THE DETECTIVE SPIDERMAN   作:フラッシュポイント

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HamelnNoveltic Universe、HNUと称し複数のの作品が同じ世界観を共有するものとして書こうと考えています。その第一弾としてスパイダーマン×名探偵コナンを書いてみました。しかし話が原作一年前でその上スパイダーマンのヴィランなどが複数登場する予定などでどうしてもコナンの原作キャラ達の見せ場が少なくなると思います。それでも良いと言う方だけご覧ください。





オズコープ、日本を代表する大企業の一つ。社長である小津マナトは一代でこの大企業を立ち上げた一流のビジネスマンだ。表では幅広い製品を開発した販売しているが、裏では核武装できない我が国で核に変わる兵器を政府がらみで請け負っているのだ。

「社長、実験の準備が整いました」

「分かった。それはそうとフライングスーツの件はどうなっている?」

「亜蘭エイト博士は解雇、フライングスーツは我々が預かっています」

「よし、フライングスーツは我が社の新製品として一週間後に公表する。準備を進めろ」

「かしこまりました」

フフフ、我が社がこの国を牛耳るのは時間の問題だ。核武装が禁止されたわが国で他国に勝るもの、それは超人兵士しかいない。今に見ていろ、私がこの国を支配するのを……………………




FirstSeason アメイジングスパイダーマン
CaseFile1 魔術師ミステリオ


人生の分岐点とは果たして何処なのか。恋人との出会い?将来の目的ができた時?…………大切な人が亡くなった時?色々あるけどやはり僕の1番の分岐点と言えば高1の始め、遺伝子操作された蜘蛛に噛まれスーパーパワーを得た事だ。嘘だろって?いやいや本当の話だよ。噛まれてから壁を這う能力と常人をはるかに超えたパワーと危険察知能力を得たんだ。ちなみに危険察知能力はスパイダーセンスと名付けた。さてとそろそろ学校に行かないと。皆勤賞を逃しちゃうよ。

 

『おはようございまーす!CW 52、マーベルラジオのお時間です!進行役は私、貴方の親愛なる隣人洲単 LEEが努めさせていただきます!現在の時刻は8時01分、清々しいほどの青空が広がっています。さて本日の一曲目はラモーンズのヒット曲、電撃バップ!』

 

「Good Morning米花町!」

 

THWIP!

 

ビルの上から米花町を覗き込む一人の男子。彼はマスクの上から自作したゴーグルをかけ、胴体には蜘蛛のシンボルマークが刻まれてあるフード付きのコスチュームを着ていた。この日本に初めて現れた超人と呼ばれる存在。剥き出しになったウェブシューターと呼ばれる蜘蛛糸の発射装置から蜘蛛糸を飛ばし街を飛び回る。何を隠そうコレが僕。僕は翔太・パーカー、又の名をスパイダーマンだ!

 

僕の人生は壮絶だ。9年前海水浴の帰りに車の事故で両親は他界、それ以来僕の叔父叔母である蓮・パーカーとメイ・パーカーに引き取られ我が子のように育てられた。そして高校一年の春に特殊な蜘蛛に噛まれてスーパーパワーを得た。僕はこの力を人々の役に立てるためにお手製のコスチュームを見に纏い活動している。今は亡きおじさんに恥じぬよう日々努力しているってところかな。

 

「ひったくりよー!!」

 

おっと早速事件だ。こんな朝っぱらからひったくりとはよくやるね。蜘蛛糸をビルに飛ばしひったくり犯めがけ急降下する。犯人はまだこちらには気づいておらず逃げるのに必死だ。ひったくり犯の前に降り立ち蜘蛛糸でひったくり犯をしばりあげる。突然の出来事にひったくり犯は唖然としていた。

 

「な、なんだこりゃ!?」

 

「その鞄あんたには似合わないよ。どうぞお嬢さん」

 

「ありがとうムカデマン!」

 

「スパイダーマンだよ!これのどこがムカデに見えるの?」

 

毎朝毎朝一苦労だよ、本当この街は犯罪が多い。どっかの誰かの仕業か…………まさかね、馬鹿馬鹿しい。漫画じゃあるまいしそんな事ありえないよね。

 

さてと我が学び舎である帝丹高校に到着と。僕は手製のスーツから制服に着替えるため屋上に飛んだ。この場所なら誰も来ないから安心して着替えられる。鞄から制服を取り出し早速着替え始めた。スーツも改良余地ありだな、とりあえずゴワゴワしないようにしないと。一番は普段着とか制服の下に着られるような物がベストだ。アイデアはあるんだけど作る時間がなかなかなくてね、どこかで時間を作らないといけないな。

 

『さあ始まる!バンバン爆丸!バンバン爆』

 

あ、メイおばさんから電話だ。

 

「もしもしメイおばさん?どうしたの?…………うん、隣町のスーパーね。わかってるよ、ちゃんと買っていくから」

 

KEEN!COON!KAAN!COON!

