プロデューサーが風花さんにお仕事を取ってくるお話です。

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プロデューサー「風花! 仕事取れたぞ!」

P「風花! 仕事取れたぞ!」

風花「本当ですかプロデューサーさん! 遂にアイドルとしての、私の初仕事なんですね!! それで、どんなお仕事なんですか?」

P「ああ、水着グラビアだ!」

風花「水着グラビアですか! ……水着グラビアですか?」

P「そうだぞー、『期待の新人アイドル特集!」って雑誌の企画でな、最近765さん新人たくさん抱えてますよね、1人誰か出してみませんか? って声を掛けてもらったんだ!」

風花「えーと……。それなら、恵美ちゃんとか、莉緒さんとか、もっと適した人がいませんか……?」

P「まあその辺の子らも候補ではあったんだけど、やはりここは抜群にプロポーションの良い風花をだな……」

風花「わ、私は清純派・正統派アイドルがやりたいんですー! み、水着なんて……」

P「でもな風花、よく考えてみよう? 今清純派・正統派で売ってる女優さんやアイドルも、デビューした時は水着グラビアをやってる事は結構あるぞ?」

風花「え? そ、そうなんですか……?」

P「そうだとも! 最初は水着から、売れてきたら自分の個性を出していく。今売れてる人達はみんなそうやってきたんだ。……風花、やってくれるな?」

風花「……分かりました、私、やってみます! それに、せっかくプロデューサーさんが私を選んでくれたんですから。期待に応えますっ!」

P「そうか! よし、頑張ろうな!」

風花「はい!」

 

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P「風花! 仕事取れたぞ!」

風花「またお仕事もらえたんですね! 今度はどんなお仕事ですか!?」

P「おう、水着だ! 水着グラビアだ!」

風花「……また水着ですか?」

P「そうだな、水着だ!」

風花「他の子たちに声をかけたりとかは?」

P「いやー、この間の特集で凄く人気だったらしくてな! なんとぉ! 風花を指名してぜひとも出て欲しいという依頼だぞ! やったな風花!」

風花「美咲さんの真似してもごまかされませんよ! また水着じゃないですかー! 他に仕事はないんですか!?」

P「いや待て、待つんだ風花。出て欲しいって言われるアイドルが世の中にどれだけいると思う?」

風花「……えっ?」

P「みんな営業回って、一生懸命レッスンして、オーディション受けて、やっと出演のチャンスを掴むんだ。そんな中で、風花に是非とも出て欲しい、って言ってくれる人が、風花をまた見たい、って言ってくれるファンがいる。それはとても幸せなことじゃないか?」

風花「……そうですね。プロデューサー、私間違ってました! 私に期待してくれている人がいるんですよね! 頑張ります!」

P「そうか! よし、頑張ろうな!」

風花「はい!」

 

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P「風花! 仕事取れたぞ!」

風花「……また水着ですか?」

P「ふっふっふ……今回は違うぞ!」

風花「……本当ですか?」

P「そんなに疑わなくても……」

風花「疑いますよ! 私毎週水着着てますよね!? この間プロデューサーさんが『水着じゃないぞ、学園ドラマの役が回ってきたぞ!」って言ってたお仕事も、結局海に遊びに行くってお話で、私の出番ほとんど海のシーンだけだったじゃないですか! 水着着てビーチバレーやってただけじゃないですか!」

P「でも評判良かったよ?」

風花「そういう問題じゃないんです!」

P「……一応セーラー服着てたシーンもあったよ?」

風花「後ろに映ってるだけのほとんどエキストラみたいなものでしたよね? 私は……私は正統派アイドルになりたいんです。む、胸を強調するようなお仕事ばかりで、私はそういうの、恥ずかしいんです……」

P「……」

風花「私だって大人ですから、その、何が求められてるのかは理解してます。こういうお仕事も、一生懸命プロデューサーさんが取ってきてくれたんだって、わかってます。ですけど、やっぱり私がなりたいのは、目指したいのは、正統派アイドルなんです。可愛くって、ステージの上でキラキラしてる、みんなに元気を与えてあげられる、そんなアイドルなんです」

P「……そうか」

風花「はい。……ごめんなさい、新人のくせにワガママですよね」

P「いや、そんなことはないぞ。アイドルなら、それくらい意志が強い方がいいさ。それに、この仕事は夢に少しばかり近づけるぞ」

風花「……えっ?」

P「今度の仕事は、猫カフェの取材だ。あの『期待の新人アイドル特集!』を担当してた人がな、風花のプロフィールに『好きなもの:猫』って書いてあるのを覚えててくれて、猫カフェ特集で猫を抱いて一緒に写ったり、ちょっとしたコメントを寄せたりするんだ。まあ写真の方がどちらかと言うとメインだから、やってることは普段と変わらないんだけどな……」

風花「……でも、水着じゃないんですよね? 普通に可愛い、露出の少ない服でいいんですよね?」

P「それは勿論だとも。むしろ動物と触れ合うから、あんまり肌が出てない方がいいと思うぞ」

風花「……ありがとうございます!! やっと、やっと普通のお仕事ができるんですね!」

P「ははは。お礼は雑誌の担当さんに言おうな。風花の事を覚えててくれたんだから」

風花「そうですね。でも、あの企画でプロデューサーさんが私を選んでくれなかったらこの仕事はなかったですし、プロデューサーさんにもお礼を言わせてください」

P「お礼なら、仕事で返してくれればそれでいいよ。猫と一緒に、とびっきり可愛い風花を見せてくれよ!」

風花「可愛い……ふふっ。はい!」

 

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P「風花! 仕事取れたぞ!」

風花「本当ですか!? どんなお仕事ですか?」

P「今度はすごいぞ、戦隊ヒーローに出演だ! 一気に名前と顔を覚えてもらえるぞ!」

風花「戦隊ヒーロー!? 凄いじゃないですか! そんな役を取ってくるなんて、さすがですプロデューサーさん! ……戦隊ヒーロー……?」

P「どうした、風花?」

風花「あのー、ひとつお聞きしたいんですけど」

P「おう、なんでも聞いてくれたまえ」

風花「私、どんな役をやるんですか?」

P「……えーと、それはだな……」

風花「はい、なんでしょう?」

P「……悪の女幹部役だ」

風花「……ちなみに、服装は?」

P「えー、黒くて、なんかつやつやした質感の材質で、ちょっととげとげした飾りとかがついてて……」

風花「ふむふむ」

P「……えーと、その、胸元はざっくりばっちり開いております」

風花「うぅ……やっぱり、私はそういう役なんですかぁ!?」

P「で、でもほら出番は多いし……」

風花「……そうですよね。私、やります!」

P「……ほんと?」

風花「こういうお仕事も、他のお仕事に繋がるって分かりましたから。セクシーなお仕事でも、頑張ります!」

P「そうか! セクシーでも頑張ってくれるか! よーし、どんどん水着の仕事持ってくるからな!」

風花「えっ!? ち、違います、そういう意味じゃないです! もう、調子に乗らないでくださーい!」



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