めぐみんのコスチュームの外観はそのまま原作装備だと思ってください。
ちなみにめぐみんの相方は出久、爆豪、飯田、麗日を抜いた状態のあみだくじで決めました。
対戦相手もあみだ、ヒーローかヴィランかはコイントスです。
めぐみんが関わってないチームは原作通りになっています。
※唐突に(笑)とか入ってたので誤字修正。
スマホだと予測変換が便利ですが意味不明な誤字が怖いですね。
雄英高校2日目。
午前中はプロヒーローの教える普通の教科の授業であった。
お昼休みを挟んで午後。
いよいよ、ヒーロー科の代名詞とも言える授業が始まる。
その名もヒーロー基礎学!
なんと担当教師はオールマイトである。
No1ヒーローに教えて貰えるとあって、クラスメイトのテンションは最高潮。
しかし、めぐみんは少し微妙そうな表情をしていた。
(オールマイトの教えって若干脳筋なんですよね・・・。しかも戦闘訓練ですか。)
不安だ。
そんなめぐみんの思いとは関係なく状況は進む。
オールマイトの指示でコスチュームに着替えた1-Aの生徒たちは、グラウンドβ・・・入試の時のような市街地を模したグラウンドに集合していた。
ここでめぐみんのコスチュームを紹介しよう。
まず爪先からてっぺんまで全てひょいざぶろーお手製である。
はためく黒いローブは、耐爆と耐熱の概念が込められており、ちょっとした爆風なら無傷で耐える事ができる。
頭のとんがり帽子は知能向上と耐衝撃の概念が込められている。
インナーは赤を基調にシンプルに纏められ、こちらには耐刃と対弾の概念が込められた。
そして目玉は右手に持たれた身の丈より大きい杖。
大きな赤い石が取り付けられており、これには”爆裂の威力を増加する概念“が込められている。
あれ以上威力を上げてどうしようというのか。
そんなんだから頭おかしい一族とか言われるのだ。
総評すると、ぱっと見紙防御の魔女っ子だがその実全身を概念武装で固めたラスボスである。
実際、硬さ的には全身鎧に匹敵する。
さて、気になる対人訓練の内容はこうだ。
まず、くじ引きでランダムに二人一組を作り、その後もう一度ランダムにヒーローチームとヴィランチームを決める。
ヴィランチームがビルの中に核兵器を持っている設定であり、ヒーローチームはこれを確保するか、確保証明テープを貼り付ければ勝ち。
逆にヴィランは時間一杯守りきるか、ヒーローを確保すれば勝ちだ。
なおヴィランには最初に5分間の準備時間が与えられる。
そしてチーム分けはこのようになった。
A 緑谷・麗日
B 障子・轟
C 八百万・紅魔
D 爆豪・飯田
E 芦戸・峰田
F 砂藤・口田
G 上鳴・耳郎
H 常闇・蛙吹
I 葉隠・尾白
J 切島・瀬呂
第1戦はヒーローAチーム、ヴィランDチーム。
制限時間ギリギリまでもつれ込み、Aチームが薄氷の勝利を収めた。
が、建物はボロボロ。
出久は右腕を自らの個性の犠牲に、左腕を爆豪への盾に使用したため保健室直行。
そして場所を移して行われた2戦目。
1戦目とうってかわり、今度は一瞬の勝負。
ヴィランIチーム、ヒーローBチーム。
開始直後の轟のビル全体を氷結させる攻撃によって呆気なく決着。
そして第3戦。
ヒーローCチーム、ヴィランGチーム。
ついにめぐみん出撃の時間だ。
建物に入っていくヴィランチームを見送り、ヒーローチームもこの5分が作戦タイムとなる。
「よろしくお願いしますわ。紅魔さん。」
「ええ。八百万さんでしたね。どうぞ、めぐみんとお呼びください。早速ですが、あなたの個性について教えていただけますか?」
八百万の個性”創造“。
自分の脂質を消費してあらゆる物を作る事ができる個性。
ただし、創造物の構造を熟知していなければならない。
「なるほど。強力ですが難しい個性ですね。えっていうかあなた体力テストで原付作ってませんでしたか?」
「え、ええ。構造は把握していますから。・・・何か?」
「原付大量生産するだけで食べていけそうですね・・・。おっといけません、話がそれてしまいました。八百万さん。今から言うもの二つの創造は可能ですか?」
*****
ヴィラン側。
建物3階に核を設置した彼らは、耳郎が索敵、ヒーローが来たら上鳴が放電とシンプルな待ち戦術に出た。
「なあ耳郎。あいつらどうくるかな。」
「どうだろう。八百万の個性はかなり強そうだったからね。幸い屋内戦なら、紅魔の個性は使えないだろうけど。」
「あの威力だもんな。正直あれで狙われるのはゾッとしないぜ。」
そんな会話が行われていたが、甘い。
めぐみんの、紅魔族の本当の恐ろしさを彼らは知らない。
紅魔族は勝つ為には一切手段を選ばない。
要所要所でカッコつけつつ、勝つ為の最短ルートを駆け抜けていくのが彼女たち紅魔族だ。
『えー!えー!マイクテスト、マイクテスト!』
「うるさっ。何よいったい。」
周囲に、拡声器を通しためぐみんの声が響く。
『立て篭もり中の凶悪ヴィラン2名に告げます。無駄な抵抗はやめて、今すぐに投降してください。』
「なんだこれ、降伏勧告?」
「何の意味が・・・?」
『3分間の猶予を差し上げます!3分経っても出てこない場合、私の個性で建物ごと”爆裂“します!』
「「はあ!?」」