 

おっと5分前のチャイムだ。僕は屋上から急いで教室に向かった。廊下を歩いていると向こうから歩いてくる人にばったりとぶつかってしまった。その衝撃で鞄から本が廊下に散乱した。

 

BAM!

 

「痛たたた、ごめんなさいよそ見してて………あ、亜蘭先輩!?」

 

「いいのよ、こっちもごめんね」

 

この人は亜蘭 リサ先輩、学校で一番イケてて美人な一つ上の先輩。僕が密かに好意を抱いている人だ。でもこの人と話す時はいつも緊張して上手く話せないんだよ。タダでさえ女子と話すのも苦手なのに。そんな事より早く鞄から散乱した本をしまわないと遅刻しちゃうよ。

 

「君仮面ヤイバー好きなの?」

 

「へ、ああそのこれは!」

 

しまったあ、仮面ヤイバーの特集組んでたもんだからつい買ってそのまま持って来ちまってた…………これは終わったな………完璧に痛いオタクと思われた。あーなんてツイてないんだ。

 

「私も好きだよヤイバー」

 

「ほ、本当ですか!?いや、その本当ですか?」

 

「私の周りにヤイバー好きな人居ないから嬉しいよ。そうだ、今度一緒にヤイバーについて話さない?お昼でも食べながら」

 

神展開キターーーー!!!

 

「え、も、勿論良いですよ!」

 

「良かった。そういえば君の名前は?」

 

「パ、パーカー!翔太です」

 

「フフッ、じゃあねパーカー君」

 

お昼…………亜蘭先輩と一緒にお昼ご飯、しかも仮面ヤイバーが好きな女子なんて…………これは神様が僕に与えてくれたご褒美に違いない!

 

KEEN!COON!KAAN!COON!

 

「………あ」

 

結局遅刻した。

 

〇〇〇〇〇〇

 

お昼休み、友達と昼食を食べる為食堂へと向かう。僕の数少ない友達といえばオタク女子の捨石 カオルとイケメンで金持ちの小津 ハルトだ。カオルは小学校の時からずっと一緒でハルは中学校からずっと一緒だ。二人とも僕の大切な親友で唯一気兼ねなく話せる相手だ。普段はこの二人と一緒にいることが多い。まあ友達はこの二人しかいないけどね。

 

「珍しいね翔太が遅刻するなんて」

 

「ああ勉強のしすぎか?」

 

「実はな………亜蘭先輩と今度お昼ご飯一緒に食べるんだ!」

 

「嘘だろ!?」

 

「……し、信じられないわ。あのオタク気質でコミュ力ゼロのあんたが?」

 

中々ヒドイよね。まあ僕はこのクラスの中でもかなりの痛いオタクと思われてるし…………でもこれでも学年二番に入るんだよ?一番はカオルだけど。この順位は小学校の時から続いていた。いい点数を取っても結局はカオルの方が良いんだ。良い加減一位になってみたいよ。

 

〇〇〇〇〇〇

 

放課後になり僕はスパイダーマンとしての活動に打ち込んでいた。平日はずっとこんな感じさ。学校が終わるとスパイダーマンのコスチュームを身に付け門限である10時まで活動する。活動範囲は主に米花町から東京都全部。まあ基本的に都会で活動してる。都会にはウェブスイングするのにうってつけのビルがあるしね。

 

でもまあ今日は7時で切り上げるとしよう。いやー今日は良い1日だった、亜蘭先輩と連絡先交換して映画を見に行く約束をした。叔母さんに頼まれたものも買ったし、テストも良い点数だった。それにレアな仮面ヤイバーフィギュアも買えたし言うことなしだ。さてそろそろ仮面ヤイバーの再放送が始まる時間だ。この回は前に見逃したからな、今回は見逃せない。

 

GILILILI!

