こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

52 / 113
 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 なんと投稿しようと通学路を結羽と歩いていると、優也の友達である神大とたまたま再開する。

 結羽は神大の属しているバンドLIFEのファンの為、大興奮。

 そして放課後、LIFEの皆と会うことになった。


第52話 LIFEpart2

side優也

 

 あれから数時間後学校も終わり、放課後になった。

 

「なんだよ優也。普段俺に素っ気ないくせに引きずり回して」

 そう、俺は今悠真の制服の襟を引っ張って歩いている。

 

「と言うか結羽がこっちを気にせずにずっとワクワクオーラを放ってるのが気になるんだが?」

 

 そう悠真の言う通り、いつもなら結羽はこちらを見て苦笑いをしているんだが、今はいつに無く笑顔だ。

 

 どんだけ好きなんだよ。LIFE

 

 ちなみに駅を一つ跨いだ先にライブハウスなるものがあるらしいが、俺は一度もLIFEのライブに行ったことが無い。

 

 それは悠真も同様だ。

 

 なぜなら悠真はLIFEが結成された1ヶ月後位に転校して行ってしまったからだ。

 

 俺の理由は…まぁ、LIVE当日に七海と買い物行く予定が入ってたからだ。

 おいそこシスコン言うな。

 

「と言うかこっち来るのも久々だな…」

 

「ああ、そうだな。じゃあお前はもっと驚く光景が広がってるだろうよ」

 そう言って悠真を喫茶店に向けて投げる。

 

「うわっと!」

 と少しバランスを崩しそうになりながらも立ち止まった。

 

「ここか?」

 

「ああ、もうすぐ来るらしい」

 

「来る?誰が?」

 

 そう言うと遠くからだだだと言う効果音の聞こえそうな音が聞こえてきた。

 

 そしてその方向を見ると一人の人物が走ってきた。

 赤髪でヘッドバンドを付けている。

 

 そしてその人物は俺達の前で立ち止まった。

 

「燃えて燃えて燃えまくれ!全てを照らし尽くすサン!燃杉(もえすぎ) 太陽(たいよう)

 とびしぃっとポーズをキメる太陽。

 

「相変わらず熱いな。お前のそのノリは」

 

「こんにちは絆成君。久しぶりに河川敷を一緒に夕日を背に走ろうではないか」

 相変わらず熱いやつである。

 

 ちなみに久しぶりとあるが、俺は一緒に走っていた記憶はない。いつもこいつが一人で100週くらいしてたくらいだ。

 

 すると数分してからもう一人来た。

 

「はぁ…はぁ…」

 疲れ果てたような様子の男が来た。

 

「大丈夫か?優来。水飲むか?」

 

「シャドースカイ君!もっと熱くなれよ!」

 だから熱いって

 

「そ、その呼び方はもうやめてくれ黒歴史だ…」

 声がカスカスで死にかけじゃないか。

 きっと太陽に付き合わされたんだな。

 

 お前の事は1時間位忘れない。

 

「ふぅ…やっと息が整ってきた」

 生きてたか

 

「改めて…コホン…ドラム担当の」

 そう言ってバックからスティックを取り出して振り回す。

黒天(こくてん) 優来(ゆうらい)だ」

 

「え?あの自己紹介はやめたんですか?」

 

「あの自己紹介?」

 

「あれですよあれ。黒より黒き」

「ヤァァメェェロォォッ!」

 本当に黒歴史って怖いよな。

 

『優也、もしかしてこいつら』

『ああ、あの太陽と優来だ』

 

 すると目を急に嬉しそうに目を輝かせる。

 

「よ、久しぶり。坂戸 悠真だ。って無視!?」

 悠真の話を尻目に俺のとこに来た。

 

「久しぶり。優也。元気してたか?」

 

「……我が名はシャドースカイ。黒より黒き空に」

「だからヤメロー!」

 ちなみに今言おうとしたのはこいつの昔の自己紹介だ。

 

