我がカルデアのゆるやかな日常   作:100¥ライター

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前回のあらすじ

雪合戦のチームが決定!
これから雪合戦が始まります!
恐らく中編と後編で3話使うかと




カルデア雪合戦大会! 前編!

〜マスターside

 

 

・女王メイヴ ・玉藻の前

・酒呑童子 ・ヴラド三世(狂)

・アビゲイル ・アルトリアオルタ

・水着イシュタル ・ミドキャス(ティテュバ)

・エジソン ・パライソ

・タマモキャット ・フェルグス

・子ギル ・ クーフーリン(槍)

・クーフーリン(プロト)・牛若丸

・静謐のハサン ・清姫

・弁慶 ・マタハリ

 

 

 

ステージは半径500m。両チームはそれぞれ拠点が設けられており、拠点にあった地図を見る限りではちょうど真っ直ぐ1km進めば相手の拠点に到着するらしい。

 

 

「雪合戦…サーヴァントの宝具とかは基本来ないから大丈夫だろ?」

 

 

 

「そうとも限らんぞ。例えばライダー金時の宝具を移動手段のみで使うのであれば直接害することはないだろう?それにスキルにも細心の注意を払う必要がある。マスターは拠点に籠って雪玉と作戦でも作っていろ。私が勝利を勝ち取ってやろう」

 

 

そうは言うが…せやかて、アルトリアオルタ。ルールを確認した時、俺自身も参加していいことが判明したから俺も攻めに行くべきじゃないか?それに上手く行けば敵サーヴァントを反則退場させられるかも。

 

 

「フェルグス。ちょっと投げてみて」

 

 

メイヴが突然雪玉を作り、フェルグスにパスした。とりあえず威力確認ってことか。

 

 

「おう!」

 

 

さぁ、お手並み拝見といこー

 

 

ブォォン!

 

 

「…は?」

 

 

音速を超えた?いやいやいや!!明らかに人間が投げる速度じゃないって!雪玉投げただけなのに思いっきり風切ってたし!筋力Aってあんなアホみたいな速度出せるのか!?

 

 

「ちなみに私レベル(筋力E)でマスターと互角よ。下手したらマスターは私以下」

 

 

「い、いや…マスターがサーヴァントと互角に渡り合っているのをどっかで見たことが…」

 

 

「え?そんなの魔力でブーストかけまくったマスターが非力なキャスターを圧倒するとかでしょ、どうせ。黒いのの言う通りマスターは玉作りながら私達に指示出してればいいのよ」

 

 

マジか。カルデア戦闘服まで着て、準備万端で来たのに…

 

 

いや、俺は諦めないぞ。

 

 

「アビー、ちょっとこれ投げてみて」

 

 

とりあえず雪玉を作ってアビーに渡した。さすがにアビーよりは力あるはー

 

 

「分かったわ、マスター!」

 

 

ヒュン!

 

 

あれぇ…こんな可愛い幼女にあれだけのパワー?フェルグスレベルとまではいかないが、十分やべぇよ。この雪合戦は雪玉で風を切らなきゃやってらんないんですか?

 

 

「こ、こんな子供にまで負けているなんて…」

 

 

「アビーも筋力はBあるし、魔力を放出すれば素は非力でもかなりの威力を出せるサーヴァントは大勢いるわよ。例えばそこの黒い騎士王とか。マスターと言えど被弾すればただでは済まないわ」

 

 

…ですねー、俺の居場所ないっすねー

 

 

馬鹿じゃん、俺何やってんだか。あほくさ。

 

 

「だーかーら!貴方はこの戦いに勝つ策を考えなさい!」

 

 

この戦いに勝てる策?まぁ、作戦の候補自体は色々と考えてきたけど…。

 

 

「半分くらいダメになって、5つほど残った。どれでやる?」

 

 

「ふーん…相変わらず作戦考えるのは結構上手いわね。…あっ、この4つ目の作戦。なんだか面白そうね」

 

 

〜マシュside

 

チームメンバー

 

・ジャンヌダルク・エレシュキガル

・ドレイク船長・刑部姫

・ブレイブエリちゃん・エミヤ

・水着頼光・邪ンタ

・サモさん・金時ライダー

・フランちゃん・メカエリちゃん

・エウリュアレ・ロビンフッド

・メデューサ・クーフーリン(術)

・レオニダス・黒ひげ

・アステリオス・バニヤン

 

