こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 テストの点数がいつもより悪かった優也。それを周りに隠しとおそうとしたものの結羽はその様子を見て心配する。

 そこに夕香と露木が来て優也を尾行する事になる。

 しばらく尾行すると優也に抱きつく萌未を見てしまう。

 そして優也に尾行してる三人は見つかってしまうが、萌未のせいで話がややこしくなってしまう。

 そして優也が萌未に襲われないように結羽達も同行することになったのだった。



 それではどうぞ!


第61話 隠し通さなきゃいけないものがそこにある

side優也

 

 久々に人を家に上げるな……

 

 そして扉を開けた瞬間、俺だけ入って鍵を閉めた。

 

「開けてー!」

 と言う声が外から聞こえるが、こんなの見られたら結羽に説教されてしまう。

 

 あれだけカップ麺ばかり食べるなと言われていたのにテーブルの上には片付け忘れた大量に積み重なったカップ麺の空がある。

 

 参ったな……と頬を掻きむしる。

 

 こんなにどうやって隠すかどうか……

 

 とりあえずこれだけは何とかしないと

 

─※─※─※─想像─※─※─※─

 

「ゆーうーやー?」

 

「や、止めて!?ニコニコしながら近づいてこないで?」

 

 物凄い笑顔なのだ。だがその笑顔がとてつもなく怖い。

 

「正座!」

 

「はい!」

 俺は音速を超えたスピードで正座する。

 

「これ……何?」

 テーブルの上に積み重なったカップ麺の空を指さす結羽。

 おっそろしく低いトーンだ。

 

「はい。私めが食したカップ麺達でございます」

 俺は物凄く丁寧な口調で説明する。

 

「これ、全部?」

 

「はい」

 

「優也……私、約束守れない人……嫌いなんだよね」

 そう言って玄関を出ていく結羽。

 

「さすがに私も約束を守らないのはどうかと思うな……」

 そして神乃さんまで

 

「変態でクズのせ、ん、ぱ、い?さようなら」

 露木ちゃんも神乃さんの後を追って出ていってしまった。

 

「お兄ちゃん。それはちょっとボクでも許容できないかな?」

 そしてあの萌未ですら俺から離れて行ってしまった。

 

 最終的に4人とは絶交……もう二度と話すことも無くなった。

 

─※─※─※─想像 終─※─※─※─

 

 ってな事になるに違いない!

 

 そんな事になったらもう二度と立ち直れなくなる自信がある。

 

「お兄ちゃん!ボクはエッチな本があっても気にしないから」

 

「無いから!」

 大声で慌てて否定する。

 

 そんな疑惑をかけられちゃたまったもんじゃない。

 

 その直後

「しょうがないなぁ」

 と言う声が聞こえてガチャと言う嫌な音が聞こえた。

 

「お兄ちゃん!お邪魔します!」

 入ってきたァ!

 

 どうやったかは知らんが鍵が開いてしまった。

 

「い、良いのかなぁ?」

 

 そして俺は早い方が良いと思い、玄関までものすごい速度で走っていってジャンピングDOGEZAをした。

「すいませんでした!」

 

「え!?どうしたの」

 皆に当然の如く驚かれる。

 

「本当にすみませんでした」

 「頭を上げて」や「なんで謝るの?」とか言われたが謝罪するのを止めない。

 

「ふーん。絆成君は私達に見られてはいけないものを隠し忘れてたんだね?」

 本当にその通りです。

 

「か、隠さなきゃいけないもの……」

 なんで露木ちゃんは頬を染めてるんですか?そういう物じゃないですよ?

 

「ほ、本当なの?優也」

 

「い、いえ……決してそのような事は……」

 そう言うが全然良くないです。

 

「なら良いよね?」

 良くないです!

