こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 優也は悠真と童明寺と共に一年間を振り替える。

 そして唐突に悠真にバレンタインの話を振られるが、二人は非リアの嫉妬だと言い軽くあしらう。

 そして飯をよこせと図々しい二人に激辛チャーハンを作るも意外と美味いと好評

 優しさが抜けきれない優也であった。優だけに



 それではどうぞ!


第37話 困惑する優也と手慣れてるあつし

side優也

 

 翌朝

 

 今日は2月14日月曜日。バレンタインだ。

 

 まぁ、なぜか今日は結羽に出会うことなく一人で来た。

 

 でまぁ、登校一発目で俺は頭を抱えてしまった。

 

 俺は俺の靴箱の前で頭を抱えている。

 

 そして俺の近くでもう一人。俺と同じく頭を抱えている人が

 

「ああ…」

 

 何を隠そうその人物は童明寺だ。

 

 恐らく俺と童明寺は同じことを考えているだろう。

 

「「この大量のチョコレートの山。どうしようか」」

 

 俺と童明寺はハモった。

 

 そう。

 

 開口一番に俺の視界に写り込んできたのは俺の靴箱を開けた瞬間、靴箱から大量に滝のように溢れだしてくるチョコレートだった。

 

 その直後、童明寺も同じように靴箱をあけると俺と同じような状況になって居るのを見て思わず吹き出しそうになったのは伏せておく。

 

 いやー。しかしこれだけの量。どうすっかな。

 

 自分で食べるのにはちょっと堪えるぞ。

 

 俺は甘いものは好きな方である。

 

 ビターも甘いのも好きだが、普通のチョコってそんなに食べれないんだよな。

 

 結羽に分けるか?

 

 しっかし。ホワイトデーに返すの大変だな。

 

 すると横で手慣れた手つきで袋にチョコ達を入れてその中の一つをかじり始める童明寺

 

 その場で食べるのはどうなんだろうか?

 

「今食べるのか?」

 

 と、俺が聞くと

 

「ああ。腹減ってたからな。お前も食うか?」

 

 と、チョコを半分に割って渡してくる。

 

 そしてそれをかじる。

 

 うん。美味い。

 

 俺のあまり得意じゃない甘ったるさはあまりなく、簡単に食べられるような味わいだ。

 

 こんなの誰が作ったんだ?

 

 と、俺の考えていることが分かったのかその答えを教えてきた。

 

「つみきだ」

 

 なるほど。白井さんか。

 

 確かにこの味わいはなんと言うか愛を感じるよね。

 

「毎年俺の好みを覚えてきてだんだん美味くなってってんだ」

 

 そう言いながらも一口かじる。

 

 だけどどうして白井さんのだって分かったんだ?

 

「あいつにはラッピングの癖があるんだ」

 

 ラッピングの癖?

 

「例えばここ」

 

 と、ラッピングシートを見せる童明寺。

 

「一旦跡を着けて折りやすくしてんだ。折り紙の要領だな。それ故、こうして跡がくっきりと残ってんだ」

 

 リボンにも癖があるらしい。

 

「通常リボン結びは上に輪が二つ合って下に紐があるんだ。だがつみきの場合はあいつ、料理出来んのに細かい作業が苦手なんだな。左は普通なのに右だけ上下逆さなんだ」

 

 すごいな。白井さんのことならすべてお見通しって貫禄だな。

 

「そして決めてはこれ。このシールだ」

 

 と、見せてくる童明寺

 

 なんと言うか可愛らしいと言うか愛情が溢れまくってるってか。良い子だ。白井さん

 

「飾り付けにこのシールを使うんだ。一体何枚持ってんだ?」

 

 いや、めっちゃ見てるな!

 

 どんだけ見てんだよ。

 

「まぁ、他にもエトセトラエトセトラって感じで数えきれないくらい癖はあるが…ってどうした?優也。そんなに驚いて」

 

「いや、まぁ。ストーカー暦何年だ?」

 

「んー。まぁ、そうだな約10年かな」

 

 マジか。こいつ、幼稚園・小学校の頃から白井さんをストーカーしてたのか。

 

 と、少し引いた目で見ていると童明寺が焦りだした。

 

「いや、違うから!本当に!だから引かないで!ストーカーなんてしたことないから!」

 

 でもこれだけ白井さんの事を知ってるって怪しいな。

 

「もしかして白井さんの事が好きなのか?」

 

