こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

47 / 113
 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 遂に始まった二年生

 優也は結羽、あつし、つみき、龍輝と同じクラスになった。

 そして心理戦で龍輝をじゃんけんで負かすことに成功。

 果たしてこれからどうなるのだろうか?



 それではどうぞ!


第47話 変人の巣窟

side優也

 

 昼休み。

 

 なんで始業式だと言うのにフルで授業があるんだよ。

 

 と、心の中で文句を言いながら購買に向かっていた。

 

 その時

 

 きゃぁぁっ!

 

 と、数人の女子の声が聞こえてきた。

 

 悲鳴?いや、これはちょっと違うような気がする。

 

 そして俺は気になって声の聞こえた方に向かった。

 

 そこに居たのは数人の女子に囲まれているただのイケメンだった。

 

 なんだ…ただのイケメンか。

 

 そして素通りをして行こうとする。

 

「あ、優也!」

 

 また厄介なのに捕まったな。

 

「なんだ結羽。お前も俺なんかよりあのイケメンの輪に混ざってきたらどうだ?」

 

「ううん…私は良いの。それに…」

 

「それに?」

 

「~~っ!なんでもない」

 

 そして顔を赤くしてどこかに行ってしまった。

 

 不思議なやつだな。

 

 すると後ろから視線を感じた。

 

 後ろを見てみるとイケメンがこっちを睨んできていた。

 

「僕よりも平凡な人を選ぶと言うのか」

 

 なんかやばくね?

 

 するとイケメンは近寄ってきた。

 

「僕の名前は新藤(しんどう) 京哉(きょうや)。今日転校してきたんだ。君は?」

 

 と、突然聞いてもいないのに自己紹介を始め、俺に自己紹介を求めてきた。

 

「絆成 優也」

 

「優也か。我がライバルとしてその名を胸に刻んでおこう」

 

 いや、勝手にライバル認定しないで欲しいのですが

 

 何故か俺の周りがどんどん変人の巣窟になっていく。

 

 そしてビシッと俺を指さす。

 

 新藤…中身が残念だ。

 

 クリスマスプレゼントにゲームだと思ってプレゼントの包装を開けたらお菓子だった時のようなガッカリ具合だ。

 

 見た目(包装)が良くても中身が残念(お菓子)だと台無しだよな。

 

「刻まなくて良いので関わらないで下さい」

 

 すると遠くの方に道明寺の姿が見えた。

 

 そしていい案を思いついた。

 

「あっちに俺よりあんたのライバルに似合う奴が居ますよ~」

 

 と、指さす。

 

 童明寺に擦り付ける。

 

「そうか。じゃあ行ってくる」

 

 と、新藤とか言うイケメンは童明寺の方に向かった。

 

 ふぅ、一難去ったな…

 

 遠くで困った様子の童明寺がこちらを見て助けを求めている。

 

 助けに行きますか?

 

 

はい

 

いいえ ←

 

 

 即答だった。

 

 この間、僅か0,1秒

 

 そして気が付かなかったフリをしてその場を後にする。

 

 少し歩くと購買に着いた。

 

 そこで俺はいつものサンドイッチを買って適当に食べる場所を探す。

 

 すると白井さんが見えた。

 

「あ!絆成君!」

 

 と、声を掛けてくる。

 

「童明寺君が何処に居るか知りませんか?」

 

「ああ、あいつなら今頃幸せの国へ旅立ってると思うぜ」

 

 そして俺は童明寺が花畑でどじょうすくいしながら腹踊りしている姿を想像しながら合掌した。

 

 そして吹き出しそうになる。

 

「ふえぇ~。た、旅立つって私達を置いてですかぁっ!?」

 

 と、目をうるうるさせる白井さん。

 

「という訳で楽しんでるんだから邪魔しないでやれ」

 

 と、肩をとんと叩く。

 

「じゃあ、絆成君でいいです。私とお昼どうですか?」

 

 そう来たか…

 

 でも悠真と昼飯の約束をしてしまってるんだよな…どうしようか?

 

 

悠真との約束は大事だ

 

白井さんの約束に乗ろう ←

 

 

 またしても即決だった。

 

 この間、僅か0,01秒

 

「んじゃ白井さんが迷惑じゃ無ければご一緒しようかな?」

 

「うん!じゃあ行こう」

 

 と、俺の手を引く白井さん。

 

 偶に童明寺と白井さんと飯を食べたりしてるが、白井さんと2人ってのは初めてだ。

 

 そして屋上に向かう。

 

 二人と食べる時は屋上で食べている。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ここら辺で食べましょうか」

 

 そして白井さんはブルーシートを広げる。

 

 昼飯時になったらいつも持っているバッグの中にブルーシートが入っている。

 

 その上に座る。

 

 そして俺はサンドイッチを取り出し、白井さんは弁当を取り出した。

 

「おー。今日も美味そうだな」

 

 と、感嘆(かんたん)の声をあげる。

 

 白井さんの弁当は全て白井さんの手作りだ。

 

「絆成君はちゃんとしたご飯を食べないと偏りますよ?」

 

 と、皿を取り出して何個か取り分けてくれる白井さん

 

「これあげます」

 

「白井さんって面倒見が良いよな」

 

「そうですか?」

 

 と、首を傾げる白井さん

 

「これなら童明寺もイチコロだな」

 

 と、親指を立てると顔を一気に真っ赤にした。

 

 そして白井さんの取り分けてくれたおかずを白井さんに貰った箸で食べる。

 

 美味い。

 

 白井さんと食べる時はいつもくれる。

 

 ちなみに童明寺も弁当だが、その弁当は白井さんが作ってるらしい。もうお前ら付き合っちまえよ。

 

 そしてサンドイッチも食べる。

 

 道明寺の事を少し考えてみる。

 

 あいつはモテるのにそれを嫌い、みんなを突き放し、告白されたら必ず断る。

 

 断ったら必ず悲しい顔になる。

 

 最近なんかは俺と良くつるんでるせいで俺の事が好きなんじゃないかと言う噂まで立ってきてる始末。迷惑な。

 

 悲しい顔をするくらいなら断らなければ良いのに

 

 昔に何があったかは俺は知らない。

 

 だが、このままズルズルと行くのも良くない気がする。

 

 その時

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 チャイムが鳴った。

 

 やべっ!急いで食わないと

 

「絆成君は童明寺君と真逆ですよね」

 

「え?」

 

「だって私を突き放そうとしないから」

 

 そして白井さんは立ち上がってブルーシートを片付ける。

 

「また一緒に食べましょう」

 

 そう言って屋上を後にする白井さん。

 

 そして俺は時計を見る。

 

「急ぐか」




 はい!第47話終了

 次回も1日目です。

 それでは!

 さようなら

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。