こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 前回は全て結羽視点でした。

 そして何度も叱られる優也。それを見て結羽はざまぁみろ。日頃の行いのせいだと思う。
「結羽……そんな事を思っていたのか……」
「思っていません!何変なデマを言ってるんですか!?」

 そして遂に帰る日が来た。



 それではどうぞ!


第67話 帰還

side優也

 

 次の日。俺は朝四時から料理の訓練に駆り出されていた。

 眠いでござる。

 

 このスパルタ爺め。どうしてくれよう。

「変なことを考えている時間があったら手を動かしたらどうだ」

 そしてなんでこうも直ぐに俺って心を読まれるんだろうか……

 

 俺が今、指導を受けているのは焼き鳥だ。

 

 じいさん直伝の焼き鳥。さっきから焼きすぎやら甘いやら薄いやら濃いやらうるさいわ!

 何ちょっと変えただけなのにそんなに変わるかっての!

 

 因みに横で悠真がヨダレ垂らしながら気持ちよさそうに寝てて、優也のアホー。と呟いていたからムカついて(うっかり)顔を踏んずけてグリグリしてしまったら更に深い眠りについてしまったみたいだった。

 白目むいていた様な気がするけどそれは俺の気の所為だ。

 

「こんなもんだろう。だが、まだまだわしの味には程遠いい」

「うるさいな〜。俺はここ継がないんだから」

 言ってしまった。

 

 絶対怒声がこの後飛んでくる。そう思ったのだが、

「分かっておる。お前が面倒くさがりで料理をしたくないという気持ち」

 そんな今まで言ったことの無いような事を言ってきた。

「お前の人生だ。わしは縛るつもりは無い」

「じいちゃん……」

 人生で初めてじいさんにそんな事を言われたから涙が目に溜まってきた。

「まぁ、それでもなんだかんだ言って努力家じゃよな。でもお前の努力じゃまだまだ大切な人は守れんぞ」

「余計なお世話だ!」

 最後の一文で一気に涙が引いたわ。完全に涙が枯れたわ。砂漠になったわ。

 

「電車の時間までビシバシいくぞ」

 

「お手柔らかにお願いします」

 


 

side結羽

 

 ピピピピ

 

 その音が鬱陶しいと思いながらも手を伸ばしてアラームを止める。

 そしてまだ眠い体に鞭を打って起き上がる。

 

 時刻は5時半。いつもこの位の時間に起きてる。

 

 そしてお花を積みに行こうとすると優也と悠真の寝室の扉が開いているのを見つけた。

 興味本位で覗いてみると恐ろしい光景が広がっていた。

 

「し、死んでる」

 白目になって壁に突き刺さってる悠真が居た。

 

 誰にやられたんだろう。

 

 まさか、この部屋に今いない優也!?

 ※正解

 

 そんなわけないか。※現実逃避

 

 見なかったことにしよう。

 

 そうしてキッチンの前を通ると今度は優也とおじいさんが居た。

 何やら料理の練習をしているみたい。

 あれだけの腕でまだまだって言うなんておじいさんは凄いな。

 

 そんな光景を流しながらお花摘みに行った。

 

 戻ってくると食卓にものすごい量の焼き鳥が並んでいた。

 

 それよりも

「悠真。まだ生きてたか……しぶといヤツめ」

「大丈夫?」

 優也。その言い方完全に犯人だよね?

 

「この頭の包帯を見て大丈夫だと思えるのか?」

 と包帯を指さす。

 

 確かに痛々しい。しかも自分で巻いたのか下手くそだ。

 

「それよりこれを俺たちに処理しろと?」

 

「そういう事だ。つべこべ言わず食え」

 そう言って一本を一瞬で食べる優也。

 

 一口でかい!?1本まるまるいっぺんに食べたよ!

 

「しょれよりもさ。お前、あれだけ店継ぐのは嫌がってたのに手伝いはするんだな」

 そういう話しながらも既に悠真の皿には10本程の串が置いてあった。

 

 なんて言うペース!?

 

 私も食べないと無くなっちゃう。そう思って急いで一本取って一口食べる。

「美味しい」

 昨日食べた居酒屋の焼き鳥も美味しかったけどこの焼き鳥の方が美味しく感じる。

 

「ありがとさん」

 と言ってまた一本口に含む優也。

 

「そうか。これは優也の失敗作か……俺らから見たらどっちの方が美味いとか分からんけどな。同じタレを使ってんだし」

 優也のなんだ……。でも私はこれが失敗作とは思えないな。だってこんなに美味しいんだから。

 

「結羽。何ニヤニヤしてるんだ?」

 と言われてやっと気がついた。

 

 口元に触れてみて自分の口角が上がっているのが分かった。

 そして慌てて元に戻す。

 

「な、なんでもないよ」

 慌てて繕う。

 

 そんな感じで朝は過ぎていった。

 


 

side優也

 

「「「さようなら!」」」

 俺達はばあちゃんとじいさんにそう挨拶してから駅の方に走り始めた。

 

「俺達はなんでこんなに走ってるんだっけ?」

 そう言い出した悠真の頭を強めに殴る。

 

「お前が支度早くすれば走る必要もなかったんだがな」

 

 そう。悠真が支度をゆっくりとしていたせいでこんなに走る羽目になったのだ。

 このマイペースめが……。アホはどっちなんだか……。

 

「取りあえず後五分だ。かなりギリギリだぞ」

 そう言って無我夢中に走る。

 

「速い速い!何でそんなに速いんだ!?」

「つべこべ言わず走れ!」

 でも流石に結羽にこの持久走させるのは酷だよな。

 

 そして俺は少しスピードを落として結羽の隣に行く。

 

「ちょっとだけ我慢しろよー」

「え?な、なに!?」

 そして膝の裏に腕をまわしてお姫様抱っこの形で持ち上げる。

 うん軽い。ちゃんと食べてんのか心配になるレベルだ。

 

「ゆ、優也!?」

 

「悠真は走って来いよ!」

 そう言って俺は結羽を連れて駅の方へ走る。

 

「鬼畜!これからお前のことをキチナリって呼んでやる!」

 後ろでそんな事を叫んでいるが知るか。自業自得だ。

 

 その後、俺のスピードで余裕でたどり着いた俺と結羽、そしてギリギリに悠真が息を切らして肩で息をしながら来た。

 

 そして何とか電車に乗って帰れましたとさ。めでたしめでたし。

 


 

数日前

 

「あいつの事を徹底的に調べあげろ」

 

「ついでにあいつの周辺にいる奴等も調べあげますか」

 

「そうだな。あいつの事は許せねぇ」

 

「ああ、俺達をこけにした罪。やっと償わせる準備が整った。あとはあいつにとって最も残酷な方法で償わせる。それだけだ」

 そして男は一枚の写真にナイフを突き刺した。

 

「絆成……優也」




 はい!第67話終了

 今回で祖父母編は終わりました。

 次回はまた話が急展開するはずです。

 そして最期の男とは一体?

 それでは!

 さようなら

優也のヒロインで一番好きなヒロインは?

  • 柴野結羽
  • 星野光
  • 如月咲桜
  • 神乃露木
  • 絆成萌未

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