こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ふざけるLIFEのメンバーとそれを取りまとめる凌太。

 そして優也は間接キスを気にしないようです。

 そしてゲーセンに行くことになりました。



 それではどうぞ!


第54話 LIFEpart4

side優也

 

 俺達はゲーセンに来た。

 

 久々だな…

 

 なんと言うか色々ギラギラしていて目に悪い空間がそこには広がっていた。

 

「よし凌太。あれで勝負しようぜ」

 

「……分かった。じゃあ負けた方が今後……皆のサイフな」

 何その今後の人生をも左右する罰ゲーム!?

 俺は心中でそう突っ込む。

 

 ふと見ると凌太を誘った神大も青ざめて冷や汗をかいていた。

 

「冗談だ」

 冗談に思えない冗談はやめて頂きたい。

 

「良かった…じゃあ罰ゲームは」

「あれな」

 と凌太が食い気味に言い放って指を指したその先にはありえないほど鋭利な足つぼマッサージがあった。

 

 ちなみに針も1箇所にいっぱいあったら刺さらないと言う法則があるから刺さらないのは分かっているが、それでも想像したら痛くて痛くて…やばい…聞いてるだけなのに震えてきた。

 

「じょ、冗談ですよね?」

 と神大は期待、それと恐怖を込めた声で恐る恐る聞いた。

 

「……いや、これは本当だ」

 

「いよっしゃー!負けらんねぇっ!」

 完全に空元気だ。

 

 そして神大と凌太はあるアーケードゲームの席に座った。

 

「んじゃ俺達は平和な遊びでもしようか」

 

「だな」

 

「よし、遊ぶぞ!」

 

 取り残されてしまった…

 

 俺と結羽のみがここに残ってしまった。

 

 向こうでは「ア゛ァァァァ。やべぇっ!」と神大が騒いでいる。

 向かいの台では「静かに出来ないのかお前は」と淡々と凌太が呟いていた。

 

「何するかねぇ…」

 生憎と俺は久々にここに来るからどうしようかと言うのは瞬時に考えつかない。

 

 そんな時、急に袖をクイクイと引っ張られた。

 引っ張られた方向を見るとそのには俺の袖を掴んでいる結羽が居た。

 

「わ、私と一緒に遊びましょう」

 

「なんで敬語なんだよ。最近敬語使ってないだろ」

 いつの間にか結羽は敬語が外れていた。

 

「と、とにかく一緒に廻らない?」

 

「んだな。一人で廻ってもいいが、二人で廻った方が楽しいもんな」

 

「そう!そういう事!」

 と声を荒らげて肯定する結羽。

 

 急にどうしたんだ?

 

「んじゃまぁ、何からします?」

 

「じゃあまずあれ」

 と結羽が指をさした先にはプリクラ機があった。

 

「ん?あれ撮るのか?」

 

「うん!」

 

「で、でもなぁ…俺自身同年代の女の子と撮ったことないからハードルが…」

 そう言うと結羽は首を傾げながらこう聞いてきた。

 

「撮ったことはあるの?」

 

「あるよ」

 俺は淡々と答えた。

 

「へ、へぇ…ち、ちなみに誰と?もしかして彼女さんと?」

 

「居ないし、今同年代の女の子と撮ったことないって言ったろ」

 

「で、でも、綺麗なお姉さんとか幼い子供とかと付き合ったりして」

「無いよ!そもそもお姉さんならまだしも幼い子供は軽く問題だよ!?」

 俺は食い気味に突っ込んだ。

 

 いきなり何を言い出すんだこいつは

 

「じゃあ誰と?」

 

「七海だよ。妹の」

 そう。俺は今まで1回だけ七海に連れ回されて撮ったことがある。

 因みにその時撮ったやつは今は俺の引き出しの奥にある。

 

「なるほど」

 

 そこまで言うと自然と俺の手を握って引っ張っていく。

 

「じゃあ実質家族以外と撮ったことは無いんだよね?」

 

「ああ、無いな」

 

「じゃあ私が初めて貰っちゃうね」

「ゴホッケホッ」

 生唾を飲み込むと唾が気管支の方に行ってしまった。

 

 いきなりの発言によりむせてしまったのだ。

 その発言危ないですよ!?

