こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 遂に70話目なんですね。では70話目。やって行きましょうか。



 それでは前回のあらすじ

 優也とあつしの喧嘩から始まった。

 そして殴りあった二人は親友へ。

 そして灯夜も仲間になりました。

 そして遂にチーム絆成と今治グループの戦いが始まる。



 それではどうぞ!


第70話 策士優也の救出大作戦

side結羽

 

 目が覚めたら知らない倉庫に居た。

 

 隣に露木ちゃん、つみきちゃん、咲峰さんがロープで縛られていた。

 そういう私もロープで縛られている。

 

「お目覚めかい?お嬢ちゃん」

 

「出来るだけ暴れないで貰えると助かるかなぁ?」

 と折りたたみナイフを取り出してキラリと見せつけてきた。

 

 なんで私達がこんなのに巻き込まれないと行けないんだろう。

 

 助けて……誰か……。そう言いたかったものの、口もガムテープで塞がられてて喋れない。

 

 ずっとこんな所にいたら狂いそう……

 

 その時、バン!と誰かが扉を蹴り破ってくる。

 

 あの扉重厚そうなんだけど?

 

 すると扉の外の光で徐々にその二人が見えてくる。

 優也と軽音部の人!?その2人だった。

 

 この2人が来てくれたおかげてだいぶ気が楽になった。

 

 でもこっちには沢山の人が……

 

「ちっ。面倒だな」

 優也がそう呟く。

 

「そこのヤツら。返してもらうぞ」

 そして歩み寄ってくる。

 

 その時、上を見て目を見開いて驚いた。

 そこには……

 

 来ないで優也!罠だよ!と叫びたかったが言えない。

 

 すると一人の男がにやっと笑った。

 

「それはお前が生きてたらな!」

 そしてリモコンらしきものを取り出してスイッチを押す。

 

 その瞬間、優也の頭上から瓦礫が降ってきた。

 

「つくづく卑怯なやつだな」

 そう言うと瓦礫をオーバーヘッドキックで男に向かって蹴る。

 

 すると慌てて避ける男

 

「俺だってな…だてに半端な気持ちで助けに来てる訳じゃないんだよ」

 

 正直驚いた。あの瓦礫を蹴り飛ばすなんて

 

「お、おい。適当に二人くらい連れて逃げろ」

 一人の男が二人に命令してつみきちゃんと咲峰さんを連れて行ってしまった。

 

 そしてここに残されたのは私と露木ちゃんだけになった。

「お前が助けるって計画は完全に崩れたな」

 そして高笑いする男。

 

 すると優也が「ふふっ」と不敵に笑ってこう言った。

「ここまで計画通りに事が進むとそりゃ笑いが零れてきちまうよな」

 と普通なら優也達が追い詰められている場面なのに笑っているどういうことなんだろう。

 

「もう時期片付くさ」

 そう言った。何も知らない私達は頭にハテナを浮かべるしかなかった。

 


 

side悠真

 

「来たな」

 すれ違った車を見て俺はそう呟いた。

 

 そして走ってついて行く。

 

 普通なら追いつけない。が、

「すまん優也。ちょっとだけ約束破るぞ」

 そう言って走ると、なんと少しづつ追いつき始めた。

 

 優也も人間離れしているが、実は俺も人間離れしているのだ。

 

 そしてやがて真横を併走する。

 

「な、なぁ、男が走って併走してるんだが?」

 

「そんなわけないだろ。俺達は時速120キロで走ってるんだぞ?」

 

 そして俺は車に飛び乗ってフロントガラスから中を覗いた。

 

 主犯の二人は勿論のこと、後ろにいる2人も驚いていた。

 

「いやー。こんなスピードで走るとあまり長くは続かないけど追いかけるくらいなら余裕」

 そして息を吸い込んで

「後ろの二人を返してくれるかな?」

 すると車は急ブレーキを踏んだせいで悠真は慣性の法則で吹っ飛んでしまう。

 

 まぁ、下ろすまでが俺の仕事だしな

 


 

sideあつし

 

 車から降りてきて優也の予想通り、こっちに逃げてきた。

 

 あとは俺の仕事だ。

 

「ここまで来ればあの化け物小僧も」

 しかし彼らの願いは儚く散る。

 

「やあ。ご苦労さん。そこの二人を返して貰えるかな?」

 と男達の死角から出ていく。

 

 奴等も予想外の連続で驚きっぱなしだろうな。

 

 流石優也だ。こんな作戦を思いつくなんて。

 

『まずは俺と五十嵐先輩だけで突っ込む。そして多分俺と五十嵐先輩で威圧したら人質を連れて逃げるだろう。そうなったらあつしと悠真の出番だ。悠真が全力疾走で奴らに恐怖を与えて車から下ろす。下ろしたあとは童明寺お得意の格闘で奴等から救出しろ』

 

 完璧すぎて鳥肌が立つレベルだ。しかもスタンバイポジションの指定まで……すげー策士だよ。あんたは

 

「この野郎!どけー!」

 とナイフを持って突っ込んできた。

 

 そして俺はそのナイフを持った腕を掴んで衝撃を与えてナイフを落とさせた後、鳩尾に膝蹴りを食らわすと男は膝から崩れ落ちた。

 

「こ、こいつ」

 

「お前も来るか?」

 そう言うとメリケンサックらしき物を手につけた。

 

 ンなもんどこで手に入れたんだ?

