こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 前回、次回から二年生編と言ったんですが、正格にはこの次の話からです。



 それでは前回のあらすじ

 ついに卒業式を終えた優也等

 真依の卒業祝にカラオケに行ったりレストランに行ったりした。

 歌が苦手と言う優也の新しい一面も。



 それではどうぞ!


第45話 お見舞い

side優也

 

 春休み。

 

 長期休暇の中で一番短い休みだ。

 

 つい先日、終業式も終わり、俺達も春休みになった。

 

 春休みだからと言ってやることがある訳じゃない。

 

 勉強することしか出来ない。

 

 二年生ではクラス替えがあるから何組になるんだろうか。

 

 二年生と言えば最初に学力テストがあるから、その勉強をしておかないとな。

 

 そして春休みもバイトがある。

 

 そして今日もバイトである。

 

 ちなみに今日は北村さんと二人でレジをやっている。

 

「ありがしたー」

 

「ちょっと(たる)んできてるんじゃないかしら?」

 

 適当に挨拶する俺とそんな俺をジト眼で見てくる北村さん

 

 休みの日にバイトするのはめんどくさいよね~

 

 その上如月は「友達とショッピング行ってくる~」って言ってたから羨ましいぜこん畜生!

 

 まぁ、こんなこと言ってても仕方ないか。

 

「なぁ、北村さんが感じた如月の第一印象ってどんなでしたか?」

 

「適当。だけど物事はきちっとやりこなす子だと思ったわ。根は真面目なのかもしれないわね。どうしてあんなお茶袈てるのかは分からないけど」

 

「そうだったんですか。俺はうざいと思いましたよ」

 

 そう言うと北村さんは笑いながら「それもあるわね」と言った。

 

「それにしても根は真面目か…」

 

 思い返してみればそうだ。

 

 いつも態度は気だるげでやる気のなさをアピールしてくるが仕事は丁寧だ。

 

 そこのギャップが凄い。

 

 やる気になったら如月は多分すごい優秀なんだろう。

 

「そう言えばさっき休憩室で読んでた本はなんですか?」

 

「例の先生の最新作よ」

 

「あー!俺もそれ読みました!今回も面白かったですね。ついつい読み込んでしまいました」

 

 そう言うと同調してくれる北村さん。

 

 北村さんと俺は本の趣味が合うからその話題で盛り上がることもある。

 

 俺と北村さんの好きな作家がおなじなので同じ本を持っていたり、たまたま持ってなかったら貸し借りすることもある。

 

 一番馬が合うのは北村さんかもしれない。

 

 まぁ、先輩だし学校も違うけどな。

 

「そう言えば絆成さんって春休みどこかに行くの?」

 

「いんや。ほとんどバイトだ」

 

「悲しいわね」

 

 んなこといわれたって…

 

「そうだな。最近は行けてなかったし七海の見舞いでも行くか。遠い病院だからそうそう行けないけど」

 

 近くにも病院はあるが、長期に渡る延命設備が整ってるのがそこしか無かったってだけだ。

 

 一回見舞いに行くだけでも途中で一泊することになる距離だ。

 

「絆成さんって妹が居たんですか」

 

「ああ、今は遠い病院に入院している」

 

「そうなんですか」

 

「ああ」

 

 そうして今日のバイトは終わった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 久しぶりだな…

 

 俺は今、親父の車に乗っている。

 

 車に揺られながら七海を思い出す。

 

 もうかれこれ約一年は来てなかったな。

 

「しかし驚いたな。優也から行きたいと言い出すなんて」

 

「別に良いだろそんなの」

 

 今までは親父が言い出して着いていくって感じだったんだが、今回は俺から言い出した。

 

 今回も当然泊まりで来ている。

 

 そしてだんだんと七海が入院している病院が見えてきた。

 

「久しぶりだなここも」

 

 病院に着いたら俺達は七海の病室へ向かう。

 

 そして病室に着いたらノックしてから入る。

 

 今もなお安らかな顔で眠っている。

 

 そして俺は持ってきた花を花瓶に飾る。

 

翡翠蘭(ヒスイラン)だ。好きだったよなお前、」

 

─※─※─※─回想─※─※─※─

 

「あ!お兄ちゃん。見てみて」

 

「ん?なんだ?」

 

 そして俺は七海が指を指している方を見る。

 

 そこには翡翠蘭があった。

 

 そうか。ここは花屋の前だったのか。

 

「ねーねー。ヒスイランの花言葉って知ってる?」

 

「んー。なんだ?」

 

「『上品な美しさ』と『華やかな恋』、『個人的』ってのがあるんだって~」

 

「ふーん。華やかな恋か…そう言うのに興味あるのか?」

 

「へ!?あ、いや違うのお兄ちゃん!無いと言えば嘘になるけど…」

 

 と、語尾が弱くなっていく。

 

「上品な美しさとか良いよね。後、個人的って個性を大事にって意味だと思うんだよね。個性は大事だからね。私はヒスイランが花の中では一番好き」

 

─※─※─※─回想 終─※─※─※─

 

「そう言えば俺は良い仲間に出会ったんだ。結羽、童明寺、白井さん、星野さん」

 

「目が覚めたら紹介するよ」

 

 俺は静寂のなか一人話続ける。

 

 親父はホテルのチェックインに向かった。

 

「七海。死なないでくれ」

 

 そう言うと七海の目から涙が出てきた気がした。

 

「優也そろそろ面会時間終了だ」

 

 そして俺達は病院を後にした。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「さぁ、後もう少しで二年生が始まるからいっぱい食って力つけろよー」

 

「余計なお世話だ」

 

 と、俺は冷静に突っ込む。

 

 今は夕飯を食べている。

 

 先ほど風呂には入ってきた。

 

 後は飯を食って寝るだけだ。

 

「美味いな」

 

「ああ」

 

 俺は物綺羅棒に返す。

 

 明日また同じ道を通って帰ることとなる。

 

 そして飯を食べてから眠りについた。

 

 二年生か…

 

 二年生には先生もクラスも変わる。

 

 先生は誰になるんだろう。

 

 春海先生は一年生担当の先生だから絶対に担任になることはない。

 

 クラスメイトはどうなるか…だな。

 

 そして俺は深い眠りについた。

 

 次の日、俺達は朝イチで帰った。




 はい!第45話終了

 次回から二年生編スタートです。

 それでは!

 さようなら

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