 

 しかし当の本人は気がついてないようだった。

 

「じゃあ撮るからポーズ取って」

 

「ポーズって何をすればいい」

 

「例えば」

 そう言って結羽は片手でハートの半分を作った。

 

「それじゃカップルじゃないか」

 この時だけは凌太が乗り移ったんじゃないかと思うくらいの冷静な言葉を投げかけた。

 

「かかか、カップル!?」

 すると結羽の顔がどんどん赤くなって行く。

 

「と、取りあえず適当にやって」

 適当って言ってもなぁ。

 

 すると撮影開始ボタンを押す結羽。

 

 まだポーズ決めてないのに。

 

 そしてシャッターが鳴る少し前に「えいっ!」と腕に抱きつかれて変な顔になった。

 

 その瞬間、パシャと写真が載って撮れた。

 

 しくったな。変な顔で写ってしまった。

 

「じゃあ、落書きするよ」

 しかし俺にはそんな知識ないので傍観する事にした。

 

 写真をのぞき込んだが我ながらひどい写り方だった。

 

 そして結羽は手慣れた手つきでプリクラ機を操作していく。時折顔を綻ばせながら。

 

「出来たよ!」

 そして出来たプリクラを印刷して二つ出来たうちの1つを俺に渡してきた。

 

「サンキュっ」

 

 もう一度見てみるとやはりひどい顔だったがそんなことはどうでも良くなるほどの物があった。

 

「なぁ、これ…なんかカップル見たいじゃないか?」

 と写真を見せてある部分を指さす。

 

 写真には楽しい(・・・)って書いてあるだけだったが、もっと気になる部分があった。

 それは、俺達の周りが大きなハートで囲まれていたことだった。

 

「い、良いじゃん。だってこういう時の定番でしょ?」

 言われてみればそうなのかもしれないがなんか恥ずかしいな。

 

「そうやってるとさ」

 

「ん?」

 と急に俺と結羽以外の声がした。

 

「初々しいカップルみたいだよな」

 悠真だった。

 

 見てみると神大以外がそこに居た。

 

「あれ?神大は?」

 そう聞くと凌太は無言で親指で後ろを指した。

 

「アァァァッ!」

 ご愁傷さま。

 

 意外とこいつは残虐な所があるからな。あまり逆らわない方が良い。

 

「さてとこれからどうするんだ?」

 

「絆成君。一緒にあれをやろうじゃないか」

 と太陽が指をさした先にはエアホッケーがあった。

 

「いいぞ。負けたらあれをやる」

 そう言って神大がいる方を指す。

 

「よっし!燃えてきたぞ絆成君!これまで99勝99敗100分け。今回で決着と行こうでは」

「いやいやそんなにやってないから」

 何が楽しくて298戦もしなくちゃいけないんだよ。

 

「まぁ、取りあえずやるか」

 

 結果は俺の勝ちだった。

 

 暫くやってなかったが、昔七海がエアホッケーにハマってた時期があってそれによって相手をさせられてた俺は鍛えられていたから体が覚えていたんだろう。

 

 それにより太陽も神大の隣で叫ぶことになった。

 

 よし、見なかったことにしよう。

 

 その後も色々なゲームをした。

 

 終わった頃には太陽と神大の目から光が消えていた。

 しかし太陽の弱った姿は新鮮だったな。

 

「今日は楽しかったな」

 

「ああ、久しぶりの全員集合だったな」

 と話す悠真とLIFEの面々

 

「優也はあの輪に加わらないの?」

 

「苦手なんだよああいうワイワイしたの」

 俺には輝いて見えて触れてはならないものに見えてしまう。

 

 それどころかLIFEの奴等は今や有名になってしまって…

 

「結羽はどうだった?」

 

「楽しかったよ」

 

「そうか…なら良かった」

 

「んじゃ俺達こっちだから」

 と言って俺と結羽の二人にされた。

 

 いや、俺と結羽以外そっちだったのかよ。

 

 結羽はもう一本先だ。

 

「じゃあ優也。また明日」

 

「ああ、じゃあな」

 そう言って結羽と別れて家に向かう。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ただいま」

 

「おかえり優也」

 

 珍しく俺より先に父さんが居た。

 

「珍しいな。優也が夜帰りだなんて」

 

「別に良いだろ?」

 

 そう素っ気ない態度をとる。

 

「優也、飯を作っておいたからな」

 

「分かった」

 

 そう言ってサランラップに包まれた料理を食べる。

 

 久々だな父さんの料理は…最近は結羽に作ってもらうことが多かったし

 

「ご馳走様」

 そして特にこれと言った会話もせず、素っ気ない態度で自室に戻った。




 はい!第54話終了

 これにてLIFE編終了ですよ。

 次また別の話に入ります。

 恐らく次の話はシリアス多めかと

 それでは!

 さようなら

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