 

おおっと、銀行で強盗事件発生だ。僕の目の前で銀行強盗とは間抜けな野郎だ。鞄をビルの屋上に置き僕は銀行へと向かった。現場に到着すると警報機が鳴り響いており銀行の客が大勢我先にと逃げ出してきていた。そんな人の波の中から1人異様な人物が札束の入った鞄を下げ堂々と銀行から出てきた。その男は緑の全身スーツに紫のマント、アジア風の灯篭のような手甲、球状のメットを被った電球のような頭をしていた。人の事は言えんが完璧なコスプレ野郎だな。

 

「お前誰だ?」

 

「私は偉大な魔術師、ミステリオ〜!」

 

「自分で偉大って言っちゃうわけ?」

 

「私の邪魔をする者は蝙蝠の軍団で始末してやる!」

 

ミステリオが手をかざすと腕元から霧が出てきた。しかも不気味な紫色の霧だ。霧が一瞬で周囲を覆い尽くすと、その霧から突如無数の蝙蝠が飛び出してきた。勢いよく飛び出してきた蝙蝠が僕の周囲舞い視界を遮った。必死で払いのけようとするも蝙蝠が鬱陶しいほどに纏わり付いてくる。

 

BOOM!

 

「どわあっ!?」

 

次の瞬間周りを飛んでいた蝙蝠が次々と爆発していった。スパイダーセンスのおかげで回避する事は容易だけどこれじゃミステリオに近づけないぞ。蝙蝠達が収まるといつのまにかミステリオは消えていた。

 

「クソ、逃げられたか………ん、あれは」

 

あれはミステリオが出した蝙蝠だ。一匹だけ飛び遅れたの…………この蝙蝠鉄でできてるぞ。裏をひっくり返してみると最先端の技術が所狭しと使われていた。言うなれば世界最新のラジコンてところか。てことはだ………ミステリオは魔術師でもなんでもなくただのペテン師ってわけだ。そう考えれば全て説明がつく仕掛けだ、霧とか光もSFXを使えばどうって事ない。なんでこんな安っぽい手に引っかかったんだ僕は。とにかく一度帰ろう、ミステリオも直ぐには遠くへ行かない筈だ。

 

〇〇〇〇〇〇

 

米花町にあるとあるマンションの一室、ここが僕の我が家さ。僕の部屋はベランダと繋がっているので部屋の出入りはほとんどそこから。僕ははいつものようにベランダからこっそりと部屋に入り、制服に着替え何食わぬ顔でリビングへと向かった。

 

「良い匂いだねメイ叔母さん。カレー?」

 

「いつの間に帰ってたの翔太、正解カレーよ」

 

メイ・パーカー、9年前に死んだ両親に変わって蓮おじさんと一緒に僕を育ててくれた。何の変哲も無い平凡なおばさんと思うでしょ?でも実はバリバリのキャリアウーマンなんだ。昼間は会社で仕事をし月曜の夜はヨガ教室を開いてる。水曜日は料理教室、そして金曜日は所属してるボウリングチームの活動。35億も夢じゃない、とにかく活発で超元気な叔母さんだ。おかげで僕はスパイダーマンとしての活動で夜家を空けてても問題なしってわけ。

 

「そうだメイおばさん、今度女の子一緒に映画見に行くんだけど」

 

「…………………冗談じゃなくて?」

 

「ああ、うん。冗談じゃなくて」

 

「ううう、あの坊やにもやっと春が来たのね。きっと蓮も誇りに思うわ」

 

「メイおばさん泣くほどじゃないでしょ?」

 

この後ずっとメイおばさんに亜蘭先輩の事を聞かれたよ。でも夜の10時を過ぎるとメイおばさんはもう夢の中だ。仕事で疲れてるからいつもこの時間帯に寝る、僕にとっては好都合さ。これでやっと仕事に取りかかれる。

 

僕は髪を乾かしながら先ほどの蝙蝠を調べていた。この蝙蝠をバラせばどこから操ってるのか分かるかもしれない。僕が分解しようとドライバーを近づけた瞬間、突然蝙蝠が動き出し窓を飛び出していった。どうやらミステリオが呼び出してるみたいだな。僕はこっそりとスパイダーマンのスーツに着替え蝙蝠を追った。

 

〇〇〇〇〇〇

 

蝙蝠を追うこと数十分、蝙蝠は街のはずれにある古い映画スタジオに入っていった。成る程ここなら自分の武器も改造し放題ってことか。

映画スタジオはボロボロで埃や塵があちこちに溜まっていた。当時映画に使われていたセットや小道具がそのままに放置されている。火星のセットや西部劇に出てくるバーのセットなんかまである。

 

しばらくスタジオを物色していると不意にミステリオが僕の目の前に現れた。観念したのか?

