こんな僕に彼女は必要なのだろうか?   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ホテルへ集合した優也達

 そこで自由時間にババ抜きをしたり晩飯を食べたりする。

 果たして今日は何が待っているのだろうか?



 それではどうぞ!


第34話 失う悲しみ

side優也

 

 あー。気持ち良かった。

 

 風呂に入って疲れも汗と一緒に流れたような気がする。

 

 それにしても温泉なんて久々過ぎてその広さに驚いてしまった。

 

 童明寺と悠真はさっきまでサウナ耐久勝負をしててグロッキー状況だ。

 

 まだ自由時間はあるな。

 

 何するかね。

 

「な、あ。ゆう、や」

 

 と、かなりのピンチの悠真が話しかけてきた。

 

 やれやれ

 

 と、思って悠真を持ち上げて肩を貸す。

 

「女子部屋行こうぜ」

 

 と、どや顔をしながら言ってきた。

 

 俺はあきれて言葉も出なかったためそれを表現するため俺は肩に関節技をかけた。

 

「ぐわぁぁぁっ!いててて!や、やめてー!」

 

 グキッ

 

「ごふっ」

 

 あ、やり過ぎちまった。

 

 まぁ良い。戻すか

 

 グキッ

 

「がぁっ!」

 

 床の上を転がりながら悶え苦しむ悠真

 

 そんなに元気なら大丈夫だな。

 

「で、何でそんなことを言い出したんだ?」

 

「良く俺のこの状態を見て話を続けようと思ったな」

 

 と、腕をグルグルと回しながら言ってくる。

 

 よし、サウナでのダメージが消えたようで良かった。

 

 最初からこれを狙っていたのだよ。

 

「女子の部屋って男のロマ…優也さん。その…いつでも外せるようにスタンバイするのやめてください。まぁ、お前からは考え付かないような丁寧な仕事ではめてくださったから良いですけど」

 

 まぁ、将来の志望が医師なんだからそれくらいの知識は持っとかないとな。

 

 整形外科か!?

 

「取り合えず言いたいことは分かった。だが、行かないぞ。お話(説教)なんて聞かされなくないからな」

 

 そして腕を離す。

 

「お願いだ!万が一見つかったときに俺一人だけでお話(説教)を聞かされたくないからな」

 

 道連れじゃねーか。

 

 そんなことのために行きたくねーよ。

 

 そんなわけで俺は無視をして椅子に座ろうとする。

 

 しかし、悠真が俺の片腕をガシッと掴んできた。

 

「離せ。俺は行かないと言ったはず」

 

「そうかそうか着いてきてくれるか」

 

 ダメだ。こいつに日本語通じてない。

 

 そして俺の襟を掴んで引っ張っていく。

 

 やめろ。離せ。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 そして俺はなし崩し的に(童明寺も巻き込んで)連れてこられてしまった。

 

 今現在女子フロアの入り口。

 

 やはりと言うかなんと言うか先生が徘徊しているな。

 

 そうだ。

 

 この二人がタイミングを伺うのに夢中になってるうちに逃げてしまえば…

 

 そしてゆっくりと後ずさる。

 

 その瞬間

 

 後ろからガシッと捕まれた。

 

 恐る恐る後ろを見てみるとそこにはどす黒い笑みを浮かべて俺を押さえてる龍輝が居た。

 

 こいつっ!最近やっと本格的に出番を貰えるようになったからって調子にのってんじゃねーぞ!

 

 そして逃げられなくなりました。

 

 いや、こいつはちょっと痛め付けても良いだろう。

 

 そして俺は龍輝の腕を掴んで背負い投げした。

 

 そしたら龍輝は女子フロアまで飛んで行った。

 

 そして先生がやって来て龍輝が女子フロアに居るのを見られてしまい連行されていった。

 

 それを見た二人は青ざめた。

 

「優也…お前のお陰で目が覚めたよ」

 

 と、俺に握手を求めてくる悠真

 

 それを俺は華麗にスルーする。

 

「はいはい。んじゃ部屋に戻るぞ」

 

 龍輝…お前の犠牲は無駄にしない。

 

 そして俺達は回れ右をして部屋に帰る。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 部屋割りは任意で二人部屋だ。

 

 その為、俺は童明寺と一緒になったから四六時中こいつと一緒に居ることになる。

 

 そして「男子二人きり。何もないはずはなく」

 

「勝手に俺の思考を捏造するな」

 

 勝手に思考に入ってこられたが、気にせずに説明を続ける。

 

 部屋は和室だ。

 

 畳の部屋ってなんと言うか日本人の心にマッチしているのか落ち着く。

 

 そして部屋で俺は本を読み始める。

 

 一方童明寺は窓から外を眺めている。

 

 大人しくしてればあいつもイケメンでもっとモテるんだけどな。

 

 まあ、実際にこいつはモテている。白井さんが良い例だ。

 

 だが、告白される度にこいつは断っているらしい。

 

 童明寺曰く「俺は孤高の一匹狼。彼女なんて要らないのさ」らしい。

 

 だけど俺は何かを隠している気がする。

 

 だってその言葉を言うときは決まって一瞬悲しそうな表情になる。

 

 まぁ、俺にとっちゃこいつが付き合おうが付き合うまいがどうだって良い。

 

 だけど今のままだと絶対に白井さんからの告白も断ると思う。

 

 どうにかなんないかね。

 

「なぁ、優也」

 

 と、突然童明寺は話しかけてきた。

 

「なんだ?」

 

 と、問う。

 

 しかし

 

「いや、何でもない。俺もう疲れたから寝るわ。もう少しで消灯時間だし」

 

 と、布団に入る。

 

 ちょっと何言いかけたのか分からないけど、俺も疲れたから寝ようかな。

 

 そして電気を消す。

 

「今日は月光が明るいな」

 

 晴れていたため良く月が出ている。

 

 今日は満月では無いがかなりの明るさだ。

 

 そして俺はふと窓から身を乗り出して空を見上げる。

 

「うわぁ」

 

 と、俺は思わず声をあげてしまった。

 

 そう。俺の視界に映ったものが原因だ。

 

 それは満天の星空だった。

 

 一つ一つがギラギラと強い輝きを持っている。

 

 これは絶対に居真舞では見ることの出来ない景色。

 

 俺は思わず写真を撮ってしまった。

 

「七海がもし目が覚めたらこの景色を見せてやろう。きっとあいつなら喜ぶぞ」

 

 そう言いながら俺は七海が喜んでいる姿を想像する。

 

 すると、自然に涙が溢れてきた。

 

「何で…何で涙が…」

 

 と、袖で涙を拭きながら呟く。

 

「七海…今も必死に戦ってんだよな」

 

 だったら俺がこんな所で泣いている場合じゃない。

 

「七海の分まで今を全力で楽しんで土産話を作るから。絶対に死なないでくれ」

 

 そして俺はもう一度涙を拭いて布団に入る。

 

(優也…もう…俺はもう失いたくないんだよ。妹さんを失ったお前になら分かるだろ。この気持ち)

 

 そして俺は眠りについた。




 はい!第34話終了

 最後のあつしの意味深な言葉。さて、これからどう繋がるのか。

 自分でこの話を書きながら悲しくなってくると言う状況に

 そして次回辺りで宿泊研修は終了です。

 それでは!

 さようなら

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