 

「先輩はじっくり確実に相手を倒していくスタイルに出ると思われます。攻撃はサーヴァントに任せ、先輩は拠点で籠城…に見せかけて途中から前線に出ることで我々の油断を誘い、一気に崩す。というのがスタンダードかと」

 

 

高難易度でもマスターはしっかりと負け筋を全て潰しながら耐え、勝てる範囲内まで持ってきたら一気に攻めに転じる戦い方が特に多かったです。それは雪合戦でも同じだと思われます。

 

 

「あぁ?さっぱり分からん。つまりどういう作戦なんだ?」

 

 

あっ、サモさんの他にもドレイクさん達も首をかしげてますね…

 

 

「要するにですね…」

 

〜説明

 

 

『くっ、拮抗状態が続いてますね…さすが先ぱー』

 

 

『ははははは!!刮目せよ!マシュ陣営共!貴様らのターゲットであり、リーダーであるお前らのマスター様はここにいるぞ!!さぁ、俺に当ててみな!』

 

 

『マ、マスター!?何故そこに!?』

 

 

『まさか先輩が直々に来るなー』

 

 

ボスッ!

 

 

『ふっ、大したことないわね』

 

 

試合終了!

 

 

『流石メイヴだ。いつもマイルームに置いたら星5サーヴァント呼んでくれるし、すり抜けを全力で阻止してくれる。お前が来てからは星5が来ない月はない。本当に頼もしいよ』

 

 

『ふふ、当然よ。それより、次の高難易度はどうするの?』

 

 

『そうだな。よし、今回はアビー、玉藻、パライソ!お前達メインで行くぞ!』

 

 

『マスター、一緒に頑張ろうね』

 

 

『玉藻、張り切っちゃいますよ!』

 

 

『お館様のため。全力を尽くします』

 

 

『せ、先ぱー』

 

 

『あっ、すまん。今高難易度攻略で忙しいから特に用がないなら後にしてくれないか?』

 

 

〜終わり

 

 

あぁ、先輩…先輩…先輩があんなに遠くへ…

 

 

「…」

 

 

「あぁ?どうしたんだ?マシュ、そんなにヘコんで…まぁ、説明は分かったけどさ」

 

 

「あっ、あの…すみません。す、少し睡眠不足ですかね。はは…」

 

 

「つまりはマスターが撹乱のために自らを囮にするということですね」

 

 

「はい、その通りです。ジャンヌさん」

 

 

「ふむ、人理修復で数多の無茶をしてきたマスターならあの程度。いともたやすくやってのけるだろう」

 

 

エミヤさんも納得していますし、今回の作戦はこちら側で構えて…

 

 

「その作戦は多分使わないよ。まーちゃんは」

 

 

刑部姫さん?

 

 

「その対策で待機させるサーヴァントを増やせばまーちゃんは必ず多方向からの攻撃を狙う。この拠点の背後はフィールド外になるから背後には回れないけど、天井を壊してからの入口から入ってきたサーヴァントとの一斉攻撃で沈む。ひとまずは何人か送って様子見する作戦が一番濃厚だと思う」

 

 

「そこまで断言するのであれば、根拠を言いなさい。刑部姫」

 

 

 

「根拠なんてないよ。ただ私はまーちゃんの素の姿をよく知ってるだけ。エジソンみたいに発明に長けているわけでもないのに筋力のステータスが低いメイヴやマタ・ハリをメンバーに加えているのは必ず理由があると思う」

 

 

「ただ賛成派に取り込めるメンバーが少なかったから入れただけでは?」

 

 

確かに賛成派の方はマスターに従うサーヴァントであったり、マスターを好きであっても独占欲が比較的薄いサーヴァントが多かったようです。そしてそのサーヴァント達の大半は雪合戦には向かない人が多かったような…

 

 

「そう思うならそれがメカエリちゃん、貴方の限界。まーちゃんは必ず私達の考えを超えてくるよ」

 

 

「先輩がどれだけ私の考えを超えてこようが、私達は必ず先輩を倒します!」

 

 

「よく言いました!カルデアの風紀、一緒に守りますよ!」

 

 

〜マスターside

 

 

『それじゃあ!試合開始!!』

 

 

『早速我がマスターの攻げーこれは反則負けに出来ないのが悔しいな』

 

 

『だが、これにより序盤に隙のない雪玉確保や防壁を築くことが可能だな』

 

 

『悪くない作戦だ。さすが天才発明家と言ったところだろうか』

 

 

俺が何故エジソン達を選んだか…それは!

