我がカルデアのゆるやかな日常   作:100¥ライター

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皆さんは聖杯は誰にあげましたか?

作者はジャンヌにしかあげていません。

我がカルデアでは聖杯が貴重なものである事やサポート寄りサーヴァントが多いこともあり、使用を渋っています…

今回はそんな聖杯を求めるサーヴァント達の物語です


開幕!聖杯争奪戦!!

「待て〜!マスター!!」

 

 

「ウゥ…ウゥゥゥ!」

 

 

「そうかそうか。なら一緒にマスターを捕まえようぜ!」

 

 

「ウゥ!」

 

 

今俺は我がカルデアで頑張ってくれている精鋭達から逃げ続けている。

 

 

「一体何でこうなっちゃったのかな!?」

 

 

 

 

「いつもありがとな。飯作ってくれて」

 

 

「君のためならこれくらいお安い御用だよ」

 

 

事件が起きたのは…術の修練場をサモさんやメイヴと周回に行った帰りにいつも通りブーティカ達が作ってくれる夕食をみんなで食べていた時だった。

 

 

「そういえばさ、そろそろまた誰かに聖杯あげてもいいんじゃないの?」

 

 

確かにブーティカの意見はもっともだ。俺はまだジャンヌにしか聖杯をあげておらず、現在14個の聖杯がある。

 

 

これを使えばちょうど星4鯖の90、星5鯖の100を2人ずつ作れる。

 

 

「あぁ、そろそろ聖杯を誰かにあげちゃおうかな。な〜んてちょっとは考えてるよ」

 

 

『!?』

 

 

俺の一言でカルデア全体の雰囲気が変わった。一体何故こんな軽率にも程がある発言ができたのか今思えば謎である。

 

 

「なぁ、マスター!!その聖杯はもちろん俺にくれるんだよな!?なぁ!!」

 

 

「私に…でしょう?マスター」

 

 

「サ、サモさん?エウリュアレ?」

 

 

「聖杯?そんなの私に決まっているじゃない。でしょ?マスター」

 

 

「メイヴ!近い近いから!!とにかくみんな、一旦落ち着け」

 

 

聖杯に食いつく輩がこんなにも…さすがにこれは手に負えない。

 

 

「そうだぞ、くだらん。無駄な事で争うのはやめろ」

 

 

アルトリアオルタ!!よく言ってくれた!さぁ、もっと言ってやれ!

 

 

「聖杯を貰うのは私だ。そうだろう?マスター」

 

 

お前ら…揃いも揃って…聖杯をあげるサーヴァントはまだ未定だっての!

 

 

「あっ、マスターが逃げたぞ!」

 

 

ダメだ、こいつら…ほとぼりが冷めるまで逃げきらなくては…!

 

 

〜バスルーム

 

 

先日セキュリティが強化されたバスルーム。これが突破されてはおしまー

 

 

「マスター、どうか聖杯をいただけませんか?」

 

 

「頼光!?何でこのセキュリティを突破しー」

 

 

「風紀委員ですもの。緊急時に備えるために私はここを開ける事が出来ます」

 

 

「早くもセキュリティに問題ありじゃねぇか!」

 

 

百歩譲ってそんなシステムを作るにしても開けられるのはダヴィンチちゃんだけとかにしとけよ。

 

 

「マスター」

 

 

「ら、頼光?」

 

 

「いけずやわぁ…旦那はん。ウチにくれるんとちゃうん?」

 

 

「酒呑ちゃん!?」

 

 

「これはこれは…五月蝿い羽虫が出ましたね」

 

 

「旦那はん、あんな乳牛に誑かされてはあかんよ。聖杯は一時の感情で渡してええもんやない…」

 

 

あれ?もしかして酒呑は助けてくれるのか?さすが一番最初に出た星5サーヴァン…

 

 

「つまりは…ウチやろ?」

 

 

ト…?やっぱりお前も聖杯欲しい勢じゃないか(憤怒)

 

 

「黙りなさい。マスター、この邪魔な鬼は私が必ず始末しますので」

 

 

「すぐ頭に血ぃのぼって…これだから年増は怖いわぁ」

 

 

ヤバい、ただでさえ仲が悪い二人が聖杯の取り合いによって更に酷い事態に…!!

