こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は初めて自分で書いた絵を乗せてあります。

 下手です。更に走り書きしたので余計に下手になりました。
 ですが少しはそのシーンが分かりやすくなったのではないかと思います。



 それでは前回のあらすじ

 入学式の昼休み、優也はいきなり京哉に絡まれるも上手く回避する。

 そして神乃さんの妹、露木に変態のレッテルを貼られそうになるなど散々なことがあったが、神乃さんに昼食に誘われた優也は一緒に昼食をとる事にした。

 そして一緒に食べるとこを探すのだが…あれ?何か忘れているような。



 それではどうぞ!


第50話 露木と夕華

side優也

 

 俺は神乃さんに着いて行ってどこで食べるのかを決めていた。

 と言っても俺はついて行ってるだけで特に何もしていない。

 

 変わった事といえば、露木ちゃんの態度が初めてあった時に戻ってしまったということくらいだ。

 どうしたら心を開いてくれるかね。

 

「どこで食べようか?」

 と神乃さんは問いかけてくる。

 

「とりあえず強〇魔を撒きましょう。じゃないと私達の貞操が危ないです」

 

「まだそれ言うか」

 

 露木ちゃん曰く、もう既に男イコール強〇魔として公式が成り立ってしまってるらしい。

 

「絆成くんはいい人だよ。ちょっと女タラシでいつも5、6人位の女の子を連れて歩いてるだけだよ」

「ひっ!?」

 

「神乃さーん。不安を煽るような嘘はやめてください。連れて歩いてるのはいつも1人2人です」

 

 ったく…この人は…白波さんが憑依してきてるんじゃ?

 

 その可能性は充分に考えられる。

 

「あ、いい場所発見」

 

 そこは校庭の裏校舎の近くで、人目には付きにくいものの桜が満開でとてもいい場所だった。

 それにこの季節だ。春の心地よい風が吹いている。

 

「んじゃ、ここで食べましょうか」

 そう言って座ろうとすると俺はある失態に気がついた。

 

 何故なら今の俺は手ぶらなのだ。

 普段なら弁当も持ってきていない俺は購買に行ってサンドイッチでも買っている頃であろう。

 

 だが今日はこの人たちに捕まってしまった為、俺は買う暇もなくこっちに来てしまった。

 

 サーっと顔が青ざめていくのが分かる。

 

 今から買いに行ってここに戻ってくる時間など無い。だがしかし俺の昼飯は無い。

 

 となれば必然的に飯抜きだ。

 

 そんなことを考えていると神乃さんは俺の異変に気がついたのかニヤニヤしながらこんなことを言ってきた。

 

「んー。ん?あれー?絆成くーん。お昼ご飯はどうしたのー?もしかしてー。忘れたのかなー?」

 そんなことを言われて恥ずかしくなり、顔が一気に赤くなるのが分かる。

 

 普段だったら「うざい」で済ますのだが、今の俺にはそんな余裕は無かったため、黙り込んで閉まった。

 

「絆成君。こんな言葉を知っているかい?沈黙は肯定なりってね」

 図星であった為、何も言い返すことも出来なかった。

 

 だが、このままじゃもっと弄られるだけだ。こうなったらいっそ「ああ、そうだよ!俺は昼飯を買い忘れました!」開き直った。

 この方が清々しいだろう。

 

「清々しいまでの開き直りっぷりだね~。私、そういうの嫌いじゃないよー」

 あなたの好き嫌いは聞いてないんですが…

 

「そんな君に免じて私のお弁当を分けてしんぜよう」

 そう言って自分の弁当を開く。

 

 中には白米、卵焼き、ウインナー、唐揚げ、ほうれん草のおひたし等など色々と入っていた。

 そして見たところ冷凍食品はなさそうで、全て手作り感があってどれも美味そうだった。

 

「露木ちゃんの作った料理は美味しいんだからー」

 

 ん?露木ちゃんの作った料理?って事はもしかして

 

「これ全部露木ちゃんが作ったのか?」

 

「そうだよー。凄いでしょ」

 

「ちょ!お姉ちゃん!」

 

 勝手に暴露した姉に向かって抗議する妹。

 

「いいじゃーん。減るもんじゃないし」

 

「で、でもー!」

 

「でもこれだけ作るってスゲーな。朝の少ない時間にここまで色々作るなんて」

 と褒めると露木ちゃんは神乃さんの後ろに隠れて後ろを向いてしまった。

 あれ?もしかして怒ってる?何か怒られるようなことしたかな?

 

「あ!露木ちゃん、照れてる!普段男の人に褒められなれてないもんね」

 そして振り向いて露木ちゃんの頭を撫でる神乃さん。

 

「あー。照れてたんですね。てっきり俺は気分を害してしまったかと」

 

「それは無いよー。ね、露木ちゃん」

 

「さ、最悪ですよ。強〇魔に褒められるなんて一生の不覚です」

 

「と、仰ってますが?」

 そして俺は神乃さんを何事も無かったかのような表情で見る。

 言われすぎて慣れてしまったのである。

 

「んー。露木ちゃんもここまで毛嫌いするってことは無いはずなんだけど…何かした?」

 

「逆に何もしなさすぎるくらいですよ」

 露木ちゃんが勝手にレッテルを貼ってきてるだけだからな。

 

「露木ちゃん。絆成君は悪い人じゃないんだよ?」

 

「それは知ってます。ただたのし…ゴホン、反応が面白かったのでつい」

 

「反応が面白いってなんだよ」

 

「という訳なのでこれからも続けてよろしいですか?」

 

「宜しくないです」

 

 そんな会話をしていると「ふふっ」と聞こえた後に「あははは」と笑う声が聞こえてきた。

 

 俺と露木ちゃんは声の主の方を見ると目尻に涙を浮かべて笑っていた。

 

「ご、ごめんね。露木ちゃん。絆成君。でも他の人とこんなに楽しそうに話している露木ちゃんを見ると嬉しくなってしまって」

 

「楽しそうでは無いです」

 

「楽しそうだよー。だってこんなにも笑顔なんだよ」

 とスマホの写真フォルダを見せてくる神乃さん。

 

 そこにはニコニコと笑いながら俺と言い争っている露木ちゃんの姿が写っていた。

 

「い、いつ撮ったんですかぁっ!消してください!今すぐ消してください。さぁすぐに!」

 

「嫌だよー」

 

 その後、何とか神乃さんのフォルダ"からは"消すことに成功した露木ちゃんは顔を赤く染めながらも近くのベンチに三人で一緒に座って食べた。

 

 取りあえず神乃さんから貰ったあと何故か「えっと、その量じゃ食べ盛りの男子高校生には足りないだろうし…」と、頬を染めながら自信作だというほうれん草のおひたしと卵焼きをくれた。

 なんだかんだ良い奴だ。

 

 その後、午後の授業の合間の休憩時間。俺はスマホを見ていた。

 

 いつの間にか追加されていたLINE、名前は夕。十中八九神乃さんだろう。

 恐らくLINE Name、ホワイトウェーブ。まぁ、白波さんの事だがこの人の仕業だろうと考えている。

 

 まぁ、その夕とのLINEを見ながらこう呟いた。

「はぁ…露木ちゃんも苦労してるんだな…」

 と言いながら送られてきた写真をちゃっかりと保存した。

 

 

【挿絵表示】

 




 はい!第50話終了

 今回は露木ちゃん回でした。

 露木ちゃんが徐々に優也に打ち解けていってますね。

 それでは!

 さようなら

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