレナは割としっかりしている方だし、エジソンいるから大丈夫と思っていたが…
「主人。ボクの部屋 分からない 案内 して欲しい」
哪吒も来たか。やはり大量にサーヴァントが来るってのも考えものだな。
メルトリリスにランサーピースが必要だと気付いてなくて、当ててから気づきましたww
既にエレちゃんやアナちゃんに使っちゃってましたw
代わりにピースやモニュメントしか要求しないのはいい所ですけど…
次回も楽しみにしてくれると嬉しいです!それでは!