 

 

「さらば!!」

 

 

だが、もうちょいこのまま二人が引きつけ合っていればここは突破だ!

 

 

〜レクリエーションルーム

 

 

「ぜぇぜぇ…」

 

 

「おやおや、これはまた珍しいお客様ですな」

 

 

「マスター、どうしたんだ?息を切らして」

 

 

「時計塔の魔術師、シェイクスピア、そしてヴラド公とトランプやダーツをするため、ここに足を運んだが…これは来た甲斐があったものだ」

 

 

「今日の聖杯騒ぎ…知ってんだろ…?今、それで逃げてんの!」

 

 

「ふむ、聖杯か。それならば余に捧げるのが最もふさわしい。貴様は余と共に永遠を生きるのだろう?マスター」

 

 

しまった!孔明とホームズはとめかく、ヴラド三世は聖杯欲しい勢か!

 

 

「し、失礼しました!!」

 

 

〜廊下

 

 

そして現在に至っている。今はフランとサモさんから逃げているがそろそろ追いつかれそうだ。

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 

「マスター、こっちよ」

 

 

「どこ行きやがったんだ…?マスター」

 

 

「ゥ…?」

 

 

突如聞こえた声の主に手を引かれ、俺はこの場を凌ぐ事が出来た。

 

 

「ありがとな、マタ・ハリ。助けてくれて」

 

 

マタ・ハリ…お前も人理修復で役立ってくれたなぁ…ちなみに星1サーヴァントで最も早くレベルマになったのはこいつ。

 

 

「マスター、お願いがあるの…いい?」

 

 

「お、おう…どうした?」

 

 

助けてくれたし、俺で可能な範囲なら…

 

 

「聖杯、私も欲しいわ」

 

 

ちょっと期待したが、マタ・ハリも敵だった。

 

 

「いや、あの…それは…っ!」

 

 

マタ・ハリさん、俺を壁際に追い込んでから胸を押し付け始めるのはやめてくれませんかね?

 

 

「聖杯をくれたら…もっといいことしてあげ…」

 

 

マタ・ハリが俺に迫った瞬間、地面に落とし穴のようなものが突如発生し、俺はそこに引きずり込まれた。

 

 

 

 

やったのはやはり刑部姫か。俺の危機を察して助けてくれたのならありがたい。

 

 

「いたた…ここは俺の部屋か?」

 

 

「姫の部屋だよ、まーちゃん。そしてもうドアはロックしたよ」

 

 

刑部姫の部屋?俺の部屋に入り浸るから彼女の部屋はあまり見たことがないが、細かいグッズなどの差はあれど俺の部屋と大差ないのが怖い。

 

 

「おう、ありがとう。姫ちゃん、気が利いてるな」

 

 

「ほら、疲れたでしょ?こたつにでも入って休んで」

 

 

「あっ、それじゃあ遠慮な…く…」

 

 

俺がこたつに足を入れようとした瞬間、ものすごく見覚えがある何かが見えた。

 

 

「姫ちゃん、この…二本の角は何だ?」

 

 

この白い角。やはりどう見てもあれにしか見えない

 

 

「…ク、クワガタじゃないかな?あ、あはははは…」

 

 

「…」

 

 

「…」

 

 

「クワガタは黒いぞ」

 

 

「あ〜、アルビノ個体!アルビノ個体のクワガタじゃないかな!?」

 

 

アルビノ個体。稀に起きる身体がすっげぇ白くなるあれか。だが…

 

 

「クワガタのアルビノ個体でも全身白にはならんぞ。お前だって暗殺教室で見ただろ」

 

 

「…」

 

 

怪しい。怪しすぎる。今の内に逃げ…

 

 

「とっ、突撃!」

 

 

「ますたぁ!」

 

 

それは既に読んでいた!これくらいなら!