 

 そして俺に殴りかかってきた。

「面倒だな」

 そして殴りかかってきた右手を抑えて、右脇腹に回し蹴りを入れる。

 

 そしてもう一人も退治完了した。

 

「もう一度やるんなら相手になるぜって聞こえてねぇと思うが」

 二人とも既に気を失っていた。

 

「大丈夫か?」

 

「え、ええ……」

 

「ありがとう……童明寺君」

 つみきに礼を言われて少々照れくさくなる。

 

 後は頑張れよ。優也

 


 

side優也

 

「んじゃそこの二人を返してもらおうか」

 そう言って1歩踏み出すと

 

「ふふっ。こいつがどうなってもいいのか」

 と男はナイフを取り出した。

 

 ちっ。あれじゃ下手に手を出せねぇな。

 

「ご苦労」

 と奥から今治 京助が出てきた。

 

「久しぶりだな」

 そして挨拶がわりに殴ってきた。

 

 そしてやり返そうとすると

「やり返すとあそこの二人、殺すよ?」

 と蹴り飛ばされた。

 

「がはっ」

 多分近づいたら刺される。俺が抵抗しても刺される。なら反応できない速度だ!

 

「五十嵐先輩!思いっきりタックルやってください!」

 

「こっち来たらその瞬間、デスだ」

 

「そして絆成。お前には二つの運命しかない。デスオアダイだ」

 死or死じゃねぇかふざけんな。

 

 そして五十嵐先輩を見てみるとタックル全然早くなかったです。

 

「く、来るな!刺すぞ!」

 

 こうなったら一か八か……葵。これの使い道はこうだったんだな。

 

「いっけぇぇっ!」

 とバナナの皮をタックルしている五十嵐先輩の足元目掛けて投げた。

 

 そしたら五十嵐先輩はバナナの皮を踏んだ瞬間、音速を超える速さで飛んで行った。

 

 そしてナイフを突きつけてる男が反応するまもなくタックルされ、壁には叩きつけられたせいで気を失った。

 

 そっちは任せた。

 

「さぁて。形勢逆転だな」

 手加減して貰えると思うなよ。

 

 そして殴りかかってきた腕を掴んで投げて踏みつける。

 

「ぐわぁっ!」

 

「これよりもっとアイツらが受けた心の傷の方が深いぞ!もう二度と俺達と関わるな」

 そこまで言うと今治は気を失った。

 

 リーダーを失ったことによって他の奴らは散り散りに逃げていった。

 

「結羽。露木ちゃん。大丈夫だったか?」

 そして奴の仲間から奪ったナイフで二人のロープを切って解放する。

 

「ありがとう優也!」

 と結羽は俺に抱きついてきた。

 

「わ、私も……ありがとうございます

 と露木ちゃんが俺の腕に抱きついてきた。

 

「モテモテだな……」

 そう言って五十嵐先輩は一人で倉庫を出ていってしまった。

 

「はぁ……疲れた……」

 とその場に座り込む。

 

 いってぇっ!

 

 あの時はカッコつけてオーバーヘッドキックなんてしたけど瓦礫を蹴ったせいで滅茶苦茶いてぇ。

 

 さっきまではアドレナリンやらなんやらで大丈夫だったんだけどな。

 

 すると携帯が鳴った。

 

「あつしか……」

 そして通話ボタンを押す。

 

「へーい」

 

『さっき五十嵐先輩が終わったってこっちに来たぞ』

 

「ああ、分かった。今から行くわ」

 そう言って通話を終了する。

 


 

「よ!皆。来たぞって悠真。ボロボロだな」

 

「そういうお前こそ」

 お互いに笑い合う。

 

「優也。やったぞ」

 

「あつし。ご苦労さん」

 そしてぱちぃんとハイタッチした。

 

「白井さん!」

 

「なんですか?」

 とこっちを見た。

 

「あつしが言いたいことがあるみたいだ」

 そして俺は静かに親指を立てた。

 

 しかしあつしには親指を下に向けて立てられた。

 

「何場を温めましたみたいなことを……」

 告白するには絶好のチャンスだと思うし、何より俺らがからかえる!

 

「はぁ……その……つみき」

 

「ひゃい!」

 改まって呼ばれたからびっくりしたのだろう。声が裏返った。

 

「俺はつみきの事が好きだ。健気でお菓子作りもできて女子力が高い。昔から俺の傍に居てくれてありがとう。これからも俺の傍に居てくれないか」

 一世一代の告白。

 

「えと……その……私も……好き……」

 そう言った。ハッキリと

 

「それって」

 

「みんなの前だから恥ずかしいけど……その……童明寺君の……あつし君の彼女にしてください」

 

「ああ、もちろんだ」

 あつしがそう言った瞬間、つみきがあつしに抱きついた。

 

 この日、一組のカップルが誕生した。

 

 そして俺が人を好きになるという気持ちを理解した日でもあった。




 はい!第70話終了

 結羽達を救えて良かったですね。優也が策士になって色々と考えましたがピンポイント過ぎて引くレベルです。

 そして人間離れした動きをする人がこの街には三人も……

 そしてあつしとつみきのカップルが誕生!

 それでは!

 さようなら

優也のヒロインで一番好きなヒロインは?

  • 柴野結羽
  • 星野光
  • 如月咲桜
  • 神乃露木
  • 絆成萌未

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