 

 

大量生産可能なロボット兵とメイヴが生産した兵士達!!

そもそも第五特異点はこいつらの戦いがまず最初にあったんだ。その二人による人海戦術。破ってみせるがいい。

 

 

「さぁ、今こそ我々の力を見せてやろう!撃てい!!」

 

 

そしてロボットやケルト兵が持っているのはエジソン作の雪を入れるだけで勝手に雪玉を作り、撃ってくれる銃。これが本当に種類が多くて拳銃などの一般的なものだけならまだしもショットガン、アサルトライフル、挙句はスナイパーライフルまで持ってきたんだからもう訳が分からない。

 

 

いつから雪合戦からFPSになってしまったのか。しかし、ここまでしなければ…いや、ここまでやってもサーヴァント達の前では足止めにすらならないだろう。

 

 

「さて、エジソン。そっちは任せたぞ」

 

 

〜マシュside

 

 

一度にサーヴァントを送り込みすぎると危険と判断し、まずは6人のサーヴァントを様子見も兼ねて送りましたが…

 

 

『おい、マシュ!こっちは敵がかなりの数いる!ロボットやモブっぽい兵士が大量に出てきているぞ』

 

 

なっ…あっという間に100を超える大量の兵が!?

 

 

「モードレッドさん!こ、この場合は…」

 

 

やはり先輩はこちらが考えもしなかった手をいきなり…今送ったサーヴァントで対抗可能な人は…

 

 

「落ち着いて。あれは敵チームのサーヴァントじゃない。言ってしまえば武器扱い。あれになら宝具を打っても何も問題はないよ」

 

 

「それなら…エミヤさん、ドレイク船長、フランさん。ロボットや兵士は任せます」

 

 

『了解した!決めに行くぞ!!』

 

 

いくら相手が大量のロボットや兵士で攻撃してこようとエミヤさんの宝具には敵いません!!

 

 

「くれぐれもサーヴァントを巻き込まないように気をつけてくださいね」

 

 

『しかし、マシュ氏。奇妙なことにここら一帯にサーヴァント反応は一つもないようでござる』

 

 

一つも?もし宝具や武器を出されることの対策をするなら必ずサーヴァントを近くへ行かせるはずだ。それだけで全体宝具の抑止力となるはずなのに先輩は…

 

 

「第二波がそろそろくるはずです。その前に拠点を抑えましょう。先輩はあえて中央で銃を乱射させることで我々の戦力の分散を狙っているのかもしれません。まとまって行動してください」

 

 

『了解した』

 

 

 

それからは怖いほど円滑に進んでいきました。都合が良すぎるくらいに。

 

 

『…ったく!ロボと兵士ばっかじゃねえか!やる気あんのか!?マスター…ん?』

 

 

「モードレッドさん?どうしましたか?」

 

 

『マスター!マスターがいるぞ!アトラス院の服着てるし、間違いないな!悠長に雪玉作ってるみたいだ』

 

 

アトラス院の服?確か先輩は…

 

 

『隙だらけだぜ、マスター!』

 

 

バタッ

 

 

通信機越しに先輩(?)が倒れる音が聞こえましたが…

 

 

『よっし!俺達の勝ー』

 

ボスッ

 

 

『やりました。マスター』

 

 

デデーン!

 

 

『サモさん、アウト!脱落だよ』

 

 

『くそっ!あれは身代わりだったのか!』

 

 

その声は静謐さん!?まさかずっと潜伏して…

 

 

「黒ひげさん!ここは一旦撤退しー」

 

 

『皆さん、どこへ行くつもりですか?』

 

 

血塗れ王鬼(カズィクル・ベイ)!!』

 

 

『大量のロボット兵の残骸やゲートオブバビロンに入っている宝具

、そして杭で退路を塞いできたか…』

 

 

大量のロボットの残骸はバラバラでも杭で突き刺せばある程度固定され、そして杭を入り組ませて出現させるだけでも充分突破は難しくなる…

 

 

『僕たちは最初から準備していたんですよ。攻めはあらかたロボットやメイヴさんの兵士に頼り、守りはほぼ全員。大量に用意したのに一人も落とせなかったことはマスターにとっても少々誤算だったようですが…攻めるのにこれだけのサーヴァントを落とせる量は送らない。これは想定通りだったようですね』

 

 

『この即席バリケードを破壊することはサーヴァントなら容易でしょうが…はたして僕達の攻撃を回避しながらそれができますかね?』

 

 

『マシュ氏!マスターはほぼ全てのサーヴァントを拠点の防衛に使ったでござる!それなのにメイヴ氏などがいないことからマスターは別の場所に潜伏しているはずでござー』

 

 

『ゲート・オブ・バビロン!』

 

 

デデーン!