 

「もう終わりだミステリオ!」

 

「それはどうかな?」

 

次の瞬間、ミステリオが手投弾を投げると閃光と音がスタジオ内を包み込んだ。閃光弾とはまたやってくれるね、おかげで目と耳が超痛いよ。しばらくして音と閃光が止むと僕の周りを六人のミステリオが取り囲んでいた。これもどうせトリックだろうけど不気味だ。

 

「「「「「「ハッハッハッハッ!私を捕まえられるかな?」」」」」」

 

「ミステリオが6人?おそ松くんタイプ?」

 

リーダー格のミステリオが残りのミステリオに指示を出すと一斉に飛びかかってきた。真上に飛び上がりミステリオ達を回避する。僕は天井で反動をつけミステリオの一人に狙いを定めた。そしてミステリオの頭めがけて勢いのついた拳を放った。しかし思いとは裏腹に拳はなんとミステリオの頭を貫き吹き飛ばしてしまった。

 

CRASH!!

 

「え、嘘、嘘でしょ!?」

 

やっべえ…………どうしよう!!ミステリオの一人の頭を吹っ飛ばしちゃったよ!恐る恐る吹っ飛ばした首元を覗き込むと血や血管の代わりに配線や電子機器が詰まっており火花を散らしていた。てことはこれロボットか!?でもこんなハイテクロボットを一体どうやって作ったんだよ。ミステリオは極度の凝り性と見たぞ。

 

「ロボット…………という事は本気でやっていいんだな!」

 

頭を壊したミステリオのロボットを蹴り飛ばし右腕を引き抜いた。そして右腕をヌンチャク代わりに使い他のミステリオ達を攻撃する。

 

「アチョーーー!!どう?ブルース・リーも顔負けでしょ?」

 

『ギギギ……』

 

「ちょっと後ろからは卑怯で、しょ!」

 

背後で僕を抑え込んでいるミステリオに肘打ちをかまし、その反動で前方にいるミステリオにキックをお見舞いした。そしてようやく最後のミステリオを破壊した。ふう、中々手強い相手だったけど僕の敵じゃないな。さーて本体は…………見つけた。スタジオの端にあるカーテンからミステリオのシルエットが見えた。カーテンを開けるとそこにはタジタジになったミステリオがいた。ようやく追い詰めたぞ。

 

「ぐう、くそ!」

 

「本物はここにいたのか!あんたも暇人だね、自分と同じサイズのロボット作るなんて」

 

僕は抵抗しようとするミステリオを蜘蛛糸で拘束しヘルメットを脱がした。中身は三十代くらいの男性だった。こんな凄い技術を持ってるのに悪事を働くなんて何を考えてるんだか、もっと別の事に役立てれば良いのに。

 

「クソ、お前さえ現れなければこんな事に」

 

「警察とランデブーを楽しんでミステリオ」

 

犯人を捕まえた時恒例の『ミステリオ捕獲!スパイダーマンより!』と紙に書き残しミステリオの近くに備え付けた。僕は蜘蛛糸を飛ばしスタジオを離れた。

 

〇〇〇〇〇〇

 

次の日、新聞やテレビにはミステリオの逮捕がでかでかと掲載されていた。相変わらず僕の写真が新聞とかに出る事はないな。出たとしても画質が粗いものばかり、まあ別に撮られたくてヒーローしてるわけじゃないし誰かに認められなくても僕はずっとヒーロー活動を続けるつもりだ。

 

「スパイダーマン、ミステリオを撃退!ってか?何がスーパーヒーローだよ」

 

「あー、ヤキモチ妬いてんの新一?」

 

「バ、バーロー!そんなんじゃねえよ。素顔隠してる奴なら本当にヒーローか分からないじゃねーか。マスクの下は超極悪人かもしれないしよ」

 

彼は工藤新一、迷宮なしの高校生探偵として知られる。我が校が誇る名探偵様だ。工藤の経歴は凄いぞ、父親が有名な推理小説家で母親は有名な女優。特技がサッカーでヴァイオリンも弾ける。最初は本当に漫画から飛び出してきたようなやつがいるのかって驚いたけど、僕がマスクで顔を隠してるのは僕の大切な人を守るためだ。きっと彼もそれが分かる時がくるよ。

 

 




〇翔太・パーカー 別名スパイダーマン

日本人と外国人の両親を持つハーフ。9年前に海水浴の帰りに起きた事故で両親と事故以前の断片的な記憶を失う。その後、翔太は親戚の蓮・パーカーとメイ・パーカーに育てられる。高1の初め翔太は遺伝子に異変が生じた蜘蛛に噛まれスーパーパワーを得るもそのせいで叔父を無くしてしまう。大いなる力には大いなる責任が伴うことを学んだ翔太はスパイダーマンとして正しい行いをするために活動を始めた。

◇現在翔太が来ているスーツはホームカミング版のお手製スーツ

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