上鳴が窓から外を見ると、拡声器をこちらに向けているめぐみんと、その後ろで腕を組んで立っている八百万が見えた。
「ふざけんな!こっちには核兵器があるんだぞ!」
『ご安心ください。核兵器というのはあれで結構安全です。私の個性にかかれば誘爆するまえに木っ端微塵。あとに残るのはクレーターだけ。塵ひとつ残さず消しとばしてみせましょう。』
「俺たちも木っ端微塵じゃねえか!おい、どうすんだ耳郎!」
「落ち着きなよ上鳴。あくまでも訓練だよ?撃てる訳ない。ただの揺さぶりだよ。多分今のうちに八百万が侵入してるんじゃないかな。」
「え、いや八百万も外にいるぞ?」
『たかが訓練、撃つはずがないとお考えでしょうか?甘いですね。私はやると言ったらやりますよ。幸い近くにはNo1ヒーローが居ますから。多分死にはしないでしょう。』
「おいおいおい、マジで大丈夫なんだろうな。」
「いや、流石に止めるでしょ。オールマイトも何も言ってこないし・・・」
そう言いつつも耳郎上鳴共に、嫌な予感から冷や汗が止まらない。
『もうすぐ3分となりますよ!私としてもできればクラスメイトを消滅させたくはありません!投降してください!』
「おいなんか消滅とか言ってるんだけど。」
「ハッタリだって。」
『時間です。どうやら投降はして頂けないようですね。致し方ありません。』
ちらりと窓の外を伺う上鳴と耳郎。
相変わらずこちらに拡声器を向けているめぐみんと腕を組んで立っている八百万が見える。
と、めぐみんの足元から巨大な魔法陣が出現する。
まごう事なき、”爆裂“の前兆である。
『空蝉に忍び寄る叛逆の摩天楼。我が前に訪れた静寂なる神雷。』
「お、おいまさかこれ。」
『時は来た!今、眠りから目覚め、我が狂気を以て現界せよ!』
「やべえって!逃げよう!」
「どこに!?」
『穿て!エクスプロージョン!』
轟音。
強い振動に襲われ、バランスを崩す上鳴と耳郎。
「マジで撃ちやがった!」
「いや、でも直撃はしてないみたいだけど!」
『ヒーローチーム、WIN!!』
「「えっ」」
上鳴と耳郎が振り返ると、どこか申し訳無さそうな顔の八百万が核に触れていた。
*****
時は3戦目開始前に戻る。
「拡声器と私を模したボードですか?作れると思いますが、どうするので?」
「今回の訓練、残念ながら私の個性はほぼ使い物になりません。核兵器さえなければ諸共に”爆裂“させるところなのですが。」
「核兵器がなくてもそれはどうなんですの・・・?」
「そこで、です。私が外から拡声器で陽動をかけます。ヴィランチームが窓から覗けばしめたもの。位置を無線でお伝えしましょう。そしてそんなにマジマジ外を見る事はないでしょうから、私の後ろに八百万さんのボードを置いておけば、向こうは外に二人居ると勘違いするはずです。」
「その隙に私が核兵器を抑えると・・・。そんなに上手くいくでしょうか?」
めぐみんはバサリとローブを跳ね上げると、笑って言った。
「お任せください。こと、煽る事と目立つ事に関しては我が紅魔族に一日の長があります。奴らの視線を釘付けにしてみせましょう!」
*****
その結果がこれである。
最終的に建物の直上で上方爆裂を起こし、その混乱に乗じて八百万が核を抑えた。
そして、公表の時間を迎える。
「さて、お疲れさん。今回のMVPは・・・うーん、紅魔少女、かなぁ?」
「なぜ疑問形なんですか!完璧な作戦だったでしょう!」
脅迫じみたやり口だったとはいえ、交戦を避け、怪我人ゼロ、建物への被害もない。
が、アラも多い作戦だった。
まず、相手が八百万の存在に気づいた場合だ。2対1で襲われることになり、めぐみんは外。
救援に行くのは難しい。
どの道個性の使えないめぐみんが行ったところでという話ではあるのだが。
また、相手が本当に投降した場合だ。
この場合核兵器は八百万が確保できるだろう。
しかし、同様に2対1になる上に咄嗟に個性を使用できないめぐみんが確保される。
実戦だとすれば自己犠牲を前提とした勝利になってしまう。その事をオールマイト指摘されためぐみんは言葉に詰まった。
ぐうの音も出ない正論だ。
今回の反省点としては、めぐみんはその作戦内容。八百万は意見を出さなかったところ。上鳴と耳郎はパニックに陥り術中にはまってしまったところだ。
まあ、”爆裂“の威力を知るが故に落ち着いた対処は難しいところも大いにあったのだが。
その後の訓練は恙無く進行し、トラブルもなく終わった。
「お疲れさん!緑谷少年以外は大きな怪我もなし!しかし真摯に取り組んだ!初めての戦闘訓練にしちゃ上出来だったぜ!じゃあ、私は緑谷少年に公表を聞かせねば!着替えて教室にお戻り!」
言うだけ言うと、オールマイトは高速で走り去っていった。
めぐみんは近くに居た常闇に話しかける。
「常闇さんちょっといいですか?」
「どうした、めぐみん。」
「個性の反動で歩けません。運んでください。」
「・・・体力テストの時は普通に動いて無かったか?」
「あれは我が父の作った栄養剤のおかげですが、酢昆布を煮詰めて焦がした様な味がするのでできれば飲みたくありません。」
「・・・おぶろう」
黒影を使わず自分で背負うあたり、常闇は優しい。
と言う事で体力テスト編終了です。
次回は一本閑話を挟んでUSJ編ですかね。
次回:めぐみんと懇親会