こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 何者かに拐われる結羽等。その拐った奴らは今治グループだと優也は予測する。

 そして公園で黄昏てるあつしを見つけた優也はあつしを勧誘するのだった。



 それではどうぞ!


第69話 喧嘩、そして親友へ

side優也

 

「この腰抜け野郎ぉぉっ!!!」

 俺は童明寺に対してそう言い放った。

 

 すると童明寺はこちらを睨んできた。

 

「おい。俺だってな……考えたさ。考えて考えて考えたけどあいつらに勝てる方法がねぇんだよ」

 俺はため息をついた。

 

「それを行動に移さない所が腰抜け野郎だって言ってるんだ」

 

「喧嘩売ってんの?」

 そう言いながら童明寺は座っていたベンチから立ち上がって胸ぐらを掴んできた。

 

 普通なら多少なりとも心が乱れる状況だ。しかし、俺の心は嫌に落ち着いていた。

 

「大切な人なら、自分の命に変えても守って見せろって言ってんだよ!この腰抜け野郎!」

 その瞬間、俺の頬に鈍い痛みが走った。

 

 それが殴られた痛みだと気がつくのにはあまり時間がかからなかった。

 それが分かったら俺は童明寺の腕を掴んで投げる。

 

 そして体勢が崩れたのを見て押し倒して掴みかかった。

 

「おい!お前は……お前ってやつは!ほんとしょうもない」

 そう言って殴ろうとすると童明寺に寝返りで上に来られてしまった。

 

 そして降ってくる拳を掌で受け止めた。

 

「ぐ」

 

「俺が腰抜け野郎だと?ならお前もそうじゃねぇか。自分のことを棚に上げて俺に説教してんじゃねぇ!」

 

「俺は戦う!勝てないと分かっていても俺は戦う!お前とは違うんだよ!」

 

 そして横向きになって蹴り飛ばして距離をとる。

 

 いつの間にか雨が降ってきていた。そう言えば昼から雨が降るって言ってたな。

 

「はぁ……はぁ……そうか……勇気と無謀を履き違えんじゃねぇぞ。ボケ……無謀はな……犠牲者を増やすだけなんだよ!!」

 そして俺の懐に入ってタックルしてきた。

 

「ぐはっ」

 

「諦める時は潔く諦めたらどうなんだよ!」

 そして押さえ込んできている童明寺の腕を掴んで持ち上げる。

 

「潔いいのは必ずしもいい結果を産むとは限らねぇんだよ!足掻いて……足掻いて……足掻きまくって初めて得られるものってのもあるんだ!」

 そして横の方に倒してその時に殴る。

 

「なんだよ。それは」

 分からない。自分でも何を言っているのか……。

 

 確かに今まで足掻いて手に入れてきたものがあったはず。

 

 その時に結羽の顔が浮かんだ。

 

 俺が感じているそれと童明寺が感じているそれが同じものだとしたら……

 

「大切なものを……救える。努力は人を裏切らないってよく言うだろ?」

 

 そして俺は童明寺に手を差し伸べる。

 

 そして

「一緒に足掻こうぜ。この身が朽ち果てるまで……。足掻いて足掻いて足掻きまくったその先にある未来をつかみ取ろうぜ。童明寺 あつしっ!!」

 そう言うと童明寺は俺の手を取った。

 

「童明寺。一緒に……つかみ……取ろう……ぜ……」

 とその場に倒れてしまう。

 

 見れば童明寺も倒れた。

 

「ははっ。しまんねぇな」

 と小さく笑いを零す童明寺。

 

「どうだ?頭冷えたか?」

 

「ある意味な。雨天最悪だ」

 と笑い合う。

 

「でもお前の言いたいことがよく伝わった」

 

「そうか…それなら良かった」

 

「優也。俺、最初で最期の本気の足掻きを見せてやる」

 

「ああ、それでいい。一世一代の大勝負だな。一緒に救い出すぞあつし」

 

「お前、今まで苗字呼びだったのに。急にどうした?」

 

「殴りあったら親友になるらしい。親友は親しい呼び方するらしい」

 

「言葉が箇条書きだな。って言うか極端な考えだな」

 するとうーんと唸るあつし

「じゃあ俺はゆうかな?」

 

「それだと結羽と区別つかないからお前は優也で良いよ」

 そして喧嘩した後で痛い体に鞭を打って立ち上がる。

 

「「ぶふっ……あはははは!」」

 また二人で笑った。

 

「びしょびしょじゃねぇか」

 

「お前もな」

 もう。心配は要らないだろう。

 

 こいつには頼もしい奴が着いているからな。

 

「んじゃ、俺は次の奴勧誘してくるから」

「おう!頑張れよ!」

 そして俺はあつしに見送られて次は学校に向かった。

 


 

「居るかな?」

 俺はそう思いながらある部屋の前に来た。

 

 勿論尋ねてきたのは例の部室。

 

「すみませーん!」

 とドアの前で叫ぶと急にドアを突き破って大男が飛び出してきて俺にタックルを食らわしてくる。そう、五十嵐先輩である。

 

「入部しないか!?」

 

「次の学校祭。出ても良いですのでお願いします。助けてください」

 そう言うと葵も心配そうな目をしてこっちに来た。

 

 そして二人に簡単に俺は説明した。

 

「そうか……大変だったな……」

 

「そうだったんですか……」

 

「そうです。なので出来たら助けて欲しいんですが……」

 そう言うと五十嵐先輩は俺の両手を握ってきた。痛い!

 

「もちろんだ!なあ、柊君」

 

「いえ。僕は力が無いので無理ですが。代わりにこれを差し上げます」

 そう言って葵が渡してきたのはバナナの皮。

 

 なんでバナナの皮?

 

「使い方はあなたにお任せします。ですが役に立つと思いますので使ってください」

 でもどこからどう見てもバナナの皮……だよな?

 

 まぁ良いか。

「サンキューな葵」

 そう言って学校を後にする。

 

 この位か。戦えそうなのは。

 

 メンバーは俺、悠真、あつし、五十嵐先輩。この四名だ。

 

 多分向こうはもっと多いだろう。

 

「それじゃ作戦を伝える」

 

 まずは俺一人と五十嵐先輩だけで突っ込む。そして……

 

「こんな感じだ。それじゃ行くぞ!」

 

『おー!』

 遂にチーム絆成と今治グループの戦いが始まる。




 はい!第69話終了

 遂にメンバーが揃いました。

 そして優也とあつしは親友になりましたね。良かった良かった。

 それでは!

 さようなら

優也のヒロインで一番好きなヒロインは?

  • 柴野結羽
  • 星野光
  • 如月咲桜
  • 神乃露木
  • 絆成萌未

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