 

 

「第二部隊突撃!」

 

 

「マスター、拘束させていただきますよ!」

 

 

「何ぃぃぃぃ!?」

 

 

玉藻までいやがったか!これは…ダメなやつだわ。

 

 

「や、やめろぉ!何をする!!」

 

 

刑部姫にも抱きつかれ、俺は為すすべなく、ずるずるとこたつに引きずりこまれた。

 

 

「聖杯はあと1つで15個。そうなれば私達で分けても5つは貰えますねぇ…」

 

 

確かに玉藻と刑部姫は100になる。清姫は仮に余る4つをあげたら90になる。

 

 

玉藻と刑部姫はサポーターなのでジャンヌのような聖杯を入れたら礼装や星4フォウ君次第で体力が2万を超え、弱点を突かれなければ実質体力4万などのような明らかに強い恩恵が受けられる確信がないと聖杯を入れにくい。

 

 

しかし、清姫ならありかもしれない。宝具の時間も短いのでバーサーカーの周回要員でフランと入れ替え候補になり得る。そしてこういうのはいかがなものだとは思うが、個人的にはバニヤンより聖杯を入れる抵抗はないし、星3以下のサーヴァントを金色表示にしたい願望もある。

 

 

「3人から逃げられると思いますか?」

 

 

「はっ、甘く見るなよ玉藻…俺は絶対逃げるぞ」

 

 

「ますたぁは私がいる前では嘘をつけない。…違いますね、失礼しました。嘘をつきません。もし、何か作戦があるならあると言うはずですよね?」

 

 

「くっ…」

 

 

左側に清姫、右側には刑部姫。そして俺の上にのしかかっている玉藻の前。正直言ってこれは既に詰んでいる。逃走用に使える変わり身の術だって拘束されているので使えない。

 

 

そしてさっきから聞こえる三人の吐息や胸の鼓動、当たっている胸が俺の思考回路を鈍らせる。

 

 

「まーちゃん、ここは姫の宝具で外からの侵入をシャットアウトしているの」

 

 

「姫達が労ってあげようか?」

 

 

止めてくれ、刑部姫。耳元で囁くな。その作戦は俺に効く。

 

 

旦那様(ますたぁ)

「マスター」

「まーちゃん」

 

 

今更聖杯はダヴィンチちゃんが持っているから俺はありかを知らないと言っても俺を懐柔させればいい話だから意味はない。

 

 

「先輩!今助けに来ました!!」

 

 

「マシュ!?どうやってここに!?」

 

 

「私の破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)を甘く見ないことね」

 

 

流石ルールブレイカー!普通なら到底不可能なことを平然とやってのける!宝具無効化なんて中々出来ることじゃないよ。

 

 

「あとはダヴィンチちゃんがロックを解除してくれました」

 

 

「ほら、清姫はともかく…貴方達2人はサポートがメインでしょう?アタッカーが強化されればパーティ全体が強くなることで貴方達も間接的に強化される。無理に聖杯を求める必要はないのではなくて?」

 

 

メディアも大人っぽくてやっぱいざって時は頼りになるな。

 

 

「そ、それは…そうだね…」

 

 

「さぁ、先輩を解放し…」

 

 

「先輩、これはどういうことでしょうか」

 

 

「はい?」

 

 

今の現状を改めて見つめ直してみる。こたつという狭い空間に4人がすし詰めになっている。刑部姫のこたつは多人数での使用が想定されていないものなのでかなり狭い。おまけにスイッチも入れていたので全員かなり汗をかいている。

 

 

マシュの発想力がどれほど豊かかは知らないが、人によっては誤解を招くレベルだと思う。

 

 

「せ、先輩も…そういう年頃ですよね…えぇ、分かりますとも…失礼しました」

 

 

こうしてメディアの活躍とマシュの尊い犠牲によって聖杯事件は幕を閉じた。

 

 

〜後日談

 

 

「なぁ、ジャンヌ。聖杯って色々大変だな」

 

 

「えぇ、そうですね。先日のような事件が起きたくらいですし…ですが、あの時皆さんが聖杯を求めたのはマスターのお役に立ちたいという気持ちの裏返しなのです。それを覚えておいてください」

 

 

「分かった。覚えておくよ」

 

聖杯をあげるサーヴァント…今はまだ決めかねているけどひとまずはクリスマスに1人、10レベル分は上げたいな。




メディアさん大活躍!ルールブレイカーには皆さんも一度はお世話になったことがあるのではないでしょうか

例えばハサンの群れがやって来るネロ祭の高難易度とか…作者もルルブレを玉藻の宝具で素早く回してグサグサしてましたw


ハロウィンも無事終わったし、来週くらいに新しいイベント期待しています!それでは!

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