 俺が問うと急に童明寺がむせ出した。

 

 飲み物なんて飲んでないのに…まさか!チョコでむせたのか。

 

 そうして俺は近くの自販機でお茶をかって手渡す。

 

 それを勢い良く飲んでいく童明寺

 

「ぷはー。なに言い出すんだよ優也」

 

 と、抗議の目を向けられる。

 

「ってかそっちだって柴野さんの事が好きなんじゃないのか?」

 

 と、聞かれた。

 

 なので思ってることを一語一句正確に伝えてみた。

 

「あのさ。常日頃から思ってたんだけど。恋ってどんな感情なんだ?」と

 

 すると童明寺はポカーンとしてこっちを見てきた。

 

 なんだその目は。摩訶不思議な存在を見たような顔をして

 

「あのさ。あなたは勉強魔神さんでしたよね?」

 

 そのあだ名は気に食わんがニュアンス的にはそうだ。

 

「勉強で他の事そっちのけだったから恋がどんな感情かを忘れてしまったと?」

 

「まぁ、そうだな」

 

 すると童明寺は「これは手強いな」や「どうすれば」等と呟き出した。

 

「はぁ、そう言うことか。勉強も出来て家事料理も出来るパーフェクト男の癖に女心が全く分からなかったのはそのせいか。つまりはお前は恋心を代償に学力をしょうかーん!したと言うことか」

 

 いや、いってる意味が全くわからん。

 

 なんだよしょうかーん!ってテンションおかしすぎだろ。

 

 つまりは分かりやすく言うと、恋や交流をそっちのけで勉学に励んでいたせいで恋心を忘れてしまったと言うことだ。

 

 今の俺じゃ恋をしててもそれに気がつくことが出来ない。

 

「とりあえず時間も時間だし教室行くか」

 

 あ、そのまま食べながら直行するんですね。分かります。

 

 なんで童明寺に今食うのか聞くと、最近ベタつきすぎてる白井さんを幻滅させて離れさせるのが目的らしい。

 

 なぜそこまで徹底する。

 

 そしてそれをどう思ってるのか聞くと

 

「いつもの事だからなれました。それより美味しく食べてくれてる。と考えると嬉しいな…」

 

 完全に無意味である。

 

「あ、はいこれ。絆成君に」

 

 と、言ってバレンタインチョコをくれた。ちょっとそこは配慮してほしかったな。どうせ義理なんだから。

 

 まぁ、童明寺は童明寺で本命と気がついてるか怪しいけどな。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

放課後

 

 帰るか。

 

 そう思って支度をする。

 

 そして玄関にいくと結羽が待っていた。

 

「優也。一緒に帰ろ?」

 

 少しいつもと違う気がした。

 

 緊張の声色が入ってたような。

 

「あ、あの。優也。これ」

 

 帰り道で突然とチョコを渡してきた。

 

 義理だと分かっちゃいるがありがたく受けとる。

 

「ありがとう」

 

 そうお礼を言って受け取って袋に入れる。

 

 あ、そうだ。忘れるところだった。

 

「結羽。あのさ俺さすごいチョコをもらったんだよ。俺一人じゃ食べきれる自信なくてさ」

 

 そう言って袋を見せる。

 

 すると一瞬結羽の目がジト目になった気がした。

 

「だからさ今から一緒に食べにk 「あ、私用事があるから急ぐね」

 

 そう言って走り去ってしまった。

 

 俺は引き留めようとしたが結羽は止まらなかった。

 

 地味に瞬発力はたけーのな。

 

 結局こうなるのか。

 

「優也のバカ…」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

自室

 

 俺は自室で今日もらったチョコの確認をしていた。

 

 手紙付きの物も何個かあったのでその人たちにはお返しできるけど他は出来なさそうだな。

 

 とりあえず結羽のを食べてみる。

 

 そして噛むと、その瞬間甘さとほんのりと俺の好きなビターな味わいも感じる。

 

 結構甘いが、そこまでしつこくない。

 

 俺の事をどんだけ知ってんだ?まぁ、俺の為に料理を作ってりゃ、嫌でも好みは覚えるわな。

 

 まぁ、とりあえず何が言いたいかって言うと。

 

「美味い」

 

 そしてこのチョコだけ特別甘く感じた。




 はい!第37話終了

 今回はバレンタインの話でした!

 優也とあつしメインでした。

 ほとんど同じ境遇の二人ですが少し違う点もありましたね。

 それでは!

 さようなら

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