こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 結羽の愛が少しだけ重くなった。



 それではどうぞ!


第92話 誕生日準備

side優也

 

 今日は遂に結羽の誕生日だ。その為、誕生日会の準備をしているのだが、

「結羽、お前は手伝わなくて良いんだぞ?」

 そう言っても結羽は首を横に振り、「私が手伝いたいだけ」と言う。頑固な奴だ。

 そしてそんな様子を見て政博さんは俺に「昔からこうだから好きにやらせてやりな」と言う。扱い慣れてるな。流石父といったところか。

 

 準備している間に家電が鳴った。それを結羽が取りに行くとどうやら悠真も来るそうだ。ついでに萌未も。それを聞いて俺はガクッと膝をついて倒れ込んでしまった。

「暫くアイツらと会ってなくて平和だと思っていたのによ……」

 そう。最近アイツらとはクラスが違ってエンカウントをしていない。

 学校で会って話す奴は結羽、あつし、そして白井さんくらいなもんだ。まぁ、入学時の自己紹介をまともに聞いていなかった奴に友達なんて増えるはずがないんだよ。

 

「結羽、そう言えば最近あつしと白井さんともよく話してるよな。仲良くなったのか?」

「まぁ、少し雑談をするくらいだけどね。つみきちゃんとはよく話すよ?」

 ふむ、仲良いのか。なら呼んだ方が良いのか? とりあえず相手の用事とか聞いてからだな。あいつらなら大歓迎だ。

 あと、プレゼント選びを手伝ってもらったし露木ちゃんも呼んだ方がいいだろうな。その場合セットで神乃さんも着いてくるだろうが気にしないでおこう。

 

 そして冷蔵庫に足りない食材やその他諸々が無いか確認しようとしたところ、

「飲み物が無い」

 そう、パーティするならジュースやお茶があった方がいいだろう。だが無かった。

「ちょっと近くのコンビニに買いに行ってくるわ」

 俺はそう言って家を飛び出した。

 


 

 コンビニに来ると奴がいた。

「いらっさいやせー……ってなんだゆーや君か」

「なんだってなんだ。人を残念扱いしやがって」

 そうだった。今日は如月、シフト入ってたんだったな。面倒なことになったな。

 とりあえず適当に受け答えして早く買って帰ろう。

 如月の奴、俺に告白してからいっそう俺への絡みが凄くなり、バイト中関係無しにボケて来るので俺は常に疲労困憊だ。

 

「とりあえずこれ」

 そう言って俺は適当に選んだ飲み物をカウンターに置く。

「はいはーい。えーっと……計10万円です」

 俺は静かに如月にチョップした。

「痛いよぉ……何もチョップすることは無いでしょ?」

「ツッコミだ」

 そう、俺はただツッコミをしただけだ。ツッコミをするのが面倒くさくてチョップをした訳じゃない。

 

「んもう。私の扱いが酷いよ。えーと592円です」

「はい」

 そして俺は600円で支払う。

「お釣りは要りませんよね?」

「要るわ!」

 たったの8円だが、されど8円だ。それと、お釣りだぞ? 要るだろ普通に。

 とまぁ、鉢合わせてしまったら暫くこんな感じでボケ続けられるのだ。

 だが流石に如月もTPOはわきまえてくれると信じている。他の客が居たら多分やらなかったんだよな? 今は客がいないけど。

 


 

「帰りました」

 俺はそう言ってコンビニで買った飲み物が大量に入った袋を手にぶら下げながら帰宅する。

 すると結羽が一目散に寄ってきて「おかえり」と言って笑顔を見せてからまた持ち場に着く。これは結羽と付き合いだしてから日常と化した光景だ。

 結羽は何をしていようと俺が帰るとゲームやら好きなドラマのリアルタイム視聴なんかも放り出して俺の所に走ってきて「おかえり」と言ってから笑顔を見せる。これが非常に癒されるのだ。

 つまり何が言いたいのかと言うと、俺の彼女可愛すぎだろ。

 

「優也君、なんか今のやり取り気になったんだけど結羽とはどういう」

「ああっと! 準備しないといけませんね。早くしないとみんな来てしまいます」

 そう言って慌ててその場を離れ、電話をかける。

『はい。先輩何ですか?』

「あー。その事だけどさ、この前誕生日プレゼントを選んでくれたお礼に誕生日会に招待しようと思って──」

 プツッ。電話を切られた。どうしてだ? その後何度かけても電話が繋がることは無かった。

『あーと、優也どうした』

「よ、久しぶりだな」

『ああ、んでどうした?』

「そうだな。んじゃ単刀直入に言う、結羽の誕生日会に来ないか?」

『誕生日会か……まぁ別に良いが、つみきも連れて行っても良いか?』

「ん、大丈夫だ」

『オーケーだ。んじゃいつなんだ?』

「今日」

『ちょ、お前よォ、そう言うことは早く言えって!』

「んじゃ頼んだわ」

『ったくよぉ』

 そして俺は電話を切る。これで俺の仕事は終わったわけだ。

 俺はつい先日プレゼントを渡してしまっているからプレゼントは無いが、悠真とかはあるだろうな。あつしと白井さんを除いて。

 

 そして俺も俺で準備を進めようとするとある事に気がついた。

「あれ? 俺、結羽の家に住んでる事を言っていないから俺を迎えに行こうとするんじゃないのか?」

 もしそうだとしたらまずい。悠真達に俺が結羽の家に住んでいることをバレてしまう。

 バレると色々面倒くさい事になるのでそれだけは避けたい。どうにか先に出発していた体で何とか乗り切れば。

 そう思って俺は再び家から出た。




 はい!第92話終了

 今回は誕生日回だと言ったな。あれは嘘だ。

 という訳で次回こそ本当に誕生日回です!

 それでは!

 さようなら

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