 そう。皆気づいてるかと思うが、こいつは昔は厨二病だったのだ。

 

「皆にはスカイって呼ばれてたよな?」

「だからやめろよ!と言うか俺はそう呼ばれたことなど一度もない」

 今のは俺の作り話だ。誰もこいつをスカイ等と呼んだことは無い。

 いつも黒天と読んでいた。

 

「とりま久しぶり。太陽、優来」

 

「お、俺は?」

 そろそろ可哀想だな。ちょっと構ってやるか。

 

「そうだ。ゆうs」

「お!皆早いな!」

「…」

 惨めだ…

 

「優の字と、それに…えーと」

 

「柴野 結羽です」

 何気に苗字は久々に聞いた気がする。

 

「漢字はどう書くんだ?」

 

「苗字は柴犬の柴に野原の野。名前は結ぶに羽です」

 

「結ぶか…じゃあ(ゆい)の字だな」

 おい、いきなり馴れ馴れしいな。

 

 でも結羽も嬉しそうだし良いか。

 

「キーボードの淵田(ふちだ) 凌太(りょうた)だ」

 そう小さく涼太は呟いた。

 

 こいつはクールな奴だ。そして笑ったところを俺は一度も見た事が無い。

 

 いつも無駄なことをしない主義で、そしてマフラーを首から口にかけて覆うような形で巻いている。

 曰く『このマフラーを巻いていると安心するから』らしい。

 

 暑くないのかな?

 

 んで太陽。こいつはいつもどんなことにも全力を尽くす。

 それはそれで良いんだが、他人を巻き込むのはやめて欲しい。

 

 先程も言ったがこいつは赤髪で、額にはヘッドバンドを付けている。

 

 そんでもって優来。こいつは昔は厨二病で、自己紹介の時の衝撃を俺は未だに忘れていない。

 『我が名は黒天。黒より黒き漆黒の空。まさにこの俺に相応(ふさわ)しいではないか』

 この時、教室内は『あ、察し』的な雰囲気が漂い、皆が苦笑いをしていた。

 

 今ではかなりの好青年となり、腕に巻いていた包帯は無くなっていた。

 

 そして神大。こいつは優男だ。つまりイケメソだ。

 構内での告白される率トップ。だが、1回も受けたことが無いという伝説を作った奴だ。

 

 性格は慌ただしい奴って言うか、なんと言うか性格を知れば知るほど残念な奴だ。

 

「よし、優也。悠の字は何処(いずこ)へ?」

 

「ここに居るぞ」

 と首だけで位置を合図する。

 

「おぉーっ!悠の字。久しぶりだな!」

 

「まぁ…うん…」

 やはりこうなった。

 

 無視されすぎて落ち込むこいつなんてレアだぞ。

 

「悠真君っ!久しぶりっ。帰ってきていたんだなっ!再会を盛大に祝おうじゃないか」

 

「お、おう…」

 ちなみに悠真は太陽の事を唯一苦手にしている。

 

 分かる。分かるぞその気持ち

 

「取りあえず中に入らないか。外で長話はあまり良くない」

 と凌太。

 相変わらず抑揚(よくよう)のない声だ。

 

「そうだな入ろう」

 と俺達を仕切(しき)る神大。

 

 ちなみにLIFEのリーダーはこいつではなく凌太だ。

 凌太曰く『お前らを野放しにしておくと何しでかすか分からないから俺がリーダーをする』らしい。

 ちなみに何故バンドに賛成したかと言うと、これまた同じ理由らしい。

 

『ふふっ。賑やかだね』

 と結羽が俺に耳打ちしてきた。

 

「賑やかすぎて困るくらいだ」

 

 そんな話をしながら俺達は喫茶店に入っていった。




 はい!第52話終了

 次回は喫茶店からの話です。

 そしてもう何話かで物語が急展開を迎えるはずです。(その何話がいつになるかは分かりませんが)

 一部間違いを発見したので訂正しました。

 それでは!

 さようなら

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。