 

「そして俺をスルーして皆はリビングへ行ってしまった」

 終わった……そう思った。

 

 しかし

「優也。いつまでも何してるの?」

 放たれたのは説教の言葉ではなく疑問だった。

 

 恐る恐る俺もリビングへ向かう。

 

 すると何と言うことでしょう。テーブルの上にあったはずのカップ麺の空が綺麗さっぱり無くなっているではないですか。

 

 どういう事なんだ?と驚いていると携帯がなった。メールだ。

 

『件名 愛しのお兄ちゃんへ』

 萌未か。

 

『この借りは明日のデートで良いですよ。ps,その後、私をお持ち帰りしてもいいんですよ♡』

 俺は文面を読んでそっと携帯をしまった。

 

 面倒なやつに借りを作っちまった。

 

 多分カップ麺の空を俺が土下座して時間を稼いでる間に萌未は侵入して片付けたんだろう。

 

「まぁ俺ん家に来たのは良いけど……萌未は何しに来たんだよ」

 

「明日休みなので泊まらせてください!」

 

「お帰り願います」

 さすがにそんな時間まで皆にはボディーガードは頼めないし、悠真なら泊めてもいいんだけど恐らくだが「クールな男は空気を読んで丁重にお断りすることにするぜ」とかなんとか言って来てくれない気がする。

 

 かと言ってボディーガードが居ないと確実に襲われる。

 

 でも年頃の女の子を何人も泊めた暁には社会的に死ぬような気がする。

 

「ダメだ」

 

「お兄ちゃん。良いでしょ?カップ麺……

 囁いてきた。

 こいつ、ここまでして泊まりたいか!?

 

 しょうがない……目には目を脅しには脅しを

今日泊まるか明日デートするか選べ

 そう言うと

「どっちも惜しい!」

 どっちかって言ってるだろ。

 

「とりあえずコーヒーを入れてくる。萌未は緑茶で良かったよな」

 

「あ、はい」

 その返事を聞いてキッチンに向かう。

 


 

side結羽

 

「萌未ちゃん、コーヒー飲めないの?」

 私がそう聞くと萌未ちゃんは首を縦に降った。

 

「はい……昔からあの味がどうしても苦手で……」

 そうだったんだ。

 

「露木ちゃんもお茶にしてもらわなくても良かったの?」

 とニヤニヤしながら神乃さんは露木ちゃんに聞いた。

 

「大丈夫です!私は大人ですから」

 と胸を張る露木ちゃん。

 

 そして自分の胸を見る。

 

 ま、負けた……年下に負けた……

 

 そして私が落ち込んでると神乃さんが何かを思い出したかのように「あっ!」と言ってからこんな事を言ってきた。

 

「露木ちゃんと結羽ちゃん。自己紹介したっけ?」

 その言葉に同時に首を横に振る。

 

「じゃあ自己紹介したら?」

 

「そうですね。私は柴野 結羽。よろしくね」

 と微笑みかける。

 

「あ、あの……私は……その……」

 

「ごめんね。この子人見知りで……知らない人と話すのは苦手なんだよね。ほら露木ちゃん。深呼吸」

 そうだったんだ。でも優也とはなんか普通に話せてたね。

 

「ひっひっふーひっひっふー」

 なんでラマーズ法?

 

「わ、私は……神乃 露木……です。あの……よろしくお願いします……

 徐々に声が小さくなっていってる。

 

 最後の方はほとんど聞こえなかった。

 

 でも可愛いから許す!

 

「露木ちゃん。よろしくね」

 

「ひっ!」

 ガーン……手を差し出したら逃げられた。ショック

 

「何やってんだ結羽」

 床に手をついて落ち込んでいたら不思議なものを見るような目で優也に見られた。

 

「まぁ出来たぞ。砂糖はお好みでどうぞ」

 

 そんな感じで久しぶりに優也の家に上がったのでした。

 

 あれ?なんか棚の上に不自然に置いてあるダンボールが落ちそうなんだけど……

 

 すると予想通り落ちてきて中身がばらまかれた。

 

 それを見て萌未ちゃんは目を逸らした。

 

 優也はそれを見てコーヒーを吹き出してしまった。

 

「優也。これ……どうい」

 私が言い終わる前に優也は土下座した。

 

 その中身は大量のカップ麺の空だった。




 はい!第61話終了

 今回も優也視点と結羽視点両方ありましたね。

 さてこの後どうなるのでしょうか!?

 それでは!

 さようなら

優也のヒロインで一番好きなヒロインは?

  • 柴野結羽
  • 星野光
  • 如月咲桜
  • 神乃露木
  • 絆成萌未

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