 

 

『黒ひげ、アウト!速やかに退場したまえ。被弾後の情報提供はルール違反だ』

 

 

ゲート・オブ・バビロン…もしかして私達がロボットの撃破で足止めされている間に大量の雪玉をあの中に? 先輩は…一体どこで何を企んでいるのでしょうか。

 

 

〜マスターside

 

 

『我がマスターの最初の攻めはちょっと控えめだね…これをどう見る?孔明、ホームズ』

 

 

『相手に上手くいっている風を感じさせたかったのだろうが…あれではまだ甘いな。思い通りにさせたいという魂胆が隠しきれていない』

 

 

『身代わり作戦も距離が離れていた上、相手が警戒を怠ったからこそ成功したが…当たり前のように身代わりに動きはなかった。多少やり方が拙かったと思うな』

 

 

『それじゃあ、これからのマスターの動向に期待かな』

 

 

「エジソン。制圧具合はどうだ?」

 

 

『エミヤ、ドレイク、エリザベートは逃してしまった。しかし、黒ひげ、水着モードレッド、フランケンシュタインを撃破したぞ』

 

 

「了解…」

 

 

『マスター、私がモードレッドとフランを倒しました』

 

 

「静謐ちゃん、よくやった。あいつらが俺達のルートに向かってくるとなると多少面倒だ。上手く誘導させられるか?」

 

 

『はい、お任せください』

 

 

よし、今は順調に進んでいる。多少予定外だが、想定内ではある。

 

 

「まずは真ん中に注目を集めるためにロボットや私の兵士で奇をてらう。そうして警戒が薄まったステージ端から私の宝具『愛しき私の鉄戦車(チャリオット・マイ・ラブ)』に乗って、ゆっくり攻めに行く。中々面白いわね」

 

 

「そうだろう?メイー」

 

 

「ただし!私以外の女の子を何人も乗せているのは減点よ」

 

 

お前と二人きりになったら色々ヤバいんだよ、察しろよ。俺はマシュと真剣に戦いに来たんだ。

 

 

「あら?この戦いに勝てば私もますたぁの恋人…いえ、旦那様も当然です。一緒にいてはいけない理由がありますか?」

 

 

清姫、玉藻、マタ・ハリ、水着イシュタル。バランス良く編成して、結構厳選したはずなんだがなぁ…

 

 

「というか、イシュタル。本来ならお前を連れて行く予定は無かったんだが」

 

 

「いいでしょ?エレシュキガルは拠点でマシュを守っているに決まっているわ。彼女とは私が決着を付ける」

 

 

「それは女神の勘ってやつか?」

 

 

「いいえ、確信があるわ。私のことだもの、よく分かるわ。嫌ってほどにね」

 

 

イシュタルとエレシュキガルはお互い対となる存在だし、やっぱそういうのはあんのか。なるほど。だが、今はその話よりも…

 

 

「俺を匿っていたことにしていた方が都合が良いし、大量に待機させたサーヴァントも活かせる。そこにあった魔術協会礼装で身代わりを作ってくれないか?」

 

 

『…魔術協会礼装ですか?』

 

 

「ほら!覚えてないか?人理修復の時に愛用してたあれだよ、牛若丸!分かるか?」

 

 

『いえ、礼装どころか何もありませんが』

 

 

「え?」

 

 

それじゃあ、もしかして?

 

 

「玉藻知ってる?」

 

 

「いえ、見てません」

 

 

「だったらメイヴか?」

 

 

「マスターの服なんて勝手に取らないわよ」

 

 

「あ、待て…まさか…」

 

 

何故彼女を犯人の第一候補に挙げなかったのか。もしかしたら無意識で彼女が犯人でないと信じたかったのかもしれない。

 

 

「あぁっ!ますたぁ!ますたぁの温もりが…」

 

 

清姫!やっぱりお前かぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

続く…


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